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やすみ日記
梅子
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2009年08月30日(日)
沈まぬ太陽 全5巻 山崎豊子

日航機墜落事故を、内側から描いた話です。

会社に、現場の労働環境改善を訴えたばっかりに、10年アフリカ等に飛ばされる、恩地さんが主人公。
アフリカ編、御巣鷹山篇、会長室編からなります。

会長室編が一番面白かったです。
めくってもめくっても悪人しか出てこない…。まともな人は、よそから来た国見会長と、恩地だけか!
会社の腐りっぷりが、恐ろしかったです。政治家も、実在の人物が特定できる書かれ方してるし、どこまで本当なんや~!
会社は再建途中だからと、給料を受け取らない国見会長の清潔ぶりが眩しかったです。
恩地さんは、悩んでばかりであまり活躍できなくて残念。

御巣鷹山篇。
「クライマーズ・ハイ」を読んだばかりなので、興味深かったです。
米軍が真っ先に事故現場に到着してたのに、救助活動させずに追い返すって、何やねん日本政府ー! もっと助けられたかもしれないのに。
酷い損壊状態の遺体を、必死に探し求める遺族の姿が、胸に迫りました。
それにしても、事故原因は本当に隔壁なの?
行天(恩地のライバル)が、証拠隠滅計ろうとして、県警に恫喝されるところはスッとしました。

飛行機に乗るのが怖くなる本でしたね…。航空会社は、現場の人々をもっと大切にしてあげて下さい。



2009年08月29日(土)
舞妓さん、同研能、国立近代美術館

京都駅で舞妓さんを見て、同研能、京都国立近代美術館に行ってきました。

まずは、京都駅西口へ。
舞妓さんの舞を見てきました。
~9月6日の毎週土・日の1時と3時、無料で公開してるんです。
今日いらしてたのは、上七軒の勝瑠さんと市照さん。
演目は、1曲目が「蛍」、2曲目は忘れました(^^;
最初はうわちで、2曲目は扇子で踊ってはりました。
優雅な身のこなしが、上品で美しかったです。
帯が花火柄で、季節を感じさせて素敵だなぁと思いました。

舞は15分ほどで終わって、後は記念撮影会でしたが、時間がなかったので、そこで帰りました。

丸太町で「同研能」を見ました。
狂言「仏師」
詐欺師が、田舎者を騙す話。自分が仏像になりすまして、売りつけようとするの(笑)
ラスト、田舎者に「仏師!」「仏!」と代わる代わる呼びだされ、ついに正体がばれてしまいます。素早くぐるぐる回る二人に笑いました。ポーズがピースだったり、現代的で面白いですね。

能「花月」
7歳の時に失踪した息子と、10年ぶりくらいに再会する話。
男性だけの話、珍しいですね。
少年の衣装が、オレンジ×黄緑できれいでした。
少年の面に、前髪が付いてるのがなんか不思議(笑)
最後の、腰に太鼓つけて踊り叩くのも、能にしては陽気すぎて、なんか可笑しかったです(いや、きれいな舞なんですが)
せっかく若い方なので、素顔が見たかったわ…とちょっと思いました。

その後、京都国立近代美術館に行きました。
常設展が無料に日なんです。
横山大観の、山の絵が良かった。ルドンの絵も、幻想的ですね。
良い展示だったのですが、後で、美術館に傘を忘れたことに気づきました…。あほやー。

あと、阪急電車の「ゆかた割」。
河原町駅で、冊子を貰おうとしたら、もうなくなってました。来るのが遅かったかー。



2009年08月28日(金)
「優雅なハリネズミ」ミュリエル・バルベリ

文章以前に、内容が難解すぎました(^^;
哲学的な問答を、延々とされても分からないよー。

フランスで250万部の大ベストセラーです。
フランス人は議論好きなんだなぁ。

日本びいきっぷりが面白かったです。
ヒカルの碁とか谷口ジロー、小津映画の話が出てくるの。渋い。
「侘」や「引き戸」についての考察とか、日本人より日本に詳しいのでは、と思いました。
しかし、「日本料理」と言われて、出てきたのがギョウザなのは、何故なんだ。

