夏の終わりとともに年をとりました。
盛大にお祝いをしてもらうのも何だったので、私のほうで三角ケーキをふたつ購入したのですが。
何ということでしょう。
仕事から帰ってきた相方の手には4号ケーキが(笑)
おかげで我が家にあるお菓子率がぐんと上がりましたとさ。
いやいや。おいしく頂きましたよ。
精神的に成長しているかは別として。
今まで生きていられるのはある意味奇跡かもな私です。
旅行から無事帰ってきました〜
今回は家具を求めて飛騨高山へ。
とはいえほぼ観光で終わりましたけど(笑)
清らか水と趣のある街並みにめちゃくちゃ癒されてきました。
久々に撮りまくってますので、興味のある方はこちらからどうぞ〜
家具探しの旅に出かけます。
一泊だけど。
ようやくここまで来た〜
ラスト、Eブロックの感想です。
Aブロック並に読み返し率高かったのは私の理解力が足りなかったせいか?
とにもかくも、個性的な作品が揃ったブロックでした。
あくまで個人的主観。短いですが感想です。(※注は読後感に注意の略)
E01 コロンナ33遅き午餐
師弟との再会が温かいですね。エラスという遊牧民のような生活、コロンナといった世界とその歴史が流れるような文章とともにすっとはいってきます。
拝読中は師匠さんの心の広さと深さに頭が下がりっぱなしでした。こんな素敵な人を師に持つお姫さま(正確には女王さま)が羨ましいです。
そして自分の失敗を反面教師にして這いあがった姫さまの強さ。だからこそ最後の展開に「え?」となりました。もう一度注意深く読んで父王のくだりで止まって「ああ、そうか」と納得したのですが……姫さまもまた真の道を進むということなんでしょうね。
優しくもやるせなさを残す作品でした。
E02 サクラ散る
すごいほのぼのだ。ラブラブじゃん。なのにこのタイトルはどういうことだろうって思ったらそういうオチだったんですね。前半の「私」と「あなた」の恋の駆け引きがもう微笑ましくて。顔がにやにやっとしてただけに、この展開は切ないなぁ。物語が終わりに近づくにつれてもう悲しくて悲しくて。「あなた」の気遣いと「私」のけなげな言葉にじんわりきてしまいました。
できることなら「あなた」の未来に幸せを。それが何よりの望みなのだと思います。
蛇足ですが、妙に浮いていた「河原万歳」は私にはものすごいツボでしばし笑っておりました。
E03 Down Your Way
とても気になるのはカン曹長。一体何をしでかしたんでしょう?私の中ではまだ理解できてない部分もあります。ムィムーとシーヤの死も件に絡んでいるのかな? 隊長の思惑で二人が罪を着せられて、それを知った曹長が隊長に報復をしたのかなぁ、と深読みしてみたりしてるんですが。だとしたら「他人」の為に罪を犯したという一文も納得いくというか。
間違っていたらすみません。背後関係が私のなかで上手く咀嚼できてないです。
「?」がいっぱいありましたが、レージの一貫したドMぶりににやにやしてました。
E04 地球全周1/40000000と少しの世界 ※注
結びの言葉に「??」となって読み返し。ああ、冒頭のなぞなぞの答えかあ……と妙に感心してしまいました。妄想バリアというか、フィールド全開ですね。読みながら自分の過去を遠い目で見つめてしまいました(笑)
ええ、少なからず現実逃避というか「こうなったらいいのに」という思いはありましたね。でも上手くいくわけねえ〜「考える前に自分で動けよ」という結論に達しましたけど。
二転三転とひっくり返される物語、現実か妄想かに振り回されました。って、家から一歩も出てないじゃん。だから一メートルの世界ということか。
とても共感するというか(過去が)身につまされるお話でした。
E05 夏椿の咲く庭で
主人公は私の中で狸さんだったんですけど……どうでしょう? 日本昔話のような雰囲気を思わせる文章、夏椿の描写も素敵で読みながら「ほう」とため息をついてしまいました。物語の背景がするするとはいって、あっというまに読了。お坊さん、いい人だな〜と思っていたら私も騙されてしまいました。というか主人公、分かってて語っているのかい?
落語を聞いている語り口がなかなか粋です。読後も清々しいものでした。
E06 ただいまセルフィ
別ブロックにもあった恋は盲目シリーズ(笑)こちらはSF調ですね。そうか。IT技術が向上すると、この手のストーキングができちゃうわけですね。同期化していくAIというのがとても興味深かったです。オリジナルとの隔たりは限りなく近くに持って行けるけど、決して零になることはない。この何千分の一が「個」を繋ぎとめているという考え方が面白いです。
主人公にとってセルフィは家族そのものになっていますよね。だから自分の憎しみを与えたくないと思いつつ、自分の辛さを分からないのが憎くてたまらない。あの一瞬に芽生えた殺意を彼女は一生忘れることはないんだろうな。
今度は情報に頼らない恋ができることを祈ります。
E07 花想
何度も読み返してしまったのは、どれが誰の台詞だったのかが分からなくて混乱していたせいだと思います。気をとりなおして感想を……人ならざるものと、人間子供の交流のお話。というか彼は恋をしてしまったんですね。しかも「紫桜」なんて素敵な名前を付けるなんて。センスのいい〜二人のやりとりがとても微笑ましくてたまりませんでした。
それを考えれば、これもハッピーエンドなんでしょうね。定良が嬉しそうな顔をしている姿が目に浮かびます。
E08 人生に乾杯!
