○プラシーヴォ○
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2001年06月29日(金) 拒絶

決算期ということもあり、ただの派遣社員の私まで
なんとなく忙しさに巻きこまれ、
ようやく会社から脱出したのは21時だった

ファッションビルの中にあって、22時30分まで営業している
レストラン街に足を向ける。

そりゃそうだ。
金曜日だもの。
すでに食事を終えたらしきカップルが大勢、
人ゴミの熱気や、もしくはアルコールで顔を赤くしながら
私の横を通りすぎていく。

私は残業をすると、胃が痛くなる。
おそらく、空腹の時間が長くて胃酸がでてしまうんだろう。
痛みのあまり、前かがみになりながら、
ソバを飲みこむ。

なにやってんだろ。
なにやってんだろ、私。
近頃ハム男は金曜の夜にサッカーに行く。
日曜日も行く。
土曜日しか会えない。

「がちゃ子?明日、土曜日さ、会社の人と海に行くことにしたんだ。
日焼けしに行くんだって。どうせ曇りなのにね」

ハム男、笑ってる。
私と会えないのに笑ってるのね。

電話を切ったあと、すぐにメールした。

『そんなにサッカーが好きなら一生やってれば。
もう、電話してこないで』

こんな汚い文章でしか、
私が怒っていることを伝えられない。

1日しか会えない日を、
毎日会ってる会社の人と遊ぶのに使ってしまうなんて。

ハム男が慌てて電話をかけなおしてくれるのを待った。

でも、鳴ることはなかった。


2001年06月28日(木) 取り扱い注意

母がいないので、一人で外で夕食を食べた。
ラーメンの重さをお腹に感じながら、
ふとハム男に電話してみた。

「ハム男、今どこ」
ザワザワ、ノイズが多い。
「会社の近くのメシ屋に、会社の人達と入ってきたところ」
「ハム男の家に行きたいんだけど、今日、合い鍵忘れちゃって・・・。
ハム男はどれくらいで家に着く?」
「うーん、まだ注文もしてないし・・・
皆と食べるから・・・1時間くらいかかるかな」
「そんなに?」
「うん。食事終わった頃、電話しようか?」
「いいよ・・・今日は行かない」
次のハム男の返事を待たずに、携帯を閉じる。

もう、私が家に行きたいと言ったくらいでは、
食事を早く切り上げる理由にはならないのだ。

彼女が湿気と熱気にまみれて外で待ってても
食事をゆっくり皆と食べるほうが大事なのだ。

昔は、自分が食事が終わってても、私が食事に誘うと
飛んで迎えにきてくれて
一緒にレストランに入ってくれたくらいなのに。
(ハム男はコーヒーとかを飲んでる)

私はちっとも優先されなくなった。

少しくらい邪険に扱っても私はいなくならないものだと
思っているらしい。

以前、1度ハム男に言ったことがある。

「私がずっと側にいると思ったら、大間違いだよ」

酔った勢いで、
ずっとずっとずっと言いたかったことを言った。

軽く言ったつもりなのに、私は笑えなかった。
とてもとても厳しい声になってしまった。

すると、ハム男が苦く笑って、
「今まで彼女と別れてきた原因は、それかもしれない。
俺は、本当に鈍感すぎるから」

また、同じあやまちが繰りかえされちゃうよ。
ハム男、私をよく見て。
ちゃんと、大事にして。
自信がなくなったよ。
私、彼女なの?


2001年06月27日(水) 飛んでシンガポール

今日から母はシンガポール。

47歳にして初の海外。
私と行きたかったみたいだけど、私は4月にバリに行ってしまい、
しばらく長期間休みをとることが出来ないので、
しぶしぶ母は友達と行くことにしたようだ。

5日間ほどの旅行なのに、
母がいないと何も出来ない私達のために、

・2リットルのお茶を3本買い置き
・パパのためにビールを1ケース
・食事代としてパパ、私、弟に各5000円ずつ配付
と、汗だくになってまるでキャンプに行く前日のように
スーパーと家を往復したみたい

「パパともう1回結婚できなくてもいいけど、
生まれ変わっても、あんたたち二人(私&弟)は絶対欲しい」
「あんたたちが死んだら、ママも死んじゃう」

サラリと言ってのける母。

私達のために、結婚してから30年弱、ずっと働きつづけた母。
今年の3月に、働いていた会社が倒産し、
年齢や、パソコンスキルが無いことなどから
全然就職先が見つからず、鬱になりかけた母。

