白痴日記
白痴



 温かい部分

温かい部分に触れると
ほっとする.

喩え何処かに冷たい部分があったとしても
それはバランスであって
善悪ではない.

だから余計に.


2005年07月31日(日)



 アナログ

私は実際会って,長いこと付き合わないと
あまりにわからない.その人の人となりが.
適当に,当てずっぽうに理解できることもあるけれども
そういう場合,悲しいことになる可能性がある.

嗚呼,何が言いたかったのか.
たぶん阿呆みたいに数だけ増やすことに
他人事とはいえ
反吐が出そうだったのだ.

2005年07月30日(土)



 元気じゃない

本当はいつもこう言いたい気がする.
言ってることもあるけどさ.

相手に負担をかけると
うざがられる.

自分で背負い込むと
潰されて,這い歩く.

もともと飛べない.

2005年07月29日(金)



 すり減っていくのは

どうして?
豊穣を目指した.

結果は.
すり減って壊れた.

考えても何も起こらない.

そう.そういう類のこと.

2005年07月28日(木)



 さすらい

小林旭の古い唄を口ずさむ.


夜がまた来る 思い出つれて おれを泣かせに 足音もなく なにをいまさら つらくはないが 旅の灯りが 遠く遠くうるむよ



知らぬ他国を 流れながれて 過ぎてゆくのさ 夜風のように 恋に生きたら 楽しかろうが どうせ死ぬまで ひとりひとりぼっちさ



あとをふりむきゃ こころ細いよ それでなくとも 遙かな旅路 いつになったら この淋しさが 消える日があろ 今日も今日も旅ゆく


2005年07月27日(水)



 触れて

傷を全部見せるから
血だらけの躰を見せるから
乱暴にでもいいから
罵ってもいいから

触れて.
触れて.

私に触れて.

2005年07月26日(火)



 目と口と声が大きい人

目と口と声が大きい人が何だか話している.
身振り手振りも大きいなあ.

私は傍観者の役割だったので,それを黙って見ていた.

商売って大変だなあと
猫の毛に顔を埋めながら思った.

この人はじめから大きかったのかなあ,こんなに.
乾きそうだな,目.
裂けそうだな,口.
声,作ってるよね.

頭痛.

2005年07月25日(月)



 小さな車

私の車は小さいので
スピードを出していると,一瞬で傾く.

誰もいない道路で何度か試す.
アクセルを踏み込んで
ふわりとする.

ちゃっちいカースタント.

2005年07月24日(日)



 だらだらとした時間

そういう時間は大好きで
怠惰にどっぷりつかる.

何もしなかった一日なんてなくて
内臓は働いているし

そんなに意識上で頑張ることもない.

2005年07月23日(土)



 思い出の統合と修飾

思い出は時間が経つほどあてにならない.
過去は自分の中で都合良く消化しようとするし.

それが各個人で行われれば
一個がたくさんになる.

どれが本当かなんて,もう今はわからないんだ.

2005年07月22日(金)



 精液

精液を臍の穴から吸収しちゃって
異形なものができることはないのだろうか.

ふと思ったりする.
月明かりの中.

2005年07月21日(木)



 時間

忘れてしまいそうで,目を伏せる.
忘れることが最善だろう.
そうなのだけれど.
わかっているよ.

私は嫌な過去をしまっておくことができる.
深く深くに.
思い出しかけても,無理矢理しまいこむ.

そんなことの一つになるのだろうか.
それはとても悲しい.

2005年07月20日(水)



 こんなに湿度が高いのに

唇も
肌も
かさついている.

心も.

2005年07月19日(火)



 泣く練習

泣く練習をしているの.
悲しいことは山ほどあって
悔しいことも崩れ落ちてくるほどあって

思い浮かべて泣こうとするけれど

一人の部屋は妙に広くて
静かで

泣けない,

2005年07月18日(月)



 罪と罰

それは長い目で見たら公平なの?


2005年07月17日(日)



 機械は気持ちがないものね.

君は機械とだけ付き合えばいいよ.
人間じゃないよ.ヒトっていう種類なだけ.
相手のこと予測もできず,努力もなく,汚い靴で入ってくるな.
嘘ばかり言うなら,口閉じてろよ.
君の波で誰も動いちゃいないんだよ.
動けるかよ.

