それは突然やってくるものなのである。 水疱瘡の時と同じだ。 水疱瘡は、わたしが透析を始めて、もぐちゃんが定期的に保育園 の一時保育に行くようになった途端に、感染した。
今回は、流行性耳下腺炎、つまり「おたふく風邪」である。 入学した途端、というより、学童保育に行くようになった途端に 感染したらしい。 潜伏期間は、2、3週間だというから。
この前の日曜日の朝、耳のところが痛いと泣きながらもぐちゃん は起きた。 土曜の晩に、耳かきして欲しいと言われ、左の耳のところが少し 腫れてるみたいだなとは思っていたが、その週に三年生の児童と ぶつかっておでこを切ったりしていたので、そのときにぶつかっ たのかなと思っていた。 が、翌朝には泣いて起きる有り様。 休日なので、相模原市南区では、南メディカルセンターで診察し てくれる。 診察室とは別の部屋でひっそりと診察を受け、みごとにおたふく 風邪と診断された。 その日は、まだ左側しか腫れていなかったが、月曜の午後には右 の方も腫れ始めた。 発熱したが、上がっても38度だった。 しかし、そこまで上がると食べても吐いてしまうので、食べたい という意欲が有っても、食べさせてやれなかった。 熱が下がった水曜日になって、やっとイチゴから食べ始めた。 ちょうどおうちCOOPでとちおとめを買っていたので、それが ばっちりだった。
その後は吐くことも無く、そこそこ食べられるようになったが、 なにしろ四日間も寝ていたので、やせっっこになってしまった。 それに起きて遊んでいても、疲れるらしい。 が、食欲だけは、というより願望だけはすこぶる強く、治ったら やれ何が食べたいとか、どこに食べにいきたいとか、そんなこと ばかり語り合う母子であった。 サイゼリヤでピザが食べたい! ココスでビーフハンバーグステーキが食べたい! ガストでマヨコーンピザが食べたい! バーミヤンでお子さまラーメンセットが食べたい! カッパ寿司でかっぱ巻きや唐揚げ(なぜ?)が食べたい!
母もつられて同じように食べに行きたくなった。 仕事中の夫にメール。 サイゼリヤとココスとガストとバーミヤンとカッパ寿司の メニューが二人の頭の中でクルクルしてる 夫より返信。 なぜカッパ寿司? いつも行く回転寿司じゃなくて? 妻より回答。 新幹線に乗ってやってくるのを思い出したら、カッパ寿司 から離れられなくなったらしい。
帰宅した夫に、すこぶるあきれられる妻50歳。(^^;
あーあ、早く治癒証明書、もらえないかなあー。
入学式から1週間経った頃から、発達障害の子達のグループ学習 でいっしょだったママさん達からメールが届いている。 同じグループでは、もぐちゃんの他に女の子2人と男の子3人が いて、それぞれ別の小学校に入学した。 最後のグループ学習の時にメールアドレスの交換をし、落ち着い たら集まろうねと言い合ってわかれた。
それぞれの学校で特別支援級の状況が違うのは当然だ。 交流学習への参加の頻度や有無、先生や介助員の数など、学校に よってかなりの差がある。 それだけではなく、登校班や集団下校での保護者の参加の仕方な どもだいぶ違う。
ママさん達からのメールを読んでいると、ほんとにもぐちゃんは 保育園や学校や児童クラブに恵まれていたなと思う。 住んでいる場所によって、受ける教育に差ができるのは仕方の無 いことだが、同じ市内でそれも同じ南部でこうも違うのかと思う と、あるママさんが言った。 先生や介助員が少ないので交流には行けませんと言われたママさ んとか、悩んだ末に普通級に入れたがそれで良かったのか考える ことも多いと言うママさんも。
もぐちゃんは頭はいいのかもしれなくて、算数や国語もどんどん 進んでいく子だし、身の回りのこともほとんど自分でできる。 しかし、授業中にずっと座っていることはできないし、先生の話 を遮ること無しにずっと聞いていることもできない。 自分の決めたルールがあって、それに対するこだわりも少し強い。 予想外のことに出くわした時には、ちょっとパニックにもなる。 おしゃべりもちょっと人より多めである。 頭の中ではしょっちゅう音楽がなっているし、ちょっとしたもの にもリズムを感じる。 嫌いな音がたくさんある。 嫌いな食感もたくさんあり、当然好き嫌いも多めである。 だが、うちでいっしょに過している分には、全くと言っていいほ ど問題ない。まあ、扱いに慣れているということもあるが。