25年間もらうだけだった愛を、
そろそろ返さなくてはいけない。


2001年06月25日(月) どうやったら嫌いになる

私の大好きなドラマがついに最終回。

アルツハイマーがテーマの、とても真摯なドラマ。

性善説バンザイ!とでもいおうか、
とにかく最近珍しく、登場人物全員が優しい人だった
(もちろん、テーマは重いですけどね)

例えばハム男が私のことを忘れていったら
私はハム男を愛せるだろうか。

私が名前を呼んでも
「あんた、誰?」
と、眉をひそめたり、

着替えも排泄も1人じゃできなくなったり、
1時間前のことを忘れてしまうハム男を
愛せるんだろうか。

分からない。
自信がない。

そう思うと
私の名前を呼んでくれて
仕事に行って
生きてくれてるってことは
なんてありがたいんだろう。


2001年06月22日(金) 時代を超えて

テレビのチャンネルを変えると、時代劇をやっていた。

女の人が、見るからに悪そうな男の人に
無理矢理「薬屋」という看板がついた
家へひきずりこまれていた。

それは堕胎手術だった。
初老の男性が、大きな耳掻きみたいな道具を持ってきて
女性に布を巻いた箸を噛ませる。
男性が足元に下がると
女性が箸を咥えたままうめく
汗をかく

江戸時代に存在したんだ。
設備も満足でない時代に、
いったい女性はどれだけの苦痛を
味わったのだろう。

ほんの十数秒のシーンだったのに、私は気を失いそうになった。

いつ、誰が気付いてしまったんだろう。
生まれていない子供を
外に出せるだなんて。


2001年06月21日(木) 君のためにできること

貯金をしよう。

そう思った。

私は産まれてこのかた、貯金という行為をしたことがない。

お給料もらって、使って、残ってたらそれが貯金。
てな感じ。

一つの口座で全てのことを済ませてるから、
そこの残高が全財産。

私はきっといつか出産する。

お馬さんや、猫ちゃんやワンワンみたいに
外で1人で産めたらいいんだけど、そういうわけにもいかない。
出産ってお金がかかる。

前回、出産を断念した理由の一つ「金銭的問題」
私が貯金しなくっちゃ、いつまでたっても産めない。

このジュースを我慢して、いつか産まれる子に飲ませてあげよう。
この雑誌を我慢して、いつか産まれる子に絵本を読んであげよう。
このスカートを我慢して、いつか産まれる子に着せてあげよう。

おじいちゃんが無くなって、数千万の遺産があるらしい。
そこから、親戚の子供達にとりあえず5万円ずつ配られた。
これをまず貯金しよう。

天国のおじいちゃんから、天国の私の子への
おこずかい。

受け取ってね。


2001年06月20日(水) 無時間

産まれてこのかた、こったことのない肩。

しかし、パソコンを酷使して仕事をするようになってから、
痛いような重いような気持ち悪い感覚が
常に肩や首の後ろにつきまとうようになった。

思いきって、
クイックマッサージとやらに行ってみることにした。

少し斜めになった椅子に、うつぶせに座り、肩から腰にかけてを
20分間もんでもらう。

痛い。
100回書いても足りないくらいだ。
イタイイタイ。痛い〜!!!

マッサージしてくれてる人の首をしめたくなるくらいの
激痛。

あれ?


私、20分間「痛い」しか思ってない。

ハム男のことも、天国の子供のことも
スッパリ頭からぬけて、
ひたすら自分の体の痛みのことだけを思った。

これって、気持ちいい。
なんだか嬉しい。

私が、私だけになれたようで嬉しい。

ハム男のものでもない。
子供のものでもない。

私。
ただそれだけ。


こりゃいいわ。


2001年06月19日(火) 複雑

「夏、1度実家に帰ろうと思ってるねん。
オカンが透析せなあかんみたいで…
ちょっと見てきたいから」

ハム男が少し申し訳なさそうに言った。

お盆かな?それとも7月の連休かな?


私は,連れてってくれないのかな?

紹介してくれないのかな?

