白痴日記
白痴



 群青

生きていることに何も決めていない.
綺麗か綺麗じゃないかぐらい感じるけれど.
私は自分のしたいことをする.
している間も考える.これは私のしたかったことなのか.

ナイフを自分に向けることも他人に向けることも
本当はまだ止めることができない.

自分に向けたナイフが,自分の息の根を止める事を祈っている.

疲れたの.
呟くと暗闇に真実を帯びて響く.

死にたいの.
呟くと甘やかでとても楽なことに思えてくる.
自殺が.

私は私.
私は私.

2004年09月30日(木)



 逆流

生きていることは順当な流れなのか,逆流なのか
よくわからない.

私はここで痛い頭を抱えて,強張った躰をもって
いるけれど.

どこまでいってもひとりぼっちで.
首輪をつけても構わないから,傍においてくれと哀願する.
私はもう逆らわないから.
いい子になるから.

でも知っている.
私は首輪をつけられても,あなたが他の人を得ようとすれば噛み殺すと.
そういうふうにプログラミングされている.

足下の流れはきつくて,膝をつきそうなぐらい.
嗚呼.

2004年09月26日(日)



 暴走

暴走しそうな夜を.
濁ったエネルギーが放射されるような夜が.
私は私だけれど,其れに何の意味もなくなり,翌朝の太陽が
私の素足を照らすまで,適当な仮名になりて.

背中から蛾が飛び出してきそう.
背中の破れる音が聞こえたような.

そんな夜に愛はないよ.
愛なんていらない.
今後一切.

暴走する.
よーいどん!

2004年09月25日(土)



 殺してやる

結局誰でもよいのだわ.
恐ろしく無礼に出てきたスクーターの女とか
無理矢理突っ切る歩行者とか
寄せてくるトラックの運転手とか

殺したくなったら,結局誰でもいい.
殺して.殺して,殺す.

頭の中でね.まだ頭の中でね.


2004年09月24日(金)



 思うこと

何かね.
何事にも努力するのは大事だけれど,真剣に考えるのも大事だけれど
物事は常に動くし,もともとその物事のあった場を考えると
それはそんな大事ではない.

そういう場所で生きている人々をどうも思わないと言ったら嘘だけれど,別にそれもひとつの生き方だろうと考える.

だからこそ,物事の位置とその温度は,確実に感じていた方がいいんだ.

皆が同じスタンスではない.
下らない魑魅魍魎どもが嗤っているよ.

そういうのは本当にくだらないんだ.

2004年09月22日(水)



 独白

どうにもならない.
どうにもしない.
そんな過去.

未来はどうにかできるのだろう.努力やそのへんで.
未来なんて見えないけどね,全く.

バスに乗ったら親子連れがいてさ,男の子,五歳ぐらいかな.
お母さんの荷物を持ってあげようとしてるの.
その遣り取りがどうにも幸せで温かくてさ,自分が失っていく物を,しみじみと感じたよ.今日も薬が増えた.

夜道を記憶なく歩いていると,地獄に続くようで.

切りたいよね.

2004年09月21日(火)



 ただ泣いていたい

私はただ泣いていたい.
理由は無数にあるのだし,一人暮らしの女が泣いていても
誰にも迷惑はかけないのだから.

でもいつのまにか涙はでなくなった.
いつのまにか,ではない.
泣いても叫んでも届かなかった日から.

私の涙は欠伸をするときに反射で出る程度.
本当はただ泣きたいときだってあるのだ.

それによって,何も変わらなくても.



2004年09月20日(月)



 特別な夜

あのこのピアノを聴いた夜.
君の胸の音を聴いた夜.
風に髪が乱された夜.

幾つかの特別な夜.

過去という忘れ物.
未来という危険物.

時間は経っていく.誰の上にも.
死人の上以外は.

時間を止めてしまいたいと思った夜.
このまま,このまま.
けれども朝は来て,私はぼんやり水を飲んだ.

残酷で美しい.

2004年09月19日(日)



 ご飯を飲みこむ

ご飯を飲みこんだら,喉に刺さった骨が取れる.



怒った方が負け.
感情的になったほうが負け.

でも勝ち負けなんてどうでもよくなってきた.

君は私を不快にする.其れが全て.
私は君を不快にしている?

この刺さった骨は,何を飲みこんだら取れるのだろう.

ただ穏やかに関係を続けたいだけだというのに.
君はどうして私を不快にするのだろう.
馬鹿にしないで.
気ちがいにもそれなりの心があるのよ?



2004年09月18日(土)



 けれども

ぼんやりした意識の中で考え中,けれども,という言葉が浮かび
その言葉に色々組み合わせて遊ぶ.

けれどもあなたが好きだった.
けれどもドアは開かなかった.

けれどもって人生にたくさんあるなあ.

