白痴日記
白痴



 じっとりしたもの

じっとりしたものが脊髄を上下運動している.
気が狂いそう.

しっかりしなさい.
と自分に言い聞かせる.

数人の顔を思い浮かべる.
また会いたい人々の.

過呼吸が起きそうだ.
呼吸法を必死で繰り返している.


2004年07月31日(土)



 コンプレックス

十代のほうが多かった.
小学生ぐらいのときは殺されかけた.

毛深いこと.
太っていること.
目が悪いこと.
運動が下手くそなこと.
声が低いこと.
貧乏なこと.
その他,諸々.

貧乏コンプレックスはなかなかおさらばできずにいる.
けちくさいことが許せない.
欲しいものは買う.節約嫌い.
お金で買えるものは買う.時間やサービス.

は,これは貧乏スパイラル.

2004年07月30日(金)



 それはまるで

愛と憎しみを行ったり来たりするような.
次の瞬間には死んでしまうような.

渦中.

頭から砕けるのと,足から崩れ去るのは
どちらがいい?



2004年07月28日(水)



 アインシュタイン

彼の言葉集を東京の片隅の本屋で読む.
もっと別な棚に置くべきだと思ったりしながら.

無常をとてもよく理解していて,悲しくなった.
其れを,受け入れてもいたし.

科学に邁進する,ということは素晴らしいことであり
同時に孤独なのだろうな.
勝手な感想.




2004年07月27日(火)



 自分の名前も忘れてしまうくらい

悲しい.

何かを吐き出さなければ生きてはいけぬ.


2004年07月23日(金)



 睡眠と排泄と食餌と繁殖

繁殖をしない生殖行為は排泄である.

というようなことを議題にして一人脳内会議を開いた.
ぼんやりと,汽車の窓を見ながら.

排泄する,精液や膣分泌液など.
排泄する,欲望など.

私の中でそれと愛を絡めるのは,あまりにも難しい.
それに期待をかけすぎたせいだろう.
それは恋愛の一欠片,だろうと思っていた.馬鹿だった.

私の生殖行為はいつも排泄だ.
そして悲しくて皮肉な気持ちが無駄に生産されていく.



2004年07月21日(水)



 親とデパートに行った.

そんなことは久しぶりで.
大人三人が微妙な距離で,でも家族らしくデパートを歩く.

幸せな情景なのだろう.

2004年07月18日(日)



 愛という概念

其れを捨てよう.今後の人生において.
もし其れが本来備わっているなら,必要な時に必要なだけ
滲むだろう.

視界が濁るようなものはなるべく捨てたい.
余分に持ちすぎているから.

今ならまだ間に合う.
休憩するのは歳をとってからでいい.

私の死因は事故死か自殺だろう.

2004年07月17日(土)



 シンデレラ

シンデレラは,もうそろそろ帰っていいはず.
合コンという舞踏会から.
シンデレラは,坊主頭.

シンデレラは痛いものを沢山抱えている.
健気に生きているかどうかは知らない.
でも懸命に生きていると思う.

シンデレラが戻れるかどうか

久しぶりに約束というものをしたので
緊張している.

あと少し時間が経てば憂鬱になるだろう.


2004年07月16日(金)



 陸と海

あまりに整えられた陸と海の境にぞっとする.
北海道はまだガタガタのところが多い.
陸を削ったり,海を埋め立てて,暮らしは成り立つのだろう.

そんなことは屹度,長く続かない.
低空飛行の飛行機の中で考える.

2004年07月15日(木)



 膝頭にキス

膝頭にキスをした.
何となく疲れて.自分にプレゼント.


2004年07月13日(火)



 通院

明日は病院.
週一になってから,どれぐらいだろう.
要は安定しないという事と,私には薬物を多く渡せないという事.

嗚呼,大失敗.
旅行だから,二週間分もらわなければならないのに
喉を刺してしまうなんて.
でも言わないわけにはいかない.
信頼関係.
それにかけよう.

医師と患者の節度ある関係.それが心地いい.

幸い,喉の傷からはもう血は出ない.
薬は親に渡すと約束して出してもらうしかない情けない27歳.

2004年07月12日(月)



 存在の耐えられない軽さ

私の中で存在の軽い人などいない.
重かったらいいというものでもないけれども.

でもこの間「軽い存在なの?」と訊いたら「当然でしょ.」
と答えられた.
人格を否定されたような最悪な気分だった.


物事,人間について,気楽に考える,
ということが不器用な私にはできない.
でもそれを隠そうとは思わない.
隠すということは更に重荷を増やし,自分を追い込む.

私は私の強味を知っている.




2004年07月11日(日)



 歪な性

一言で表すと,私の性は歪な性だ.
性,そのものにおいても,それに関する事にしても.

乳房も膣も女そのもので,でも心がどこか違う.
どこかが歪んでいる.
高熱に浮かされながら思う.



2004年07月10日(土)



 白痴(修正0710)

言葉遊びを真剣にやっている.
何に到達したいのかわからない.

修正七月十日
言葉遊びは只の言葉遊びに過ぎない.

2004年07月09日(金)



 ドキドキ

最近ドキドキすることが多い.
ラッシュのバスボムを入れたり,読書したり.
でもふとドキドキする.

心臓病だろうか.
この間のヒルナミン過剰服薬が少ししんどくなっているのかも.

2004年07月08日(木)



 MAX

七夕に

父に写真を送る.それで私の肖像画を描くと.
優しい表情がいいなあ,と.
力の限り優しく.

痩せこけた子猫がどんどん増える.
自然淘汰という名で死ぬ.
遺体を食べた烏が鳴く.

子猫の目よりは澄んでないけれど
私の目と子猫の目は似ている.
私も自然淘汰されるだろう.

そのうち.

2004年07月07日(水)



 陰性

隔離されたような施設を出て
笑った.
今までそんなふうに笑ったことのない感情とやり方で.
乾いた声が湿った空気に濡れる.

色々な事を考えて.
考えても仕方ないことも.

今日の笑いは脳味噌に埋め込まれるだろう.

2004年07月06日(火)



 しゅーきょー

タイムレコードを眺めている物体が神なら
何て無力で,残忍な.

心の中に誰しも神がいるなら
此の世にはなっていないでしょう.

宗教屋さんは暑い日も寒い日もやってきて小冊子を渡していく.
でもあなたたちは私より幸せかもしれない.

信じるということは強いから.
それが明らかに裸の王様でも本人が本気なら真実なのだもの.

でもちっとも幸せには見えない.
苦行が魂を救うの?

ぶんぶくちゃがま.

2004年07月05日(月)



 葬式不要.墓不要.骨,根室の海に流して.

私を戻して.

2004年07月04日(日)



 世界地図

地理が苦手な私は,世界地図をよく見る.
指さしをしていく.

此処があの人のいったところ.
此処はあの場所.
此処は今,血だらけ.

日本は小さいね.
小さいものは生き残るのが大変だ.
自然界では逆な気もするけれど.

2004年07月02日(金)



 取り憑かれている

死のうという意識に,言葉に.
くい止める.くい止める.

それにはヒルナミンで眠ってしまうのが近道で.
泣けてきてしまう.

熱が溜まった身体.
太陽が刺した身体.


2004年07月01日(木)
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