どんなに短くとも・・・
pure mind



 15年目


真夏の真昼間に喪服を着てバスを待っていたあたしは

あまりにも空気に溶け込んでいなくて浮きまくってて

ドライバ−たちが好奇の目で自分を見ているのがわかった

何も云わずに去った人に会いに行くんだよ とそっとつぶやく

ただの他人だったけど 少ししか優しくしてくれなかったけど


2002年07月31日(水)



 あこがれ


こんなにも年齢だけを重ねてしまったのだけれど

今もしあなたに出会えることがあるとしたのなら

何十年もの空白を取り払って真っ白な気持で

あなたの全てを知りたかった少女の頃のように

少し遠目からあなたを見て あなたを感じたい


2002年07月30日(火)



 夕焼け


見上げた空があまりにも

赤いろで橙いろで紫いろで桃いろで

どこを見て感動すればいいのか

迷ってしまうほどの夕焼けがあることを

伝えたいのにあなたがいない

2002年07月29日(月)



 予言者


ふと目の前を通り過ぎる仲良さそうな2人が

明日の夜大喧嘩をして別れる事をあたしは見破った

道端にうず高く詰まれた古い文庫本を拾った彼が

来年の春立派に大学に合格する事をあたしは感じ取った

今から自分におきることだけがわからないなんて笑っちゃう

2002年07月28日(日)



 身分不相応


釣り合わないってわかっててあなたを好きになりました

いつも日の目を浴びているあなたは健やかすぎて眩しすぎる

この存在さえ不明なあたしは栄養失調の猫のようにやせてる

それでも自分なりに精一杯にあなたを愛してゆきたい

周りのどんな中傷にも屈しないそんなあなたが大好きです


2002年07月27日(土)



 スペシャルなうぬぼれ


僕の愛情たっぷり入れた 僕を君に届けよう

昨日は甘すぎたようだから今日は少し大人の味さ

だけど可愛い君にはこれはちょっといただけないかな

君だけの僕でいるから僕だけの君でいて

君もいつだってそう思っているに決まってる

2002年07月26日(金)



 リクエスト


どうしても今夜あの歌を聴きたかった

久しぶりのFMラジオは懐かしい

発売されて間もないから絶対に聴けるはず

一緒に聴いて感想を言い合えると思ってた

あまりにも突然思い出の曲になったあの歌

2002年07月25日(木)



 あさがお


紫の花咲かせてくれる朝の風景

花びらが朝露をまるくのっけてる

育ちすぎてツルがからまったら

あたしがちゃんと導いてあげる

あなたがあなたでいられる場所へと・・・





2002年07月24日(水)



 勘違い


非力なあたしにもアルミ缶はつぶせる

飲み干せると思った350mlが後悔の元

仕方がないから行列作ってる蟻さんにおすそ分け

今日もあたしは善い行いをしました

ぺちゃんこになったアルミ缶は置き去りです

2002年07月23日(火)



 仕掛花火


ドキドキの鼓動

あなたが仕掛けた

今日の花火はどんな色?

あたしはいつも線香花火で

あなたをちくちく焦がすの

2002年07月22日(月)



 熱情


束ねた髪をほどいてそっと寄り添うと

細い指でそっと髪を撫でてくれる

互いの会話がひとつになりそうなくらいの距離

もう誰にも邪魔なんかさせやしないのよ

せっかく奪い取ったのだから・・・



2002年07月20日(土)



 すれ違う2人


わかりにくいやつだよな。って吐き捨てないでよ。

わかろうとしてないあんたが悪いんだよ。って言いたいよ。

喋りすぎてうるさいんだよ。っていつも云わないでよ。

黙って見つめあってれば楽しいとでも云うの?

無口でクールってさ、ただの暗いやつだって気が付いたよ。

2002年07月19日(金)



 心変わり


今日は、赤い服を着ていこうと思って

メイクも少し濃い目にしてみたのよ

だけど、空があまりにも青くて仕方ないから

清楚な白いレ−スを着たくなったの

だから、あなたに逢いに行くのはやめとくわ


2002年07月18日(木)



 めがいたい


乾いた空を見ていたら目がパキパキしてきた

どこにも売ってないようなやけに太い筆で

濃い墨をいっぱい滴るほどにつけて

あんたへ伝言でも書こうかな

イタイイタイあちこち痛い 連絡よこせ

2002年07月17日(水)



 小説みたい


彼女の話は面白いけど

余りにもハプニングが多すぎて

真実味に欠けていて

いつもいつも大事件勃発で

あまり売れない小説家みたいだ

2002年07月15日(月)



 とびたい


羽根がなくても

飛んでゆけますか

雨が降っても

飛んでゆけますか

受け入れてくれますか

2002年07月14日(日)



 かたすかし

か 帰る間際のことだったわ

た たまには飯でもどう? 

す すかさずOKしたのは当然

か 神様のやきもちなのかしら

し 仕事が急に入ったなんて・・

2002年07月12日(金)



 ひとおもい

ひ 日暮れの街が寂しすぎるから

と 遠い時代を思い出してしまうから

お 思い切って旅にでようと思います

も もう2度と出会わないあなたへ

い 一番いい笑顔でさよならといいましょう

2002年07月11日(木)



 傷口


ねえ、どんな塩梅?

何か見えたりする?

もう少し広げてみないと

わからないってこと?

何本も刺さった棘は抜けないの?

2002年07月10日(水)



 料理法


この季節は塩焼きにするのが1番さ

いいえ、あたしはバター焼きがいいわ

僕なら煮付けにするけどなあ

やっぱり生がおいしいでしょう?

でも、さばかれる本人にも希望を確かめようよ・・



2002年07月09日(火)



 後進


あいたい。

あなたに。

あの日に。

もどって。

泣かせて。





2002年07月08日(月)



 記憶の彼方


君がたとえいなくなっても

僕は君の事を忘れないと思っていた

何度も聞いた、君の話し方や君の声

喫茶店での仕草やお気に入りの洋服

でも、年月が僕の記憶回路を破壊した。。

2002年07月07日(日)



 いたずら


少しふざけて

あなたの頬をつねってみた

しかめつらのあなたが

ちょっとだけ

ほどけた気がした

2002年07月05日(金)



 くちぐせ


いま、手が離せないんだよな

俺忙しくってさあ

あなたの口癖が始まった

もう何度聞いたんだろう

でも、あなた私の口癖知ってる?

2002年07月02日(火)



 好きなもの


耳に心地よい音楽が好き

きれいな花が好き

懐かしい場所が好き

たわいないお喋りが好き

あなたは私が好き?

2002年07月01日(月)
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