遠距離M女ですが、何か?
井原りり



 M女の餌


彼女は「犬」である〜5〜


いはらが構築する世界の中で彼が切り結ぶ人間関係に関して、わたしは一切の嫉妬を禁じられている。

「りりが嫉妬して、どうするよ」

何度いわれたことか。


大事なことは、ここが誰のためにあるか、ということ。


いはらの歓楽のため。
いはらにとって愉しいことが何よりも優先されるということ。

そのために「K」がいて、わたしもいる、ということ。


M女の感情論はどこか他で、しかもいはらには一切関係なく、やってくれってことだ。
そんな感情論は捨ててしまえば、一番すっきりする。


だから、捨てた。


捨てきれないものだけが、ココロの中に残った。

名付けようのない、ひりひりした熱い痛みだけが、ココロの中に残った。




M女の餌は「傷」と「痛み」。

いはらはちゃんと餌付けをして、あたしを飼い続ける。






2002年09月30日(月)



 所詮は、おんな


彼女は「犬」である〜4〜


いはらが妻とわたしとの共通点をあげたりすると、奴隷の分際で何をかいはんや、ではあるのだが、にんまりとしてしまう。


「K」とわたしもよく似ていると、いはらはいった。

ふうん。
そうなのか。

なんというか、あまりいい気分ではなかった。


いはらとわたしは前世の兄妹で、お互い今世では「ひとりっ子」なのだが、「K」もまた兄弟姉妹がいないひとりっ子だと聞いた時にはちょっと悔やしかった。

「おいおい。お前まで、なんでだよ」と、実は思っていたのである。

このことは今まで彼女には一切言わないで黙っていた。


「りりさんが、ご気分を害してはおられないかと、気がかりです」と気遣ってくれたメールの返信にも「全然、だいじょうぶですから、どうぞこの関係を楽しんでくださいな」と打ったはずだ。

女なんて、こんなもんかもしれん。




2002年09月29日(日)



 一時的S化計画


彼女は「犬」である〜3〜


「K」をわたしが飼うということは、「K」に対してだけ、わたしは一時的にS化するということだ。

S的要素、M的要素というのは配分には個人差があるが、誰でも両方持っているはずだ。

わたしの場合は……、まあ、仕事してる時のあたししか知らない人からは鬼のような女王様みたいに思われているのかもしれないが、中身はずぶずぶのMである。


いいんだ、ほんとのわたしのことはいはらと夫だけが知ってさえいれば……。

Sではないんだが、Sもできますよっていう感じだ。
当然、「K」にも実際に会ってプレイするつもりでいた。
本格的ではないものの、お道具も少しは持っている。
向こうもそのつもりでOKしたはず。


わたしは同性愛者ではないので、女に恋心は抱かない。
でも、レズプレイにまったく興味がないわけではない。
やってもみたいし、やられてもみたいってところだ。

オトコとイタしちゃったら裏切りモノ。
いはらの指示をうけて、同性とならば、2年前の思いつき(?)@失礼! を忘れずに実行に移した忠義モノ。


「ご主人さま」と別れた「K」は戸籍上の「ご主人」の厳しい監視下におかれていたが、同性の友人にならガードも、きっと甘いはず……と踏んだのだ。
実はこの読み自体が「甘かった」のだが、それについては書く必要はない。

つまりこの関係は、いはらに管理されてるわたしが「K」を管理することにはなるわけで、三角関係ではなく、直線の上下関係であったはず。

まあ、「わたしのものはいはらのもの」だから、そのうちいはらが「K」を直轄管理下に置くようになるかもな、とは思っていた。



2002年09月28日(土)



 M女がM女を飼う理由


彼女は「犬」である〜2〜


毎回「犬」呼ばわりは霊長類ヒト科の♀に対して失礼というもの。

で「K」と呼ぼう。

『吾輩は猫である』に続き『こころ』かよ。
やっぱり夏目漱石は偉大。



「K」はかなり前からの熱心な読者さまの一人でよく感想のメールをもらったりしていた。

はぐれた飼い主が、わたしと同じ県に住んでおられたことも親しみの因であった由。

別れがどんなに寂しかろうと「さびしい」とはいわずに耐えるM女。
想像力があれば、こころの中は読み取れる。

はたでその様子を見ていていじらしいと思えば「うちで飼われてみないか」と声を掛けてもばちはあたるまい。


もう、随分まえのことになるが、いはらから「スキルアップになるからM女を管理してごらんよ」とはいわれたことがある。

その時、まわりにいたのは「相方はやっぱり殿方でないと……」というM女のみなさまで実現にはいたらなかったんだった。



2002年09月27日(金)



