雑記帳

2004年09月30日(木) 太陽の刃、海の夢(モグラ女世界)

太陽の刃、海の夢 柴田よしき著 祥伝社 2004/7/30

長編冒険ファンタジー 少女大陸

女だけの地下世界。戦争の被害、ウィルスから逃れて作られた都市にも神話があった。「時が二度満ちたのち、世界は光の中に還り、神話のやすらぎと幸福とが人々をつつみこむ。それこそがこの世界の成就であり、行き着くべき場所である」人工太陽の寿命がたった200年に設定してあったなんて・・・反乱組織に囚われた12才の少女流砂(ルイザ)は信じられないことを聞かされた。この世界はどうなるのか。また、外(地表)の世界は今どうなっているんだろうか?

流砂の視点・地表の少年の視点で書かれている。(人がたくさん死ぬわりには)かわいい話。ファンタジー系だときれいな話が多い。インパクトなし。RIKOシリーズとのギャップが激しい。

評価 △



2004年09月29日(水) 犯人に告ぐ

犯人に告ぐ 雫井脩介著 双葉社 2004/7/20

ヤングマンと呼ばれた男が、テレビ出演をし犯人に語りかける。劇場型刑事版。

細かいことはさらっとながして楽しめる。

評価 ○



2004年09月28日(火) 永遠の館の殺人

永遠の館の殺人 黒田研二・二階堂黎人著 光文社 2004/7/25

キラーXの連続殺人が再開された。孤島もの。逆転の発想。殺すためではなく、生かすために殺す。

覆面作家クイーン兄弟の正体がこの二人だったのか。前作では正体当てをしていた。

評価 △



2004年09月27日(月) K&P(メルヘン)

K&P 岡田貴久子著 理論社 1999/8

11才の誕生日に祖父からカヌーをもらった。死の島へとこぎ出す。核実験のため死の島となり、封鎖区域に指定されている。嵐のあとであった少女は「水を飲んだらだめ」「これあげる」欲しいだけ清水がわきでる花。島は夢をみている。場面はかわり横浜。不思議な少年に出会う。祖父の死をきっかけに二人で死の島へいくことになる。

ビキニ諸島近海での核実験がすぐでてきた。啓蒙書ではなく読みやすい。主人公ススムの行動には首を傾げる面もある。淡々と流れていく。

評価 ○



2004年09月26日(日) 肉体百科

肉体百科 群ようこ著 扶桑社 1991/5/30

肉体にまつわる言葉に関するエッセイ。

「うなじ」より
「あたし、このごろ太ったのよねえ」 「そう、わからないけど」「どこに肉がついたかわからないけど、ヘルス・メーターにのったら増えてるの」「おかしいわねえ」
私は「ここ、ここ」と手に持ったナイフで、うなじを突っつきたい気持ちを、ぐっとこらえていた。
「いちばん恐ろしいことは、知らない内に背後から忍び寄ってくる」「ちょっと変だと思ったら、うなじチェックを忘れずに」

挿画でうなじにダブルバーガーと書いてあり、うけた。

評価 ○



2004年09月25日(土) 蛙(写真集)

蛙 菅野泰信写 新風舎 2004/5/25

オオヒキガエル、ニホンアマガエル、トウキョウダルマガエル、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエル、カジカガエル、ニホンアカガエル、トノサマガエル、ヤエヤマアオガエル、アズマヒキガエル、タゴガエル、ツチガエル、サキシマヌマガエル、ナガレヒキガエルの写真集

緑系がプリチー。

評価 ○(ぱらぱら)



2004年09月24日(金) 殺意の底

殺意の底 竹宮惠子著 中公文庫 1996/9/3

竹宮惠子SF短編集3

収録
E=MC2
エデン2185
殺意の底
ふる星のごとくに
宇宙(うみ)に永遠
雪国
ハートあげます
ヒップに乾杯!

エデンシリーズは好きだ。終笛もいい。

評価 ○(すべてが懐かしい)



2004年09月23日(木) なぜ安アパートに住んでポルシェに乗るのか

なぜ安アパートに住んでポルシェに乗るのか 辰巳渚著 光文社 2004/3/30

ミステリアスな買い方を、とことん考える! もやもやとして形をなそうとしない今時の「買い物」「お金」の本質を知るには、日常、普通に買い物している人たちの声を具体的に聞いて、それらに答えを出していくのが一番の近道です。<あおりより

なんとなく手に取った。
「一個買うことで「私」が見通されてしまう」
本屋・図書館でよくあるな・・・
「レストランで「前菜3種類から選んでください」と言われると、面倒ではないですか。」
確かにめんどい・・。コーヒーセットで何にしますか?といわれてもなぁ。コーヒー飲みたいからセット選んだんだが。(ドリンクセットと名前かえてほしいもんだ。あぁ面倒)

評価 ○



2004年09月22日(水) ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード 上下 ダン・ブラウン著 2004/5

