感想メモ

2004年10月31日(日) みんなのいえ (テレビ)


 三谷幸喜の『みんなのいえ』をテレビでやっていたので見てみた。途中で邪魔が入って一番いいシーンを見逃してしまったような・・・。あと、多分テレビだったから完全バージョンではなかったような気もする。

 家作りにまつわる色々を見られるし、意見の違いから対立する様子とか、それに振り回される家主、特に妻の両親には夫が、夫の両親には妻がそれぞれ強く出られない様子などもなかなか面白かった。

 やっぱり唐沢寿明がうまかったかな。田中邦衛はなんかやっぱり『北の国から』って感じが抜けないような気もするけど・・・。二人の対立がすごく面白かった。ココリコの人も面白かったし。

 またいつか完全バージョンを見てみたいかなーと思う。



2004年10月29日(金) ハルモニア  篠田節子


篠田節子 文春文庫 2001 

STORY:
脳に障害があり施設で暮らす由希。音楽の特殊な能力があることを見抜かれ福祉施設を訪れていたチェリスト東野が由希にチェロを教えることになる。由希はみるみるうちに上達するが、そのたびに不可解なことが起こる。人の真似しかできない由希に自分の音楽をつかませようと東野は奔走するが・・・。

感想:
 久しぶりに面白い篠田節子の作品だった。先日読んだ『カノン』はどろどろとしていてあまり面白くなかったのだが、こちらの方が純粋にのめりこむことができた。

 障害がありながらも音楽に類まれなる才能を見出す由希。見よう見まねでチェロを始めるが、絶対音感はもとより、すばらしい音楽的才能があるために、師匠よりも技術的にはすぐに秀でてしまう。師は自分の弟子よりも演奏能力が劣ることを毎回のように感じさせられる。だが、弟子には欠けている部分があり、その欠けている部分を補おうと師はあらゆることを試そうとする。才能とか努力とか、本当にどうしようもならない部分がある芸術というものに、どうして人はこうも振り回されるのか。好きで努力もしたからといって報われる世界ではない。そこに嫉妬や羨望が生まれる。師である東野の気持ちが痛いまでに伝わってきてすごく説得力があった。

 演奏家として生きていけるかもしれないチャンスがめぐってきても、チェロの弦が切れたことにより、一番クライマックスの重要なシーンで舞台を去らねばならなくなった悲しさ・・・。自分の見果てぬ夢を弟子に託したいと思いつつ、その欠陥を認識しほっとしたり、それでもやはり自分が果たせなかった音を追い求めてしまう姿は、芸術に魅せられた人にならよくわかる心情なのかもしれない。

 自分もバイオリンを習っていたので弦楽器というテーマがあるとついつい手に取りたくなってしまう。篠田節子はチェロに関する作品があるが、自身が楽器をやっていたのだろうか? その描かれている音楽の世界はどれも非常に詳しく、またすごく説得力がある。きっとチェロかはわからないが、クラシックの世界にいたことがあるのではないかと想像するのだが・・・。

★他に読んだ篠田節子さんの本
カノンその感想ページ
百年の恋その感想ページ
贋作師その感想ページ



2004年10月28日(木) たったひとつのたからもの


日テレ・秋のドラマスペシャル、文化庁芸術祭参加作品

 本当にあった話を元にドラマ化した作品。ダウン症で心臓と肺に重度の障害を持った秋雪を授かった夫婦が、6年余りの時間を秋雪とともに過ごしていく姿を描く。

 あの松田聖子が10年ぶりにドラマ出演ということと、実際にあった話、ダウン症で感動物ということで、特集記事なども多かったこともあったのか、視聴率が30%を超えたらしい。うちも夫婦二人で見ることにした。夫は以前から松田聖子のファンだったからちょうどよいということで。

 確かに感動シーンもあったものの、私はそこまで激しく泣けるシーンはなかった。しかし、夫は一人で3,4回ほど涙していた・・・。びっくりして「泣いてるの?」と聞いてしまったほど。なんかとてもおかしくなった。

 それはさておき、こうした感想を書く前に普通は他の人の感想を読まないのだが、たまたまいつも愛読している方の日記にこのドラマについて書かれていた。その方に寄れば、やはりこのドラマはかなりきれいすぎるらしい。一番大切な排泄のしつけのシーンや泣き叫んで困るようなシーンもなく・・・ということらしい。確かに多分一番大変なのはそこだと思う。ただこの作品がきれいごとばかりという印象を私は持たなかった。

 私がちょっとぐっと来たシーンは、重病の女の子がお母さんに「自分を食べて健康な子供を生んで」と言ってお母さんが「ごめんね」と泣いて謝ったという話を松田聖子にするシーン。親というのは子供が五体満足で生まれてきてほしいと一番に願い、それがかなわなかったときに絶対に自分自身を責めるのだと思う。それが痛いほどにわかって苦しいだろうなという気持ちになった。

 聖子が自殺をしようとするシーンについては、私はなぜそういう発想に突然至ったのかがよくわからなかった。「お母さん、もう疲れた」みたいなことを言っていたが、疲れたようなシーンがなかったからだ。このシーンの前には医者に「秋雪が余命1年と言われながらこれだけ生きているのは奇跡に近いし、10年は生きないだろう」と言われるというシーンがあり、それに対してすごくショックを受けたということも一因となったようだ。でも、この件に関して私が一番まずいのではと思ったのは、周りの無責任な言葉である。聖子をダウン症の子供たちの集まりに巻き込んだ女性の言葉だ。自分の子供は重度の障害がなかったからだと思うが、長生きして仕事をするまでに至っている。そこへ連れて行って、「今は医学が進歩しているからダウン症の子も長生きするし、聖子の子供も大丈夫」と安請け合いをする。人それぞれ状態は違うのであるから、そこでそのような希望を持たせることを言うのは、かえって残酷なことではないのか? その言葉があったから聖子は医者に「もっと生きるのではないか?」という希望の言葉を述べ、それをあっさり否定されてしまったのだ。あまり内情を詳しくわからないのに、変に希望的観測で物事を言ってはならないのかなと思った。もちろんそれが善意からでも。