 M女のダンディズム

ノーマルな恋愛しか経験したことのない人にはけして理解できないと思うが、わたしらM女というのは、常に誰かに支配されたり、管理されたりしている状態というのが、妙に落ち着ける自分の居場所なのだな。

それじゃあ主体性ってもんはないのか。
あるさ。
あるに決まってるじゃないか。

自立してるオトナで、きっちり自律できないとSMなんてできない。

だって、どんなにさびしくたって、一人で耐えるべき時は耐える。
「さびしいから、今から来て……」だとか「つらいから、慰めてほしい」などというたわごとは口が裂けても言わない。
M女にだって、ダンディズムってもんがある。





2002年09月26日(木)



 『彼氏彼女の事情』

さすがは、かれかの。

って最近ようやく11巻を読み終えたばかり。


こんな台詞にしびれた。


* * * * *



きっと心って液体だな



あふれてるもん



愛してる が



* * * * *


ちなみに、引用文には出典を明記せねばね>著作権にうるさいみなさま。

『彼氏彼女の事情−11巻』津田雅美・白泉社・2001/7月刊・\390





2002年09月25日(水)



 新連載 : 彼女は「犬」である

彼女は「犬」である。

名前はもうない。

どこで生まれたか、そんなことは知らない。

ただ、飼い主にはぐれて道に迷っていたのでうちに連れてきた。

そうこうするうち、お迎えが来ちゃった。

だから、もううちにはいない。



* * * * *



うちでしばらく飼っていた「犬」のくだりは削除された日記の中でもっともファンの多いエピソードだったといえる。

あの話がきっかけで、ごぶさたしていたネット仲間からも連絡があったほどだ。


すでに過去形で語れる話題になったことだし、少しずつ連載のかたちでつづっていくつもりだ。

が、しか〜し、時として普通に「日記」が混じるとちょっとヘンかもしれない。

まあ、日付次第でなんとでもなるようだし、

タイトルでご判断願いたい。



2002年09月24日(火)



 喫茶店

夫と付き合い始めたころ、毎朝二人でコーヒーを飲んだ喫茶店が今週の水曜日で閉店する。

市内で一番うまいコーヒーを飲ませる静かな店だった。

コーヒーに油が飛んで味が落ちるからって、ランチもやらず、食事のメニューはトーストとサンドイッチだけだった。


子どものない、われわれとほぼ同世代の夫婦二人だけでやっているし、常連客もいるから喰っていけないってことはなかろうと思うのだが、やっぱり「喰ってはいけなかった」ってことなのか。

わたしら夫婦には子どもができたが、この夫婦は……犬を何匹も飼っていた。
犬が子どもだった。

あ、本物のわんこですよ、念のため。



喫茶店。

いろんな店がある。

わたしも最近ではめったにこの店でコーヒーを飲まない。
だから、つぶれたわけではないのだが、なんとなく申し訳ないような気がする。
以前は毎朝行っていた店だから……。

最後にもう一度行こうか行くまいか、ずいぶん迷って、で、ようやく行ってみた。
夫も今朝、コドモと行ったっていうから……。

「寂しくなっちゃいますね」
と奥さんがいう。

「ごめんなさいね。他の店に行ってたわけじゃあないのに……。もう喫茶店に入ることがめったにないんだもの」あたし。

「携帯電話がはやるようになって、みんな動きながら何かしてるでしょ。落ち着いてコーヒーを飲む時代じゃなくなったんですよ」とさらに奥さん。

そうか。
携帯のせいか?

スタバで紙コップ入りのコーヒー買って、自分のクルマの中で飲んだりするもんな。

やっぱり時代のせいだな。

市内では特に個性もなんにもない大きなチェーン店の支店が何軒も出来ている。

広い駐車場。
個性のないメニュー。

そばに喫茶店がない空き地になにか出来そうだな? って思っていると、またあの店だ。

夫婦は今度はコンビニをはじめるらしい。
寝る時間あるのかな?

