本日、連載中の小説について質問があったのでこちらで回答させて頂きたいと思います。
「スタートライン」は主人公である葉月の物語であり、各章の視点となる登場人物たちの恋物語でもあります。
登場人物たちは必ず「誰か」を想っています。
読者には、彼らが主人公と向き合ったことでどんな思いを抱きそれぞれがどういう決断を下すか――恋をすることで変わっていく彼らを見守って頂きたいと思っています。
この話は実験的なものでもあります。
物語の構成は小説でいえば(ジャンルは全く違いますが)横山秀夫氏の「半落ち」を、漫画でいえば谷川史子さんが初期に描かれていたオムニバスシリーズを参考にしています。
では何故こんな構成にしたのか。
登場人物たちに愛着があったのも一つですが、主人公の気持ちを追いかけるだけの話にしたくなかったのが一番の理由かもしれません。
確かに葉月視点で続ければ彼女の気持ちや変化にすぐ気づけるかと思います。
でもそれだけでは面白くないのではと私は思い、冒険に出てみました。
この話は序章以外は全て違う視点で描かれ、主人公の気持ちが見えにくくなっています。
つっこんで言えば読み手には「主人公が秘めている『本心』を言動から想像してもらえれば」と思ったのです。
もちろん、他の登場人物も主人公の言動から気持ちを想像しなければなりません。
それには正解もダミーも含まれているわけで(実際「ブレイク」で亜由美は勘違いしています)その結果最後で謎が残ってしまったり、視点が変わって読み手に困惑を与えてしまったかもしれません。
これは今後の私の課題とも言えるでしょう。
こういった話は三人称での複数視点(いわゆる神視点ってやつですね)で書ければ一番ベストなのですが、そういった技術のない私にはとても難しくて……でももっと本数をこなしていつか書けるように精進したいと思います。
最後に。
今回は考えさせられる感想を頂きありがとうございました。葉月に感情移入してくれてとても嬉しいです。読んで頂けるだけでも貴重なことだと思っています。ご意見は次回書くときの糧とさせて頂きます。
「WANDERFUL WORLD」のつづき。
初回版を買ったので特典のDVDを見てたのですが。
「ワンダフルワールド」のPVに圧倒されてしまいました。音楽もさながら、映像も壮大というか、まぁ。
北川さんが体でもって唄っている姿はまぁ想像できたのですが岩沢さんの側にさりげなく映っているトカゲさんがなんかキュートで、思わずそっちに目がいってしまいました。
最後のコーラスに入る映像は心臓を殴打された気分です。いや、やっぱり自分ってちっぽけ。世界は広いんだなあと思わせる映像の転換に舌を巻きました。
メイキング映像もなかなか素敵でよかったですよ。
欲を言えば「うまく言えない」のPVも出して欲しかった。あの続きはやっぱり見たいなぁ。
と、ひととおり見て満足してたのですが。
そういえば「ゆずの輪」の継続特典のDVDを見てなかったなぁ、と思い出し、CDの棚から引っ張り出して見たわけですが。
よく見たら2005年に出てたんじゃん。2年以上も放置プレイだったんだ(汗)すげえ。
時期的にはベストアルバムあたりなんですが、この特典映像はすごく面白かったっす。
端折って説明するなら「リクエストが書かれたくじの入っている箱をふたりが引いていきあたりばったり的な感じで唄ってみようか?」な感じ。
でもくじを引いた直後の二人の反応が笑えます。
最初に引いた「境界線」で「ピアニカがない」とスルーして。
二番目に引いた「無力」で「重すぎる」と却下して。
「心のままに」で「くじ運が悪い」と達観しちゃってるし。
ようやく「終わりのない映画」を唄ったものの、歌詞とかメロディがぐだぐだで、
「これは怖い。ほぼ忘れている」
って作った本人である岩沢さん。唄っても唄ったあとも失笑しっぱなし。
いやあ、これが本物のライブだったら怖いよねぇ、と思いつつ二人のダラダラ感の世界にひきつけられました。
他にも「旅立ちのナンバー」とか未発表の「公園」とかやってたけど、(世に売り出されている)全曲集の楽譜をちらちら見ながら唄っている姿は普通に等身大でした。あのちょっとおどけた感じはツボですな。
途中で北川さんがランニング姿になってて驚きましたが(ほぼ全部のリクエスト曲を唄ったらしい。でも編集されて相当短くされたようで)
最後の「風まかせ」は意地とプライドで唄いきってました。
きっと歌い手さんってこんな感じなんでしょうね。自分の書いた曲がどんどん増えていくから昔の曲が記憶から追いやられていくというか……
ある意味これは罰ゲーム的なものではないだろうか?
