雑記帳

2004年12月31日(金) 天国の五人

天国の五人 ミッチ・アルボム著 日本放送出版協会 2004/11/20

主人公の死から物語りははじまる。
天国では五人の人間が待っている。
「私も死んだとき、五人の人間に自分の人生のことを教えてもらった。そして、今度は私が君を待つ番になった。。。。生きていたときに君の人生を横切った人たちだ。そして君の人生を永遠に変えた人たちだ」
なにもなさないで死んだと思いこんでいる主人公エディ。人生は終わるが愛は終わらない。

感動ものが多い昨今。これぐらいのほうが読みやすい。

評価 ○(じーちゃんラブ)



2004年12月30日(木) タブーの漢字学

タブーの漢字学 阿辻哲次著 講談社現代新書 2004/11/20

序章 言い換えられることば  もじ→しゃもじ・ひもじい・かもじ
    ことばが変化していくことの背景には、恥ずかしい(もじ)・縁起が悪い(葦)・忌まわしい・礼を失する(御御御つけ)、というたぐいの理由もふくまれる。
1 「性」にまつわる漢字 
2 「死」にまつわる漢字
3 大小便と「月のさわり」
4 名前に関するタブー

楽しめた

評価 ○



2004年12月29日(水) フランチェスコの暗号 上下

フランチェスコの暗号 上下 イアン・コールドウィン、ダスティン・トマスン著 新潮文庫 2004/10/1

ヒュプネロトマキア・ポリフィリ。500年前出版された最も難解な書物といわれている。

卒論のテーマに選んだポール。父がこの書物に取り憑かれていたトム。そしてチャーリーとギルの4人の友情物語である。周囲であいついで起きる殺人や事故。4人の関係もかわっていく。

解説をみると友情物語とかいてあった。記憶にのこっているのは中世の言葉遊び蘊蓄ばかり。

評価 ○(蘊蓄部分あとは読み流し)



2004年12月28日(火) 風の組曲

風の組曲 阿刀田高著 潮出版社 2004/9/5

銃声・案内人・つもり貯金・骨細工・鏡の中・影法師・愛犬・青いドレス・フランス窓・夢ひとつ・靴が鳴る・捜しもの考・猫婆さん・うわさ話・鴨狩り・蛇供養・遠い記憶・街のどこかで

短編集。

ふと振り返りたくなるシーン。

評価 ○



2004年12月27日(月) 魔女の隠れ里(三つ子姦しい)

魔女の隠れ里 はやみねかおる著 講談社 1996/10/16

名探偵夢水清志郎事件ノート4 青い鳥文庫

三つ子に振り回される自称名探偵。
一部 消える足あとと幽霊のシュプール
    雪霊伝説。仲良し兄弟。
二部 魔女の隠れ里
    推理ゲームに隠された意図。

児童書とライトノベルの違いがない。読みやすい。

評価 ○(高学年対象としては謎のひねりがたりない)



2004年12月26日(日) そらのこども

そらのこども 萩原麻里著 ヒヨコ舎 2004/11/30

雲を作り出す能力。霧練り。少年の成長物語。

気負いがない。

で。。。ヒヨコ舎ってはじめてきいたな

評価 ○



2004年12月25日(土) BG、あるいは死せるカイニス

BG、あるいは死せるカイニス 石持浅海著 東京創元社 2004/11/30

人間が雌性先熟型の性変換する世界での出来事。男性化すると見なされていた優秀な姉が殺害された。レイプ未遂の痕跡が残っていた。この世界ではレイプはおこるはずのない犯罪である。誰が何の意図で。
次に同級生が殺害された。BGとはなにか?

