白痴日記
白痴



 041231

バイバイ,今年.
長かった.
一日,一日が.
苦しかった.
一月,一月が.

でも生きた.
暮らした.

目覚めないわけにはいかない毎日よ.

解放とは何なのか考えて.

自由の意味が身体に染み込んできて
色を変えていくのを.

感じて生きた.

2004年12月31日(金)



 全てがごっこと思えば

少しは楽かな.

2004年12月30日(木)



 夢見る猫

猫が眠りながら,乳に吸い付く動きをしていた.
ちゅうちゅうと.
お母さんの夢を見ていたの?

寝ている猫は子供のようだ.
今はない脚を動かして,走っているのだろう.

2004年12月29日(水)



 単純

単純に暮らしていきたい.
単純に人を愛して,愛されると誤解して
子を産み,育て
庭いじりをして毎日が終わって.

そういうものに時々惹かれるけれど
自分には無理だ.

2004年12月27日(月)



 紺色の爪

指先まで蒼く染まって見える.
黄色と蒼と白が混ざって汚い手の色.

じっと見る.
何も考えたくなくて.


2004年12月26日(日)



 苦い舌

私の舌は夜,睡眠薬のために苦い.
私の舌は長い.

この舌を誰かと共有したくて.
ふと気づくと排卵日で.
私の本能の
飢えに
舌が跳ねてる.

真夜中に舌をのばす.
闇の中の記憶は自由自在.

2004年12月25日(土)



 問い

不眠症でもサンタは来る?
透明人間になって来る?

それも怖いか.

眠りたい.夢は見たくない.
意識を全てなくして眠りたい.

眠りのプレゼントをください.

2004年12月24日(金)



 浮かれること

浮かれる事は,良いことだと考える.
もしその浮かれている理由が,泡と消えても
浮かれていられたのは本当で
その後の打撃が大きいのは悦びも大きかったという印.


プカプカしていたいのよ.
できるだけ.
人生の中で,できるだけ多く.

全然できてはいないけれど.

2004年12月23日(木)



 絶望してはいけない

絶望してはいけないと
自分に言い聞かせながら
絶望している自分に言い聞かせながら
道を歩く.

絶望は甘い砂糖菓子でしてしまえば,簡単で
苦しいけれど,簡単で

道に踞りたい.

2004年12月22日(水)



 心中を考える

其れは無理心中になるのだろう.
私は殺せる?
殺せない,殺せない,殺せない.

結局私はあの人の幸せを喜ぶことが
心全部ではできず

かといって
あの人の人生を潰してしまうほど
我が儘になれず

愛されないとは不便なもの.

2004年12月21日(火)



 編み物は数学

最近よく編んでいる私ですが,頭の中は数学の時の動きと一緒.
幾何学かな.

だから裁縫は駄目だけど編むのはできるのだと思う.
男の人も案外いけるのではないだろうか.

理屈だから.編み物って.
答えが明解.


2004年12月20日(月)



 世紀末

何も起こらなかったよ.予想通り.
北斗の拳みたいなことも.
コンピューターの混乱も.

ふと思い出した.

何かがあればいいなと思った.
思っていた.

人生最後の世紀末にさ.

小さい事は起こっているよね.
毎日起きているような事.
産まれて生きて死んで.

霞みたいに愛したり.


2004年12月19日(日)



 頭多忙

頭がいつも多忙で,これは死ぬまで続くのだろうかと思う.
夢の中まで難しい選択があり,考える.
くだらないことを考えていることもあるけれど.

頭がからっぽって意識を薬剤過多で本当にやばい時しかない.

みんなそんなものだろうか.

2004年12月18日(土)



 所属

何かに所属しても
誰かに所属しても

結局は一人なんだよと.
耳元で囁いてあげよう.

其れが喩え,妬みに聞こえても.

2004年12月17日(金)



 除雪車の音を聴く

凍る道の雪をがりがりと,真夜中に,
削る除雪車の音.

