白痴日記
白痴



 解体

この手を,手首からあなたに.
心臓を血抜きして,あなたに.

心は脳味噌にある.脳味噌は消滅させる.

血だらけになった私を,裂かれた私を
裂いた私が見ている.

心は脳味噌にある.脳味噌は消滅させる.

2004年06月30日(水)



 物事を深く考えて

深く考え続けて,止まらなくなることがある.
別に主題がずれていくわけではなく,
其の事についてずっと考える.

何パターンか考え方を思いついて
一つ一つ踏みつぶす.

だから何も考えていないように見えるのかもしれない.


2004年06月29日(火)



 プラモデルだ

適した形にやすりで形を整える.
なめらかにするために磨く.
色塗りのためのベースを塗布する.
色を塗る.
はみ出したところは補修する.
色を塗り終わったら,その上からトップコートを塗る.

嗚呼,爪のケアが何かに似ていると思ったのだけど
プラモデル作りだ.
酔いそうな,どこか頭が溶けそうな匂いも似ている.

だからこんなに好きなのかもしれない.

自分の身体を自分で作っていくこと.
それはとても自虐的でおもしろい.
悪趣味.

2004年06月27日(日)



 メロンソーダ

私が一緒にハンバーガー屋に行った男の人は
メロンソーダを頼むことが多い.

プチプチした緑色の液体.
幸福だと思った時期,地獄だと思った時期.
別の人.別な声.別な手.

変わらないものは目の前の
メロンソーダだけ.

2004年06月26日(土)



 ムジョウ

無情.
無常.



2004年06月25日(金)



 屹度私には殺せない

屹度私に君は殺せない.
死ぬ前に少し君の血の温かさが欲しいだけ.
11の小柄な子でも頸動脈はいく.
何度も何度も切りつけよう.自分の首を.

嗚呼,髪が血塗れになるかしら.
原っぱの真ん中で,空を見ながら,私は果てたい.

死ぬ前に君とキスがしたいな.

2004年06月24日(木)



 疲労

私はもう疲れ切ったし
地球の回転とか,人々の笑顔には関係していないし
だから死んでもいいと思うの.

頑張ってきた,と此の数ヶ月は言えるし
あの人に安心できる時間も作ることができたし
だからもう死んでもいいと思うの.

疲れたの.
ごめんなさい.

2004年06月21日(月)



 流れ

流れは確かにあって
流れに逆らうのは自由,負荷は勿論あるけど.

此処は逆らいたいって,逆らって,疲れたら,
死んで流されるだけ.
でもそのまま流れに乗ったって,いいことあるとは限らない.

輪廻転生.

2004年06月20日(日)



 きっかけと実行

死ぬきっかけを作ってしまった人は,一概には言えないけど
そう悩まなくて,自責しなくてよい.

実行したのは本人だ.本人はそのきっかけに感謝すらしているかもしれない.自殺未遂を何度も繰り返していると,自殺企図を常に持っていると,
自殺タイミングには敏感になる.

たまたまきっかけになっただけだよ.

もともと恨まれていたり,愛されているなら
話は別だ.

2004年06月19日(土)



 手を放さないで欲しいのです.

あの暑い日,ふらふらの私があなたの指をつかんで
あなたも振り払うことなく歩いてくれて.
私は救われたのです.
同時にあなたがいない世界では生きられないと.
あなたの傍で生きていたいのです.

手を放さないで欲しいのです.
絡めた指を包んでくれたように.どうかどうか.

生命を司るあなたへ.

私は狂人と言われても,あなたを愛するのです.
こんな方法で.

傍にいたい,いきたい.

2004年06月18日(金)



 今,此処で

限界は至る所に.
悔しいけれども.絶対的な限界は存在する.
空を飛べないように.

悲しさに包まれて,座り込むアスファルト.
口から出る言葉はそれでも優しく響き
湿った空気にすぐ消えた.


2004年06月17日(木)



 祖母の命日

春代さんは私にとても似ている.
私が似ているのだけれど.
父が八歳の時に死んでしまった.
写真の中のおばあちゃん,小さな手を合わせていた.
今は鏡の中にふと面影を感じる.

おばあちゃん.

2004年06月16日(水)



 うさぎとの日々

結構表情もあったりして.
特に一匹は常に私を見ている.よく目が合う.
もう一匹は玄関のドアを開けると,目が合う.
セコムなうさぎ.

夏ばての激しいところは私とうさぎの共通点.
あと一時間も経てば,ごはんごはんごはんと要求するであろう.

二匹がくっついてハート形になっているのはかわいい.
仲良し姉弟だ.

