2005年01月31日(月) |
アブダラと空飛ぶ絨毯 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ |
ハウルの動く城2 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 西村醇子訳 徳間書店 1990(1997)
STORY: 絨毯商人アブダラはある日空飛ぶ絨毯を手に入れる。気づくと自分が思い描いていたような王女の元にいた。二人は駆け落ちをしようと思うが、その直前、王女が魔神(ジン)にさらわれてしまい…。
感想: 『魔法使いハウルと火の悪魔』の続編ということで借りてみた。しかし、この話は続編というよりは姉妹編と言うべきだろうか。ハウルやソフィーが出てこないわけではないが、ほとんど出てこないと言ってもよい。主人公はあくまでもアブダラで、ほぼ3分の2くらいはそんな感じで終わるので、最初からハウルたちが出てくると思っているとかなり拍子抜けすること間違いなし。
話はちょっとアラビアンナイト風のような感じで、前巻のイギリスなどの王宮のようなイメージとは全く違う。だから、この本はこの本であまり続編と思って読まない方がいいのかもしれない。
物語は前巻と同様最後に一気にまとまり、なるほど、そうだったのか…と驚かされる。でも、やはり前巻と同様にすごく複雑なので、きちんと読まないと意味が理解しにくいように思う。また少々強引な感じもしてしまう。
面白くないとは言わないが、前巻だけでやめておいてもよかったかもと思った。
夫とともに映画館に見に行く。新婚旅行先で英語で見てきたので正確に言うと2回目なのであるが、字幕がついていなかったので初めてに近いものもあった。
とはいえ、大体のあらすじはわかっていた。字幕がついていると聞き取れなくなるけど、字幕がないと結構聞き取ろうとがんばったり映像を見てわかろうとするのか、どうして大体の意味がわかったのだろうと不思議な気持ちになる。でも、やっぱり細かいところは全然わかっていなかったということがわかったというのが正直なところだった。
ということで、内容は知っていたわけだけれど、細かいところがわかっていなかった分、それがわかって新鮮な感動があった。だから、ちょっと普通に見た人とは違ってしまっているかもしれない。
トム・ハンクスの話すクラコウジアの言葉は、日本で言えばタモリがいんちき外国語の物まねをするのにちょっと似ていると思うのだけれど、ちょっとロシアとかのあたりの言葉にすごく似ていて、やっぱりうまいなーと思ってしまう。
それから、キャサリン・ゼタ・ジョーンズの行動についても、英語で見たときにはいまいちわかっていなかったのだが、こういうことだったのかというのがよくわかった。最後のシーンの彼女の目がすごくキュートでかわいいなーと思ってしまった。
「人生は待つこと」というのがキャッチコピーだったが、この映画は待つ人ばかりが登場する。主人公のビクターも空港で待ち続けるけれど、不倫の恋人を待ち続けるアメリア、空港のボスの座を待ち続けるフランク、トーレスに振り向いてもらうのを待っているエンリケ…。
自分に当てはめると待つことが嫌いなのでこういうことはできなそうにないなーと思った。自分がビクターなら多分途中で逃げ出すか、提案をすぐに受け入れていただろう。ビクターの誠実な人柄が他の人々を動かしていき、空港中の人たちを魅了していくところがとても楽しい。
コメディタッチの映画で、それでいながらちょっと感動もあるという感じの映画になっている。ただし、ちょっとあっけないようなところもあるので、物足りない人には物足りないかも。
2005年01月27日(木) |
小林サッカー(テレビ) |
先日テレビで録画しておいたのをやっと見ることができた。
確かに結構面白くて好きといえば好きなのであるが、中国人が人をいじめる様というのも結構激しいなーと思う。(アメリカ、イギリスなども同様…)