著者は、現在、京都市在住だそうです。



2009年08月26日(水)
翻訳

「チャイルド44」を読んで、「訳が読みにくい」と言っていたら、母が、「あんたは翻訳の難しさが分かっていない! そんなに文句があるなら原文で読め!」と言われました。無理です(^^;
そして、その母ですら、今読んでる「優雅なハリネズミ」は、訳が相当読みにくいらしい。どんなんや。
「でも、話面白いねん。オススメ」と言われているので、次、読んでみようと思います。



2009年08月24日(月)
自分で髪を切る

自分で髪を切ってみました。
10cmほど、梳かずに揃えて切ったので、髪のボリュームがえらいことになってます(笑)



2009年08月22日(土)
後書きについて

先日、ノベルス版「ミスターロマンチストの恋」(砂原糖子)を読んだら、後書きが8ページくらいありました。
砂原さん、何を書いたらいいのか? と混乱の末、プチ自伝を繰り広げてはりました(笑)初恋の話に笑った。

BLって、必ず後書き付いてますよね。何でだろう?
今読んでる、一般書「沈まぬ太陽」1巻は、対談が入ってて、取材時の様子が分かるので、面白かったです。
BLでも、解説・対談・読者感想とか、後書き以外のものを入れてくれても良いのにな。書くことがない時には。



2009年08月21日(金)
「沈まぬ太陽」映画化

山崎豊子「沈まぬ太陽」が、秋に映画化されますね。
サイトで予告編見てたら、上川さん出てるんですね。何の役なんだろう。

今、原作の1巻を読んでます。恩地と一緒にアフリカの風に吹かれてる気分(笑)
しかし、どこまで本当か知らないが、ひどい会社やな! 
先日、「クライマーズ・ハイ」の原作を読み返したところなので、日航続きです。



2009年08月20日(木)
「未完成」凪良ゆう

脆さと熱さが同居する10代の恋。これぞ青春! って感じですね。
最初は、主人公の若者ノリになじめなかったのですが、徐々に慣れてきました。
先のことなど考えられない、刹那的な情熱に、こっちも身を焼かれそうです。
しかし、女の子にも、もうちょっと優しくしてやれよー。お母さんにも。

先生が、ずっと好きだとは言わない、じれったさが良かったです。主人公が卒業して、5年後に再会して、胸のすくようなハッピーエンド! 良かったー。
しかし、先生は、抑えの効かないワンコのようだった高校生の、どこをそんなに好きになったのだろう…。確かに、性格のいいところもあるけど、10歳下ってかなり子どもなんじゃ? と私の感覚では思います。



2009年08月16日(日)
細見美術館アートキャンパス 2009

「細見美術館アートキャンパス」に行ってきました。
若沖が、空いててゆっくり見られたので良かったです。

「糸瓜群虫図」
若沖、虫が大好きだったんだなぁ。すごい細かい。逆立ちしてるバッタが可笑しかった(笑)
「鼠婚礼図」
おとぎ話っぽくて、ほのぼの。かわいい。

鶏の水墨画は、目に迫力がありました。しっぽの先まで、筆の勢いがあって豪快。

他にも、神坂雪佳はモダンでデザイン的で、素敵でした。



2009年08月15日(土)
「チャイルド44」上・下 トム・ロブ・スミス

現実にあった連続殺人事件をモデルにした小説です。リドリー・スコット監督で映画化も決定してるとか。

感想は3点です。
・これぞヤンデレ
・ソ連は酷い国だ…
・そんな殺人の動機ありか?

スターリン政権下のソ連で起こる、幼児連続殺人事件。
しかし、「理想の社会主義国家でそんな事件起こるわけない」と、政府はまともに捜査しない。その間にも犠牲者は増え続ける。
国家保安省のエリート・レオは、国家に背いてまで、独自に捜査することを決意するが…。

何がヤンデレかって、レオの部下です。
レオを執念深く陥れようとするくせに、レオが死んだと聞いてショックで仕事を休み、生きていたと聞いて、急に元気になるんですよ。恋やんか!(笑)
レオを捕まえて椅子に縛り付けたとき、妙に嬉しそうだったしね。

密告し合い、人を陥れなければ生きていけない、社会の様子が辛かったです。
両親が、エリートから転落したレオに「お前が私たちに何かしてくれるから、お前を好きだったわけじゃない。気にしなくていいんだ」と言うところがジンときました。

