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■ 酒の上の話
こんなマイナーでちんけな職場にやってきた優秀なMr.マッキントッシュ。
思ってることはつい口にしてしまうアタシは、その彼に最初の宴席でこう言った。
「どうせ、二、三年で出世して、ここからいなくなっちゃうんでしょ」
まあ、酒の上の会話ってことでその場で反論はされなかったが、やつはそのことをずうっと根にもっていたらしい。
二度目の宴席であのセリフだけはいまだに許せないと、こう言うのだ。
転勤したてで、右も左もわからないやつをあたしはずいぶん助けてやってるつもりはある。
でも、あの言葉だけは許せない、と。
そうか、そんなにご立腹だったのか。
でもよ、それは偽らざるアタシの本音よ。
最初から本音を聞けたことをありがたく思うべきだ。
「自分はいつだってここが最後の職場と思ってやっている。通過して上に行くかどうかは自分が決めることじゃない」
それはつまり、自分を評価する他者が多いことを自覚してるな、おぬしは。
通過して行く客人を誠意でもてなすほど、広いこころはあいにく……。
辺境にあるちんけな職場に長くいるとな、偏狭な人間になるのだよ。
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