よく考えるとカンフー物というのは、昔からストーリーは同じのような気がしてきた。つまり、悪対弱者とでも言おうか…。勧善懲悪ものと言おうか。とにかく結局は復讐劇のようなもの。ジャッキー・チェンの昔のカンフー物の時代からそういう流れがあるのかもしれない。
この話ではちょっとした恋愛みたいなものも絡んでいて面白い。最後の活躍もなかなか面白かった。ただ、『カンフー・ハッスル』じゃないけど、本当に「ありえねー!!」って感じが漂っていたけど…。 中国人はやはり日本人に似ている。テレビで日本語吹き替え版だったから余計に思ったのだけれど、この人は日本人なら〜に似ている…とか思わず考えてしまった。これを中国語版で見たらまたイメージが変わるのかもしれない。
それと、多分カットされていたのだろうけれど、話が突然飛んだりするのがちょっと??と思うところがあった。
2005年01月26日(水) |
こころの耳 早瀬久美 |
早瀬久美 講談社 2004
生まれつき聴覚障害を持つ筆者が薬剤師の免状をもらうために努力した日々を綴る自伝。
この本は先日「徹子の部屋」に筆者が出ていて、黒柳さんが紹介していたために、読んでみたいと思って借りたもの。
聴覚障害や視覚障害を持つものにどうしてもなれない職業があった。それは欠格条項という昔ながらの法律があったからである。筆者は母が薬剤師をしていたことから、自分も薬剤師を目指すが、欠格条項があったために、国家試験に合格したものの資格を取ることができなかったのである。
それを動かしたのが署名運動など聴覚障害者の集まりの運動だった。昔あった欠格条項などは、現在ではかなりが廃止される方向に進んでいる。
読んでいて思ったのは、やはり時代とともに福祉は進んでいるということである。昔より絶対的に障害者が暮らしやすい世の中にはなってきているのであろう。多分当事者から見ればまだまだだと思うだろうけれど。
それから、こうした障害者の団体の活動が活発であるというのに驚いた。中学や高校生のときから集まりがあって、活動をしている人がいる。言ってみれば生徒会の人たちが全国から集まって…というようなノリのような気もするのだが、ここにはいまだに真面目な議論が残っている。もちろん一般の学生の中にもこうした固い活動に関わっている者もいまだにいるとは思うけれど、最近一般的に報道されているような、将来を危惧してしまうような学生たちが主流のような印象が強い。
また聴覚障害者が様々な職業についているということにもちょっと驚いた。今後もますますその傾向は強くなっていくだろう。
筆者の夫は聴覚障害者の子供たちのためのフリースクールを開いている。筆者もまたそれをボランティアとして支えているという。今後もこういう活動を是非続けていってほしいと思った。
2005年01月21日(金) |
2004年 本のベスト・テン |
毎年恒例、独断と偏見の強いと思われる本のベスト・テン。
2004年の総読書数は79冊。そのうち本が46冊。月平均だと本が3.8冊だった。2004年は私にとっても節目となる年だった。というのは、結婚をしたからである。2月の末までは派遣社員として働きもした。その後、結婚式までは結婚の準備で忙しく、結婚後ももう一度引っ越したりと身辺が落ち着かなかった。
とはいえ、これだけの本を読めたのは良かったと思う。実家のそばの図書館は今も利用しているが、新しく引っ越した先の図書館も最近ではよく使っている。しかし、こちらの図書館はちょっと遅れているので、ネットでの予約などもできない。予約するときは昔ながらの紙に書いて図書館で提出する方式だ。そのかわり予約すると他の図書館に比べると早い時期に予約本が入るのでどちらがいいのかわからないなーと思う。
では、2004年のベスト・テン。
1:博士の愛した数式 小川洋子 7月 2:ハルモニア 篠田節子 10月 3:ブルーもしくはブルー 山本文緒 6月 4:ブラフマンの埋葬 小川洋子 11月 5:キャノン姉妹の一年 ドロシー・ギルマン 11月 6:クライマーズ・ハイ 横山秀夫 4月 7:イリュージョン(上)(下) ノーラ・ロバーツ 2月 8:転生 貫井徳郎 2月 9:魔法使いハウルと火の悪魔 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 12月 10:ダーリンは外国人シリーズ 小栗左多里 10・11月