カイニスって? なんぞや?
  ポセイドンはエラトス王の娘カイニスと交わった際、何でも望みをかなえてやると約束した。カイニスは男となることを望んだ。願いは聞き届けられた。<文中より
検索によるとレイプ被害者として名前があがっていた。

BGの謎はラストにあかされる。

薄味。読みやすい。

評価 ○



2004年12月24日(金) 俯いていたつもりはない

俯いていたつもりはない 永井するみ著 光文社 2004/9/20

プレスクール「ラウンドテイル」を母と運営する丸尾緋沙子。迎えにくるはずの保護者が行方不明に。幼児教育と絡めておもしろおかしく報道される。死体で発見されたとき・・・

謎解きより心の動きを追っている。特殊人間像はでてこない。

評価 ○



2004年12月23日(木) きょうはなんのひ?

きょうはなんのひ? 瀬田貞二著 林明子絵 福音館書店 1979/8/10

小学生のまみこが母に宛てた9通の手紙。
こどものうきうきした様子がほほえましい。

評価 ○



2004年12月22日(水) シャドウ・パペッツ

シャドウ・パペッツ オースン・スコット・カード著 早川書房 2004/10/20

ビーンシリーズ3弾。
ビーンとペトラの受精卵が盗まれた。アシルと決着をつける。
テレサのキャラクターがかわいい。

評価 ○



2004年12月21日(火) MUCHA

MUCHA アルフォンス・ミュシャ波乱の生涯と芸術 講談社 2001/9/15

ミュシャ財団が編集したもの。ポスターだけでなく、パステル画・素描・油彩画や写真なども収録。見応えあり。

評価 ○(欲しい)



2004年12月20日(月) 少女怪談

少女怪談 恐怖少女セレクション 学習研究社 1994/12/20

なつみさん 大槻ケンジ 緑のひと・めだまぐるぐる
青の魔性 森村誠一 
白い少女 村田 基 白蟻
眠らない少女 高橋克彦 瓜子姫・あまんじゃく・人肉
鱶女(ふかおんな) 石原慎太郎
頭の中の昏い唄 生島治郎 
憑依教室 大原まり子 こっくりさん

この世とあの世、正気と狂気、エロスとタナトス
さまざまな境界領域を変幻自在に浮遊する少女たち
黒魔術に耽る少女、人肉をむさぼる少女
異形に変じる少女、霊となった少女・・・・
あなたを魔界へと誘う極上の恐怖譚、全7編!<紹介より

評価 △



2004年12月19日(日) リピート

リピート 乾くるみ著 文芸春秋 2004/10/25

9月1日地震がおきます。
10ヶ月過去へ戻るチャンスを貴方に。

いったい何をしますか?

戻ったメンバーが順に死ぬ。この中に犯人がいるのか?一本の電話に導かれ過去へ精神だけが戻った10人。

グリムウッドの”リプレイ”設定かなと読み進める。作中にタイトルがでてきた(−−;;。一途なロマンスと同じ設定で書かれた身勝手な物語。

評価 ○(設定つっこみ殺しされた)



2004年12月18日(土) 明日の記憶

明日の記憶 荻原浩著 光文社 2004/10/25

若年性アルツハイマー。広告代理店部長。ぬけおちていく記憶。葛藤。おりあい。

進行にあわせて物語もすすむ。どこかしら跳ねているイメージのある荻原作品の中では異色。

評価 ○



2004年12月17日(金) 天使な小生意気1〜20

天使な小生意気 1〜20 西森博之著 小学館サンデーコミックス

魔法使いのおじさんを助けてもらった本。願いを叶えてくれるジンが現れる。”男の中の男にしてくれ!”結果は・・・・・”女の中の女”いつかは男に戻る!! コメディ 

涙なくしては読めない物語。(涙にもいろんな種類あるけどね)
まとめて読むべき。

評価 ○(趣味ゆえ)



2004年12月16日(木) 雪のひとひら

雪のひとひら ポール・ギャリコ著 新潮社 2001/12

雪のひとひらは、ある寒い冬の日、地上を何マイルも離れたはるかな空の高みで生まれました。灰色の雲が凍てつくような風に追われて陸地の上を流れていました。その雲の只中で、このむすめのいのちは芽生えたのでした。<本文より

雪のひとひらの旅。回りが暗示している成長。ゆるやかに流れるように。

評価 ○(あくなし)