そうした特性を考えて、支援級に入れたわけだが、それは昨年の 9月に支援級を見学させてもらって、それぞれのペースで勉強で きるだろうと考えたからで、交流学習は音楽とか生活という科目 でできればいいと思っている。 一概に普通級の子と同じ授業が受けられるからいいというわけだ はないのかもしれない。 どんどん進んでしまうもぐちゃんのような場合は、それはそれで どんどん進ませてくれるので、それが楽しいかもしれないと思っ ている。 もぐちゃんは、同じ教室で他の学年の子達と一緒に、自分用のド リルをこなしているらしい。 みんなと同じに進むことは大事かもしれないが、障害を持つ子は それぞれのペースで進めることが大事なのではないだろうか。 もぐちゃんは、支援級の人数が多いので、一人で勉強するという ことはないが、もしたった一人で授業を受けなくてはならないと したら、やっぱり親としてはかわいそうだと思うだろうな。
とにかく、5月には、みんなで集まって大いにおしゃべりしたい ものである。
そのさきに線がひかれているように一歩踏み込む力のかぎり(市屋千鶴)
2010年04月16日(金) |
あっという間の2週間 |
入学式の翌日、翌々日と、もぐちゃんは交流クラスでの「朝の会」 でもめたらしい。 交流先のクラスに騒がしい子がいて、どうももぐちゃんはその子 に注意したりして、ちょっとしたけんかみたいになるらしい。 自分のちょろちょろは棚に上げて(笑)、他の子がうろうろする のは許せないのだろう。(そんなところが母親似かも。) うちの子がいなくてもその子は騒がしくて、今は一人(先生か指 導員か)付けて様子を見ているので、落ち着くまでしばらく交流 は控えめにしたいということだった。 場合によっては、交流級の変更も考えているとのこと。 今の交流級は、同じ保育園の子が五人いていいなと思っていたの で、変更になったらちょっと残念な気もするが、その時はその時。
支援級での勉強は楽しいらしいが、みんなが障害のある子なので、 それぞれフォローし合うということが少ない。 当然、主張し合うもの同士だったり、それぞれの好奇心のままに ちょっかいをだしたりするものだから、たびたび衝突したりする。 まったく悪気は無く、本当に好奇心のなせる技なのだ。 それに慣れるまでは、なんだか落ち着かない気持ちなのかもしれ ないが、このニ週間でやっとペースがつかめてきたようだ。 保育園では、他の子達にフォローしてもらって過してきたんだな と、今さらながらありがたく思う。 もぐちゃんとしては、まだ一緒に勉強できないことは特に何とも 思っていないらしいが、交流級の保育園から一緒だった女の子な んかが、「いつまで二階の教室なの?」などとわたしに訊いてき たりして、みんなも待っていてくれるのだなとうれしくなった。
昨日は、六年生との仲良しクラスの紹介とかで、交流級のみんな や六年生と一緒にゲームをしたりして、とても楽しかったようだ。 今朝聞いた先生の話では、ゲームの時も自分の順番までは落ち着 かなかったが、順番が終わったら、ちゃんと他の子と同じように ゲームに参加できていたようだ。 久しぶりに保育園から一緒の子達と遊べて、嬉しかっただろう。 一番騒がしかったのがもぐちゃんではなく、交流級の子だったん ですよという担任の笑顔が、とても嬉しそうだった。
学校が終わると、学童保育に行くもぐちゃん。 そこにはやはり保育園から一緒の子達がいて、その子達と遊ぶの が楽しみらしい。 先週は、わたしが透析の日だけ学童保育だったので、これからも そうなのだと思っていたらしい。 毎日学童保育に行けると知って、大喜びしたくらいだ。 どうやら、学校での緊張を学童保育でやわらげているようだ。 指導員の方々に、ここに来るのが楽しみだというので、透析でな い日もよろしくお願いしますと挨拶する母であった。 もぐちゃんとしては、おやつも食べられるし、学校と学童保育と セットで保育園みたいな感じなのかもしれない。 お迎えの時間も保育園の時と同じにしている。