少し淋しい。


2001年06月18日(月) パニック

最近、
日曜の夜ハム男の家に泊まり、
月曜に、そのまま出勤することが多い。

朝の6時10分に起きる。
ハム男はクークー寝てる。
電気もテレビもつけて、豪快に出勤の用意をする。
でもハム男は起きない。

メガネをかけようとカバンを探って、血の気がひいた。
メガネが、無い。
自分の家に忘れてきたんだ。
ハム男と遊んでる間、ずっとコンタクト(使い捨て)だったから
分からなかった。

私は視力が両方とも0.01で、メガネが無いとパソコンの画面すら見えない。
仕事にならない。取りに帰るしかない!!
少しためらったが、ハム男をたたき起こした。
事情を説明すると、ハム男は時計を見て、
「送っていってたら・・・俺が会社に遅れるよ・・・」

そりゃそうだ。

崩れてしまった少しの希望を、見ないふりをして心から追いやる。
そして、グイッと音がするほど無理矢理に笑顔をつくる。

「分かった。ありがと。じゃ、私もう行くね」
「え?え?がちゃ子?大丈夫なの?」
「うん。大丈夫!(ちっとも大丈夫じゃないけど)」

ハム男は、まだ何か私に言っているが、送ってくれないんなら
これ以上付き合ってる暇はない。
無視してサンダルに足を通し、
絶望的な気持ちで外へと走り出る。

曇り空を仰ぎみながら、小走りに駅へ向かう。

ここから電車で帰ると、1時間以上はかかる。
そこから会社に行くとすると、
9時すぎか・・・下手するともっとかかる?
言い訳はどうしよう。いっそのこと休むか?!

歩き始めて5分後、携帯が鳴った。
「おおい、足速いなあ!
追いかけたのに、影も形も見えないやんか。
送っていったるわ。戻っておいで」

ありがとう!ハム男!
最初っからそう言ってよ!!!!

25年生きていて、こんなに早く走る車に乗ったのは初めて。
130キロ近くでてる。

私は昔から失敗に弱い。
弟がハチャメチャにイタズラなどをして両親に叱られる横で、
常に姉の私はイイ子を貫いてきたから。
何事も失敗しないように、慎重に臆病にいきてきたから。

自分の失敗を笑いとばせない。
落ち込みすぎて、心が閉じてしまう。今もそう。
ハム男をいつもより40分も早く叩き起こしてしまったことで
申し訳無くて、言葉がでない。

夜、電話で改めてお礼を言うと、
「もう、送っていかれへんと思ったけど、
がちゃ子がサンダルでペタペタ走ってこけたら
あかんなあと思って・・・」
ハム男がそう言って笑う。
「ほんまに、うちの彼女はどんくさい」

うん。自分でもそう思うよ。


2001年06月17日(日) リアル

いろんな種類の妊娠検査薬。

まるで歯ぶらしのように、
吊り下がって売られている。

ハム男と一緒に、なんとなくそれを見ていると、
作り物のように可愛らしい女性がやってきて、
私達の目の前の検査薬を素早く取った。
そしてレジへと歩いていく。

女性の背中を見つめていると、
ハム男が、急に声を荒げた。

「お金が無いから今は育てられない。
だから堕ろすとか言ってたけど
売ればお金が作れたんじゃないのか!?」
ハム男は怒鳴りながら、私から遠ざかっていく。

私はあわてて聞いた。
「・・・売るって何を?」
ハム男がニヤリと笑った。
「がちゃ子をだよ」


…天井。
ハム男の家の天井が見える。
そして右を見ると、
いつもどおり彫像のように静かにハム男が寝ている。

私は汗グッショリ。
夢だったのか。
私が見る夢は、いつもリアルだ。

痛かったり、熱かったりする時もある。
夢の中が、私の本当にいる世界じゃないかと思う時もある。

ハム男の横で寝ると、悪夢をよく見る。
私が常に感じている不安感が増長されるのだろうか。

それにしてもなんという夢だ。
ハム男が思っていることが
私の脳波に届いたんじゃないだろうな。

ねえ、ハム男?


2001年06月16日(土) 心が溶けちゃう

起きて窓の外を見ると、景色がピカピカ光っていた。
なんていい天気なんだろう。
私は、ふと思いついた。

そうだお弁当を作って、お外で食べたら気持ちいいだろうな。

ふと思いついたのはいいけれど、
私はお弁当なんて作ったことない。
ハム男の家で御飯を作ったことは何度かあるけれど・・・。

心配で心配で、隙あらば手を出そうとする母をなんとか阻止しつつ、
お弁当らしきものが出来た!