下巻で、犯人の正体が分かる・列車大脱走・イワンの秘密判明・レオの記憶戻る、の辺りがハラハラして面白かったです。
ただ、最後はあっけないですね。それが動機って、納得できない。



2009年08月13日(木)
NHK版「クライマーズ・ハイ」

NHK版ドラマ「クライマーズ・ハイ」をレンタルで見ました。
こちらは話が分かりやすいですね。ナレーションで説明してくれるし。
ただ、萌えるのは映画版の方です。臨場感やスピード感があったので。

・遺書のシーンは、NHK版の方が泣ける(映画は佐山が屋上で読み上げ。NHKは直筆が映る)

・遺族が新聞を買いに来るシーンが良かった(映画では、『原因を究明してほしい』というセリフがなくなってる)

・映画は、後半の展開が腑に落ちなかったのですが(神沢記者の事故死は要らないと思う)、NHK版はよく整理されてます。

萌える点。
・悠木が、佐山を特ダネの裏取りに行かせる時「俺とお前はアンザイレン(※)だ」と言う所。
(※登山者同士が綱でつながってること)

・佐山が悠木信者すぎる。悠木と関わった女の子が新聞記者を目指すと知って、佐山が「俺みたいなバカが増えるんですね」と言うセリフ、『恋敵が増えちゃったぜ』って言ってるように聞こえました(私の脳はどうかしてます ^^;)

・安西(息子)が、登山の途中、悠木に「話したいことが…」と深刻そうに切り出した時、思わず悠木に告白するのかと思いました(笑)

・NHK版の方が、悠木→安西の愛情を強く感じましたね(笑)販売局長が乗り込んできても動じなかった悠木が、安西の悪口言われた途端、大暴れしてたし。



2009年08月12日(水)
「初恋姫」凪良ゆう

はははは。変な受だ!(笑)
元華族の超おっとりした受と、下町の定食屋の攻の話。

名前が凄かったです。
「花時雨」も人名か? って感じだけど、「ラブ」って。愛称じゃなくて本名なのか!(驚)
受は、世間知らずだけど、中身はナヨナヨしてなくて男前なところが、良かったです。

お付きの人→受→攻→従業員→その彼氏という、片思いループも新鮮でした。
ラブが、彼氏と別れて真田さんとくっつけばいいのに、と思ってました(笑)



2009年08月11日(火)
映画「クライマーズ・ハイ」

映画「クライマーズ・ハイ」を見ました。
すごい面白かった!

悠木さん、男にモテすぎ(笑)
昔、原作読んだんですけど、佐山君に社長に安西さんに、こんなモテモテでしたっけ?

佐山君(堺雅人)に萌えた…!
ボロボロになって山を下りて電話探すところとか、記事を落とされて、凄い目で悠木さんを睨むところとか。

原作でも思ったんですけど、新聞記者は四六時中ケンカしすぎです(^^; 
ズー子の特ダネは、記事にしてあげて欲しかったなぁ。慎重なのも良いことやけど。

木原さんが、この映画を面白いって言ってはったので、見たんですが、いやー良い萌えと燃えに出会えました(笑)

ただ、最後があっさりしすぎなのが、ちょっと物足りないかも。



2009年08月10日(月)
「磯崎新の『都庁』―戦後日本最大のコンペ」平松剛

読み終わりました。

都庁立て替えコンペに参加した中で、唯一の小さな会社、磯崎新アトリエ。
前代未聞の大事業に挑む、スタッフの右往左往っぷりが面白かったです。

磯崎の口ぐせが「やぶれかぶれ」「挙げ句の果てに」というのが可笑しい(笑)
へんてこな建物ばかり建ててる建築家ですが、都庁案は好きだなぁ。格好いい。

結局、磯崎は、師匠の丹下健三に破れるわけですが、その丹下が、後に作ったフジテレビの社屋は、磯崎の都庁案にそっくりでした。皮肉ですね。

磯崎の弟子・青木淳も、ドジをして師匠に雷落とされながらも、最後、立派に一人立ちしてて、良い師弟愛だなぁと思いました。



2009年08月08日(土)
「純情アイランド」砂原糖子

以前、多紀さんに「砂原さんは『恋雪』の他にも、離島モノ書いてるんですよ」と教えてもらった「純情アイランド」。
背表紙には「島モノBL決定版」と書かれてましたが、離島なんて書いてるの、砂原さんしかいないのでは(笑)