以上。
1位の『博士の愛した数式』は記憶の障害を持つ博士と家政婦とその息子の愛の交流を描いた作品で、かなりの話題作だった。なんというか、何がいいと一言では言い表せないのだが、ほのぼのとした雰囲気というか、何もかもがいい感じに感じられる心温まる作品に仕上がっていた。
2位の『ハルモニア』は篠田節子のチェロをモチーフとした作品。他にも篠田節子には音楽を扱った作品もあるが、この作品では障害のある天才少女にチェロを教えていくという教師の苦しみとか、障害者の教育などに関しても深く描かれていて、先がどうなるのかすごく楽しみであった。どうもドラマ化もされていたらしい。
3位の『ブルーもしくはブルー』は元々はNHKの夜ドラで非常に面白かったので原作を…と思って借りた。原作もテレビと違わずかなりの面白さだった。自分のドッペルゲンガーとの対峙という面白い題材をうまく使ったと思う。
4位の『ブラフマンの埋葬』は1位の『博士の愛した数式』と同じく小川洋子の作品。小川洋子は『博士の〜』が非常によかったため、他の作品も読もうかと思った。こちらは主人公が飼い始めたある動物の飼育日記の形を取りながら、日常などを見つめた作品で、やはり何がどうとは言いがたいのだが、胸にくるような作品であった。
5位の『キャノン姉妹の一年』は『おばちゃまシリーズ』で有名なドロシー・ギルマンの作品。この人の作品はどれもこれも元気を与えたり、考えさせられたりするものが多い。この作品は両親を亡くし、別々のおばに引き取られていた二人の姉妹が、おじの遺産の田舎の家をもらったことから、二人だけで自立して生活していこうとする姿を描いた作品である。人生の前半で挫折を味わっても、自分たちで自分たちの生活を作り上げていくことができるのだということが力強く描かれていて、元気になれるような気がする。
6位の『クライマーズ・ハイ』は日航機墜落事件を追いかけ続けた記者の話である。男の世界の大変さ、記者としての取材とは、新聞とは何かということを考えさせられる重厚感のある作品だった。
7位の『イリュージョン』はマジックの世界、泥棒の世界とロマンス小説を掛け合わせたもので、ついつい引き込まれてしまう作品だった。
8位の『転生』は心臓移植をテーマにした作品。私は自分探しというテーマは案外好きなので、この作品も面白く読んだ。
9位の『魔法使いハウルと火の悪魔』は映画『ハウルの動く城』の原作本ということから読もうと思った。映画よりも複雑で面白かった。
10位の『ダーリンは外国人』シリーズは、外国人と結婚した妻が、二人の日常を面白く漫画化した作品である。夫のトニーの人柄が面白いのと異文化コミュニケーションという題材に引き込まれた。でも、これは結婚すれば相手が外国人でなくてもある程度の異文化コミュニケーションはあるものだなーと思っている。
ちなみにこれまでベスト・テンに入っていた大物シリーズ作品の『検屍官シリーズ』の最新刊だった『黒蠅』や『ハリー・ポッターシリーズ』の最新刊『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』はベスト・テンに入らなかった。これは続きを楽しみにしていたファンの私にとってもちょっと意外なことだった。
漫画では浦沢直樹の『MONSTER』が考えさせられる話だった。これも重たい作品だった。
ベスト・テンには入らなかったが、印象に残った作品は下記の通り。 『OUT(上)(下)』 桐野夏生 1月 『私のかけらを、見つけて』 ジョイ・フィールディング 1月 『D-ブリッジ・テープ』 沙藤一樹 1月 『世界の中心で、愛をさけぶ』 片山恭一 7月 『ワイルド・フォレスト』 サンドラ・ブラウン 7月 『グッドラック』 アレックス・ロビラ/フェルナンド・トリアス・デ・ベス 11月 『ぶたぶた日記』 矢崎在美 11月
