浮かれ気分に乗せられた
フリをしている
きっと毎年思い出すだろう・・
血を流すような苦い想いを
ジッと耐えていたあの夜を・・
平静を装って
おめでとうと言った日
少しずつ大切なモノが崩れていった
少しずつバラバラに壊れていった
取り戻せない愛しい思い出は
記憶の奥底へ葬り去ろう・・
大切なモノはナンだろう
甘く華やいだ時間に溺れて
ソレは見えなくなってしまう
時は止まってくれない
ふと気がつくと
そこにはナニも無い・・・
果てしない寒空に
光る雲が流れて行くだけ
呆然と立ち尽くすのは
空っぽになった抜け殻・・
夢の終末・・
妄想の中
彼が知らない人と
ソファに腰掛けて
親密そうに内緒話
肩に回した細長い腕
髪をかき上げる骨ばった手
苦い想いで上から見下ろす
深いブルーに染まっていく
錘みたいに沈んでいく
嫉妬なんかじゃない
ただ・・刺すように痛い気持ち
フロントガラスの中の紅葉が
まるで絵画みたいで
なんだかセンチメンタル
季節は凍える冬になって
隣りには誰もいない空間
ナニも言わずに消えてしまった
蔑みの言葉でもあったなら
きっと想いを断ち切れただろう
季節の絵画を眺めながら
空に向かって手を広げた
風に乱れる枯れ葉たちは
今の私の心模様だ・・
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