コメディタッチで、楽しかったです。
初めて、攻にキスされて喜んでたら、後で、それが別れた彼女の代わりにされたのだと分かり…という展開は「恋雪」と似てましたが、どちらも切なくて良いですね!
脳天気なアホの子が、たまに真剣に悩んでると、落差にキュンときます。
攻は、無骨でヘタレで憎めない奴でした(笑)

イラストも合ってて良かったです。ディアプラ、ちょうど139冊目なんですね!(イラストは夏目イサクさん)。背表紙のロゴに通し番号が入ってるの、初めて知りました。
おまけマンガも、とても可愛いです。



2009年08月07日(金)
「ROMES」ドラマ化

五條瑛の「ROMES」ドラマ化ですって! わーい。
「砂村は、成嶋の天才ぶりに憧れるが、翻弄される」
「バディとして信頼関係を築き、互いに成長していく」
等の紹介文に、今からトキメキますね(笑)
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/5000/24119.html

あもさんの日記で知りました。ありがとうございます!



2009年08月06日(木)
「ナルシストの憂鬱」西江彩夏

すっごい変な攻だ!(笑)リブレなのに。

人の良い、藤中の隣に引っ越してきたのは、ナルシストで自己中な色男・山田。
最初は嫌な奴だと思っていたのに、いつの間にか親しくなり…という話。

山田、本当に嫌な奴なんです!(笑)でも、憎めないんだよなー。

心理描写も丁寧で、胸を突かれました。
藤中が、山田に告白して振られた後「(山田に貰ったような)あんな綺麗な石は、探そうとしなければ、どこにもない。自分だけが、あの男の良さに気づいたように」と思うシーンが好きです。

山田は、初めて二人で出かけた記念にって、普通の石ころ拾ってきて、藤中にあげたんですよ。もー、この中学生か! って行動が、かわゆうてかわゆうて(笑)

しかも、Hに二度も失敗するんです。藤中がここまで段取りしてるって言うのに! こんな駄目な攻、見たことない。でも、そこが可愛い(笑)



2009年08月02日(日)
能装束・能面展

片山家の能装束・能面展(京都文化博物館)に行ってきました。

4時半頃~5時まで居たんですが、解説はなかったです。残念。
片山九郎右衛門さんが、係の方に「解説しようか?」っておっしゃってたんですけど、「5人くらいしかお客さんがいないので、やめておきましょう」と言われ、去って行かれました。
私はとっても聞きたいーと思ったのですが、その後もお客さんは増えず。
明日行かれる方は、人の多そうなお昼くらいに行かれるのがよろしいかもしれません。

でも、ゆっくり見られて良かったです。
今年は、古い物&その復刻という展示でした。
部屋入ってすぐの、紅地の着物が、凄く綺麗な地色でした。
復刻されると、元の色はこんなに鮮やかだったのか! と驚きますね。そして、昔の人はめっちゃ小さかったんやなぁ。
うわーん、お話聞きたかった。
今回は、目録がいただけました。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009073100254&genre=M1&area=K00



2009年08月01日(土)
「明治文学全集76 初期白樺派文学集」

日下言念(しん)の「給仕の室」。
思ってたよりは大人しかったけど、BL小説? という話でした。これを良家のおぼっちゃんが書いたのか…。

里見弴の「君と私と」。
長いので後半とばし読みですが、ほとんど日記? 恋心をこんな赤裸々に書いて良いのかしら。
坂本君(志賀直哉)におんぶされて帰るシーンがかわいい。

これに対して、志賀直哉は「モデルの不服」を書いてます。
こんな下らんことを書くなと。でも、書かれて恥ずかしいっていうのは、特にないみたいです。
明治・大正の文豪達の気持ちはよく分からない…。

ところで、志賀直哉が、武者小路実篤に「有島壬生馬が外国に行ってしまって、自分には心をうちあけられる友だちがいない。君に、そういう友だちになってほしい」と打ち明けたというエピソードが、萌えました。
http://www.silverbirch.jp/sunshine/musha_01.html

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同僚の女の子から、「読む本ないので、何か貸して下さい」とメールが来ました。
納戸をあさってると、出てくるのはBLばかり…(笑)
私の持ってる一般書って、京極夏彦(分厚すぎる)とか、女の子向けでないのばかりだ…と悩みました。