読みながら「人生に乾杯しよう〜♪」の歌がぐるぐると回っていた私です。ちょっと昔の時代を思わせるようなシュチュエーションですよね。花屋に通いつめる主人公がいじらしいです。花屋のお姉さんは天然なのか? こう毎日くるなら気づいてあげなさいよ〜とツッコんでいたら返事の言葉のなんと洒落たことでしょう。
二人を添える花言葉たちも素敵です。お二人さん、どうぞ幸せに。
E09 回収者 ※注
ごめんなさい。全てを理解するのは難しかったです。
それでも<電波チラシ><再生ロッカー><床屋>という言葉(隠語?)が独特の世界観を醸し出していて<聖母>を求める回収者たちの執念を感じました。物語の世界は地層の如く厚くて奥が深い。重厚な文章にただ圧倒されました。
そして<肉挽き箱>のあたりで工場の機械で作られていく加工食品の姿がかぶってしまったのは私だけだと思います。
E10 見返り坂道具店 ※注
序盤からなぁんか嫌な予感はしてたんですよ。「逆らうととんでもない対価を払わされることになるだろう」って、明かにバッドエンドじゃないですかっ(笑)おそるおそるな感じで読み進めてみたのですが店主は確かに優しい。でもその優しさが怖すぎる。そして、それ以上に怖かったのはノゾミというか、そういう欲に囚われてしまった人間なんだろうな、としみじみ思ってしまいました。
他力本願というのもほどほどがいい。人生見切りをつけるのも大事です、ということで。
E11 幸せの道
リゼロは不運だったとしか言いようがありません。希望をもって王都に向かったのに、与えられた仕事は新兵器の開発。それが乱用されたら逃げたくもなりますよね。セロンとの再会の展開は王道だなと思いつつも、二人の行く先がどうなるのか最後まで目が離せませんでした。
なので二人の子供が登場したときは安堵。というか、それを導いた隊長に惚れました(笑)私は貴方についていきたい!
とても素敵なお話でした。
E12 世界ノ果テノソノ向コウ
このブロックはSFものが多い? と思いつつ。主人公の渋い台詞やドォルさんたちの活躍に見惚れておりました。世界観が確立していて読みやすかったです。惜しいと思ったのはジャランが何故「世界の果て」に興味を持ったか、ということでしょうか? 追われる理由も明確ではなかったので、ジャランに共感したくても何かが足りなかった、そんな気がします。
とはいえ、彼らがたどりついた「世界の果て」はとても美しく描かれておりました。最後の演出がちょっとだけ憎いです。あ、何だかこっちもしょっぱくなってきた……(笑)
自ブロックの感想です。
うっかり自分の首締めないように一文だけ抜粋。シャッフル&フェイクかけてます。
「してやられました」
「何だか貧乏くじじゃありません?」
「なかなかやるなあ」
「文章はめちゃくちゃ好みでした」
「心温まるお話でした」
「物語の続き、実は作者さんの中でかなり出来上がっているのでは?」
「この表現に脱帽です」
「のんびりしている場合じゃないだろー、と勝手にツッコんでおりました」
「まるでドラマを見ているようでした」
「意外性が見事にハマった」
「こっちがにやりとしてしまいました」
「この作品が隠れ蓑になってくれるといいなぁ」
どれがどの作品の感想なのかは正解が出てからのお楽しみ。
ちょっと迷ったのですが、感想レス数が比較的少ないFブロックに挑戦。
そこそこ短め。相変わらず個人的主観です。
(※注は読後感に注意の略)
F01 より道
うわああっ。どっちも可愛いよ。じれじれだよ。ワンコな後輩くんがすごくいい。読み進めるうちに高村くんが男の顔になってくのが素敵です。最後は宣戦布告だよね。やけに自信ないけど、相手をくらっとさせるには十分すぎるくらい。
主人公の必死に抑えてる気持ちがもうたまらないです。カップルになったその後も見てみたい〜
F02 ばみゅーだ☆とらいあんぐる
何だろう。主人公たちの言動が小学生にしか……と思ったら中学一年生だったんですね。青春への入口手前って雰囲気が会話の端々に表れてます。まだ恋とかについてカッコつけちゃうような、そんなお年頃というか。中盤のスーツの人たちとか、魔法少女への展開がぶっとんでてびっくりです。すごおく昔にやってた実写版魔法少女がふっと浮かびました。
奇抜な展開でしたが、まぁ、最後はラブラブそうだから大丈夫でしょう。なかなか濃い〜作品でした。
F03 魂に著作権はない ※注
怖っ! クローンが怖いと初めて思いました。そりゃ感情は分裂するのか全くの別個になるのかは気になっているけど……著作権つけたら価値もへったくれもありませんね。
クローンについての法律やバディの存在が物語の中に上手く説明されています。でも、双子ならともかく、自分の知らない所で同じ姿作られてたら怖いなぁ。オチも深く考えれば非常に怖いです。というか怖いとしか言いようがない。
これはもう作者さんの設定勝ちです。SFなのにすごくホラーな作品でした。
F04 境界線上の魔王
おとぎ話っぽさを残す重厚な文章だなぁ、なんて思ってたら例の「おっちゃん」にべらぼう吹きました。やられたーっ!
人から人へと伝わる話には尾ひれがつくとはこういうこと。詩人さんいい商売してますねえ。というか、帰ってこなかった人ってそういうことだったのか。前半の語り口を鵜呑みにしていた私はてっきり黄泉の世界へと連れていかれたのかと思ってしまいました。
でもま、街が豊かになるのは悪くない。あとはおっちゃんが健康であることを祈るばかりです(笑)
F05 宙の道しるべ
うわ。ちょっとうるっとしそうになった。これはロイディの想いが報われたってことでいいんですよね?