2005年01月19日(水) |
僕、はまじ 浜崎憲孝 |
浜崎憲孝 彩図社 2002
さくらももこの漫画『ちびまる子ちゃん』に出てくるはまじこと、浜崎さんが書いたエッセイ。
この本、出版されたということは知っていたが、特に興味はなかったのだ。ただたまたま図書館に行って、「徹子の部屋」で紹介されていた聴覚障害者の方の本を探していたら、同じ伝記のコーナーにひっそりと置かれているのに気づいたのだ。そこでついつい借りてきた。
私は『ちびまる子ちゃん』は全部漫画は読んだのだが(最近また出ているらしいけど、そちらは読んでない)特にファンでもないと思う。でも、さくらももこの文章はなんだかんだいって読書の骨休め、頭をぽわーんとさせる、軽く読めるという点では結構好きだ。はまじがどういうキャラなのかもあんまりよくわかってないのだが、とりあえず読んでみた。
かなり平易な文章ですぐに読めるし、気楽に読める。それと多分『ちびまる子ちゃん』が大好きな人には、楽しめるんじゃなかろうか。中でも戸川先生の話はびっくりだ。こんな先生、昔からいたかもしれないなーと思う。そして、今ならこの人は教育委員会に訴えられて…なんて思うのだが…。
それからはまじの人生もすごいかも。私とさくらももこでは世代的にさくらももこの方が上だと思うのだが、当時は登校拒否というのはあまりいなかったはずで、そういうのをできたという勇気がすごいなーと思ったりした。
でも、本人も書いているように逃げ回っているようないい加減な人生を送ってきたというのは確かで、どうしてそこでもっとがんばらないかなーというのは、読んでいて結構思うかもしれない。
まあ、なんにしろ、昔の生活とかが懐かしく思えるような部分もあるし、面白い話が多いので、頭を休めるのに読むのにはかなりよいと思う。
夫とともにホームシアターにて鑑賞。
アメリカ大統領のそっくりさんが大統領の代役を務めることになる。1回で終わりのはずだったが、大統領が植物状態になってしまい、そのまま代役を続けることになって…というコメディタッチの映画である。
この映画、とっても面白かった。アメリカの政治を風刺したようなコメディとはいっても、そこまで難しいものではなくて、普通の人が見ても楽しめる範囲。
大統領役はケヴィン・クライン。この人は一人二役をやっているわけだけれど、ものすごく上手。冷え切った仲のファースト・レディにシガニー・ウィーバー。結構ごっついイメージなんだけど、普通の格好をしたときの彼女はかわいいかもと思った。
周りの役者で印象に残ったのは、大統領のボディガード役の黒人の人。この人に「僕のために死ねるか?」と最初に聞くのだけれど、ボディガードは何も言わない。でも、最後には…。
それから、親友役の人。この人は人がいいので、元々派遣会社をやっている主人公にいいように頼りにされていたのだが、大統領になってからも呼びつけられて経理の腕を発揮していた。こうした個人的なアイデアの方が政治家たちのアイデアよりも高い評価を得ることがあるというのが、ちょっと皮肉られていておかしい。
なんといっても、デーヴの人柄の良さが周りの人を変えていくのがいいと思う。本当に最後にはすがすがしい気分になって見終わることができる。アメリカはアメリカン・ドリームの国だとよく言われる。誰でもが大統領になれる可能性があると。でも、実際に大統領になったときに何をするかは、その人の人柄や手腕にかかっているのだろう。
それから、この作品は有名な記者や俳優たちがそれぞれ本人役で登場している。私の好きなシュワちゃんも出てきてびっくりした。多分アメリカでコメディーショウとか、テレビのニュースとか政治討論番組を見ている人なら、さらに楽しめるんではなかろうか。
この作品、日本ではあまりヒットしなかったらしいんだけど、すごく面白いので、お勧めかも…。
カミュ 窪田啓作訳 新潮文庫 (1942)1954
STORY: あることがきっかけで殺人を犯してしまった男。裁判にかけられることになったが、不利な状況から死刑を宣告されてしまい…。