だんなさん、週に一回のゴルフが楽しみだったのに行けんのかな?



2002年09月23日(月)



 インターネットバンキング

NHK大河で信長役をやっているオトコがイメージキャラをつとめる銀行が、うちの職場のメインBANKだ。

で、開設手数料は無料だというからインターネットバンキングを申し込んでいる。

でも、一度も使っていない。


そこでだ。


このエンピツ日記の有料版使用料=年額\900 の振込みを夜中に自分のPCつかってやってみることにした。

いい記念だ。


ところがだ。


カネのないこのわたしに、あまりにもふさわしい結末が待っていた。

わずか900円の振込みさえ「残高不足でお取り扱いできません」だと!


はは。

わらっちゃう。



2002年09月22日(日)



 完全復帰までもうちょい!

まず、デザインがいろいろ用意されていて、なかなか決まらない。
いろいろ試している。

今のところ慣れ親しんだ壁紙もなしだ。

PDAでの更新が念頭にあるため、日記部分が Table じゃないほうがいいかもしれない。

それから過去の日記には「日記うぇぶ」へのリンクが貼ってあったため、こちらに飛べるように書き換えて転送した。

まだ日記才人の URL 変更が済んでない。

ここで書くようになって初めていらした読者さまには、過去の約3年分の日記の置き場所があります。

こちらへもお誘いをいたします。


* * * *


今回の「日記うぇぶ」削除にあたり、ログが完全消滅してしまったために困っているのは8月分と9月分だけにすぎない。

7月分までは、自分のサイトに移転ずみであった。

8月もさっさと移転させておけば損害はより少なかったのであるが、そこはそれ、暇な奥さまじゃあないので、やれなかったことはできなかったことなのだ。

なにしろ、いはらから「職場のトイレ以外での自慰禁止」を命令されても苦痛を感じないほどに忙しい。

のんびり自室のベッドで股間をいじくりまわしている暇などない。


* * * *


消えた8月9月の記述に関しては、下書きの保存もしていない。
よって、思い出しながら追加する予定。

さあて、自分の書いたテキストの、何をどこまで覚えているだろうか。
ちょっと興味あるね。


* * * *


日記デザインについて

他の日記を拝見してみると、まさか、これってみんな同じところで世話になってるとは思えないくらい多彩。


ここまで凝るには一日のうち何時間、PCの前に座ってんのかね?>日記書きの皆様。

すまんが、そこまで外見にこだわってる暇はないのだ。


PDAとの相性がいいこと、というのがわたしの場合、web日記最大の決め手になるのだが、これに関してはMobileエンピツが用意されていることに気付いた。

更新すれば自動的に反映されるなんてありがたいこってす。

これはすばらしい!



2002年09月21日(土)



 日記再開

ひとまず、ここでやってみます。

みなさま、よろしく。

今度はちゃんとバックアップも取りまして、慌てないようにいたします。

めげてなんかいません。


PDAでも更新できるか、試行しております。

OKでした。

さあ、やるか。アダルトっていうカテゴリは必要だよ、まったく。


2002年09月20日(金)



 強制削除

就寝前にアクセスした時にはなんの異常もなかった。

昼前、親しい読者さまからの携帯めるで「日記削除」を知り、なんとか時間を工面して自宅に戻った。

「削除されるかも?」と思わなかったわけではない。
削除理由は緊縛画像の貼り付けだ。
きっとそうだ。


画像は日記ページに直に貼り付けず、クリックすると母屋の画像ファイルに飛ぶようにはしていた。

でも、だめなものはだめだ。

自宅に帰ったのは、もし履歴が残っていればまだなんとかなると思ったからだ。


甘かった。


受信トレイには数通、読者さまから削除に関するメールが入っていた。ありがたいことだ。

さて、どうする。



2002年09月19日(木)



