日航機墜落事故を、内側から描いた話です。
会社に、現場の労働環境改善を訴えたばっかりに、10年アフリカ等に飛ばされる、恩地さんが主人公。 アフリカ編、御巣鷹山篇、会長室編からなります。
会長室編が一番面白かったです。 めくってもめくっても悪人しか出てこない…。まともな人は、よそから来た国見会長と、恩地だけか! 会社の腐りっぷりが、恐ろしかったです。政治家も、実在の人物が特定できる書かれ方してるし、どこまで本当なんや~! 会社は再建途中だからと、給料を受け取らない国見会長の清潔ぶりが眩しかったです。 恩地さんは、悩んでばかりであまり活躍できなくて残念。
御巣鷹山篇。 「クライマーズ・ハイ」を読んだばかりなので、興味深かったです。 米軍が真っ先に事故現場に到着してたのに、救助活動させずに追い返すって、何やねん日本政府ー! もっと助けられたかもしれないのに。 酷い損壊状態の遺体を、必死に探し求める遺族の姿が、胸に迫りました。 それにしても、事故原因は本当に隔壁なの? 行天(恩地のライバル)が、証拠隠滅計ろうとして、県警に恫喝されるところはスッとしました。
飛行機に乗るのが怖くなる本でしたね…。航空会社は、現場の人々をもっと大切にしてあげて下さい。
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