迎えに来てくれたハム男に、お弁当をつくったことを言うと、
「ええええ?」
と変な驚き方をしていた。

小さい頃から家族で何回も来たことがある、森林公園に来た。
ベンチやテーブルがすごく多さんある。

木陰に入ってさっそくお弁当を食べた。
おいしいともなんとも言わずにモクモクと食べるハム男。
でも、風が吹いたりすると目を細めて気持ちよさそうな顔してる。
「外でこうやってお弁当食べるのなんて何年ぶりだろう。
本当に気持ちいい!」

ハム男は、お弁当がよっぽど嬉しかったのか、
いつになく私をきつく抱きしめる。

「ハム男、私のことまだ好き?最近電話の回数減ったし、
なんか私に逢おうとしないし・・・」

ベッドで寝転がって、
ハム男の背中に顔を押し付けながら聞いてみた。
すると、ハム男はプハッと吹き出して

「・・・女の子っていろんなこと考えるんやね。
俺はがちゃ子のこと愛してるよ。
がちゃ子じゃないと・・・だめやもん」


聞けてよかった。
聞いてよかった。

これでしばらく頑張れる。
ハム男、愛してるよ。


2001年06月14日(木) デンジャラスヴューティー

「今から、会社の友達が泊まりにくるんだ〜。
また明日かけるね〜」
ハム男からの電話は10秒できれた。

私は「うん」しか言ってない。

とりあえずまた泣いて(笑)

成長しよ。と決めた。

私は詩があまり好きじゃない。
詩の裏側にある、作者の心の内を読まなくてはいけないような、
変なプレッシャーを感じて
1人で勝手に疲れちゃうんだけどね。

でも、好きな詩もある(どっちやねん)
『あなたに追いつこうとすると、苦しくなる
 だから、私はあなたを追いぬく
 そして、選択権をあなたにゆずる』

私も、ハム男を好きになりすぎて、不安で、
最近は電話を待って泣いている。

私から電話をかけよう。
もっと綺麗になろう。
もっと頭を良くしよう。
ハム男を、追いぬこう。

そうすれば安心する。
私はやることをやり終えて、どーんと構えていよう。
私は私の好きにして、
後どうするかはハム男が決めればいい。

ハム男がどういう結論を出そうと、私は揺るがない。

私はハム男が好きなだけだから


2001年06月13日(水) 不発

なんて言おう。

ハム男から電話がかかってきたら、なんて言おう。

モウ、ワタシノコト、スキジャナイノ?
ナンカ、イイタイコト、アルンジャナイノ?

スポーツジムから自転車をこいで帰りながら、
涼やかな夜気を吸いこむ。

今年は陽性の梅雨で、どしゃぶりの日と
からっと晴れる日が交互にくるらしい。

家に帰って食事をすまし、MDの電源を入れる。
朝、ラジオから録音した英会話のレッスンが流れる。
15分のその番組を2回聞いたところで電源を切る。
ディスプレイが時計表示になって、
22時30分というデジタル表示が青白く浮かび上がった。


先週の土曜日、11時頃ハム男から電話があって、(私は寝てた)
なぜかイライラしていた私は
「私が寝てるときに電話かけないで」
と口調を荒げてしまった。

ハム男は、あきれたようなバカにするような声で
「分かったよ。VIPなんだね、がちゃ子は」
背筋がスッと冷えた。後悔した。


それ以来、22時以降に電話がかかってくることがなくなった。

だから今日もかかってこない。
だけど私からはかけたくない。

ハム男は、決して私から電話をかけないから、
かけてきてくれる。

一度私から電話をしてしまうと
ハム男が安心してしまい、
もうかけてきてくれないような気がして恐い。


なんて
なんて薄っぺらい恋人だったんだろう。
なんて
なんて中身の無い。


2001年06月12日(火) 強がりでは無く覚悟

夜、寝る前に気付いてしまった。

近頃、ハム男は私に逢いたがろうとしない。
セックスをしてくれない。
(してくれない、だなんて少し卑屈だけど)

私は、結婚もしていないのに
ハム男の家族になってしまったのだろうか。
女という性を持っていることを
忘れられてしまったのだろうか。

それとも、
優しい優しい意気地なしのハム男は、
別れを切り出すタイミングを掴めないでいるのだろうか。

それは辛い。
やっと、私が心を開けた人間なのに。


けれど、頭の隅に置いておかなくてはいけない。
ハム男のいない人生を。

今ならやっていけそうな気がする。


聞こう。
今夜ハム男の気持ちを。


2001年06月11日(月) 考えが深いのか?無いのか?

少し前、
『サイダーハウスルール』
というビデオを見た。

孤児院で育った青年が、自分の行き方に疑問を持ち、
孤児院を飛び出すお話。

孤児院の院長は医師をしていて、
映画の中の時代では禁止されていた
堕胎手術を引きうけている。

闇でやっているとはいえ、それは金儲けのためではなく、
「産めない事情がある女性だっているのだから、
自分で処理したり、悩んで自殺するよりは、法に背いてでも
僕が手術したほうがいい」
という信念のもと、施術する


もし日本において、中絶が禁止されていたら・・・?
何が何でも、産むしか選択肢がないとしたら・・・?
私は一体どうなっていただろう?

