○プラシーヴォ○
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今日は、会社の忘年会。
総勢19名ということで、 広めの個室にテーブルが4つ。
私と、私と同期で入った女の子 (会社では一番新人)が、入り口の近くの小さな 4人がけの机を陣取る。
そこに、私より少し先に入った先輩の女性。
もともと、この4人がけの机には 人数の都合上、3人分のセッティングがしてあった。
だから、これで満席。これで、充分。
と、
私の目の前の席に、山さんが座った。
驚きすぎて、ぽかんとしている私に
『あそこの女性3人は 飲んべえだから、お前が行って相手してやれって 言われたんだよ』
そういって、くつくつと笑った。
確かにこの3人は飲むけど、
それよりほら、
あなたの大好きなちいちゃんの横の席が空いてるよ
横じゃなくったって、 ちいちゃんの真後ろの席も空いてるし、
ここに座ってもらうのが 申し訳ないよ
『や、山さん体大きいのに こんな小さいテーブルで、苦しくないですか
あ、あっち、ちいちゃんの隣とか、広そうですよ』
平静をよそおって、 ちいちゃんの近くを勧めるものの、 山さんはなんとなく笑って、結局、ずっとこの席で御飯を食べていた。
もう、忘れたと 割り切ったと思ったのに
目の前でいられると
泣けてきちゃう。
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