2004年06月15日(火)



 水ようかん

水ようかんが好きだ.
ざらざらして,つるつるして.
甘さが広がるけど,さっぱりしている.

明日の朝は水ようかんにしようっと.

2004年06月14日(月)



 汽車

汽車に乗れば会いに行ける.
友達に.
ほんとはいつでも乗れるのだ.いきなり,思いついて.
でも汽車を見送ってばかりいる.

それどころが飛び込もうとしている.

音が近づいてきて,私の靴が黄色い線を踏む時
そのまま,ふらりと.

汽車にいつか乗ることができるだろうか.
友達のいる駅にそれぞれ下車して笑うことができるだろうか.

今日も私は黄色の線の上で願う,友達の笑顔を.

2004年06月13日(日)



 今日は水蒸気が見えた

スクランブル交差点の中で
サウナみたいに.

蒸発してしまいたい.
疲れている.

2004年06月12日(土)



 羽根は何処?









2004年06月11日(金)



 

私は牙を剥く.
自分を護りたいから.
私は爪や牙など身体についているものしか持っていない.
言葉や一瞬の判断や,感覚や,そんなものから作り上げた牙は
私を護ってくれる.

医師は攻撃はやめなさいと言う.
攻撃力を創造力に変えなさいと.

創造力は私を護るだろうか.
正当防衛はできるだろうか.

わからない.

2004年06月10日(木)



 苦痛

電話のベル.
不快な音.

過去.
現在.
未来.

2004年06月09日(水)



 福引き福ちゃん

実家のドワーフハムスターが老衰で死んだ.
私がゴールデンハムスターと帰省して,その用具を買いに行く時
福引きの景品に出されていたもの.
とんでもないショップだな.

ちなみにわかったのはくじをひいた後.
途方に暮れつつも,顔が可愛い子を選ぶ.

あれから福ちゃんは中年を過ぎた夫婦の鎹になり
第三の子供となり,生きてくれた.

寂しそうな母の声が耳に残る.

2004年06月08日(火)



 旅立ち

昨日は東京へ行かなきゃと思っていたけれど
何だかやる気がなくなってきた.

後始末のための可能性が多いし.
たとえ後始末ではなくとも消耗するだろう,かなり.
今の状態はそれに耐えられるだろうか.

何だかね.

2004年06月06日(日)



 紫色のちんちん

今日女の子が教えてくれた.
顕微鏡コーナーで.
「去年干潟で紫のちんちんを見つけたの!!」

お姉ちゃんも見たかったなあ.

2004年06月05日(土)



 混乱

助けて.助けて.助けて.
声が出ないの.呼べないの.
理性は迷惑だね.
忙しいから迷惑をかけたくないってさ.

私,もう助けを呼べないかもしれない.
自分の中でいっぱいになって,破裂していく.
生きている限り見捨てないって言ってくれたのに,私はそれ以上望んで
生きていけなくなる.

ねえ,どんな形で死んでも私を見て.
最期に必ず私を見て.
ぐちゃぐちゃでも焼き爛れていても見て.

もし手を繋いでくれたら
私は笑うよ.屹度笑うよ.

助けて.1秒でもいいから抱いて.

2004年06月04日(金)



 気づく

大人になろうね,という言葉.
大嫌いだと気づいた.
正確じゃないもの.馬鹿にした言葉,

大人って都合のいいもんじゃないでしょう.
大人って苦しいもので,汚いもので,優しいものでしょう.
そんなの疾うの昔になってきたわ,
子供時代は短い.
子供だって汚れているけどさ.
こういうカテゴリは苦手.

せいぜい言うとしたらヒトっていうことぐらい.

大体考えないで使う言葉が多すぎる.


2004年06月03日(木)



 死んだら何も必要ない

別に続けたい事もありませぬ.
想い続けてまいりましたが,それは川の流れのようなもの.

もう疲れました,ほとほと.
疲れ果てました.

殺めやれなかったのならば,もう自分が消えるしか.

存在証明など要りませぬ.

2004年06月02日(水)



 不死身じゃない

私は不死身じゃない.
誤解しないで.

あなたばかりが苦しいのではないわ.
苦しいからって何でも許されるの?
そんな馬鹿げたことがあるわけない.

続きには続きを.
終わりには終わりを.

助けてと手を伸ばせないのなら,自分で立ちな.
そして私を傷つけるな.

人間関係は或る意味命がけなのだよ.

不死身ではないのだよ.
死ぬときゃ死ぬ.
立ち直れなきゃ死ぬだけ.
飛ぶだけ.

2004年06月01日(火)
初日 最新 目次 MAIL