場面ごとに視点がくるくると変わるものの、冷凍睡眠に入ることで七年の差が出てしまうことに不安を感じるロイディ少年はいじらしいし、それをなだめるヒルディアはお姉さんって感じを出しつつも、やっぱり女のこというか……お別れのシーンにぐっときてしまいましたよ。
やるせない思いを残しつつも、ヒルディアの優しさが心にじんじんときてしまう。SFであるんだけどとても切ない、優しい物語でした。
F06 落とし物
無類の猫好きにはもうたまらない。チャロと博士、一度でいいからモフらせて〜(笑)そしてこれを書く人も猫飼いか猫好きな人なんだと思います。したたかに人間の行動を観察しながらも、さりげなくツッコミを入れるチャロがいい味出してますね。博士とはそういうことなのかっ、とオチにはっとしつつ。彼の記憶を拾いに行こうとするチャロの姿が思い浮かんでしまいました。
可愛いよ〜猫。「やっぱり猫が好きだぁ」と自覚した一作でした。
F07 偽りだらけの道筋 ※注
まるで西部劇か海外ドラマを見ているような展開。台詞も心情もアメリカンで、読んでいくうちにテンションが上がってきました。マディは本当強い女性だなと思います。こういった修羅場は女性の方が逞しいというか。ジョニーとマディの背後に暗い影はあるものの、それを吹き飛ばすような掛け合いが面白い。そして決闘の結果は読めませんでした。
それぞれの思いに決着をつけつつも、結局看板はそのままなんだな、ということで。
F08 からたちの歌
中盤から何か来るなぁとは思ったのですが……これはホラーと取っていいんでしょうね。誰かが「逝っちゃって」いるんだろうかな、という想像はすぐに立ったんですが、いったい誰だ? で頭ぐるぐる。有力はコウスケだけど主人公も捨てがたい。いやいや、もうひとりの「彼女」なのか? そのへんがものすごく気になります。
そして輪唱とカノンの違いについて、私はてっきり同じものだと思っていたので目から鱗。やっぱり結末は無限ループってことですよね?
読み終えて、ちょっと背筋が寒くなりました。
F09 シーキング☆ザ・プリンセス
のっけから「設定省いてどうする〜!」と言いたくなった昔話。投げやりな口ぶりの語り手にツッコミ満載です。姫への辛口コメントが筋が通っているというか、清々しいくらいですね。途中から語り部の腰が低くなったのはやっぱりそういうわけか〜、と思ったら更なるどんでん返し。え? そうなの? でも顔はどんどん緩んでしまうという。
終始笑いに全力投球、にまにまできる話でした。
F10 ひとつの道からはじまる
「私」は少女と出会えたことで沈みかけていた道を、光を失わずにすんだ、ということでしょうか? 読んでいる最中はそれぞれが親を失った背景をやたら深読みしていた私。少女の方はお母さんが殺されちゃったというのは分かったのですが、では「私」は? 本当に熊さんの仕業かな、と変に疑ってしまいました。
でも、子供って大人の表情をしっかり読んでいるというか、気づいていますよね。無垢な眼差しが私にはまぶしすぎます。未来を感じさせるお話でした。
F11 あわい物語
内容はあわいどころか真っ黒では?(笑)容赦なく事実を突きつける様子が心にずきずききます。読んだあとは死神さん御苦労さまです、と言いたくなりました。悪事に大小はあっても罪は罪ということですね。
忘れていても何らかの形をもって返ってくるのかと、こっそり思ってしまった私です。
それでも義希くん生還してよかったですね。とても考えさせられる作品でした。
F12 誰そ彼は
タイトルの語源になるほど、と思いました。赤い空を背景に首をかしげている主人公の姿がぼおっと浮かんできます。
冒頭の回想について先生に批難しつつ、でもそれが主人公にとってはより空を赤く彩るきっかけになってちょっと安心……って、え? そうくるんですか? 最後にまたしてやられました。前回でホラーはもう終わったと思ったのに。
感傷をもちつつも情緒が残るお話でした。
覆面感想、続けてまいります。
全部感想書き終わったら「夏祭り」の感想を書いて、そしてまた推理に戻ってこようかという予定。
でも、このぶんだと推理は実質一週間位になりそう。
解けるのか? 探偵できるのか? と疑問に思いつつ、個人的に書きやすかったGブロックの感想です。
そこそこ短め。相変わらず個人的主観です。
(※注は読後感に注意の略)
G01 柵の向こう側へ
起承転結がしっかりしていて、流暢な文章。村の風景やレクスの表現、旅芸人たちの描写が「上手いなぁ」とひたすら感心。脳内ワールド全開です。最後までエヴァがどうなってしまうのか、ハラハラドキドキでした。
その後エヴァは笛吹きの少年と旅に出たのでしょうか? 続きがすごく気になる……
私的にはすっごい好みの文章でした。作者さんが誰なのか気になります。
G02 ノストラダムスによろしく
淡々としているのに、言葉の端に柔らかさを感じる文章。「ノストラダムスの大予言」というからSF? と探りつつ、実際はほのぼのラブなお話でした。主人公が等身大で可愛いです。好きなのになかなか伝えられない、いじらしさがいい。やっぱり世界の終わりは大切な人が側にいてくれるのが最高ですね。
それにしても「恐怖の大王」とは何だったのでしょう。二十世紀最大の謎です。
G03 ――み・ち―― ※注
背景に「神田川」そして「南こうせつ」と連想したのは私だけじゃないはず(笑)注意書きの通り、すごく生々しい。小学生視点から見れば、窓から見えるお姉さんの姿はかなりの衝撃ではないでしょうか。どっきどきでした。
人間の奥深い部分というか、人間としての本能と欲を淡々と語りつつも、寂しい。孤独ゆえの淋しさがびしびし伝わってきます。
ここまでつっこんで書けるひとは早々いないと思う。作者にただただ敬服です。
G04 道端の石 ※注
「あなたは道端の石じゃないんだから」
ここでうっかり泣きそうになった。ずるいよこの台詞。注意表示全開だったのに、これ出しちゃったら彼ら暗殺者を全否定できなくなってしまうではないかっ。最後のオチも抜かりないというか。これもある意味ハッピーエンドと取っていいのかもしれない。