でも見ている人にしてみればそれもまた面白かったりするんだけどね。
ゆずのアルバム発売〜
ってことで、早速買ってきました。
事前の情報によると今回はいろんな音楽プロデューサーがゆずの曲に関わっているらしく、そのへんも興味津々って感じで聞いていたのですが――
ぶっちゃけすげえ壮大。
フォークなんだけどいろんな所でPOPな感じ。
それでいてバンドサウンド。
正直なところ、「トビラ」ほどではないけど好みが別れるアルバムかなぁと思いましたね。
たぶん、ゆずの二人が言っていた「ルーティンぶっこわし作業」ってのはこういうことかなぁと思うのですが。
でも、等身大の歌詞は相変わらずなのでツボにくるフレーズやメロディがちらほらとありますね。
1 WANDERFUL WORLD
のっけからドラムロールで驚いた。これが蔦谷好位置さん(エレカシやYUKIの曲を手がけるプロデューサーさん)色なのかしら、と思ったらピアノの旋律が緩やかに流れてくるではありませんか。次の曲へとしっかり繋いでくれてるインストです。
2 ストーリー
「ラクに行こうぜ」CMソング♪ 一人部屋の中で思いっきり口ずさんでました。この爽快感がなんかたまらないですなぁ。ライブ仕様が楽しみ。この間Mステで唄っていたけどライブの時は「ラ」の文字の向きを間違えそうで怖い。
3 モンテ
モンテカットですよ。坊ちゃん刈り。岡村町ソングともいえるこの曲は素朴ながらもさらりと流れていく感じが可愛いというか。メロディーもちょっと跳ねてて、ノスタルジックになっちゃう気分がいい。北川さんお得意(?)の可愛らしい声が効いててgood
4 おでかけサンバ
文句なしに今回のライブではダンスナンバーになるだろう一曲。いや。ほんとにサンバです。ワンダフルどころかジャングルになってるだろう、とツッコミたくなるくらいなはじけっぷりが伺えます。
5 うまく言えない
いままでの陽気さとは一変した極上ラブソング。同じ人(北川さん)が書いたとは思えないほど。ちなみにプロデューサーは(東京事変のメンバーでもある)亀田誠治さんだそうで。このアルバムの中で一番好きかも。詞の中にある「僕」の不器用さがひしひしと伝わってきます。これ、シングルでも良かったんじゃないかなぁ。
6 黄昏散歩
このネーミング「黄昏流星群」もじった? と思ってしまったのだけど……本当のところはお散歩ソングです。
不動とも言える岩沢節。前の曲がじっくり聞かせる系だっただけに、その余韻を少しずつほどいてくような王道メロディーがふっと気持ちを軽くしてくれます。
7 凸凹
蔦谷さんプロデュースその2。イメージ的には「チェリートレイン」をもっと柔らかめにしたPOPかな? 「あなた」「私」とかけあいながら唄うゆずの声が女性っぽく聞こえてくるのが不思議。こういうのも面白いかも。
8 人間狂奏曲(ラプソディー)
「生きる」ことを唄ったポジティブソング。前の曲を受けてなのか、popとバンドを足して二で割った感じ。最後にタイトルを唄う部分、岩沢さんの声が皮肉るように聞こえるのは私だけだろうか?
9 春風
聞けば聞くほど味の出る「するめ」のような唄。岩沢さんには珍しくラブソングらしい。あまりにも昔のことで曲書いていた時のことを忘れているようですが……葉加瀬さんあいかわらずGoodjobです。せつなさが音だけでも伝わってきます。
10 明日天気になあれ
映画「しゃべれどもしゃべれども」の主題歌。リコーダー(オカリナ?)の音がやっぱりいいなぁ。不安を抱えながら空を見上げ思いを馳せる情景がなんとなく自分とかぶってみたりして……そっと背中を押す応援歌ですね。
11 行こっか
「ラクに行こうぜ」岩沢さん編。語尾上がり調で淡々と唄い上げるのが新鮮。ちょっと昔っぽくてマイナー調だけどサビの部分でスコーンと突き抜けた。シンプルなメロディなだけに、二人のハモりがすごいと改めて思わされる一曲。
12 眼差し
前の曲を払拭するようなバンドサウンド。失いかけた自信を取り戻させてくれそうな歌詞がいい。「命果てるまで」に近いモノを感じるかな。このノリはライブで思う存分発揮できそうかも。観客との声の掛け合いが楽しみ。
13 君宛のメロディー
え? これ岩沢さん作詞? マジで驚きました。だってこれラブソングでしょ? 何があったんだと思わず聞かずにいられない歌詞です。ハイトーンボイスが心に刺さってきますよ。爽やかな一方で微笑ましくなってしまいました。
14 つぶやき
世の中のことに思いを馳せながらそっと唄う姿が目に浮かんでしまいました。重めの曲の中でさりげなく響くタンバリンが身に染みる。この曲は「トビラ」の前後あたりにあったらしい。スタッフの中ではかなりの評判ソングらしく、私も今回の岩沢さんの曲の中では一番だと思ったな。
15 ワンダフルワールド
音楽プロデューサー久石譲さんですかっ。イントロ聞いているだけでちょっとラピュタを思い出し、世界がいっきに変わりましたよ。これは「栄光の架橋」とも違った壮大さ。映画音楽にしてもおかしくないくらいな感じ。
唄は聞いていて「朝のリレー」って詩を思い出した。北川さんがいつも言っている「希望」がより大きく響きました。
さあ、これをライブでどう料理するか。来月が楽しみだー
本日
予告通りサイトのデザインを変更してみたのですが、変える度にどんどんシンプルになってる気がしますね。
本当に必要最低限しか入れなくなったというか。
「あとで面倒くさいのは止めておきたいな」的な私の性格が伺えてなりません。はは。
まあ、そんなことは置いといて。
デザイン変更ついでといっては何ですが、今年二月に書いた短編集「St.V.D」を復活させました。
慌ただしくて申し訳ありません。この作品だけスパムにやられてたもので(しかも最初は何が何だか分からずテンパってたし)
連載に関しては、ちょこちょこと加筆修正しています。どこか探してみるのも面白いかも?