いろんな考えの人がいて当然だと思う。
こうして、ネット上で、多くの人に見られる可能性のある場で
発言するのだから、言葉を選ばなくては、と常に思う。


だけど、今日は少し苦情っぽくなってしまうかもしれない。


とてもとても胸がえぐられるようなものを見てしまったのだ。

ホワンとした、可愛らしい感じの、中絶や不妊を扱っているという
個人のサイトを偶然見つけた。
しかし、そのサイトには
中絶で外に出た胎児の写真を扱っているサイトが
リンクされていたのだ。
(中絶反対団体が制作しているサイトみたいです)

そして、その管理者のコメントとして
「現実を見なくては、前に進めない」
見たいな意味の文章が添えられていた。


分かってる。
この世には、一つのことに対して、
いろんな見方があるのは分かってる。


けれど、これは必要なのかな?
この人のプロフィールの部分が工事中で、
いったいどういう人なのか分からないのだけれど、
すごく混乱した。


メニューを開いて、いきなり目に飛び込むわけでなし、
リンクを張ってあるだけだから
そう問題は無いと思うけど


現実を見るのに、必要なものではない
と私は思う。


子供を天国へ返してしまった事実と、いろんな想いと
共存していこうと努力しているのに、
「これを見ろ、お前は悪だ、神に対して懺悔しろ」
というサイトで私達を叩きつけて、反省をうながして、
いったい誰がどう成長するというのだろう。



どうか、できることなら、皆の目に触れることのないようにと
願うばかりです。


2001年06月10日(日) 同じ方を向く

「じゃあ、サッカー行ってくるよ。
がちゃ子も、お芝居楽しんでおいで」

そう言って、ハム男は出ていった。

開いたドアから、太陽に照らされたコンクリートや
高速道路が見えて、とてもとても暑そうだった。

お芝居を見終え、自分の家に戻って夕食を食べた。
テレビをつけると、
サッカー選手が、黙祷をしているところだった。

ハム男は私に邪魔されずにサッカーを見れて、
今ごろ喜んでるんだろうなあ。

他に面白そうな番組もなかったので、
なんとなくサッカーを見ていた。
サッカーで、強いとか弱いってどういうことなんだろうって
全然分からなかったんだけども、

フランスはすごかった。
「え、なんでそこにパスするの、誰もいないじゃん」
って思っても、どこからともなくスーって選手が
すごい速度で(しかも、とっても落ち着いて)ボールに追いつく。

後半、もうヨレヨレになってしまった日本選手を
その大きな体で蹴散らすようにしてプレイをしている。

ちょっと面白かった。

今度、ハム男の家でサッカーを見るときは、
いやがらずにハム男の横で体育すわりをして
ちゃんと見てみよう。


2001年06月08日(金) 逃げ出したい

もう、この国を捨てて逃げたい、と思った。

大阪での小学生殺害事件。

最初、犯人は精神に支障をきたしているうえ、
犯行時、精神安定剤を多量に摂取していて
意識が定かではなかった…
という報道がなされていた。

この男は、いったいどれだけ軽い罪で罰せられるのかと
怒りで震えがとまらなかった。

しかし、その後の調べで

・「俺は、精神科に通院していたから犯罪を起こしても罪が軽くなるんだ」
 と、友人に話していた。
・薬は犯行の直前に飲んだため、犯行時にはまだ薬が効いてなかった。
・車で正確に犯行現場まで運転していっていた。
・中学、高校が同じ敷地内にあったにもかかわらず、
 弱者である子供がいる小学校を狙っていた。

などの事実が発覚し、
状況判断はできていたはずだという見方が強まってきた。


そんなことはどうだっていい。
状況判断ができてようが、なかろうが、犯人を庇護する理由はない。

どうして、立て続けにこういう救いようのない事件が起きるのか?



電車で、杖をついているおじいさんが
目の前に立っているにもかかわらず、
無視して談笑しつづける女子大生を見た。
吐き気がする。

そうしてグロスでヌルヌルに光った口で
「まったくあの犯人許せないわよねえ」
などとほざく。

いったいいつからこうなってしまったのか?