殺しに鈍感になってくる主人公や少女が怖いなぁ、と思いつつ。それでも憎めなかったのは現代社会のひずみと重なってしまったからでしょうか。このあと二人がどうなったか、すごく気になります。
G05 素晴らしきベタな日
ベタ研王道すぎるよ。べったベタだよ。部活動の内容聞いて吹き出しました。前二作のダークさが一気に吹き飛んだ! 「部長、死亡フラグ立ててる場合じゃないし。つうか、うしろうしろ〜!」 とまぁ、ツッコミ満載の楽しいお話でした。
私もベタな展開書いてしまう時があって、「やっちまったか」な思いがあったりですが王道は普通・普遍性なんですね。恥じることはないんですね(笑)部長、貴方を師匠と呼ばせて下さい、とはいきませんが。すっごい面白かったです。
G06 深紅の森
欲のないもの、見返りを求めないものに対して真実の道は開けるということでしょうか? さらっと読んだにも関わらず、そのへんが重く突き刺さりました。欲のある自分はきっと迷ってのたれ死にしそうだ……この森。
そして等価交換というのも印象深いです。そうだよね。何かの犠牲なしには成功は得られない。昔どこで聞いたのかは忘れましたが「自分の幸せだけを願う人より万人の幸せを願う人の方が欲が深い」という言葉をふと思い出してしまいました。それを考えると、主人公はとてもまっすぐで、正直なのかもしれませんね。
G07 父へ
やばい。最後でじんわりきてしまった。まさかこのブロックで二回もやられるとは……
登場人物それぞれが優しくて温かいです。物語の中盤、手紙の返事を書けないけどホームページこっそりのぞいてるお父さんのすがたを想像して微笑ましくなってしまいました。それにしても主人公はなぜお父さんの姿を思い出せないのだろうか? 住んでいた家のウッドデッキや庭は繊細に覚えているのに……そこにじれじれしつつ。ピンポンダッシュに笑い。でもって最後そうくるかぁ。
この直後はきっと、お互いが呆けた顔をしてるんでしょうね。とても素敵な話でした。
G08 かつて歩いた道
田舎出身の自分としては、物語の風景がすっと入ってきて心満たされました。「あれ? こんなだったっけ」という疑問に「そうそう」と頷いてしまったりして。そして作者さんは感傷的な描写を書くのがとても上手いひとなのかな、と思ってみたりしました。
娘さんいい子だなぁ。きっとお母さんのことがとても好きなんでしょうね。主人公が昔、母と歩いた道をたどりながら、母の人生を顧みながらの文章は穏やかでありながら切ないものを感じました。お母さん、ちゃんと生きてますよね? その後会えたんですよね?
読後というか、その先がとても気になる作品でした。
G09 畦道の少年
コンビニの近くに田んぼ――田舎連投かしら? と思いつつ。
最初の描写にカブトエビだと気づくのが遅かった自分です。今じゃ貴重ですよ。田んぼの青青とした風景や、それに戯れる少年たちの姿が無邪気というか、爽やかな印象でした。ちょっとした生物マメ知識にもなって、読んでいる人は得をした気分になりますね。少年たちの思い出は友情とともにこれからも色あせないんだろうな。
とても清々しい作品でした。
G10 草いきれの道
冒頭少し読んで戦争の色を感じ、いったん時間を置いてから読むことに。私も戦争の話を書いたことがあったので、その系統に関してはじっくり腰をすえて読みたい人だったりします。
この話は戦地に向かった人の体験談を聞いているような錯覚を覚えました。正直身につまされます。当時、戦争に敗れた人たちの選択肢は「留まるか、行くか」あるいは「逝くか」なんだったと思います。実際、放送のあとで米軍に特攻した方もいたわけですし。それを思うと主人公の持病を気遣い進言した中隊長さんは漢気あって素晴らしい。その優しさが心にしみて仕方ないです。
なので消息が主人公以上に私気になってます。長生きしてるといいな。
G11 旅は道連れ世はソーダ味
アイスを求めて三千里、とまではいきませんが海までの一人旅、子供にとっては冒険です。スリルでしょう。
嘘をつくことに罪悪感を感じつつ、いそいそ電車に乗っていく姿が微笑ましい。周りの人たちにもすごく恵まれてるのがいいですね。金髪のお姉ちゃんも優しいしスーツのお兄さんもいい人だし。おじいちゃんは和ませというより(本気で)ボケてましたね。わずかに残っていた昔の記憶はちょっと切なかったです。主人公はきっと今度の休みにお母さんとソーダ味を楽しむんだろうな。
夏休みの日記に書きたくなるような、ほのぼのとした気持ちになる作品でした。
G12 エバーグリーン
途中まで読んで、これはファンタジーなのか? それともホラーなのか? と自問自答。森の中にある木に埋もれた祠のシーンで「ニセモノの神を本物の神は許さなかったの」という言葉がとても印象的。石段を一歩づつ登り(物語の論理としては下ってるのか?)見える神秘の世界は独特で「うわぁ」とただため息ばかりでした。
この世界の構造を描く作者さんの頭の中が見てみたい。ウタさんの哲学的な台詞がまたいい刺激になっているというか。独特の語り口が確立しております。
読了してもなお、足元がまだ浮ついているというか。とても不思議なお話でした。
続いて三ブロック目〜
短いですがBブロック感想を書かせていただきました。
基本は個人的主観。少しだけ推理っぽいことも書いてます。
(※注は読後感に注意の略)
B01 夢追い人の系譜
精霊のアリアがちまちま動く姿を想像してしまって、口元がゆるんでしまいました。
ホットケーキをねだる時の言葉が可愛らしいく聞こえてたまらないです。
そして陸だった大陸の一部が島になった時、それを「寂しい」と言った感性もすごいというか。
私としてはアリア萌えというか、とてもほのぼのとした気分になれた作品でした。
B02 a Fairy tale, a Fair liar ※注
老婆の語りから始まるファンタジー。まるで伝説のように語り継がれる口ぶりだけど、内容は少々生々しいものがあります。だから注意表記だったのか。
レンは強い女性だなと思いました。打たれ強いところもそうだけど、大胆でとても聡明な女性ですね。最初老婆=お姫様? という気がしたのは、最後の一文にしてやられたからか? でもよくよく読んでみるとこの語り口は全くの別視点。まさにliar(=うそつき)ってこと?