2004年12月15日(水) なのか

なのか 葵龍聡著 文芸社 2004/7

あなたは、何曜日の主人公に心惹かれますか?月曜日から日曜日まで、人間の弱さを露呈し人生の苦さに直面しながらも懸命に生きる主人公たちの姿を、各曜日ごとに描き出した7つの物語──。17歳の現役高校生が、瑞々しい感性で書き下ろしたショートストーリーの一編一編に、日常忘れがちな生命の尊さ、せつなさが凝縮された、心に染みる一冊。<紹介より

ということです。かわいらしいシンプルな話。

評価 △(ものたりない)



2004年12月14日(火) STAREGG星の玉子さま

STAREGG星の玉子さま 森博嗣著 文芸春秋 2004/11/5

小さいいろんな星をめぐる。
玉子さんの星・誰もいない星・老人と猫の星・ビリヤードの星・三角の星・輪のある星・2つの星・穴のあいた星・遊園地の星・縄跳びの星・野球少年の星・一輪車少年の星・電信柱の星・すべり台の星・トラムの走る星・ボウリングの星・吊り橋の星・建築家の星・木こりの星・木こりたちの星・少女の星・お墓の星・クリスマスツリーの星・プレゼントの星・遠い星・大きな星

理系用。子供用ではない。ビリヤードの星はすぐねたがわかる。一輪車少年の星がおきにいり。

評価 △



2004年12月13日(月) あ・じゃ・ぱん 上下

あ・じゃ・ぱん 上下 矢作俊彦著 新潮社 1997/11

昭和天皇崩御の京都。そのとき映像にいるはずのない人間がうつっていた。田中角栄。CNN特派員として西日本にはいった私は東西日本の違いをみることになる。東は社会主義。そして西は大阪を中心とした資本主義。標準語は関西弁である。フォッサマグナラインで作られた壁。ニシユキさん。米。酒。

のりは関西。あわただしいテンポ。関西が首都になったら。。と思うと納得。

評価 上○ 下△



2004年12月12日(日) ボーン・コレクター

ボーン・コレクター ジェフリー・ディーヴァー著 文芸春秋 1999/9

四肢麻痺の元敏腕監察官ライムとリューマチを持病とする美人巡査がペアをくむ。劇場型の連続殺人犯を追う。

映画の原作になったので避けていた。今回たまたま5作目が目にとまったが、順によまないとだめと思い1から。日本では主人公になりえない二人組である。

評価 ○(一気読み)



2004年12月11日(土) 国書偽造

国書偽造 鈴木輝一郎著 出版芸術社 1993/5/20

朝鮮通信使国書偽造柳川事件。

漢字読みたさで選んだ。大きな見せ場もなく淡々と話が進む。これが性にあった。時代背景は江戸初期。将軍家光の時代。未だ残っている戦国武将として伊達政宗がでてくる。説明の必要がないくらい有名な時代である。このとき、対馬で起こったこの事件については知識がなかったので楽しめた。鈴木氏の作品を読んだのは2作目であるが、現代物の罪と罰のアドレスはいまいち。

評価 ○



2004年12月10日(金) 守宮薄緑(2)

守宮薄緑 花村萬月著 新潮社 1999/3/25

崩漏
守宮薄緑

裂罅(れっか)
穴があいている
犬の仕組
斕(らん)斑

性の物語。サーフィンしてるときに花村は下手な官能小説より興奮するとあったので興味をひかれた。実用としては伝奇のほうがいいかも。読めない漢字おおい。

評価 △



2004年12月09日(木) 家守(1)

家守 歌野晶午著 光文社 2003/11/25

家にまつわる連作集

人形師の家で:3人で探検にでる。1人行方不明に。家主は父
家守:誘拐された妹が戻ってくるまでここは動けない。姉が殺害される。
埴生の宿:日給5万のバイト。ぼけた老人の息子役。
鄙:医者を守るために、村総出の幕間劇
転居先不明:視線を感じる。殺人のあった家?