感想(ネタバレあり): お正月の深夜に、読書が好きでない芸能人に名作を勧めるというような番組があった。映像でストーリーの断片を見せるという趣向で思わず見てしまったのだが、その中で紹介されていた1冊がこれである。
私は読書が趣味であることは間違いないのだが、いわゆる名作と呼ばれるものはあまり読んだことがなかったりする。この作品は不条理文学の1つということで、名作の1冊なのだそうだ。何よりその映像ドラマのすばらしさに、思わず興味を持ち、読みたいと思ってしまった。幸い夫が持っていたので、それを借りて読むことにした。
とても短い本なのであるが、内容的に最初の方はすごく苦痛で、とても眠くなってしまい、短い割に進むのが非常に遅かった。第2部からは裁判の展開になってくるので、多少リズムが出てくるかと思う。
私はこういう作品はやはりあまり好きではなかった。というのは、主人公のムルソーの気持ちに入り込めないというか、感情がいまいち感じられない、毎日を単調に自分の欲望(とはいえ、普通の生理的な欲求くらいなもの)に忠実に生きているだけなので、感情移入のしようがないからだ。異常に客観的に毎日が綴られている文体で、一文一文は非常に短い。読みやすいかと思えば、そうでもなくて、感情移入ができないだけに、つらいものがあった。
しかし、確かにムルソーに感情移入したり、彼の心情を思い切り理解はできないのだが、状況証拠だけで裁判が進み、死刑へと流されていく様子は、不条理に溢れているし、何とかしてやりたい気持ちになった。
この作品を読んで思ったのは、自分の気持ちを表現するのがうまくて、また心から悔いていなくてもその様子を演じることができるものの方が、大衆の心をつかみ、陪審員の心象もよくなるだろうということで、それで罪が軽くなるか重くなるかの違いがあるとしたら、法律の制度というものはどうなのだろうということだ。
日本にも陪審員制度が今後取り入れられるらしいが、この陪審員の制度というのは、まさに被告がどれだけ演技できるか、弁護士がどれだけ弁護できるかが重要になり、こうした不条理な判決が増えはしないかとちょっと思ってしまった。
この作品の唯一の救いは、彼の友達たちが彼を弁護しようとしたこと。でも、それに対して大衆が全く耳を傾けないのもひどいことだ。結局世の中の人というのは、常識とか評判とか見かけとか…そういうものに流されて、正常な判断ができないことがありうるということであろう。
短い作品の中で色々なことを考えさせることができるというのは、すばらしいことなのだと思う。最近の作品では作品を通して何かを考えるというのはあまりないし、こういう作品のように自分の感じ方によってどのようにでも取れたり、あとあとほかの人とこれはどういうことかということが論じられる作品というのがすごく減っているように思う。
とはいえ、まさに私もこうした固そうな名作には拒否反応を起こしてしまう一人なので、人のことは言えないのであるが。
2005年01月11日(火) |
25年目のキス(DVD) |
3連休の最後に夫とともに見ることに。
高校時代にいけてなかったジョジーが覆面新聞記者として高校生に変装し、高校内に潜入…というお話。このジョジー、ちょっと太めで勉強好きで、高校時代はいじめられ続け、よい記憶が一つもないというような女の子であった。彼氏いない歴25年。自分が本当に愛する一生添い遂げられる人とキスをしたいと言い張る、ちょっとロマンティスト(?)なところのある女性に成長。仕事でのチャンスを生かすために高校生に変装し大暴れ…。
お話的にはハッピーエンドだし、軽いノリで見られる映画だと思う。けど、中に出てくるアメリカ人のいじめというのは、結構厳しいものがある。どの映画を見てもそうだけど、アメリカ人の高校のノリってすごいし、ちょっと人気があると思うとやりたい放題やっていて、人に何かをかけたりとかしてその様子を笑ったりするっていうのが、すごいわからないかも。一番かわいそうなのは素敵な(?)ドレスに生卵を投げるとか…。そしてそれを見て笑い転げる。まあ、日本人でもこういうことをやる人がいないとは言わないけれど、どっちにしろ、人がやられる姿を見て笑うっていうのが私にはよくわからないし、そういうことはしたくもないなあと思う。