2004年09月17日(金)



 整理

・夏用のネイルポリッシュを買いすぎた.そのおかげで私の爪はまだ手も足も夏だ.でも来年の夏までとっておくことはない.もう少し秋になったら捨ててしまおう.
・秋の洋服がかわいい.
・スターバックスのフレッシュジュースはおいしい.
・風邪薬は全てをぼんやりとさせてしまう.
・全ての人間関係は普通だ.特出していない.
・夜になると熱が上がる.
・真夜中に寝つき,真夜中に目が覚める.
・此処は日の出が遅いのに日の入りは早い「気が」する.
・面倒なことが案外好きである.
・来年のカレンダーや手帳がもう売り出されていて焦ってしまう.来年生きていたら買おうと思っているが,いいものがすべて売れてしまっているという今年の二の舞を演じるのではないか.
・言葉を飲みこみ過ぎて,身体が支配されそうだ.
・発作の気配は常にある.


2004年09月16日(木)



 肌の匂い

私はあまり匂いがしない.
だから肌は一緒に寝た人の匂いになる.
それもシャワーを浴びれば消える.

蜂蜜の匂いのする石鹸が好きだ.
全てを取り去った後の匂い.

何度も匂いをつけて,何度も消す.

2004年09月15日(水)



 自転車

子供用の小さな椅子を前や後ろにつけて
走る自転車を見送る.
私には手に入らないもの.

しりとりをしていたり
唄を歌っていたり
夕ご飯の話をしていたり
今日一日のご報告をしていたり

嗚呼.
ないものねだり.

代わりに私が得たものはまだ何もない.
これから得るんだ.
これからなのだ,屹度.
そうでないと,そうでないと,悲しすぎる.


2004年09月14日(火)



 言葉の束

時々,私に溜まった言葉達を束ねる.
淡々と,集中して.
そして仕舞いこむ.心の遠くへ.

そういう作業が必要になったのはいつからだろう.


2004年09月13日(月)



 爪に見惚れる.

研究で泥を弄ったりするので,そんなには長くできないけれど.

最近のネイルポリッシュはうっとりするものが多い.
少し大人びた色が好き.
玉虫色の光が好き.

嗚呼綺麗だなあ,って思うのです.
綺麗だからもう少し頑張ってみようかなあ,人生.って.

死化粧にはぜひネイルもしてほしい.
桜色が良いな.和風に.



2004年09月12日(日)



 木と怒り

学校の前の信号,何かが違うと思って立ち止まる.
木がない.大きな木が根元からない.
台風で飛ばされた?
違う.根元が掘られている.

そして目の前に横たわる大きな木.
大学の隅っこで.
私は呆然としてしまう.
枝葉を撫でると雨の粒が濡らした.

ひっこ抜かれてしまったのだ.
確かにこの木のあたりでは事故が多かった.
でもそれは木のせいじゃない.
バカな車やスクーターが一時停止や確認を怠るからだ.

でも切られちゃった.切られちゃった.
大きな,横たわる木の横でしばらく過ごす.

排気ガスをたくさん吸った成れの果てがこれかよ.って
腹が立ち,悲しい.

傲慢だとは思っていたよ.色々な事に関して,ヒトは傲慢になりすぎた.
一生物としては越えてはならないものを越えてしまった.

大学の木々は怒っていて,空気が淀んでいた.
いつも穏やかなくすのきさえも.

たくさん助けてもらっているのに.

せめて数日中には緑を失う木のために,事務局へ行こう.
利己的な伐採を止めて欲しいと.
無力でも.自己満足でも.動くのだ.


2004年09月11日(土)



 ことり

その時ことりと音がして
何かが落ちた音がして

私は目を凝らしたのだけれど
あなたも目を凝らしたのだけれど

見えなかったね.
何も見えなかったね.

でもきっと其れは重要なものだったと
今になって思うよ.

もっと注意深ければ,失わずに済んだもの.


2004年09月10日(金)



 夢診断も色々

私が最近見た夢の一部

1. 髪を切る夢.

解釈1 何かしら問題に決着をつけたいという願望のあらわれです。思い切った行動、積極的な行動をあなた自身が望んでいる状況といえましょう。
http://www.iwatebank.co.jp/restroom/fortun/yume/hito/kami.html
解釈2 髪を切る夢は恋人とのトラブル、別れの兆.
http://www.maria-fortune.com/memoyume.htm

2. 赤子を抱く夢

解釈1 物質面の喜びあり。
http://www.ekisen.co.jp/dream.htm
解釈2 他人の赤ちゃんを見る夢は、あなた自身の未来の姿を現していて、
その赤ちゃんが元気で可愛い赤ちゃんの場合は、豊かな未来の象徴。   
元気の無い赤ちゃんの場合は惨めな未来の象徴。
http://www.euranai.net/yume1/y_a1.html

ああ,ちなみに赤ちゃんはぷくぷくして可愛らしかったです.重かったけど.私,太るのでしょうか.
そしてたらちゃんと何かあるのか?!
嗚呼.でも夢の中では自分で切ってなくて,美容師さんが切っていたなあ.
その辺は関係ないのかなあ.

まあ所詮夢ですが.
毎日見るし.
前は夢日記をつけていたけれど・・


2004年09月09日(木)



 本を読む

注)漫画も含めて.でも決して漫画だけではなく.