昔,あの人と珈琲を飲みながら研究室で聴いたものだ.
熱くて濃い珈琲がうれしくて.
二人の眼鏡が湯気で曇るのさえ愛しく.

何も変わっていない気持ち.
でもきっとどこかで,マイナスプラスはある気持ち.

ただ,愛しているだけでは,届かない事実と
でも,愛することしか,できない真実.




2004年12月16日(木)



 死ねる

三十七日分の薬を見て,嗚呼死ねると思って安心したのです.
ペプシコーラで飲んで逝きましょう.

想像して想像して.

想像自殺.

2004年12月14日(火)



 その店は二階にある.

ズブロッカ
ラム
ジン
シーバスリーガル

飲みたい酒をあげてみた.
禁酒してから随分立つ.
飲んだのは乾杯の時ぐらいじゃないかな.
時々ふらっとおいしいバーに寄りたくなるのを抑える.
暗くなってきた街で.
それは病院帰りが多い.

でも明日は一杯いいかな.
今年の自分のための.

まだまだかな.

2004年12月13日(月)



 師走

妙に人が多く,吐き気がする.

2004年12月12日(日)



 小さな子の髪

小さな子の髪の毛は何であんなに細くて柔らかいのだろう.
守られているからだろうか.

陽を浴びて光る髪を見て思った.

2004年12月11日(土)



 銀杏

銀杏が檸檬色に染まって,綺麗です.
緑の芝に落ちていきます.

綺麗な形を保って.

来年も,その先も,きっと綺麗でしょう.

2004年12月09日(木)



 久しぶりのキス

うさぎがうさダンスをしてやってきて
キスをしたよ.
ちゃんと唇に.ズーノーシスなんて知らない.
いや,知っているけど.

こいつらはかわいい.
一人暮らしの私の貴重な家族だ.

2004年12月08日(水)



 物事を進める

頭を手帳代わりにして,淡々と確実に進める.
そういう時は本当にサイボーグみたいだと思う.
与えられた才能といえばそうなのかもしれないけれど.

情緒もなく,淡々と.
ミステイクがあれば,即対応し.

疲れるとよくそうなる.


2004年12月07日(火)



 デスクトップ

デスクトップをラベンダーのアップ写真にしてみる.
花って艶めいていて,本当に私は花が好きかどうかわからなくなる.
その伸びた花弁も,花びらも
どうして
こんなに淫靡なのだろう.

2004年12月06日(月)



 子宮

子宮のあたりを触る.
脂肪の下に確かにそれは存在する.
でも空っぽ.

ややができなかったのは,必然と言えば必然だった.
でも1%にかけた.
そして血を見た時,私は生きながら死ぬ人になった.

毎月要らない胎盤が剥がれ,膣から出る.

あの人との赤子でなくては意味がないのだ.
手を当てている部分を,切り裂きたくなる.

何もない.

2004年12月05日(日)



 脳味噌

七割,眠っているという.
私の三割は本人によって,大層な被害を受けている.

もし七割が活動しだし,見えるものが増えても
それが汚くても

私は脳味噌全開にしたい.

死ぬ覚悟をいつも考えているのです.

2004年12月04日(土)



 私はずっと人が怖い

人は怖い.
一番怖い.
これは小さな頃からの感覚.
お化けよりも妖怪よりも,ずっと生きている人間の方が怖いのだ.

それは間違ってなかったと,大きくなっても思う.
私は,そう思って守ってきた.
自分を.

それで優しさをはね除けたことだってあるだろう.

でも優しさはぬるま湯だと詩人も言っている.

私は溺死はしたくないの.

2004年12月03日(金)



 どんと

スペースシャワーTVを見ていたら,どんとが歌っていた.
ああ,死んでしまったのだと思いながら
さかなのうた,を聴いていた.

誰しも死ぬ.
自分で死んだり病気で死んだり事故で死んだり
死はハッピーエンドではないだろう.屹度.

死は全ての終わりだ.本人にとっては.

2004年12月02日(木)
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