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やすみ日記
梅子
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2008年10月30日(木)
「百貨店恋愛事情」宇宮有芽

宝飾売り場スタッフの奮闘が、いきいきと描かれていて面白かったです。
同じフロアにある、ライバル社の店長さん同士の話。
二人が、少しずつ近づいていく様子が丁寧に描かれていて、良かったです。

「お客様レジェンド暴露大会」とか、接客の苦労を、面白可笑しく語ってしまう社員さん達が素敵。スタッフの人間関係が良さそうで、いいなぁ。

非現実的なスーパー攻様とかは出てきません。
城島は、仕事は出来るけど、恋愛では等身大にジタバタしてて、好感持てます。
鳥井も、仕事は真面目なのに、色恋には鈍くてボケッとしてるとこが可愛いです。



2008年10月28日(火)
「人魚は空に還る」三木笙子

天才美形絵師&雑誌記者のミステリー。

トリックは素直ですぐ分かるのですが、根底に流れる優しさが好きです。明治後期なので、大正浪漫っぽい雰囲気も素敵。

「真珠生成」と「人魚は空に還る」が特に好き。
幸一は珠子が好きだったんでしょうね…切ない。人が真珠になるという例えが詩的で美しいですね。
観覧車で泡と消えた人魚、映像が浮かんで綺麗。
小川さんの名前、あっと思いました。お芝居のあらすじを聞いたときから、某小説を思い出すなぁと思ってたんですよね。そうだったのか。
怪盗ロータスは、気障でいいキャラしてますね(笑)台湾彩票って、初めて知りました。

礼の自信満々っぷりが笑えました。「巷で大層評判の絵師だそうだね」と言われ、「お言葉の通りです」って返したり。どんな傲慢なワトソンや(笑)
気弱で心優しい、ホームズ役の高広も素敵。良いコンビですね。

二人の関係が良いんですよv 礼のツンデレっぷりに萌え。
高広が、礼の絵を交換条件で貰うのは、不純な気がして嫌だと言ったら、「物をくれたから返したわけではない」とブスっと言うところが、ツボでした。鈍い高広が「友人だと思っていいのか?」っておそるおそる聞くところがまたツボ!
高広が、家まで送っていこうと言うと、黙って満足そうな顔をしている礼も可愛い(笑)



2008年10月23日(木)
「テンペスト」上・下 池上永一

波瀾万丈でスピード感があり、面白かったです。
琉球王朝を舞台に、宦官と偽って王宮の役人になった少女の話。
知恵だけで難局を突破していく主人公は、爽快です。周りの女性陣もたくましくてキャラ立ってるし、山場が次々あって目が離せません。

多嘉良が、科試を目指した理由を寧温(真鶴)に語る場面が好きです。

琉球併合の日に「琉球を、世界から尊敬される美しい国にしたかった」と言って号泣する真鶴と、「日本がその役目を引き継ぎます。琉球の美と教養を分けて下さい」と返す雅博の会話が感動的でした。 
しかし、その後の歴史を考えると何とも言えない気持ちになりますね…。
ネタバレ→ できれば、そこで終わって欲しかった。ラストの真鶴の行動、都合が良すぎないか?
聞得大君と朝薫のラストもあんまりだ! 津波古のエピソードも好きだったのに、最後が…。嗣勇も気の毒だ。




2008年10月14日(火)
川瀬巴水展と姫路城

川瀬巴水展(姫路市立美術館)と姫路城に行ってきました。

まずは姫路城へ。
雲一つ無い青空に、白壁が美しく映えます。
中に入るのは初めて。坂道が急ですね。天守閣までの道がぐねぐねと複雑だ。
天守閣内の階段はもっと急! 最上階の5階まで黙々と昇ります。
てっぺんからの眺めは良いですね天下取った気分です(笑)
帰ろうとしたら、下りの階段前は人がいっぱいでなかなか進まず(^^;
腹切丸を見た後、好古園へ。
花は少ししか咲いてませんでしたが、綺麗な日本庭園でした。着物で来たら似合いそうな場所ですね。