私は本を読まない人は,八割がた嫌いです.
残り二割は本を読む必要がない人.
二割に私は入ることが出来なかったので本を読んでいます.

小さな頃から本は溢れるほどあった.
エロ本から文学全集,画集まで.
ふとした時に本の一節を思い出したり.

言葉にすることと,しないことの違いを教えてくれたのは
私の場合本だった.

本がなければここまで生き延びることができなかったかもしれない.
大袈裟だけれど.




2004年09月08日(水)



 あーあ

くだらないことに,憤るのは無駄だわ.

「日本が嫌い.低脳な若者.政治は〜で.日本はもう終わってる.」

よく見る.書き込み.他国との比較があることが多い.
基本常識も知らない輩もいて,失笑さえする.
日本のことさえ知らず,他国のことも知らず.

日本が嫌いなら,何とかしたら?
何もするつもりがないなら,自分が踏んでいる土地に唾かけてないで
さっさと出ていけばいいのに.誰も止めないわ.

自分で動かず,文句ばっかり言って,しかも匿名で
格好悪いと思わないのかしら.醜いとは感じないのかしら.
美意識を持ち合わせていないのかしら.

そして自分の毎日の中で若者と接して「日本の若者は〜」って
言っている人.日本まで話を大きくしないで,その子にぶつけてよ.
というより,ぶつけるべきでしょう.
格好悪い文句を言う前に.

あーあ,くっだらない.


2004年09月07日(火)



 終焉

私の中が死んで
生まれ変わる.

私が死んで
元素に還る.

産まれたことを呪うことはない.

出会えたことは諸刃の剣.
でも少しうれしさが勝つから.
夕暮れの中の背中を,人生最大の衝撃の中で初めて見送った日.

息吹.
私は笑う.


2004年09月06日(月)



 yamitokage

闇と影は違う.

影には光がつきまとう.
影は光なしでは生きられない.

闇に生息して何年経つだろう.
正直さを振り回して,言葉を振り回して.
ただ息を殺して,毎日.

闇はぬめぬめしていて,私は安心する.
光では見えないものが見えるんだ.

いいものも悪いものも.
醜いものの美しいものも.

2004年09月05日(日)



 蜘蛛

蜘蛛もその糸も好きだ.

夜に光る蜘蛛の巣.
朝露の蜘蛛の巣.

子供の頃は蜘蛛が糸を吐いて,綺麗な模様を作るのを見てた.

赤い月夜の蜘蛛の巣はぞっとするほど綺麗で.

今の時期は蜘蛛が多くて,あちこち巣があるけれど壊せないでいる.

2004年09月04日(土)



 猫と喧嘩

保護猫と喧嘩した.もう大喧嘩.
向こうは猫パンチを一発.
もう家庭内暴力.

きっかけは爪切り.
爪が伸びていてフローリングがカチカチ鳴っているし.
それに三本足で後ろの残った足は脱臼したまま固まったので弱い.
何かにひっかけては大変.
私は切りたい.猫は切らせたくない.
一歩も譲らない攻防.
猫のDVで猫の勝ち.

次は歯みがき.
事故で歯が折れてしまって歯周病になっているのです.
歯みがきゼリーをつけたクロスを指に巻いて,いざ!
私,磨きたい.猫,冗談じゃない.
一歩も譲らない攻防.
指を犠牲にする覚悟の人間の勝ち.

それからの部屋の空気はまさに冷戦.
お互いに相手を意識しつつ,横目で見つつ.
でも寂しがりやの一匹と一人は何となく仲直り.

そしてラブラブタイム.
お腹撫でて〜とくねくねする猫と,も〜うかわいい,世界一かわいいと絶賛する人間.

阿呆です.


2004年09月03日(金)



 友達

真夜中のキッチンで,水を飲む.
がぶがぶと.

依存をさらに増長させるような性質

大事な友人を呆れさせた,私のそれ,が闇に浮かんでた.

答えのわかりきった質問ばかりしたわ.疲れた身体に.心に.
そして友達の声には何一つできなかった.

最後は離れていってしまった.木偶の坊の私を残して.

しばらく画面を見ていた.
痛そうな傷口の開いた友達に,友達の方から突き放されてしまった.


木偶の坊より,よっぽど愚かね.

水を持って,少しふらつく.

あんたなんか必要ないわ.
その子の幻が笑って消えた.

地球の重さなんて考えた.

悲しみや苦しみは誰にも平等であること.
病んでいようと,いまいと.

木偶の刻印を深く刻みながら,それだけ呟く.





2004年09月02日(木)



 化け物

時々自分をそう感じる.
醜い傷跡の残り過ぎた躰を見た時に.
殺す,ことが何の躊躇もなく思い浮かぶ事に.

化け物は何とかお薬で,悲しいことだけを背負って
押しつぶされて,暮らしています.

殺めたかった.
殺めたかった.

過去は戻らず,未来も見えず
現実は嘲笑される.

どうか化け物の手をお離しにならないでください.


2004年09月01日(水)
初日 最新 目次 MAIL