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■ M女の餌
彼女は「犬」である〜5〜
いはらが構築する世界の中で彼が切り結ぶ人間関係に関して、わたしは一切の嫉妬を禁じられている。
「りりが嫉妬して、どうするよ」
何度いわれたことか。
大事なことは、ここが誰のためにあるか、ということ。
いはらの歓楽のため。 いはらにとって愉しいことが何よりも優先されるということ。
そのために「K」がいて、わたしもいる、ということ。
M女の感情論はどこか他で、しかもいはらには一切関係なく、やってくれってことだ。 そんな感情論は捨ててしまえば、一番すっきりする。
だから、捨てた。
捨てきれないものだけが、ココロの中に残った。
名付けようのない、ひりひりした熱い痛みだけが、ココロの中に残った。
M女の餌は「傷」と「痛み」。
いはらはちゃんと餌付けをして、あたしを飼い続ける。
2002年09月30日(月)
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