あれよあれよという間に二週間が経ち、登校班にも母子で後ろか ら着いていく毎日だが、集合場所に行く時間はしっかり把握して いて、一緒に着いていくのが楽しいらしい。 学校では教室までもぐちゃんを送り届け、担任の先生と言葉を交 わしてから帰ってくる。 こんな毎日がこれからも続くのだろうが、毎日の様子を担任がメ モで連絡してくれたり、翌朝話してくれたりするのが楽しみだ。
今日もまたお願いしますと声をかけ朝の儀式は変わらず続く(市屋千鶴)
今日はあいにくの雨の中、小学校の入学式だった。 毎年恒例になっているであろう、入学式の看板の前での写真撮影 も、コートを脱がなくてはならないは、傘をさしてるはで、もう いいやという気分になって、さっさと教室に入ってしまった。 それからは、あれよあれよという間に入学式、各学級扱いの説明、 支援級での挨拶と写真撮影などなど、結局三人で写真を撮る機会 のないままに帰宅してしまった。 看板前の写真を記念にしたかったのだが、どうしたもんか。
入学式前に普通級の教室にいたら、支援級の担当の先生が来てく れて、その後は先生におまかせである。 夫は、もぐちゃんの様子が気になるらしく、各学級扱いの説明の 時にうろうろし始めるもぐちゃんに、声をかけたくて(注意した くて)しかたがなかったようだが、学校では担当の先生がいてく れるのだからそこは先生にまかせなくちゃと、少しだけ見守るこ との先輩のように夫に言った。
みんなのなかで、じっとしていられないことや、何かに興味を持 つとそれが気になって仕方が無いことや、できてしまうことは先 に先に行きたがる所や、そういう所を保育園のころから見てきて、 それを手を出さずに見守ることで子どもも親も先生との信頼関係 が築けることを知っている母は、小学校だからといってその点は 変わらずに、見守ることに慣れつつあるのだった。
たとえ、先生の対応がそうじゃないのになと思うことが有っても、 それはもぐちゃんのことをまだ知らないからで、きちんと相談す る場で話し合えば良いことだ。 その度にその場で親が出しゃばっていては、子どもが先生のこと を軽く見てしまうだろう。 気になる母と子が、普通級の同じクラスにいたのだった。 そこはお母さんの出番じゃないと思いますけどね・・・・って。 親が後ろで見ていても、注意したり指示したりするのは、先生の することで、親がすることではないと思う。
なにはともあれ、もぐちゃんの小学校生活が始まった。
花冷えの入学式の帰り道 君の背中にランドセル光る(市屋千鶴)
新年度。 今日は透析日なので、もぐちゃんは早速児童クラブ(学童保育) に行くことになった。 初めての場所で、初めて長時間というのは本人も大変だろうと思 い、昨日のうちに下見に連れていった。 明日からよろしくお願いします、ってな具合である。
もぐちゃんのいく児童クラブは、小学校に隣接していて、すぐに 小学校のグラウンドにでることができ、外遊びはグラウンドだ。 もぐちゃんにとっては、それがうれしいのだ。 小学校のグラウンドで遊ぶのは、憧れだったようである。 午前中いっぱいは外遊びで、昼食(弁当)後は中でドールハウス で遊んでいたらしい。 他の子供と一緒に使って遊ぶ、がどうやらちゃんとできたらしい。 指導員の方が、今日のもぐちゃんを細かく説明してくれた。 初日って、こんな感じなんだなと思った。
が、迎えに行っても、興奮ぎみのもぐちゃんはなかなか帰る仕度 をしてくれないし、仕度を済ませてからも母に見せたいものがあ るらしく、あれこれと説明してくれた。 どうにかこうにかさよならをしたころには、15分経っていた。 保育園時代も、迎えに行ってから実際にさよならをするまでには 10分かかっていたから、まあこんなもんか。 次に児童クラブに行くのは、入学式の翌日からである。
今日から小学生と認識されるもぐちゃん。 電車賃も子供料金を払うことになる。 もぐちゃん自身は、子供用のPASMO(SUICA)を持ちた いといって、ワクワクしている。
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