しつこさがなくさらっと読める。歌野は短編が好み。

評価 ○



2004年12月08日(水) 魔術王事件

魔術王事件 二階堂黎人著 講談社ノベルス 2004/10/5

昭和44年、稀代の殺人鬼≪魔王ラビリンス≫があらわれた。そして45年に世紀の大犯罪魔術王事件がおこった。密室から殺人現場・死体が消失。北海道のナイトクラブ<黒蜥蜴>でおきた残虐な美女切断。宝生家を襲う事件。隠された財宝。二階堂蘭子が挑む。

といっても蘭子の出番は少ない。黎人が関係するだけ。大時代的な舞台設定が懐かしさを誘う。蘭子が小説世界のトリックを使って現実の事件のヒントをつかむという設定なので古典推理好きには嬉しい作品かもしれない。

評価 ○(昭和は遠くなったな)



2004年12月07日(火) 借家で猫をコッソリ飼いする方法

借家で猫をコッソリ飼いする方法 たまきみけ著 講談社 2004/10/20

1猫をつれてきてしまった
2甘くないときもあるコッソリ飼い
3コッソリ飼いの部屋探し
4コッソリ飼いを卒業した人たち

タイトル通り。イラストあずみ椋(懐かしいなぁ)
猫好き女性がメイン。



2004年12月06日(月) 裸者と裸者

裸者と裸者 上下 打海文三著 角川書店 2004/9/30

孤児部隊の世界永久戦争
邪悪な許しがたい異端の

金融システムの崩壊と経済恐慌と財政破綻があった。打ちのめされた貧しい階層、社会的弱者、出稼ぎ外国人、市場競争の敗北者の群れが、路上に放り出された。戦争孤児海人は8才にて両親を失い幼い妹弟と残飯をあさりながら生きていくことになった。15才で少年兵になり孤児部隊でのしあがっていく。

海人に助けられた双子の姉妹。強盗。女だけの部隊。

上が好み。下は女の話。
初打海。漢字が読みたくなり借りた。いかにもかたそう。中身はエンタメ。

評価 上○ 下△



2004年12月04日(土) 生首に聞いてみろ

生首に聞いてみろ 法月綸太郎著 角川書店 2004/9/30

人体から直に型どりした一連の作品で一世を風靡した彫刻家が死んだ。彼の遺作は娘をモデルにしたものであるが、その首がなにものかに盗まれ、また娘自身も殺害される。複雑にからみあう人間関係。自殺した妹のつれあいと再婚した実母。作品に隠された愛憎。綸太郎はどうするのか

いくつになっても親がかり

評価 ○



2004年12月03日(金) サンネンイチゴ

サンネンイチゴ 笹生陽子著 理論社 2004/10

「森下さんって、話してみるとけっこう楽しい人だよね。」きらわれ者ってわけじゃないから、いじめにあったことはない。でも、どうも無口でとっつきにくい人だとおもわれてるような。中二のナオミは表現が下手。そんな彼女がアサミと絡みだしてから変わっていく。

笹生作品は肩肘張っているところが無く、いい意味で少女が描かれている。

評価 ○



2004年12月02日(木) 万国「家計簿」博覧会

万国「家計簿」博覧会 根岸康雄著 2004/8/20

エジプト、アルゼンチン、ロシア、フランス、インド、韓国、メキシコ、スウェーデン、ケニア、中国、レバノン、タイ、アメリカ。
十三家族の月の支出をみる。それぞれの風習とうも見え面白い。

評価 ○



2004年12月01日(水) Fake

Fake 五十嵐貴久著 幻冬舎 2004/9/25

センター試験カンニング。はめられ職を失った探偵。巻き込んでしまった友人の子の未来のために罠を仕掛け返し、一〇億円奪取をもくろむ。議員と息子。罠のターゲットであった。真面目だけがとりえの議員と芸大に行けば未来があると信じ込んでいる息子。
金に汚い極道をはめる。

仕掛けはちゃちだがどんでんがえしもあり、ドラマ向け。

評価 △


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