自分がどんなに優しさの中にいたか
感じることもできないだろう.

もう期待もしないよ.
勝手な期待をしてすまなかったね.

君はヒトって種類なだけ.


2005年07月16日(土)



 全てを埋め込む

額に穴をあけて,全てを埋め込む.

ぽっかり穴をあけて,まるで屠畜のように.

そして何を言おう.

2005年07月15日(金)



 興味のない女

ある人がいった.
その女の人には興味がない.

それはその人の気持ちをシンプルに表現していた.

こういう単純な言葉で気持ちを表したい.

2005年07月14日(木)



 ヒルナミン勝利

泥の中.
ヒルナミンの泥の中,眠る.
動けない.

2005年07月13日(水)



 疲れ果てた

本当にもう
ボロボロで,疲れ果てた.

2005年07月12日(火)



 青い薔薇

この間通院で街へ出かけた時
花屋の店先の看板に青い薔薇がありますよ.と書いてあった.
とても珍しいと.

薔薇自体,あまり飾らないのだけれど.
買ってもよかった.

花瓶を選ぼうかな.
綺麗な形の,硝子の花瓶.
少し重ためで.

家に綺麗なものがほしい.

2005年07月11日(月)



 決意

私は私でいたいだけ.
誰にも邪魔させない.

一人きりになってもいい.

2005年07月10日(日)



 眺めていたい

綺麗なものを
醜いものと
同じぐらい眺めていたい.

2005年07月09日(土)



 持ち物

私が持っている倫理観や正義感なんて
あまりに役立たずでエゴと区別がつかない.

テレビのニュースは一部しか映さない.
誰が笑って,誰が泣いてる?

眩暈がする.
悪い眩暈.

2005年07月08日(金)



 夜中の住人

夜中と思われる時間にしっかり起きている.
夜中は静かでいい.
壊れそうに静か.

七夕は終わった.
時々雷が光った.

願いが聞き届けられるなら
もう何百万回も思った言葉を繰り返す.

水をこくりと飲んで.
夜中はまだ続く.

2005年07月07日(木)



 明日は七夕

星が見えると良い.
月も見られると良い.

君からたとえ事務的にでもメールが来たら,良い
君から電話が来たら,もっと良い.

君と

会いたいな
会いたいな.

会いたい.

2005年07月06日(水)



 匂い,夢の中

夢の中の血の匂い.
夢の中でも子猫が喰われる,他の猫に.
内臓が出ている子猫を前に
私は「何で.」と言うだけでで何も出来ない.

血の匂い,充満していく.
親猫までも子猫を庇って,瀕死になっている.
親猫を呆然と膝に抱いて
しっかりと名前を呼ぶ.

血の匂い,充満していく.

2005年07月05日(火)



 焼け跡

残骸.
色々な匂い.
焼けただれた匂い.

大黒柱が炭化している.
カレンダーの燃え残り.

金属が溶けて変な形になっている.
でも笑えないや.

2005年07月04日(月)



 ハネムーン

好きな女の子がハネムーンで,私の故郷の空を見たそうな.
私がいつも離発着する空港から,
新婚の二人は旅に出たのだ.


幸多かれ.
いつでも思い出せる.
その女の子のことは.
忘れないから.

あの笑顔が一生守られることを.
あの泣き顔はうれしいときだけであることを.
穏やかな声が震えることのないように.


蜂蜜色の幸せを.
どうか.どうか.



2005年07月03日(日)



 下着をつけるのが嫌い

パンツを穿くのが嫌い.
ブラジャーも嫌い.

観賞用としては大好き.
繊細なレースも,綺麗なカッティングも愛してる.

裸に近い格好が一番好き.
筋肉の動く様子や,関節の丸みがわかるから.

少しうさぎやかめがうらやましい.
裸だから.

2005年07月02日(土)



 一番好きな人と添い遂げる

そんな幸運な事が出来る人がどれぐらいいるだろう.

まず愛し合わないといけない.
そして
共に生きていく素地を築かなくてはいけない.
それから
生きていかなくてはいけない.


どれもできなかった.

愛は垂れ流しで,そのうち自殺で果てるだろう.

2005年07月01日(金)
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