 とても悔しいこと

休日なのに出勤した。
別にあたしは出て行かなくってもよかったんだけど、他にも出勤してる人がいるって聞いていたし、職場のPCでないと出来ない仕事だってある。

このところ自宅で落ち着いて机の前に座っていられないのだ。
なにやらばたばたと、あわただしく過ごしてばかりだ。

誰もいない職場の方がよかったりもするのだ。

で、なんかその気になって職場サイトの更新をやり始めたら、興が乗っちゃって、夢中になっちゃってたんだな。

途中でメールの着信音をはっきり聞いたのをよく覚えている。

土曜日だ、いはらからはめるは来ない。
どうせ、めるまがかなんかだろう。

そう思ってほかっておいた。

ふう。
更新快調。
撮ったばかりの画像をちょちょいのちょいっと1時間で仕上げてアップ。
誰に頼まれたわけでもない。報酬がもらえるわけでもない。
ただでさえ自分のサイトの更新ができなくって困っているのに、なんで職場の分まで引き受けてんだろう。

それは、たぶん、ですね。
あたし以外の人には出来ないってことをやるのが、いつだって何事においても、気持ちイイんですな。


ところがだ。

着信からほぼ1時間もたってから、それがいはらからだったことを知った時の悔しさったらないね。

ああんあんあん、なんで? なんでカバン開けて確認しなかったの?

もう、ばっかじゃないの? あんなもうからないことに夢中になってさあ>自分。

まあ、そういう日もある。
ってことはうまくイク日も、いつか来る。









2002年09月14日(土)



 バカヤロー!

お金がない。

収入は、まあそこそこあるにはあるのだが、どんどん派手に出て行ってしまうから、手元に残らない。


今年はPCを3つ、PDAを1つ買った。
一つは家族みんなで使い、一つはいはらが使い、一つは92年製の窓機ノートをやっと今の時代にあったものにした。

わたしが今使っているのがそうだ。

PDAはZaurusをカメラ付きのにした。古いのはムスメにやった。

どのマシンも律儀に仕事をこなしてくれている。


今年の夏は高級ホテルに3回泊まった。

W杯の時、イタリアチームが定宿にしていたアーバンリゾートが売りのところにいはらと一泊。

富士山は曇って見えなかったが、新幹線を見下ろす高層ホテルに子どもたちと一泊。

同じく新幹線を見下ろす別の県の高層ホテルに家族全員と一泊。

どこもうっとり、だった。


だからお金がなくなったって仕方ない。
いいじゃないか、こういう人生を生きることを選択したのは自分なんだからさ。

でも蓄えもなんにもないので、職場の互助会から借金することにした。
毎月15日締め切りで月末に振り込まれるそうだ。
預金の金利は限りなくゼロに近づいていくが、借金の金利はそうもいかない。とはいえ年利3%なんて奇跡だ。

15日? 日曜日じゃん。
ってことは今日中に同僚の中で保証人になってくれる人を見つけ、郵便局にも行って2000円の収入印紙を買わねばならない。


わたしの高校の1つ下の後輩の男性に擦り寄る。

「あのですね、かくかくしかじか……」
「どうしてそんなにお金がないんですか? いったい何に使っているんですか? 年が上なんですから僕より収入あるでしょう? ご主人も働いてるんだし……」
うるせーなー。
大きなお世話だ。

「いえ、いや、まあ、その、あの、実家の母が……」
「子どもたちの塾の月謝やお稽古事が……」
「夫の事業はこのところ、左前。いつつぶれても不思議はない……」

など、あれこれつらつら、話したくもない身内の恥まで語らせたあげく

「すんません。死んだおやじの遺言で、保証人にだけはなるなと……」

ばかやろー。
それを先に言え。




2002年09月13日(金)



 秋 そばにいるよ


木曜日から旅の途中

水曜日発売のaikoの新譜。
予約してあったから火曜日の夕方にはgetできるはずが多忙で水曜日にようやく入手。

で、それをmp3にしてZaurusで聞くっていうのも、一応考えないでもなかった。


でもさあ、出発の日 a.m.5:30 には家を出て a.m.6:00 には集合場所についてなきゃいけない。
朝4時起きの身にそれはこたえる。


albumに入っているすべての曲を聴く時間もないままに出発。
いはらも聞いているであろうのに、聞けないのは残念だけど、しかたがない。





2002年09月06日(金)
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