感想メモ

2004年03月31日(水) てるてる家族

 最近ドラマのことを書くのをつい忘れてしまう。と言っても、相変わらず見ているのはNHKの朝と夜の連ドラくらいなものだけど。夜のほうもいい作品が多くて書こうと思いつつ、すっかり忘れて日が経って…という感じ…。

 毎回見ている連続テレビ小説。今回の「てるてる家族」は実在の人物をモデルにした作品ということもあるのか、最初から最後までとても面白くて毎日が楽しみな作品だった。そういう作品はあまりないので、珍しいともいえる。

 スケートのシーンやバレエのシーンなどもあり、またミュージカル仕立て(とはいえ、そんなに頻繁ではない)ということもあり、歌や踊りも楽しめ、なかなか飽きさせない試みだったと思う。岩田家のメンバーもみんな個性的だったし、時には笑い、時には涙し…と本当に家族のお話だなーという面もあった。それでいながら、スケートのオリンピックを目指すだとか、チキンヌードルやカップヌードルの発明の過程(この話は本当なのかよくわからないけど…)、宝塚の仕組み、昔の芸能界の様子、パン作りの過程…などなど、色々な要素が凝縮されていた。

 私はこのドラマがかなり好きで面白く見ていたが、一つ納得がいかないのが和ちゃんだ…。この男、一人だけ暗すぎる! どうして冬子がこんなのを好きになるんだかわからん…と思う場面が多々あり…。まあ、底抜けに明るい冬子だからこそ、暗い陰のある男に引かれてしまうのかもしれないけど…。うーん。でも、やっぱりこれだけが納得いかず、「おまえ、暗い!!」と突っ込みを入れたくなるところが多すぎで・・・。

 またいつか番外編みたいなのがあったら楽しいなと思う。本当に楽しい作品だったので終わってしまってちょっと残念。



2004年03月30日(火) 走るジイサン  池永陽


池永陽 集英社文庫 2003

STORY:
長年鋳物工場で働いていた作次は仕事を引退し、息子とその嫁と同居しながら隠居生活を送っている。ある日、頭の上に猿が座っていることに気づくが…。

感想:
 不思議な話だった。不思議な後味だった。猿が何かの象徴なのだろうけれど、私にはそれが何なのかとかはどうでもよかった。ただ単に老人の日常がつづられている感じで、それがすごく面白いというか、不思議に引き込まれる感じがした。ただの日常。隠居した老人たちの話。でも、そこには色々な悩みや葛藤もある。誰もが老いる。でも、それを忘れているんだなーと思わされた。男の生理がわからない私…。きっと男性が読んだ方がさらにこの感じがわかるんじゃないかな。

 しかし、ラスト…これが何を意味するのかは人それぞれ意見が分かれるところだろう。作次がどうなってしまったのか…。



2004年03月23日(火) キッドナップ・ツアー  角田光代


角田光代 理論社 1998

STORY:
家を出て行ったお父さんに夏休みの初日に誘拐されることになった小学5年の少女ハル。お父さんとともにあちこちを転々とすることになるが・・・。

感想:
 面白そうかなーと思って借りた本だった。つまらないわけではなかったとは思うが、最後の終わり方もなんだかなーというような感じではあった。たとえばこの誘拐によって何かが変わるとかもそんなになくて、お父さんとお母さんの取引の内容もわからないし、この家の今後もよくわからない感じであった。

 すごく気になったのは、女の子の台詞。地の文は普通の言葉なのだけれど、お父さんに向かっての口の聞き方がすごくて・・・。男の子だっけ?と思ってしまったり。男の子だったとしても、こんな口の聞き方ってどうなんだろう。最近の子供はみんなこんななのかな。私も自分自身がすごくきれいな言葉を使っているとは思わないけど、でも、やっぱり女なら女のしゃべり方があると思うし、親に向かってこういう口の聞き方はあまりしないと思うし、自分が親だとしたらこんな言葉遣いをされたらすごく嫌だろうなーと思ってしまう。最近の本は世代を映してなのか、そういう言葉遣いの本も多いけれど、これは一応子供向けの本みたいだし、なんだかなーとも思ってしまうのだった・・・。



2004年03月06日(土) 真夜中のマーチ  奥田英朗


奥田英朗 集英社 2003

STORY:
ひょんなことから知り合ったヨコケン、ミタゾウ、クロチェの3人。裏金の10億をめぐって繰り広げられるてんやわんや。

感想:
 最初はちょっと私の好きな感じとは違うような気がしていたけれど、ヨコケンがほかの3人と知り合うようになってからは面白い展開になった。二転三転してどうなるのかわからないような感じでなかなか面白かったと思う。



2004年03月04日(木) 宇宙でいちばんあかるい屋根  野中ともそ


野中ともそ ポプラ社 2003年

STORY:
父と再婚した継母と3人で暮らす中学生のつばめ。ある日、星ばあという謎のおばあさんと出会い…。家族や恋愛の問題などを散りばめたちょっと不思議なお話。

感想:
 面白くないわけではない。けれど、やはり子供向けの作品かなという感じがしてしまったのが残念だった。最後の展開もなんだかなあという感じが否めない。でも、多分自分が中学生くらいならもっと違う印象をもったことだろう。

 やはり大人も楽しめる子供向け小説というものは難しいのだろうと思う。私としては、子供が楽しめるものは大人も楽しめるとは思っているのだけれど…。そういう作品はやっぱりそんなにはないのかなあ…。自分が大人になったのかもしれないけれど、ちょっと残念でもある。


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