謎は解いてもいけないし



「細野真宏氏講演MEMO」

2010年07月17日(土)



先日、東京消費者生活総合センター活動推進課主催で細野真宏氏による
「よくわかる金融と経済」というセミナーに参加してみました。
東京都金融広報委員会共催。場所は表参道の東京ウィメンズプラザホール。
初めて行きましたが、国際大学の裏にある、なかなかいいホールでした。
少人数のセミナーにはいいかもしれません。
行ったホールは250人程度入れるところでした。

そもそも、これを知ったのは偶然で、こちらではよく郵便局に置いてある
「東京くらしねっと」という冊子があるんですが、そのなかに無料で講座参加募集の記事があったんです。
はー、250人ねえ……無理だよねー……
と思いましたが電子申請してみると、参加可能で。
この私的にいろいろ切羽詰まっている時間を都合して行きました。

細野真宏氏というのは、ご存じの方も多いかもしれませんが
「経済のニュースがよくわかる本・日本経済編」という本が経済本で初のミリオンセラーとなり、他にもいろいろと注目の本を出されているという、もともとは数学のカリスマ予備校教師さんです。
と、わかったようなことを書いていますが、もちろんこれは、後付知識です。
わたし個人はこのようなことはまったく知りませんでしたが、ひょんなことからこの方の名前は知っていました。
昨年末に西武系の本屋さんに行って、たぶんその時は他の小説を見に行ったと思うのですが、なにげなく通ったラックに家計簿が置いてあったんです。
後々それはなんだか有名な家計簿だったらしいんですが、このとき私の目に留まったのは、鮮やかな黄色ベースに黒の文字のとてもシンプルな家計簿で、パラパラめくると中も実にシンプルでした。
なにしろ装丁が大学ノートのようで、これで500円なんて安いと思って、そしてなによりこの装丁がすごく好みだったこともあって、速攻買い。
さて、驚いたことに、年が明けて、この家計簿を使い始めた私は、このなんの変哲もないように見える家計簿のわけのわからない威力を知ることになります。
他の家計簿とどこがちがうか、いまだによく解らないのですが、とにかく、付けていくと、はっきりと、このままではまずい、ということに気がつかされました。
いままでだって、一応、家計簿もどきは付けていたんですよ。何年も。
なのに、これは、まったくいままでと同じようでどこかわからないけれども、違う。
そんなわけで、一月過ぎるごとに、わたしは毎月、給料に対する生活を見直すことになりました。そんなことしたことないのに。
そして、なんと、月を追う事に、今までの家計簿を付けてもだらだらな収支ではなく、ちゃんと計画性を持った収支を目標に予定が立てられるようになりました。
こんなことは、普通の人からみたら、前からやってるがな! というものなんですが(特に弟など最初から計画的だったと思うけれど)、私にしてはなにか画期的なことになりました。
目から鱗といおうか。
そんな自分自身の経験から、このセミナーを見たときに、はて、この細野さんはいったいどんな講演をするんだろう、とふつふつと興味が出まして、とにかく行ってみたいと思い……とにかく、なにか、すごく、この方の「よくわかる金融と経済」はどんなものか知りたくなったのでした。
長い前置きですが、ここはなぜわたしが参加したか、というのも大事なので、ちょっと書いてみました。

さて、参加して驚いたこと。
この元カリスマ教師は話すことがすごくヘタでした(笑)
いったいどうしてご本人も言うように、人前で話すのがうまくないのか。
本当に教師をしていたのかしらとすごく驚いてしまうほどの要領の悪さ(笑)
ちょっと席が前から遠かったので、はっきりとは判りませんが、写真と雰囲気から察するに、崎本大海に似てるような気がする(気だけ)んですが、だから若いと思うんですけれども、要するに彼はですね、きっと、自分の頭の中に膨大な知識があって、それを解きほぐして相手に伝えるということが、まだ上手くできないんですね。
予備校教師だったころはどうだか知りませんが、今の、総理直轄の社会保障会議の委員として知ったいろいろなことは、口で伝えるのには慣れていないようでした。
なにかひとこと喋るたびに、「あまりに複雑なので難しい」とか「解って貰うのは難しい」「経済教育がいままでなされていないからみんながマスコミのおかしな情報のみで判断してしまう」などというフレーズが出てきて、おいおい、わたしらそんなにバカなんかい、みたいなことになってしまうわけなんですわ(^-^;)
そして、ひとこと自分が喋るたびに、自分で「うん」という相づちを打つので、余計聴きにくい。始まって15分くらしか過ぎてないころに、やおら、ひとりの男性が「だからちゃんとちゃっちゃと話せよ!」とクレームを。
……いやあ、驚きましたねえ、わたし。
これ、無料ですよ、無料。
わたしの中では、たとえ最後に質疑応答をするって言ってたけど、それさえ誰もなにも言わないんではないかと思いきや、話の途中でいきなりクレーム?(笑)
これって、経済の話で、向こうは専門家だから、こっちは黙って聞く人ばかりかと思いきや、いや、たしかに、この人が言い出すのも解る、という進み具合でしたが、これがまた、この意見に対して、他の人たちから、「質問は最後に受けるっていってるんだから、最後まで待てよ」「そうそう、静かに聞け」「なんだよ俺が悪いのかよ、俺は質問してるだけだろう」「だからそれは最後って言ってるんだからそこで騒ぐなら出て行け」「なんだと」「主催者はなにをしてるんだ、さっさと追い出せ」「センセイ気にしなくていいですよー」……なーんてことになったりしたんですね。
いやあ……わたしはこう、ひっそりと聞く講演しか行ったことがなかったので、途中でこのようになる経済のセミナーにびっくりしてしまいました。
いやあ、元気やなあ、みんな。
そして、その男の人は結局悪態をついて出て行き、主催者が謝り、それでも、「センセイもその上に立ってやるんなら、自信をもって話さんかい、そんなおどおどやって!」などと出てきたり、いやあ、なかなかアグレッシブな進行でしたわ。
結局、レジュメを全部クリアして終わった一時間半で、最後の質疑応答はみんな意見があって、その前向きさに私は驚きました。
ちゃんとみなさん意見があるんですね。