B03 地に降る
最初の二〜三文読んで「もしやあの人の作品では?」と、感想より先に推理が走ってしまった私(笑)滅びゆく国を背景にした王女と従者の話で、さらりと書きだされた情景の描写は独特なものがあります。
『道を間違えたのだ』『何処までが正しい道だったのか』問いかけとともに始まるそれぞれの視点に最初は混乱するものの、目が離せなかったです。愛すべきもののために奮い立った梨凛の姿に玲明の心が解けてゆく終盤がとても印象的でした。
B04 坂を下る
体験談のような口ぶりで始まる物語。終盤に差し掛かるまで、これはホラーかサスペンスかで頭ぐるぐるでした。主人公の心が蝕まれていくさまがリアルというか何というか……子供がぶたれた時は私にまで痛みが飛んできましたよ。更に「私の嘘」にやられたっ。声の正体はそっちだったんですね。
ドラマ化でもされそうなダークさを醸し出しつつ。人間というものは恐ろしいなぁと思わずにはいられません。
B05 暗い道を照らすのは……
ジャンル的には童話、でしょうか? 前の作品がどろっとしていただけにものすごく癒されました。きょーくん、けなげです。可愛いなあ。
赤鼻のトナカイさん的なお話でしたが、きょーくんがいるからこそ、みんなはこの宇宙を回っていられるのだと思います。このお話、もしかしたら児童文学か童話が好きな方が書いたのかな? と推理してみたり。
B06 in ruins
「人間が神を造った」という話。確かに神話は人によって「造られた」部分もあるわけで確実なものがないわけです。でも人間はそれを信じ、崇め、畏れたんですよね。その延長線というのがこのお話でいう聖女だったり、日本で言うところの神官や巫女で……上手くまとめられませんが、自分で作って自分で首絞めてるって、そういうことなんですよね。
創造と争いについてとても奥深いというか、いろいろな解釈ができる作品ではないかと思いました。
B07 俺は不良
王道を行く昭和の不良、最高です(笑)今は天然記念物扱いになっているんでは?
突っ張りつつも動物には弱い所とか、委員長キャラに惚れてしまうとか。べったべたなのに、にやにやが止まらないのは主人公の一貫した心意気に敬しているからなのかもしれません。きっと今の小学生たちには短ランとか通じないんだろうなぁ……
時代の流れをしみじみと感じつつ、とても楽しませていただきました。
B08 分岐エゴイズム
うわあっ。すごく甘酸っぱい。切ない。でもこういう話好きです。タイトルの付け方がとても上手いと思いました。
内容も青春というか、まっすぐな気持ちがぐさりと突き刺さるんです。私もまだ青かった当時のことを思い出してしまいました。友情と恋の板挟み。お互いが大切だからの言葉だったのに、すれ違ってしまうのは悲しいですね。時間が経ってお互いを許し合えるような、そんな関係になってくれたらと思います。
B09 我往此道
B07同様、昭和の香りを感じてしまいました。主人公たちが硬派というか、文章もコテコテです。自分の信念を賭けた決闘ものだ〜って思って、テンション上げたら――おおっ! エクストリームアイロニングときましたか(笑)しかもアイロン・ロータスって……すごい技が出てきちゃってますし。読んでいて小林サッカー並みのテンションにスコーンと落とされた気分。
私はアイロンがけが好きではありませんが、山の上でやったら気持ちいいかもしれません。面白かったです。
B10 夢の中、水の彼方、道の果て
時を超えた約束はいずれ果たされる。
ゆったりとした文章の中、夢の中の光景が綺麗に映し出されていくお話。
じいちゃん、ばあちゃん子のせいでしょうか。気難しい門番が私の中ではとても素敵なおじいちゃんになってます。主人公が悟りを開きすぎているなぁ、と思いつつ。まさかと思いつつ。やっぱり夢の先は「そちらの世界」だったのですね。ラストが門番との別れではなく、再会で結ばれたのが良かったです。
B11 本とキム子とスイカバー
わあ。甘酸っぱい第2弾。超能力と田舎という一見ミスマッチな組み合わせが見事に溶け込んでおります。携帯やテレビゲームが出てないせいか、最初は少し昔の時代の話かと思ったら「草食系男子」という言葉が出てくるではありませんか。そう考えたら今川遊びができる地域なんてとても貴重な気がします。
初恋あり、嫉妬あり、失恋ありと、子供たちの気持ちがくるくる回りつつ、ストレートに伝わってきます。最後のちょっとした嫌がらせはそう来るんですね。主人公の不器用な優しさに微笑ましくなってしまいました。
B12 光の道標
短い文章ながらも、キラキラを感じさせる作品。情緒あふれてます。
鏡を三角にした時点で「万華鏡だ」というのは分かったんですが、作る工程がとても丁寧に描かれていました。こういった形で色彩を表現していく方法もあるんだと、妙に感心。きっと、主人公にとっては硝子の清らかさがとてもまぶしいんでしょうね。
と、いうかあの隙にキスをするのはずるい(笑)私こういうのにも弱いんです。くらっとしちゃいましたよ。
推理期間満了まであと半月とちょっと。
なのに感想二ブロック目ってどうよ?