誰も通らない道路を整備しなおしたり、
だれも見やしないモニュメントを国の金でバカスカつくっている横で、
1日1食で、死なない程度に生きている老人がいたりする。


まだ見ない子供を、いったん天国へと戻ってもらった私がいる横で、
莫大なお金と時間をかけて不妊治療をしている人がいる。


バランスが悪すぎる。


貧困や戦争で、生き延びるのも困難な国がある中で、
生きていることに、何の障害も無いという日本。


だから、手持ちぶさたなのだろうか。
人を殺す事しか、思いつかなくなってしまったのだろうか。


人を殺すひまも無いくらい、
一生懸命生きてみろ!
と言いたい。


2001年06月07日(木) 初めてのア○ム?

「がちゃ子さ〜ん、お電話よ」
事務の女性から、声がかかる。

ええ?
私は派遣社員でここに来てるだけで、
しかも入力業務だから、外部と接触することもないし・・・。
電話がかかってくるはずなんてないのにい。

首をひねりながら電話をとると、
ダ○エーのカード会社からだった。

バリ島旅行代金が、
先月の時点で残高不足で引き落とせなかったという。
「11日に、再度引落になりますので、
それまでに振りこんでくださいね。
12万円!」

ぎゃお!
「あのお、15日まで待ってもらえませんか・・・?」
「どうしてですか?」
「給料日なので・・・」

そのあと、電話口のお兄さんが声を荒げて、

いくら給料をもらってるのか?
どうして先月、給料日の後に引落ができなかったのか?
そんな給料の値段で、旅行代金を一括払いするなんて
考えが無さ過ぎるんじゃないか?
1回目の引落で延滞するなんて、もうあなたは信用できない。
親に借りるなり、なんなりできるんじゃないのか?

と、まくしたてた。

しかし、私は会社にいる。
すぐそばに
社長も部長も常務も所長もいる。

そんな中で、
給料はいくらだ
支払いを待ってくれだの

一体何回言わせる気なんだい、ああん?


ちょっとキレた私は、
「どうでもいいんですけど、
あなたが会社に電話してきたってことは、
私、仕事中なんですよね。
後ほどかけ直させていただくわけには、いかないんでしょうか?」

すると、逆ギレした私にひるんだお兄さんは、
「そ・・・そうですね、じゃあ明日、お電話下さい」
と引き下がった。


ブルーになった。


借金取りのようなお兄さんの口の悪さに。
25歳にもなって、旅行代金もまともに払えないという
計画性のない自分に。

はああああ。

一瞬、あの歌が頭をよぎった。
「はっじめってのア○ム♪はじめての無○くん♪」

しかし、ハム男がそこを利用して、あまりの金利の高さに
地獄を見たことを思いだす。


ここだけの話だが、
私は、無利息で明朗会計、返済期限はいつでもよし
という秘密の金貸し屋を知っている。



ママン、ちょっぴり貸してプリーズ。


1時間のお説教の末、見事お金ゲット。はあ。

ほんとに情けないよう。


2001年06月06日(水) 流行ですね

朝、新聞でちらっと見ただけだから
詳細は分からないけれど、
梅宮アンナちゃんが妊娠2ヶ月で、8月頃に結婚するらしい。

最近は結婚発表する芸能人で、
妊娠していない人を探す方が難しいほどだ。

どうしてなの?
避妊しないのがハヤッてるの?

「産む」事が当たり前。
ためらいもない。
障害もない。

そんなの当たり前だと思ってた。

だけど、
体の問題や、心の問題や、経済の問題や・・・

あるんだよ。いろいろと。
自分がそうなって初めて知った。

「おめでとう」
とは言わない。



なぜって?

外国では、結婚式の時に「おめでとう」と言うと、
「お前、そんなにブッサイクなのに、
結婚できてよかったね〜」
というような意味になるんだって(笑)

だから、アンナちゃんには
「どうぞ幸福を」
と言わなくちゃね!


2001年06月05日(火) 中身タップリ

ハム男と、夜、電話で話をする。

最近、私は聞き手になることが多い。

出張で沖縄に行かなくてはいけないかもしれないこと
毎日毎日、滋賀やら和歌山やら遠くに行かなくてはいけないこと
部長に怒られたこと

ハム男が、自分の1日を語った後、
「で、がちゃ子は?何かあった?」

私は最近、このコトバが痛くてしょうがない。
ナニモナイ
ナニモナイ1日だから。

社長、部長、所長、課長…等スーパー上司のみが
机を並べている特別な部屋で事務処理をしているので
話もほとんどすることがなく、
若い社員達と会うことすらない。

習い事もしていない。
うまく言えないのだが、
興味も無いことを試しに習いにいっても、
すっかり乾いた粘土の人形に
無理矢理、手足をくっつけるような感じがして・・・。
そのうち、やりたいことが思いつくといいな、とは思ってる。