ランチは、兵庫県立歴史博物館内のカフェで食べました。姫路城が一望できて、凄く見晴らしが良い。

姫路市立美術館の川瀬巴水展へ。
大正〜昭和の風景版画家です。夜明けとか、光の描き方が綺麗ですね。雨や雪の絵が多いけど、風情がある。静かな雰囲気が好きです。

お茶しながら、「ご当地BLのアンソロジーがあると良いですね」と言ったら、らいらさんは「北海道なら網走刑務所とかv」と嬉しそうに言わはりました。網走!! 私は札幌・雪祭りぐらいしか浮かびませんでしたよ(^^;



2008年10月13日(月)
街田シカク「逢魔が時」

LaLaスペシャルの街田シカクさん「逢魔が時」を読みました。
寂しい二人が心を通わせる、しんみりと良いお話なんですが、ラストの印象が弱かったです。あと、二人とも気の毒な境遇なので、読んでてしょんぼりしました…。
女の子が男の子を好きになった理由が「初めて人から必要とされた」ということでしたが、男の子自身の良さを好きになってくれたんだったら、もっと良かったなと思いました。
背中合わせの二人の絵とか、ふすまの影で抱き合うシーンが叙情的で素敵でした。



2008年10月12日(日)
大正ロマン・昭和モダン展

「大正ロマン・昭和モダン展」(北野田フェスティバル)に行ってきました。
うちから1時間半くらい。ちょっと遠いのですが、駅直結なのは便利。
素敵な展覧会でした。大正時代や美人画が好きな人にはオススメ。人が少ないので、ゆっくり見られます。
夢二、すごく好きというわけではなかったのですが、メモに描いたスケッチは良かった。ラフな線の中に、女性のたおやかさが的確に捉えられていて。
蕗谷虹児、着物の柄がポップで可愛い。橋口五葉、伊東深水は清楚な中に色気があって美しいなぁ。
解説も興味深い。高畠華宵が、新人の伊東深水より原稿料が安いのに怒って、講談社をやめたとか。へー。そんなことがあったんですね。
女性画家の美人画も良かった。この時代の女性画家って、上村松園くらいしか居ないのかと思っていたのですが、沢山いらしたんですね。島成園が良かった。

昨日は、妹のお見舞いに行ってました。
もともと、旅行に行く予定だったんです。母が、妹の誕生祝いに「鉄道の日記念きっぷ」の代金出してあげるから、私と二人で旅行に行ってきなさいと言いまして。
ところが、妹が風邪で寝込んだので中止。旦那さんも仕事で居はらへんので、妹の家に行って、ごはん作ってきました。
前から妹は「うちの人は誰も遊びに来やしない」と拗ねていたので(←半分冗談ですが)、行けて良かったです。



2008年10月09日(木)
雑誌いろいろ

「活字倶楽部」最新号を読みました。
木原音瀬さんのインタビューが載ってるので。
投稿、JUNEで落ちて、旧ビブロスで採用って意外ですね。木原さんの作風でデビューさせるって、当時のビブロスは懐が深かったんやなぁ。
最近面白かった本に「座布団」「サクリファイス」「閉鎖病棟」を挙げてはりました。前2作は私も読んでて、凄く面白かったです。閉鎖病棟は未読なので
今度読んでみます。

「編集会議」最新号。
こちらは森見登美彦特集。中村祐介さんの表紙が素敵。影が狐になってる!
アイデアノートの公開が面白い。イラスト・地図入りなんですよ。
編集さん達のインタビューも興味深い。どの人も、最初、森見さんからアイデアを聞いた時「どんな話なのか分からない」って反応なのが可笑しい。
帯の言葉に四苦八苦したりとか、編集さんならではのお話が聞けて、楽しいインタビューでした。
万城目さんのコメントも良し。森見さんのブログを読んでるとライバル関係? と思うのですが、万城目さんは森見さんを素直に尊敬してる様子で、素敵ですね。



2008年10月05日(日)
二条城チェロコンサートと、ぶんぱく狂言

二条城チェロコンサートと、ぶんぱく狂言に行ってきました。

まず、二条城へ行こうとして、反対方向のバスに乗ってしまい、次のバス停で降りて引き返したら、今度は二条駅行きに乗ってしまいました。ぎゃー(><;)仕方ないので、二条駅で降りて地下鉄で一駅。