なーんて思いつつ。
短いですがAブロック感想を書かせていただきました。
基本は個人的主観。少しだけ推理っぽいことも書いてます。
(※注は読後感に注意の略)
A01 締切直前における特定の覆面作家企画4参加希望者の漸近線的記録あるいはマグネシウム燃焼時的アイデア
記念すべき最初の作品。タイトルに度肝を抜かれました。口にしたら舌噛みそう。どこかにありそうな締め切り間際の修羅場なんだけど、web作家の心理をとても掴んだ作品でした。
私も一個の拍手だけでごはん三杯いけます。そして昔は「執筆>試験勉強」なる法則があって試験前日まで勉強そっちのけで書いていました。意外に筆が進むんですよ、この時期は(ただの現実逃避だけど)
そして「ラヴな長編ファンタジー」に一度吹いてしまいました。「あす夜」本当にあったら一度読んでみたい。
A02 □□■□□ □□□■□
暗号解読なSF。最初コンピュータの話になったので2進法や16進法を疑っておりました(笑)でも全然解けないっ。ということで、皆様の感想をカンニング参考にして……おお解けた。そういうことだったんですね。
プロローグ的なものを感じるような。これから何かがおきるかも、という期待を乗せつつ。「明日が来るまで」のお楽しみということですね。結びの文章はなんだか「魔女の宅急便」を思い出しました。いいなぁ、13歳。アスの考えとか、台詞が可愛いです。
A03 アガトの巡礼
心にどしーんときました。序盤は「西方浄土」を思わせ、終盤は「バンザイクリフ」を思い出させる作品。鈴の音がとても印象的で、読み進めていくうちに神ってなんだろう、って思ってしまいました。目に見えないものだからこそ憧れるのでしょうか? 近づきたいと思うのでしょうか? そこに輝かしい未来があると信じられるのでしょうか?
私は年に一度神社でお参りする位の人なのですが「信仰」について改めて考えさせられます。
結びの文章に主人公の心の強を感じました。
A04 クロランドの流れ矢
青年が放った矢が娘さんの所に行きつくまでの流れの中を聞いて「加工貿易」という言葉が出てきてしまったのは私だけかもしれません(笑)
中盤〜後半、婿取りのために必死なってるお父さんたちが面白かったです。
舞台は架空の国なのに、彼らの口ぶりが江戸っ子っぽいというか、粋な感じですよね。最後も何だかんだでラブラブ展開。縁ってものはやっぱりあるんです。
それにしても、間違いで戦争が起こらなくてよかったですね〜
A05 狼は邪心を知る
のっけから首っ。首が水面を跳ねたのに「何かのホラーですかっ」と思ってしまった私。大蛇という異色の組み合わせに主人公以上にびびりまくり。
そして最後のオチにしてやられました。
「道」の漢字の解釈については「その昔、多民族の土地を進む時に切った首を持って歩いていた」というのが有力説のようです。
部首である(しんにょう)の元となる字は「行」と「歩」の合成だということで。
留学生さんたちも理解してくれるといいなぁ、と思いつつ。これはこれで面白かったです。独特の言い回しも粋でした。
A06 たとえ何があっても
少年たちの友情物語ということで、クェスの孤高ぶりが非常に目立っておりました。女心を狙ったかのような描写が綺麗です。空を飛ぶ時のシーンがすっと脳裏に浮かんできました。
主人公、貧乏くじですねえ……でも長男に生まれちゃったから仕方ないやい、という開き直りが素敵です。欲を言えば机上実践を掘り下げて、よりリアリティが欲しかった気がします。
A07 ドM道
序盤から笑わせてもらいました。タイトル通りのMっぷりに脱帽なSF。道そのものが未確認生物という、つくも神な感じがいいです。地の文と台詞にとても勢いがあって、すらすらっと読めてしまいました。こっそり劣等感を抱いている兄ちゃんの冷静さで話を引き締めつつ、弟くんの言葉に救われてよかったね。
それにしてもミッチーのキャラが濃すぎるなぁ。踏まれることが生きがいって……実際こんなのが地球上陸したら怖いです(笑)
A08 大都会の秘密基地
私も子供の頃は秘密基地作りたがっていたなぁ、と思いを馳せつつ。
少年少女の時代はって「危険」と書かれているものがあるほど好奇心が高まるというか、想像力が豊かになるような気がします。
それにしても、下水処理施設の上を公園にというアイディアは素晴らしいですね。また、大人になってから過去の思い出を見つけた時の嬉しさが文章に優しく表れていました。図書室にあった社会の本を思わせるような淡々とした語り口(やや回想に近い?)に覆面さんが誰かを確定。ちょっとにんまりです。
A09 空の果て、あの道に
死刑台に向かう少女の話。胸が締めつけられました。
命が限られた時間しかないからこそ、彼女の脳裏に浮かぶ故郷の風景や愛しい人の姿がとても美しく、そして切なく思えるのです。最後の最後で妹と同じ名を持つ青年に出会ったのは、レンにとってのささやかな救いだったと信じたい。
二十枚以内という制限の中で、空をここまで広大に表現できる作家さんが素直にすごいと思ってしまいました。最後の一文が今もまだ鮮烈に残っています。
A10 月のゆりかご
退廃した未来を描いたSF。人間そのものが機械化していくも、心が温まる作品でした。「仲間になる」というのはオール機械化ということでしょうか? それとも地球脱出なのかな? と思いつつ。荒んだ世界の中で残っている家の風景やお風呂の存在がエキゾチックな雰囲気を醸し出していたのではないかと思います。
そして希望を持たせるラストと最後の「うはぁー」にもしや……と覆面さん探り。たぶんあの人かな?