私の中から、欲求がうずいてくるといいなって。

ADをやっていたころは、
毎日毎日ハム男に電話で

面白いスタッフの話
撮影の失敗話
撮影で会った芸能人の話
特別に入れたロケ地の話などなど

話し足りないくらいだった。



私が黙っていると
「何もなかった?平和なのが一番だよ!」
とハム男が言う。

何かしたい。
何かわからないけど何かしたい。

私の中を何かでイッパイにしたい。

そして、携帯の電池がなくなるまで
ハム男に話を聞かせてあげたい。

ハム男が好きになってくれた、
夢がいっぱいではちきれそうだった私に戻りたい。


2001年06月04日(月) お前のモノは俺のモノ

前の職場で、一つ、羨ましかったことがある。
同僚の女性が、アニエスbというブランドの時計をしていたのだ。

別に普通じゃないかって?

それは、ただの時計ではない。

あきらかにメンズものなのだ。

つまり…
彼氏に借りちゃってるわけだこんちくしょうすっとこどっこいめ!

ハム男は、装飾品をつけない。
腕時計も指輪も耳輪も鼻輪も首輪もなにもつけたがらない。
私は何も借りれない。


・・・さて、昨日の夜の会話。
「がちゃ子、明日、俺の家から直接出勤するんやんな?」
「うん。今晩泊まるからね」
「・・・アレで、会社に行くの?」

アレとは、
超すけすけセクシーダイナマイツキャミソールでも
パンツ丸見え料金いただいちゃうわよミニスカでもなく、

ビルケンシュトックのサンダルだ。

「・・・だめかなあ」
「潮干狩り行くんじゃないんだから、まずいだろ」
「じゃあ、ザ・シューズ(ハム男の家の近所に有る安い靴屋)で
なんか買ってこようかにゃ」
「俺の靴貸したるがな」



は?



「この前買ったばっかりの可愛いスニーカーあるやろ?
あれ、どうぞ」


いや、どうぞでなくて

履けるわけ無いじゃ・・・
「お、ぴったりやん」
「あれ?」


そう、私とハム男は足のサイズがほとんど一緒。

うれしくないっす。


2001年06月03日(日) 濃っ!

『私の愛したギャングスター』
という私の愛するケビン=スペイシー主演のビデオを見た。

思ってたより、まったりした展開の映画だ。

ハム男と二人でベッドに寝っころがって
「いつもなら、そろそろエッチモードにはいるはず!」
と鼻息を荒くしていたら、
私の背後からそれはそれは安らかな寝息が聞こえてきた。

女としてクヤシイので
乳首をガリガリかじったら起きた。
でもすぐ寝る。ちくしょう!

夜、テレビで映画を見ているときに、手術のシーンがあって
「全身麻酔って、しんどいねんで〜」
と、サッカーで骨折やら靭帯切断やら経験してきたハム男が言った。
「そお?私あんまりしんどくなかったよ(中絶の時)」

シーーーーーーーン。

一家団らんで食事している最中、
見ていたドラマでエッチなシーンがおっぱじまった時のような
次の会話を探すための嫌な沈黙。

こいつ、私が手術したこと忘れてるんじゃないのか?
と、時々思うことがある。

「がちゃ子は明日、早起きしなくちゃいけないんだから
早く寝なさい」
と、ハム男が私を無理矢理ベッドへ転がす。
そして自分はニュースを見てる。

なんかまたくやしさがこみあげてきたので、
こんどは乳首をかじらずに、ハム男のハム男を(以下省略)。

やった〜!皆さん、やりました!
ついにハム男のピンクスイッチ(エッチな気持ちになるスイッチ)
がオンになりました〜!
わーい、わーい!

「あ!」
ハム男が、すんごいビックリした顔してる。
ナニナニ、どした・・・ぎゃっ!

ハム男・・・5秒でイってしまわれました・・・。
しかも、正常位で外出ししたので私とハム男の間に糸(以下省略)。

かわいいぞおおう、こいつう!!

久しぶりに裸でくっつくと、とてつもなく落ち着く。
原稿用紙10枚分のコトバにも匹敵するほどの
無言の会話。


2001年06月02日(土) 天国から地獄へ

デートの行き先は、大抵私が考える。

なのに、
「よし!城崎のマリンワールドに行こう!」
と、何を思ったのかハム男が車の中で宣言した。

大阪から3時間かけて到着。

今は「Sea Zoo(シーズー)」という名前に変わっていた
海のすぐ横に有る水族館で、すっっごく気持ちがいい!
景色が!風が!最高ですぞおお!