5分遅れたので、一曲目は外で聞きました。チェロは音が大きいので、外までよく響きます。曲の間に、中に入りました。会場は、太い梁が通る天井に、和紙の照明。雰囲気の良い舞台でした。
奏者の上森さんは気さくな感じで、曲の背景などを話してくださいました。
チェロのみのコンサートを聴くのは初めてでしたが、素敵な音色ですね。落ち着きます。

40分くらいで終了したので、次は文化博物館へ。
ぶんぱく狂言、私は抽選に外れたのですが、なつのさんが誘って下さったので、見ることが出来ました。
演目は、「末広かり」「千鳥」「蝸牛」。
「末広かり」と「蝸牛」は、太郎冠者が天然アホの子で可愛かったです(笑)

「末広かり」は、太郎冠者が末広かり(扇)を買いに行ったら騙されて、ボロ傘を売りつけられてしまう話です。
主人に「これをボロ傘ではないか!」と言われても、「これは末広かりです!」と言い返す辺り、太郎冠者も強気(笑)
最後は、すっぱ(詐欺師)に教えてもらった囃し歌を歌って、主人の機嫌も治ります。主人も単純で可愛い(笑)
主人のセリフに「ぶんぱく20周年もまことにめでたく〜」とアドリブが入ってて、面白かったです。

「千鳥」は、太郎冠者が、主人から酒をツケで買ってこいと言われるのですが、酒屋さんも前のツケがたまってるので売ってくれない。どうにかこっそり持って行こうと画策する話。
この太郎冠者は、天然じゃなくてちゃっかり。とぼけたふりして腹黒いです(笑)
酒屋さんも「お前はツケの時しか、うちに来ないじゃないか! 金があるときはよそで買うくせに!」って、ちゃんと太郎冠者の家をチェックしてるんですね(笑)なんだかんだで仲ええなぁ。

「蝸牛」は、太郎冠者が山伏をカタツムリと間違える話です。主人は「それは山伏ではないか!」と怒るのですが、最後は一緒になって歌って踊ります。太郎冠者の天真爛漫なアホの子ぶりには適わないようです(笑)

終了後は「伊右衛門サロン」でお茶。
今風でおしゃれなカフェでした。白玉あんみつを食べましたが、美味しかったです。座席がゆったりしていて良いですね。
お茶や和に関する本があったので、待ってる間にパラパラ読みました。「京の和稽古」という本が面白そうでした。





2008年10月04日(土)
葛飾北斎展(滋賀県立近代美術館)

「葛飾北斎展」(滋賀県立近代美術館)に行ってきました。
駅からバスで10分、歩いて5分という、不便な場所にあるのですが、空いていて、じっくり見られました。
肉筆画が多くて、見応えありました。画帖のリアルな絵、凄いなぁ。
構図が良いです。女の人が座ってる掛け軸とか、旅人が風に吹かれてるのとか。
百物語、近くで見ると、薄く血管浮いてるのとか、芸が細かい。
弟子達の絵も上手いですね。着物の柄が可愛い。



2008年10月03日(金)
「新世界より」下(貴志祐介)

なんという重い読後感…。
面白かったのですが、後味は悪いです。
法廷での彼の言葉が、頭から離れない。
バケネズミの正体に戦慄が走りました。
差別する側は、全く意識しないでそれをしてしまう、それがされる側にとっていかに過酷なものであるか、ということを考えました。
昔の人、よくもそんな残酷なことができたものだ。強力な兵器より、そっちの方が恐ろしいよ。



2008年10月01日(水)
「新世界より」上(貴志祐介)

「新世界より」(貴志祐介) を読んでいます。
なんじゃこりゃ面白すぎ!
上巻150ページくらいまで、状況説明ばっかりで退屈…と思っていたら、世界の成り立ちが分かってきた辺りから、俄然面白くなりました。
今、上巻を読み終わったところですが、前半の伝承が実はこういう事だったのか! と分かっていく過程が実にスリリングです。作者の想像力に脱帽。
SFなのに、カタカナを使わず、和風な世界観なのも面白い(八丁標、業魔、真言など)。
一日家にこもって、何もせずに読み続けたい気持ちです(笑)
なるしまゆりの「原獣文書」が好きな人にはお勧め。