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■ 例えば、そんな萌えコネタ
脳内妄想駄々漏れ中〜。 先週、今週と引き続きアニナルオリジナルストーリーに物足りなさを感じたので、煩悩で強引に日向ネタへ変換。
ちなみに、一回書いたのが消えたので、書き直した模様…(涙)
* * *
「ハナビ〜ちょっと鍋の様子を見ていて貰っていいかな?」
野菜を刻んでいたヒナタは、包丁を持つ手を休めて、食器の用意をしていたハナビを呼んだ。
「ハ〜イv 鍋が焦げないように、時々かき混ぜればいいの?」
ハナビは、素直な返事で応え、白い割烹着姿のヒナタの隣りへ擦り寄った。
グッツグッツッグツ…
鍋の中では、じっくりと煮込んだ具材と、宗家秘伝の香辛料をふんだんにつかったカレーが、芳しい香りを漂わせている。
「うん。もうちょっとルーを煮込んだら、隠し味にそこのチョコレートを入れて欲しいの。仕上げは、ハナビにお願いしてもいい?」
日向姉妹は、母屋の広い台所で、パタパタと忙しく動きながら、今夜の夕食の準備におわれていた。
「ふう〜ん。今日の味のポイントはチョコなんだ?」
ハナビは、手に取ったチョコの欠片を見つめ、不思議そうに小首を傾げた。 辛い香辛料のきいたカレーに甘いチョコとは…でも、リンゴやトマトを隠し味にする時もあるので、きっとソレもありなのだろう。
「…じゃあ、アレとアノ隠し味も入れてあげよう…」
ふと、以前ヒナタが作ってくれた時のレシピを思い出したハナビは、隠し味の材料を独自の判断で追加投入し、嬉々として鍋をかき混ぜたのだった。
ネジが、日向宗家の母屋で、ともに食卓を囲むようになってもう数回目…。 今日も今日とて、宗家当主自ら稽古をつけて貰ったネジは、ヒアシから夕餉に誘われ、断る理由も思いつかずに大人しく従っていた。
「お待たせしました。今夜のメインです♪」
間もなくして、ハナビとヒナタが、大きなお盆に人数分のカレー皿をのせて、居間に入ってきた。
「遅くなってしまって、ごめんなさい。お父様とネジ兄さんの二人で、サラダとお飲み物を、先に召し上がって下さってよかったのに…」
手早く割烹着を脱いだヒナタが、手付かずのままの前菜見て、申し訳なさそうに呟く。
「父上…今日はハナビも手伝ったんだよ♪」
ハナビが、にこやかに微笑みながら、家長であるヒアシと、ネジ、そしてヒナタと自分のカレーライスを並べていく。
「…うむ。では、皆が揃ったところで、頂くとしようか」
最近、妙に性格が丸くなった…ではなく、寛容な態度のヒアシに促され、四人仲良く食卓を囲んだ。
「いただきます!」
行儀よく手を合わせたハナビは、ニコニコと嬉しそうにカレーを頬張った。
「んv おいし〜〜〜♪ やっぱりヒナタ姉様のカレーが一番だねv」 「え? そうかな? でも、最後の仕上げはハナビがしたんだよねv だから、美味しいんだよ」
和やかな食卓風景だった。 朗らかに会話する姉妹と、黙々と夕餉を食す父親の姿。 そして、ひとり微妙な表情を浮かべている従兄のネジ…。
「………その、ヒナタ様?」
ネジは、スプーンを片手に、珍妙な様子で自分の皿に盛られたカレーライスを凝視している。 口篭りながらも、ふいに湧いた疑問をヒナタに問いかけずにはいられなかった。
「その……何故、私の皿にだけ、カレーライスの上に旗が立っているのでしょうか?」
ネジは、理解に苦しむと言わんばかりに、眉間へ皺を寄せてヒタとヒナタの目を見つめた。
「あ、ごめんなさい。やっぱりイヤだったよね? でも、ハナビがこの方が可愛いからって…」
ヒナタは、訳知り顔のハナビと視線を合わせ、エヘヘ…と恥ずかしそうに微笑んだ。 お子様ランチのような子供向けの趣向がネジにウケルとは思わなかったのだろうが、どんな顔をするのかちょっと見てみたかった…というのが、本音のようである。