この映画は良くも悪くもアメリカ的な映画だなーという感じかな。でも、ハッピーエンドなので悪くはないと思う。
2005年01月10日(月) |
負け犬の遠吠え(ドラマ) |
あの話題作がドラマ化ということで、案外楽しみにしていた。キャストもかなりゴージャスな感じで、軽く見るには楽しめたような気もする。
結局負け犬とか勝ち犬とかはただの呼び名であって、勝ち負けはないというようなことを伝えるドラマの仕上がりになっていた。つまり、負け犬は負け犬なりに、勝ち犬は勝ち犬なりに楽しいこともあればつらいこともあるのだ…というのがわかりやすく描かれていた。
私はとりあえず勝ち犬側に入ってしまったわけだが、鈴木杏樹の勝ち犬主婦の姿を見て一番に思ったことは、やはり専業主婦だとしても何か自分の世界を持たなくてはダメだということ。もちろん子供や夫のために尽くす生き方も大切だとは思うが、それだけでなく、ほかの人の立ち入れない自分だけの世界が必要だということ。そうすれば、もし子供が巣立っても、夫が仕事で帰ってこなくても、とりあえずは気持ちを発散できると思う。誰も帰ってこない家で一人でボーっとしていることくらいつらいことってないような気がする。
ということで、自分は趣味をあきらめない方がいいかもなーと、さらに思ったドラマであった。
★原作は負け犬の遠吠え →その感想ページ
2005年01月09日(日) |
ハムナプトラ 失われた砂漠の都(テレビ) |
かねてより面白そうだと思っていた『ハムナプトラ』の第1作目をテレビで見ることにする。
予告編を見たときにちょっと嫌な予感がした。なんだか気持ち悪い虫の大群が…。夫は虫嫌い。この映画を見たときにぞくぞくしたとかいう話をするので、やめようかとも思ったが、せっかくなので見ることにした。
『インディー・ジョーンズ』のシリーズに似ているのかと思ったら、そうでもなく、案外映像もちゃちな感じだし、ちょっと抜けてるようなところもあってどうなんだろうと思った。が、夫曰く、この映画はそういうB級な感じが売りなんだそうで。昔の特撮技術がまだなかった頃のような感じを楽しむのがポイントなんだって。
エジプトは私も嫌いではなく、漫画では『王家の紋章』を集めているほど。夫もツタンカーメンの呪いみたいな本が好きらしい。私は昔子供の頃にそういう呪いの本を読んでめちゃくちゃ怖かった覚えがあり、それ以来こういう呪いには近寄りたくないと思っている。この映画はそういう呪いがふんだんに散りばめられていてちょっとやっぱり怖いものがあった。それとすごい気持ち悪いシーン(特に虫嫌いの人には)があり、嫌いな人は覚悟をしたほうがいいかも。とはいえ、結局一番まずい恐ろしいシーンは映像には映さないという配慮はあるので、そこまで恐れることはないんだけれど。
ちなみにこの作品の続編の内容を夫に聞いて、ちょっと見てみたいと思った。
★続編は『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』
2005年01月08日(土) |
ももこの21世紀日記N'03 さくらももこ |
さくらももこ 幻冬舎 2004
さくらももこの21世紀日記のシリーズ3巻目。
読んだのがずっと昔なので内容をあまり覚えていない。相変わらずすぐに読めてしまう本である。
最近あまりさくらももこの本を読んでいなかったから忘れてしまったけれど、息子さん(=さくらめろん)に自分がさくらももこであることを隠していたが、ついにばれていたようだ。それから、うんのさしみさんと結婚したことが書かれていた。そういえばそんなニュースを聞いたような覚えがある。