水族館の中なのに釣堀があって(笑)
水が透明で魚がよく見えるわあ・・・ってのぞいたら
水が真っ黒に見えるほどの大量の魚!!!

カップルで来てた人がいて、彼女さんが釣り糸を投げ入れたとたん
魚が食いついてきて(笑)二人とも大慌てでバケツ持って騒いでた。
そして、その魚は隣のレストランで調理してくれるらしい。
すばらしいわん。

人も少ないし、ゆっくり見れるし
人ゴミ苦手カップルとしては、うってつけの場所ですわ!

ああ〜、楽しかった。幸せ、幸せ。
が、車で帰路につこうとした瞬間、ハム男がつぶやいた。

「間にあうかな〜、サッカー。」

そう、今日はサッカーの中継がある日だったのだ。

ちょうど御飯時に放送されるので
私が死ぬほど行きたい焼き鳥屋さんに、
また行けないじゃんかああああ!

それでなくても、私はいつもサッカー中継があると機嫌が悪いので、
ハム男がすかさず謝る。(別に謝る必要ないんだけどさ)
「お願い〜!今日は見せて〜!大事な試合やねん!」

返事もせず、私はただ外を見る。
と、車は何かの建物へと向かって走っていた。

「がちゃ子、温泉入ろうぜ!」
「・・・は?サッカー中継に間に合わなくなるよ」
「大丈夫だよ。がちゃ子、お風呂早いもん」

露天風呂に行くと、少し夕焼けの色をおびてきた太陽のせいで
柔らかい緑色になった田んぼと山々が目に飛び込んできた。

気持ちいいぞーーーー!
お肌がチュルチュルだ!
温泉大好きなくせに、体温が低くてのぼせやすい私は、
ハム男の予言どおり、ハム男より早くお風呂から出てしまった。

家につき、ハム男は一目散にテレビの前へ。
私はぶうぶう言いながらベッドにうつぶせになる。
「サッカーが終わったら、焼き鳥屋さん行こうな!」
とハム男は言うが、もうこの時点で21時なんですけど・・・。

結局、出前を取ることになった。
出前がくるまでに、ビールを買ってこようと思った。
そう言って出ていこうとする私に、ハム男は背を向けたまま
サッカーに夢中だった。

どこかで期待していたのだ。
歩いて20分もかかるコンビニに1人で行くなと言ってくれるのを。
じゃあ、俺も一緒に行くと言ってくれるのを。

出前のお好み焼を食べ、二人並んで寝る。
2週間、セックスをしていない。
もう私に性欲を感じなくなってしまったのだろうか。

泣けてきた。

私の要求よりもサッカーが優先されること
セックスもしないのにピルを飲まなくてはいけないこと
そして明日
ハム男自身が私を置いてサッカーの練習に行ってしまうこと

私は声を出さずに泣く。

ハム男がふと私の頬にキスをして、濡れているのに気がついた。
そして目の端にもキスをして、涙がたまっているのを確認する。
「・・・どうしたの?」

私はめったに泣いている理由を言わない。
ハム男も、最近は深く追求しなくなってきた。
ちうちうちう、と私の涙を吸って
自分のパジャマ替わりのTシャツで私の顔を拭く。

そして、
「明日、サッカーに行くのやめよーっと。
がちゃ子とのんびりする日に決定!」
「・・・いいの?」
「うん。なんだか胃が痛くて調子悪いし」

単純に嬉しい気持ちと、
私の卑屈な涙がハム男を引きとめてしまった罪悪感

私の心は、いつ100パーセント満足するのだろう。


2001年06月01日(金) この子はスゴイ

 愛すべき人がいて
 時に深く深い傷を負い
 だけど愛すべきあの人に
 結局なにもかも癒されてる。
 
 好きなコトだけを選んでくのが
 無責任だってわけじゃない
 好きなモノさえも見つけられずに
 責任なんて取りようもない
 
この歌詞が大好き。

半年くらい前に、
この子に密着するドキュメンタリーを見た。

あまりのハードスケジュールに
車で移動している最中に失神してしまう。

それでも、現場について意識を取り戻すと,
スタッフにテキパキと指示をするのだ。

「今は何を待っている時間なのか?
エキストラ等にきちんと
指導は出来ているのか?」
など、監督とADとプロデューサーの役目を1人でこなしていた。

とても深いところを見つめるような目で、
体力も時間も何もかもギリギリの状態で歌を創り、
そして笑顔で歌う。

画面からはずれると
また意識を失う

CDを買ったり、
服装を真似たりすることはないけれど、
とても尊敬している。


がちゃ子 |偽写bbs

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