「いぬにっき」に関してはもう少しお待ち下さい。必ず更新します。
……うん。これで告知は終わりましたね(たぶん)
では、今日の本題。
久々に小説の裏話などしてみようかと思いまして。
最近は話ひとつひとつにテーマを入れるよう心掛けています。
例えばこんな感じ。
<St.V.D>
ミルク 「告白の意味」(おまけ版は「主従関係」)
ビター 「後悔」
ブラック 「嘆美的な色気」(なのでPG-12)
<スタートライン>
ワキシュー 「刹那の恋」
deep blue 「青」
ブレイク 「変わりたくない、でも変わらなければならない」
最近はテーマを入れた方が書きやすいです。タイトルもしかりですね。「ワキシュー」のタイトルはNHKの深夜番組からヒントを得ました。
夏といったらスイカの母に対し、娘は「ワキシュー」だという投稿ハガキだったんですけど、でもその感覚が何か面白くて使わせてもらってます。
ちなみに。その深夜番組はさだまさしさんが司会なのですが、年四回の不定期放送です(年末は紅白のあとにやる)
テレビなのにラジオ感覚。一応音楽番組というけれど、一〜二曲だけしか歌わずほとんどトークショーで終わってしまうというとんでもなさ。でも面白いんです。その緩さがたまりません。
って。話が少し逸れましたが。
テーマをつけることで道しるべにもなるんですよねってことを言いたかっただけです。
これからも何を伝えたいのかを見失わず書いていきたいと思います。
昨日の夜、実家からFAXが届きまして。
いきなり「号外」と文字が出てきたので「何だ?」と思ったら……
写真付きの解説にぶっとびましたよ親父さま。
つーかハナちゃんはもういい年なんだから、いい加減諦めて下さいって。
しかも逃亡のきっかけがまた何というか……いや、これはネタにするべきだな。
近いうちに犬版の方も更新させて頂きます。
去年、公募に出した作品の結果が出ました。
二次選考落ちです。
原稿なるものを作って出した最初の作品なんですが、結果が出る一週間前まではもう気が気でなくて、目が血走ってたような気がします。
やはり最初からは上手くいくわけがない。
地方の文学賞だったんですけど、今回は受賞歴ある人が賞を頂いてました。しかも団塊世代が多かった。
やはり年の功か?と思いつつ。ぼやきつつ。
それでも、二次選考の欄に自分のPN(もちろん別の名前)が載っていた時は「うわっ」と叫んでしまったりで。
意外にもそっちの方でテンション上がっちゃいました。二次落ちは変わらないんですけどね。
でも、最初で落とされなくて「よかったあ」な気持ちなわけです。
でもって今自分がどの位置に立っているのかというのがなんとなく見えてきたような気がして色々勉強になりました。
この文学賞には次回も出してみようかと思ってます。
それからもうひとつ。
最近、自作の小説に対する感想を頂いたりする機会が増えまして、自分では見えなかった所がどんどん出てきた気がします。
やはり第三者に見て頂くのはもの書きにとっては大切だな、と思わずにはいられません。
批評ありき、感想ありき。
小説は勢いで書けるけど、冷静に見つめ直すことはとても難しいと思います。
たぶん、今の私にはそういった時間が必要なんだろうな。
感想を頂いた方に感謝しつつ、私も他の方の力になれるような感想や批評を書いていけたらと思います。
まずは小さな一歩から、ってことで。