 ダウン症の子供が生まれる確率は、出産年齢が上がれば上がるほど高くなる。またこのまま行くと西暦3000年には日本の人口は27人くらいになるらしい。その二つの話をたまたま聞いて思ったのは、やはり子供は早く生んだ方がいいのだろうなということだ。私は自分自身がすでに30を過ぎているのでやはり早く生んだ方がいいのだろうかとちょっと思ってしまったのだった。(できるかどうかもよくわからないけど) 今は医学が進歩しているから30代後半や40代で初産でも大丈夫という話もあるが、やはりどんなに医学が発達したとしても超えられない壁はある。不妊症の治療も難しいし、ダウン症の治療法はないのだから・・・。

★原作本は『たったひとつのたからもの



2004年10月26日(火) 最近読んだ本

引っ越しして忙しかった間に読んだ本についてちょっとまとめておきます。


イギリス人はおかしい』 高尾慶子 文春文庫 2001
 リドリー・スコット監督家の家政婦を務めていた著者がイギリスについて思うところを書いた本。昔イギリスに短期でホームステイしたことがある私なら面白いのでは?と夫が貸してくれた。時代が著者がイギリスに行ったころのことから、最近のことまで幅広く、また私が短期でホームステイして感じたものと同じ風に思うところもあれば、やはり生活を何年かするのとそうでないのとでは違うのかなとも思う側面もあった。


ダーリンは外国人』 小栗左多里 メディアファクトリー 2002
 前に2の方を先に読んでしまったが、ようやく1の方も読むことができた。トニーの系譜(?)みたいなのがわかったり、やはり最初にこっちから読んでおくべきだったと思った。


ゴーマニズム宣言 EXTRA1』 小林よしのり 幻冬舎 2004
 日本の食生活を考える内容のものと、『世界の中心で、愛をさけぶ』に関する内容のものが読みたくて借りてきた。
 食生活を考える件については、アメリカ産の牛肉などに対しても恐ろしさを感じた。今は入ってきていないけれど、これで全頭検査をしなくても輸入が可となったら、恐ろしい気がするし、買わないほうがいいかと思う。本当は国産がいいのだろうが、高いので最近は豪州産にどうしても目がいってしまう。また、中国産などの野菜類も危ないと思った。元々農薬がすごそうで外国産の野菜は極力買わないようにしているが・・・。あとうなぎはホルモン剤で大きくするそうで日本のものとは別物だとか。先日あまりの安さに中国産うなぎを食べて、ゴムのような食感にこれはうなぎではないと思ったし、安くても食べ続けたら危険では?と感じていただけにうなずける内容であった。
 ほかに鯨問題であるが、これは『美味しんぼ』でも書かれていたことがあるのだが、生態系のバランスが崩れかかっている今、捕鯨問題はもう一度見直されるべきだと思う。哺乳類だから頭がよい、すなわち食べるのはかわいそうということらしいのだが、それもよくわからない論理だと思う。
 関係ないが、小林よしのり氏の秘書が変わったらしいことに驚いた。そして多忙さにも驚く。その思想のすべてに納得でき共感できるわけではないけれど、これからも自分の意見をバンバン書いてほしいものだ。ちなみに普段の私は全然固いことは考えていないので、たまにこういうのを読むと頭がパンクしそうになる・・・。



2004年10月20日(水) 最近見たドラマ

 引っ越しだのなんだので更新が滞っていました。
 最近見たドラマについてとりあえず感想を書いておきます。


天花
NHKの朝ドラ。史上最低の視聴率だったらしい。確かにうなずける。特に最初の方がめちゃくちゃで、内容も支離滅裂、主人公の天花役の藤澤恵麻、その相手役の平山広行・・・どちらも演技がめちゃくちゃ下手であった。でも、後半視聴率が盛り返してきたんだとか。藤澤恵麻に関していえば、モデル出身でスタイルもよく微笑んだ感じもすごくいい感じなので、応援したくなるタイプではあるのだけれど、このドラマに出たのはいまいちだったかも。でもいいものはあるのかもしれないし、笑顔だけならすごくいいと思う。あと最初の方は恋愛が中心で、それも理解不能だったのだけれど、後半から保育園の保母として働くことの方がどっちかというとメインになってきて、そうなってきてからの方がストーリー的にも断然面白くなってきた。最初からこの路線で行けばよかったのにと思う。
今やっている朝ドラ「わかば」はなかなか好調な滑り出しで今後が期待できる感じ。「天花」は最初からこけた感じだったけれど。


トキオ
NHKの夜ドラ。こちら、新聞の投書などを読んでいると、結構評判がよかったようだ。相変わらず夫を引きずり込み二人で見ようと試みるものの、拓実のあまりのひどさ加減に彼は見るのが嫌になったらしく、途中で少し挫折してしまった。私はどうなるのかと思って見ていたが、確かに内容がそこまで面白かったわけではない。でも、図らずも最後の方では泣けてしょうがなかった。親子の情というのがよくわかる。それと時代設定も面白くて、彼とこういうのがはやっていたという類の話で少し盛り上がった。とはいえ、私はあまり覚えていなかったりして、そこでちょっとだけ年の差を感じた・・・。ついでに現在の拓実はどう見ても20歳の息子が見えるようには見えず、もう少しメイクで何とかできなかったのか?とちょっと思った。
☆原作本は『トキオ


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