「ネジ兄さまは、特別待遇ってコトで、旗をつけてあげたんだよ」
一方ハナビは、ネジの戸惑いを内心では鼻で笑いつつ、ニヤリと不敵に微笑んだ。
「よお〜〜〜っく味わって食べてね♪ ヒナタ姉様の特製カレーっ♪」
ニコニコニコ……異様なほど上機嫌で食事を勧めるハナビに、警戒心が湧きながらも、ネジは素直にカレーを口に運んだ。
「では…頂きます…」
「ネジ兄さんのお口に合うといいんだけど…」
モジモジと恥ずかしげに呟きながらも、ヒナタは、ネジの反応を期待を込めて見守った。
「………っウ」
ふいに、鈍い呻き声が漏れる。 カレーを口に含んだ瞬間、ネジは硬直していた。
待っている。 ヒナタ様が、期待を込めた視線でネジの答えを待っている。 美味い。というその一言。 ただその一言を聞く為だけに、ネジの横顔を熱い視線で見つめているというのに…。
全ての身体機能が停止した中、思考だけが目まぐるしく警報を鳴らしている。
「クッ……うぐ…むッ」
ネジは、必死になって口の中の未知の味覚の物体を租借した。
「ネジ兄さん? どっどうかした?」
ネジの異変に気づいたヒナタが、引きつった声を上げる。 赤・青・黄色……それは、まるで信号機のような豹変ぶりだった。 顔色が赤くなったかと思えば、真っ青になって冷や汗が噴出し、次第に土気色に変色した後、生気に満ち満ちていた瞳から、輝かしい光が抜け落ちていく。
「どっ、どうしよう! そんなに変な味付けしたつもりはなかったんだけど……ネジ兄さん、ごめんなさいい〜〜」
ヒナタは、ふええ〜〜ん、と今にも泣きそうな眼で謝りつつ、急いでネジの口元へたっぷりの水を注いだコップを運んでやる。
「ね〜父上! 今日のヒナタ姉様のカレー美味しいよね? ネジ兄さまの味覚が変なんだよ!」
失礼なネジの態度をねめつけたハナビは、澄ました表情で父親に同意を求めた。
「…うむ。いつもと変わらぬ味だと思うが?」
すでに夕餉を平らげたヒアシは、食後のお茶を啜りながらハナビの言葉へ頷く。
「……す、すみません。少々辛かったものですから……」 (というか、ありえない味だ。辛いのに、甘い…そして喉の奥…否、嚥下した食道が焼けるようなこの感触はなんなんだ!?)
ヒナタに飲ませて貰った水のお陰で、ようやく放心状態から脱したネジは、息絶え絶えにこたえた。
「…ごめんなさい。ネジ兄さん…変わりに何か他のオカズをこしらえてきますね」
シュンとうなだれたヒナタは、悲しげに席をたった。
「いえ! 大丈夫です。ヒナタ様! 折角ですので、このまま頂きます」
ヒナタの瞳に浮かんだ涙に気づいたネジは、己の辿るべき運命を知り、健気な想いで覚悟を決めた。 これ以上ヒナタを哀しませない為にも、慌てて手の中のスプーンを持ち直したのであった。
* * *
なんて、コネタでやんす。 えへv あの命のカレーを食ったネジきゅんの表情が、みょ〜〜〜〜に「ウケ」臭かったので、こんな妄想してみました。 先日の茶で教えて頂いた「ネジのカレーにだけ旗がのっていた」という話と、水を飲ませるのが、テンテンではなくヒナタだったら…という妄想の産物でありまする。
このオチの場合…味覚が変なのは、分家なのか宗家の人間なのか…(遠い眼) ちなみに、水乃さん的ハナビたんは、確信犯だと思います。 そして、この少女は甘いもの好きで、バナナと牛乳も好物です。 夏野菜のカレーならば、南瓜も入っていることでしょう。
…どこまでも、へたれ扱いのネジきゅんに合唱(チーン)
2005年09月30日(金)
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