A11 かえりみち
実は一度読んだ時、物語中盤まで瑞希が幽霊だということに全く気付いてなかったという(汗)
話自体は今の時期にぴったりで、好きだからこそ瑞希への思いを断ち切らなきゃ、と苦悩する主人公にぐっときてしまいました。ほのぼのとしているのにどこか切ない。皆、優しいだけに読んでいるこちらの胸が苦しくなります。お盆の風景である送り火や茄子の馬の表現が私にとってはとてもツボでもありました。
A12 もんどう※注
この作品、今回一番の謎かけではないだろうか? 一度読んで「は?」二度で「うーん」三度目の今もぼんやりだったりします。
1は平安時代の女性なら読み取れたのかもしれません。2も小学校低学年の子ならすこし解読できたかもしれない(ひらがな多用に慣れてるので)3〜4で戦いについての話なのかなぁ、と……タイトルだけで理解していく状態です。本文の感想が書けません。37のとおり逃げます(笑)
ただただ、日本が作ったひらがなの力に圧倒されました。
競作小説企画第三回「夏祭り」開催ということで。
sideBのどこかに小説をupしてます。
企画サイトからの一方通行ですのでお気をつけ下さい。
今回、久々に黒背景を使っているのでご注意を……
そして「第三回写小説」作品も投稿しました。
こちらは十枚以内の掌握です。(作品募集は今月末まで行っています)
昨日の日記にも書きましたが、反省点ありつつの投稿でした。
いずれお題の方へスライドさせようかと思っています。
とまぁお知らせということで。
これから実家に帰ります。
「写小説」作品書き上げたよ〜
これで夏の企画もの、すべてクリアしました。
とりあえず良かった。
これで「覆面」の感想&推理に集中できるっ。
不健康な生活から抜け出せる(おい)
とはいえ。
今回、企画ものに挑戦して反省すべきところがいっぱい出てきました。
一番の反省は「資料はとことん調べて、隅々まで見とけ」という所でしょうか?
今回写小説書くにあたって、改めて資料をかき集めたのですが。
今まで書いてきた中で重大ミスが発覚しまして。
凹んでしまいました。
一度そういうのに気付いたら、自分の書いていたものが薄っぺらいものにしか見えないんですよね。
当時はとても嬉しい言葉を頂いたのに、今読み返すとその方たちに「申し訳ないっ」と平伏してしまいたくなります。
あああ……何をやってるんだ自分は。
そして書いていて思ったこと。
やっぱ、自分の書いてるものってどこか印象薄いんだろーか……と
他のみなさまの作品を読んでると、ぐっと掴まれるところが多いんです。
文体にしても、キャラにしても、萌えポイントがしっかりしてるというか。
それを考えると、自分ってストーリー重視に書いている感がしてなりません。
書くときはキャラが先に出てくるんですけどね。
文章の中では物語を進めるほうに頭がいっちゃってたのかな、と。
だから「さらっと読めたけど印象が薄いのかな」と、そんなことも思ってしまいました。
とまぁ、自己嫌悪に落ちてばっかですが。
とりあえず明日は「夏祭り」開催なので、久々にsideBのトップを更新します。
ええと「夏祭り」書きあげて一区切りしたので。覆面の感想ひとつアップしました〜
AでなくDなのはご愛敬ということで。
短いですが感想です。(※注は読後感に注意の略)
D01 帰らずの坂
陰陽師は全てお見通しだった、ってな話。最後自分の悪友のごとく翁を語るくだりが面白い。安倍晴明って実はお茶目さんだったんですね。みたいな。でもって絶対Sっ気あると思うんですよ。惟尹《これただ》の少将は本当いいように振り回されてしまってお気の毒だ。
時代ものではあったけど、すらすらっと読めました。
D02 サヌザと共に 〜草原の道〜 ※注
別ブロックにもあった語り部ものの話。こちらは「荒城の月」を思わせるような寂しさを持たせつつも、「ああいい話だな」と思ってしまうのはきっと終盤の井戸端会議のせい(笑)心があったまりました。
髪挿しに限らず、一つのモノに対する思い入れというか、それを使い愛した人たちの姿が語り継がれていくというのは素敵だなと。
だから井戸守りの女性はあまり怖くなかったです。
D03 ナキオニ
自分にとって大変なことが起きても、世界規模で考えれば些細なことでしかない。でも、そこから「日常」に浮上するまでが結構大変だったりするんだよな、としみじみ思った作品。
葬式から四十九日間って、死者が仏様になるまでの時間と言われてるけど、生きている者にとっては「心の整理」をつける時間なんでしょうね。
全然関係ないですが、ごはんを食べるくだりで、私の好きな某漫画を思い出してしまった。お面をずらして食べるのが何だか可愛いぞ。
D04 黄昏ストーキング!
誰をストーキングしてるのかはなんとなーく分かっていたけど、でかい口のわりにビクビクな主人公に超笑えますわ。なんだかんだで主人公可愛いです。
カフェでよかったね、と思ったのにどんでん返しくるし。お母さん、思春期の息子に対する答えが刺激的です。そして何故にプッチンなのかが謎(笑)
D05 払暁 ※注
優しさと甘え、そして強さについて考えさせられた作品。江朴青は漢だなぁ。その潔さはさすがと思いつつ、とても切なかったです。きっとめちゃくちゃ悩んだんでしょうね。王の気持ちも分からなくはないのだけど、人の上に立つということは自分にも相手にも厳しさを持たなくてはならないんだなと思います。
ついつい王と比べてしまう江朴青の姿は、私の中の想像ではなかなか渋いおっちゃんでした。
D06 だから私は解放を願う。
主人公切ないなぁ、って思ったら先輩に騙されたっ。一緒に寝首取られましたよっ。でも先輩にとってはそれが幸せなんだろうな。
二人の異様な関係が終盤でひっくり返された感じが怖かった。この世のどこかにあってもおかしくないようなリアルさを感じました。
うん。笑顔って凶器だね。
D07 坂道の効果に関する最新知見 〜女性研究者を対象として〜
研究者たちの会話から最初は現代? って思ったけどSFだったんだね。
傾斜ののない世界ってのが新鮮。そしてどさくさまぎれの告白も何だか可愛らしかったです。ベルルックが悲鳴をあげて坂を下ってくくだりは小さい頃の自分と重ねてしまいました。
あの頃は坂道降りるだけで何だか楽しかったんだよねぇ……今度は自転車で下ってみてはと提案したくなりました(笑)
D08 御堂関白の御犬を可愛がる事
蛙に鼠に犬に……一体何の話だろうと思ったら陰陽師シリーズその2でした。同じブロックで安倍晴明や賀茂保憲の名を再び聞けるとは思いもしなかったです。まるでD01と話が繋がっているような錯覚が……
こちらの晴明さんはひと癖ありそうな感じでしたね。雪丸の姿は私の中で紀州犬。一度モフりたい〜
D09 道案内
読み終って「生き残りおめでとう」と拍手。
主人公以上に思春期の男の子のまっすぐな気持ちとかがひしひしと伝わってきた作品でした。場面の合間にある風景の描写がとても上手い。駅前の重苦しさといい、クライマックスの桜の風景といい、読み手側としては脳内妄想全開で楽しかった〜
とても素敵な話でした。
D10 その道の先にある
叔父様と姪のコンビネーションはさすが。ミステリー色を出しつつも、実はSFということで。シリーズ化しても読めそうなお話でした。
全ては予定調和だったのかかどうかは、お母さんのみぞ知る、ということでしょうか?