この本はさくらももこの携帯サイトに掲載された文章をまとめたもののようで、ものすごく短い文章が多く、また自分の本の宣伝や近況が多いので、これを1冊読むとさくらももこのその年の様子がよくわかるかもしれない。でも、一番手っ取り早いのは携帯サイトを毎回チェックすることなのかも…。
★シリーズ第2巻はももこの21世紀日記〈N’02〉 →その感想ページ ★シリーズ第1巻はももこの21世紀日記 (N’01) →その感想ページ
西村知美 文 西尾拓美 絵 アスコム 2004
西村知美は不妊治療の末、一度は子供をあきらめ、24時間テレビのチャリティーマラソンで100キロを走った。そして、その後、自然に妊娠し出産をし、現在は一児の母をしながらテレビにも出演している。そのような内容を綴った本である。
私は『天然出産』というタイトルからして、妊娠し、出産する様子を描いたものかと思っていたら、そういう具体的な内容はほとんど出てこなかった。
シェフをしている夫、西尾拓美さんの絵と文章がほんわかした印象をさらに強めている。知美さんの文章は読みやすく、あっという間に読めてしまう。
不妊治療に対しても夫婦二人いればそれぞれ思うところも違うし、けんかになったり、気まずくなったり、一歩間違えれば離婚ということもありうるのだと思った。こういった話について結婚前から普通に話し合っているカップルってあまりいないと思うのだけれど、ずれていると結構悲惨なことになるのかもしれない。
それから、妊娠したあとで浮かれた様子を見た人々からのバッシングがあったという内容を見てちょっとびっくりした。どこにもこうして人を叩く人はいるのだなーと思う。ただ、いくら自分が子供に恵まれずつらいからといって、人がおめでたい気持ちになって浮かれているのを叩くのってやっぱりよくないと思う。おめでたいことはおめでたいのだし、それは他の国の人が戦争をしていようが、地震や災害で大変なことになっていようが、仕方のないことだと思う。人の気持ちを思いやってとはいっても、この世の中すべての人の気持ちを思いやっていては何をすることもできない。逆にそういうことをする人がおめでたいときにこちらがどん底にあったとしたら、その人は自分がおめでたい気持ちを抑えることができるのだろうか?
本当はタイトル通りに妊娠出産についての具体的な様子をもう少し読みたかったかなとは思ったけれど、これはこれとしてすぐに読めるし楽しめるのでよいのかもしれない。
2005年01月04日(火) |
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上)(下) J.K.ローリング |
J.K.ローリング 松岡佑子訳 静山社 (2003)2004
STORY: 15歳になるハリーはまたもやおじ夫婦の家で何も知らされないまま夏休みを過ごしていた。いとこのダドリーを助けるために魔法を使ったハリーは魔法省から法廷に立つように言われるが…。
感想: 『ハリー・ポッターシリーズ』第5作目。1巻目に比べると毎年のようにどんどん分厚くなっているが、今回は前巻にも増して分厚くなり、読むのも大変な分量であった。何より毎回思うのは持ち運ぶのが重すぎるということ。子供向け作品ならもう少し考えろといつも思うのだが…。足に落としたとしても大ダメージではないか。
作品については、毎回図書館で借りるために前巻までの内容をかなり忘れてしまっているのが厳しいところだ。特に前巻あたりから内容が複雑になり、登場人物も増えてきているのでなおさらそれを感じる。やはり本来はこの本は図書館で借りる本ではなく、自分で買って何度も繰り返し読むほうがよいのではないかと思う。
1巻のあたりでは「ふくろう通信」だったか…そんなような名前の新聞がついていて、ハリー・ポッターの世界や魔法のことなどを解説してあったが、この巻ではそういうものが一切なかった。(図書館で借りたからかもしれないが) 本当に本を売りたいと思うなら、もう少し親切に人物の関連図とか、登場人物の解説、前巻までのあらすじなどを絶対に載せたほうがいいような気がするのだが。
