2006年05月31日(水) |
ありがとうございました |
母の件でメールをくださった 友達や、ネット上でのお知り合いの方、 本当にありがとうございました。
逆の立場なら、私は メールなど送れないほうでした。
だって、そんなときに 何ていえばいいかわからないし。 親を亡くした直後なんてきっと本人は 他者からなど何も言われたくないだろうな、 そっとしておいてほしいだろうな、 …などと考えてしまって。
だけど、たったひとこと 「ご冥福をお祈りします」 と言われるだけでも、こんなに気持ちが 救われるものだとは思っていませんでした。
感謝いたします。
実はこの四月から行き始めた派遣先を もう辞めてしまいました。
母の逝去でまだまだいろいろ手続きなど しなくてはならないことも多く、 どうしても役所関係などしばらくは 平日の休みが必要だということが メインの理由ではあるのですが…。
ところで、『T社車リコール156万台』 のニュースを目にされた方も多いかと思います。 ハンドル操作が利かなくなる不具合があった、というものです。
このニュースをネットで読んだところ、原因について "コスト削減のために同じ部品を複数の車種に使いまわす ようになったため、一つの部品が不具合を起こすと、 多くの車種に影響が出るためだ" というようなことで片付けられていましたが、 果たしてそうでしょうか?
その、一つの部品が不具合を起こした原因は?
実は私が四月から行っていたのは、 このT社の子会社と化しているD社で。 もちろん"T社製"として売り出しつつ、 実質D社で作っている車種もあるのですが。
ようやくちょっと落ち着いたわ。 まだいろいろやらなあかんことはあるけどさ。
あんたら離婚したからお父さんは居らんし、 親戚は居らんし、兄弟も居らんし、 ほんまに私一人きりやから大変やったよ。
私、会社でのお仕事だけはできるらしいけど ああいう社会性の必要なことってイマイチ駄目やからさ。 でも、友達も彼氏も来てくれたし大丈夫。
発見したときに一生懸命心臓マッサージしてくれたのが、 いつもいちばん理解してくれてる私の友達やで。
お骨持って帰ってきたときに急いで祭壇作ってくれたのが、 ずっといっしょに住んでる私の彼氏やで。
お母さんが倒れてるのん発見したん、5/11の夜やったわ。ごめんな。 お医者さんに来てもらったらさ、5/8ぐらいやってんて?倒れたん。
死因は心不全やて。 一瞬でのことやったんやと思いたいけど、傍に居てなかったからなぁ。
苦しかったんか?淋しかった?最期に何を思ったん?
まさかお母さんを孤独死させるとはなー。情けない。 なんだかんだ言うても、まだ56歳やったやん。若いやん。 もっと頑張ってくれると思ってたんやけど。こればっかりは、なぁ…。
先月くれた手紙で、めずらしく何か悩んで落ち込んでるみたいやったから ≪人生に遅すぎることはないらしいよ。 生きてさえいればさ、今からでもなんとでもなるよ、うん。≫ って返事書いたやろ、私。ちゃんと読んだん?生きてなあかんやん。
斎場で出てきたのを見たとき、ちょっとショックやったで。 あんなにプヨプヨ肉付いてたくせに、あんなにスカスカの骨だけになってさ。
それにしても、こんな時期に死ぬなよなー。 世の中どこを見ても母の日、母の日で、ツライやんか。
お母さんと電話した日のことは全部、手帳に書いてるねん。 最近は≪元気そうな声だった≫とかさ、そんな記録が多かったのに。 お母さんの友達も、近所の人も、言うてたよ。 「元気にしてはったのに」とか「よく笑うようになったのに」って。 なんやねん。ぜんぜんあかんやん。
いちばん最近くれた電話なんかさぁ、ほら、5/4の朝よ。 「あんたから貰った湯呑みが割れた〜。なんかあったら連絡して〜」 って留守電聞いたから、私の身が危ないんかってビクビクしてたわ。 お母さんの方やん!なんかあったんは。
その後すぐ届いた手紙に書いてたやん。 ≪サンセットなんとかの『マイペース』って曲が好き。 ラジオで流れるの、楽しみにしてるの≫って。 だから、プロモーションビデオが出てるんやったら見せてあげよう と思ってさ、DVDプレーヤーの検索してた記録が残ってたんよ。 私の、お気に入りに。それ見たらなんか泣けてきたわ。 ちなみに、サンセットスウィッシュやで。そのグループ名。
お気に入りなんて言うても、お母さんには何のことか解らんよなぁ。 私、「インターネットできるようにしてあげる」って言ったのに 結局まだパソコン買ってあげてないままやもん。
「携帯電話が欲しい」ってお母さんが言ってたのも、 そのうち買ってあげようと思ってるうちにそのままになってて…。 ケータイぐらい、すぐ買ってあげたらよかったのになぁ。 毎日電話っていうのは正直ちょっと難しいけど、 ケータイがあったら、毎日メールぐらいはしてたかもしらんのに。 お母さん、筆まめやし。きっと毎日メールくれるようになってたと思うわ。
そしたらさ、「あれ?今日はメール来ないな」ってなってさ、 もっと早く発見して、間に合ったかもしれないのかなぁ。
今日までには二回、大泣きしたわ。
一回目は発見した日の夜に。 ケータイの話みたいな「○○したらよかった」「○○すればよかった」 ってタラレバの後悔ばっかりがいっぱい押し寄せてきてさぁ。 今さらそんなこと考えてもしょーがないって判ってても、やっぱりな。
二回目は次の日の夜に。 少し寝て起きたら、白い布に包まれたあんたのお骨が視界に入ったんよ。 「お母さんが、いなくなっちゃった…」 って感覚が急に襲ってきてさぁ。びっくりした。
≪喪失感≫っていう言葉の意味はコレかー!って感じやった。 こんなにショックを受けるとは、正直思ってなかったわ。 ≪胸にぽっかり穴が開く≫っていう言葉も、すごいよな。 ほんまに胸の辺りがえぐれたような感覚やったもん。
現実やったんやなぁ。 私らが、親子やったのも。お母さんが、死んだのも。
お母さんの日記帳みたいなん見たけど、私の日記帳と一緒やったわ。 お互いに憎んだり、愛したりしてたわ。 なんか結局、最後までちゃんと分かり合われへんままのところも多かったし それは残念やったけど、だって違う人間やもんな。そういうことにしとこ。 それでもあんたは私のお母さんやし、私はあんたの子供やから。紛れもなく。
母親が亡くなりました。
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