実は轢き逃げだけで終わってなかったという展開も面白かったです。
D11 夏の夕凪、丘の上に寝転びて星を待つこと
銀河鉄道の夜、私もいちばん最初は挫折したクチです。その後青猫さんとか舞台とか見て、最後に本を読破したという私。でもこの話の中にあるように、宮沢憲治は年を追うことで理解することができるのかな、と思います。
そして恋は盲目と言いますが……純粋故に気付けなかったことや、突き放すことができなかったという、繊細な心が浮き彫りになった話だと思います。
切ない話ですが主人公たちには明るい未来があってほしいな。
D12 ハイカラ娘と銀座百鬼夜行
うわああっ。お嬢さんと書生だなんて。私のストライクゾーンまっしぐらではないか。この時代大好きです。そしてこの季節らしいホラー色もありつつ。なんだかほのぼのと読めてしまう作品でした。
結局事件は解決したのか? と思いつつ。お嬢様の無鉄砲ぶりにぐいぐい引き込まれてしまいます。書生くん上野までがんばれ〜
「覆面4」の感想&推理時間をなるべく多くできるよう。
いそいそと書いてます。
・「夏祭り」企画用作品7割3分ほど書きあげました〜
あとは「起承」部分を書くのみ(何だか順番違う……)
現時点で消化したお題は8つです。自分で出したお題「朝顔」が全くもって出てこない展開に笑ってしまいますが。
まぁ、なんとか入れましょう。
こちらは10日までの提出を目指します。
・「写小説」の方も、話のイメージ膨らんでます。
今までにに書いた話の続編というか。アナザーストーリーな予定。
こちらは十枚以内。一気に書けるといいんだけど……
相変わらず頭ぐるぐるです。
わからない(泣)
とりあえずAブロックから攻略始めてみたのですが。
すいません。誰がどの作品かマジでわからなくなりました>覆面4
もう半分正解すればいい方じゃね? なハードルの低さになってます。
怖いよ〜 何が何だかもうわからん。
そして改めて自分の作品見て「うわ、これってすぐバレるかも」とビクビクです。
うん、たぶんバレますね。これは。
わかっちゃった方は正解まで口チャックよろしくです(ぺこり)
このままだと頭ぐるぐるなので、とりあえず「夏祭り」をきちんと書きあげてから、腰すえて推理してみます。
はじまりました「覆面4」
私はCブロックでの参加です。
確率は1/12なので推理してみてください〜
ということで、早速意気込みを。
<意気込みテンプレート>
■サイト名&アドレス
なごみのお茶屋さん(http://nagomi.chagasi.com)
■参加ブロック
Cブロック。
■自己紹介、プロフィールページはありますか?
あります。まんま自己紹介コーナーに。
■好きなWEB作家さん&WEB小説作品はありますか?
リンクページにある作家さんたちの作品はどれも大好きです。
■最近読んだ本の中で、オススメの1冊と言えば何ですか?
「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦)
珍しくハマった恋愛ファンタジー。
御都合主義上等! な学園祭編が好きです。
■作家以外の趣味はなんですか?
時々走って時々泳いで、最終的に猫と同化(笑)
■今まで、覆面作家企画に参加されたことはありますか?
初めてです。どきどき……
■この作品を書くのに、どのくらい時間がかかりましたか?
実質一週間?
■推理をかわすための作戦は?
あえて平凡、あえて普通の文章を目指してみる。
■ズバリ言って、今回、あなたの作品を推理するのは簡単ですか?
初めてなので何とも……意外にあっさり破られそうかも。
■この企画のために書いた作品、他にもありましたか?
書いてはいないけど、脳内に広げていた話はひとつ。
■その作品を提出しなかった理由は?
注意どころか下手したらRがつきそうな勢いだった。
あとは私の傾向が前面に出そうだったから。
■あなたが最近、良く書いている作品のジャンルは何ですか?
現代ものしか書いてない〜
色々なジャンルに挑戦はしてみたいけど……
■この企画への参加作品以外で、一番最近書いた作品は?
「うさぎDASH」
「音楽をお題に小説を書く」企画用に書いたもの。
ノリだけでできた追っかけっこ話。
■その作品は、推理のための重要なヒントになりますか?
あははは。どうでしょう?
■参加者さん&読者さんに一言。
初参加ですので皆さまよろしくお願いします。
正解発表までの一か月間、盛り上げていきましょう〜
この日を首を長くして待っておりました。
初めての参加なのでどっきどきで。昨日の夢に出てきましたよ。(その時はEブロックでの参加になってた。正夢だったら怖かったかも)
今回私のいるブロックにはA&Cの皆様やチャットでお世話になってる方もいるので、推理するのがものすごく楽しみです。
とはいえ正解が出るまでは自ブロック以外の推理になってしまいますが。
できれば半分以上は当ててみたい。
始まったばかりですが、とってもワクワクしております。
皆さま盛り上げていきましょう。