さて、5巻ではついにハリーも15歳。思春期の真っ只中で反抗期でもある。今までもかんしゃくもちなところはあったわけであるが、この巻ではさらにそれがひどくなっている。父親の遺伝ということも考えられるかのような描写だったが。私としてはハリーはもう少し思慮深く考えて行動してほしいような気もするし、段々ハリーに感情移入ができなくなってきている。
本の宣伝の広告では「泣けた」とかいうのが多くあったが、私はその該当部分もあっけない描写で終わったためもあったのか、全く泣けなかったし、その後のハリーの心情にもあまり同情的にもなれなかった。やはり1巻あたりのまだ小さい頃のハリーに対して思った感情とは全く異なってしまっている。自分の心境の変化なのか、それとも年月とともに作者が変わったのか…どちらなのであろうか。
それからやはり内容がどんどん厳しくなってきている。これは子供が読んで面白い話ではすでになくなってきているように思うのだ。陰謀というか、どろどろした内容であるし、どんどんハリーたちが追い詰められていっている。だから何だか暗くてこの先のことを考えるとますます気がめいってきてしまう。
この5巻は売り上げ自体も落ちてきているような噂も聞いたが、そろそろ挫折する人も多くなりそうな予感がする。せいぜい6巻は買い取り式じゃないようにしないと、本当につぶれる書店が出るかもしれない。とはいえ、ここまで読んだので絶対に7巻まで読もうとは思う私ではある。
この巻で活躍したのはネビルかもしれない。今まで劣等性だった彼はほとんどいじめられキャラであったが、芯が強いのだということが改めてわかる。もしかしたらこれから飛躍的に伸びるのかもしれない。
それから15歳にO.W.L(ふくろう)という試験がある。これは日本で言えば高校受験みたいなものに当たるかと思う。やはりどこの国にもこのあたりの年代でこういう試験のプレッシャーなどを体験するのだなーとその辺はちょっと面白かった。
それからウィーズリー家の双子のフレッドとジョージ。彼らの行く末も気になるし、優等生だったパーシーの反抗についても、今後どうなっていくのかが気になる。この点に関してはお母さんのショックについてすごくよくわかるような気がした。
次巻以降、ますます人が死にそうな予感がするこのシリーズ。できたらもうあまり人の死は望まないのだけれど、そうもいかないのだろうなあ…。
★前作第4巻は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 →その感想ページ →その感想ページ ★第3巻は『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 →その感想ページ ★第2巻は『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 →その感想ページ ★第1巻は『ハリー・ポッターと賢者の石』 →その感想ページ
2005年01月02日(日) |
チャーリーズ・エンジェル フルスロットル(DVD) |
この間第1作目の『チャーリーズ・エンジェル』を見たので、今回はその続編を夫とともにDVDで鑑賞。
ボスレー役の人が多忙につき別の人に変わった。前の人の方がよかったなー。
ストーリー的には前作よりわかりやすいと言えばわかりやすいのだけれど、かなりありえない展開とも言える。でも、相変わらずスタイルのよい3人組がアクションを繰り広げるのはかなりおばかで楽しい感じ。あまり頭を使わないで見るという分には楽しめる作品であることは間違いない。
続編ももしかしてできるのだろうか? だとしたら、またボスレーが違う人だったりして??
それと、前にルーシー・リューのスタントをやっていた日本人の人がまたスタントをしているのかと思って思わずクレジットをもう一度見直したのだけれど、発見できなかった。やめちゃったのかな。
★前作は『チャーリーズ・エンジェル』 →その感想ページ
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