終わって考えるに、これだけを信じるというわけにもいかないとは思いますけれども、たしかにそうである、という納得も出来るお話でした。
だいたいは、たとえば、年金は「未払いの人が増えても破綻しない」、「少子高齢化になっても年金が払えなくなることはない」ということの根拠もちゃんと数値としてあり、今払っても将来貰えないから払わない、というのは、結局個人の損になるだけ、というお話と、日本の経済はどうして停滞するかというと、個人が将来に不安があるから使わないということだけれども、それは自分たちが低負担低福祉を選んできた結果であって、自助努力を今まで選んできたので、低負担高福祉など存在しない、ということであって、だから税金のこともよく考えましょうということでしょうか。本来、消費税が上がるとすると低所得の人が得をするのであって、それをよく解って貰えない今の経済教育はどうしたらいいのか、というようなことも言っていて、そもそもカネモチは高い買い物をしてたくさんの消費税を払うけれども、低所得者は必需品を買うにしてもそこそこの消費税を払うことになり、けれども、その差額のある払った税金は2008年の閣議で福祉に使われることは決まっているので、(しかしながら私はその決まったという法案を見つけられなかったのですが)少ししか税金を払わなかった人も、たくさん払った人も、等しく福祉の恩恵に与るのだから、少ししか払わない人のほうが、ある意味得をするのだ、ということのようでした。
覚えているのはそういうお話です。
ところで彼はその時に本を持っていました。
そこでわたしはよくタイトルは見えなかったし、彼はそれを宣伝していたわけではないんですが、ちょっと読んで見ようと思い、わたしはそれから本屋さんに行きました。
最新刊があったので、これかな、と思い買うと、タイトルは「細野真宏の最新の経済と政治のニュースが世界一わかる本!」でした。
ぱらぱらとめくると、あらすごい、結局彼は一時間半でこれを一冊講義しようとしたのね、というもので、287P分やりたかったらしいです。
あのレジュメ、まあ惜しげもなくこの本のものをただでくれていたのね。
ということで、今からまたゆっくり読み直そうと思うのですが、わたしはあの講義の時にちょっと思ったんです。
そんなに「経済教育」をちょっと小利口な庶民に教えたかったら、WBSとかNHKのまちかど情報局とか報道ステーションとか、小利口なキャスターにちょっと言って貰えば、すごーくメジャーに納得できると思うんだけど、なぜそれはできないか。
今のマスコミにはどこに正義があるかわからないし、個人攻撃ときたら際限がない。
このめんどくさい情報しかないのだから、知ろうにも真実は誰も知ることはできない。
でも、きっと、情報は知れば知るほど身動きが取れないものになるんでしょうね。
にっちもさっちも、なにを公開していいのかも、わからなくなる。
すでになっている。
そんな気がしたセミナー後でした。
そういや、公共事業のことも言っていたなあ……
でも、彼の本筋を曲げそうだし、これこそ上手く伝えられないと思うので、気が向いた方は、彼の本を読んでみていただければと思います。
それもありかな、でもあり、そうなんだろうなあ、でもあり、でも民意とかいうものはなかなかに難しい……のであろうなあ、という感想でした。

お読みいただきお疲れ様でした(笑)
時々へんな文章かもしれません。
でも……もはや自分で読み直しが出来ない……
長すぎて(^-^;)
いやいやいや………m(__)m



追加で近況報告。
夏コミは84Pのオフセット本が出る予定です。
まだまだ闘い中……
だいたいは、BBSが最近の近況報告場になっています(笑)



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