失敗した。荒俣のレックスムンティを先に読んだため謎解きが一緒であった。前作天使と悪魔と比較して展開も遅い。

評価 △



2004年09月21日(火) ペロー・ザ・キャット全仕事

ペロー・ザ・キャット全仕事 吉川良太郎著 徳間書店 2001/5/31

エジプト秘密警察が開発した新システムを手に入れたペローはサイボーグ猫に意識を転移させた。覗きを楽しむうちにギャングの手下にくわわることになった。仕事は覗きや。しかし猫にしかけられた実用的な仕掛けをつかい人を殺してしまった。

第2回日本SF新人賞受賞作

ラストが好き。

評価 ○



2004年09月20日(月) レイチェルと魔法の匂い

レイチェルと魔法の匂い クリフ・マクニッシュ著 理論社 2001/11

地球に戻ったレイチェル。魔女ドラグウェアは母・妹に復讐を依頼して死んだ。ヒーブラ・カレンは魔女仲間を引き連れ地球を襲う。銀の髪の少女ハイキは魔女に飼い慣らされる。魔法にめざめた子どもたちはどう闘うのか。大きな力を持つイェミはまだ赤ん坊。本能だけで行動する。地球へたどり着くために傷ついた魔導師ラープスケンジャは?

2巻

魔女たちのインパクト弱し。登場人物多いわりに変化少。

評価 △



2004年09月19日(日) 死なないで

死なないで 井上剛著 徳間書店 2003/6/30

指さして念じる。それだけで殺すことができる。特殊能力を持っている娘は20になったら両親を殺すつもりだった。その矢先母がたおれる。
「死なないで。病気でなんて。私が殺すのよ。」
医師、難病の少女との交流をへて到達した先は。

第3回日本SF新人賞受賞作家・・・(微妙な表現)

SF設定にする意味がない。毒を所持しているでもいいような。。。
感動を呼ぶには異能は邪魔。

評価 △



2004年09月18日(土) 世にも奇妙な職業案内(ぱらぱら)

世にも奇妙な職業案内 ナンシー・リカ・シフ著 ブルース・インターアクションズ 2004/6/1

わたしたちの社会の気づかれない部分に属して、アメリカの生活の意外な側面を象徴してもいる風変わりな職業についている人々がいることを、私は確信したのである。<序文より

写真と文で紹介

コンドーム検査士、譜めくり、犬の散歩屋、棺職人、ポテトチップ検査士、赤ちゃん調教師、ビンゴ読み上げ人、ローラーコースターオペレーター、ブラ・デザイナー、蝋人形師、殴られ屋、人工授精師、足モデル、恐竜掃除人、キュレーター、ゴルフボール・ダイバー、犯罪現場フォトグラファー、犬嗅ぎ人、人形ドクター他46種

レゴモデル製作者・・・いいな

評価 ○



2004年09月17日(金) 火炎都市

火炎都市 北上秋彦著 実業之日本社 2004/8/15

連続放火事件(200超/2月)。集団によるものと推測される。それに立ち向かう消防。影にあったゲーム。マスターはだれか?

ネットゲームを現実で実行することになんのためらいも感じない子供達。操る者の思惑。一種のパニック小説。

評価 ○



2004年09月16日(木) 夜のピクニック

夜のピクニック 恩田陸著 新潮社 2004/7/30

朝八時から翌朝八時まで歩き通す。歩行祭。
貴子は一つ賭をしていた。気になる人と一言会話できたら、その後困難なことを実行する。転校した友からの手紙の謎。おまじないとはなにか?

なんということのない設定。黒と茶に似たムードの作品。どろどろせず爽やかにまとめている。

評価 ○(淡々)



2004年09月15日(水) ダーティペア 独裁者の遺産

ダーティペア 独裁者の遺産 高千穂遥著 早川文庫 2001/1/20

ルーキー時代のケイとユリ。内政干渉とおもわれる依頼をうける。こわしまくり。ムギとの出会いを描く。

安彦良和絵。msnコンテンツで公開された作品。(−−)どんな動きだったんだろう。今はみることできない。

評価 ○



2004年09月14日(火) 夜聖の少年

夜聖の少年 浅暮三文著 徳間デュアル文庫 2000/12/31

大人になると体が光る世界。「木曜日の儀式」をうけ子供達は抑制遺伝子を発現させる。制度からこぼれ落ちた子供は土竜と呼ばれる存在になる。地下に隠れ住む。争うことを嫌う少年カオルは地下深くで身の丈3mにもなる巨人と出会い、世界の仕組みの謎、自分の過去をを追うことになる。

どこか変な設定を好む浅暮作品。今回は発光。一貫した特徴「追う」はそのまま。おとなしい。

評価 △



2004年09月13日(月) 銀輪の覇者

銀輪の覇者 斎藤純著 早川書房 2004/6/20

時は昭和9年。国家気運の高まるその時代。プロの自転車レース「大日本サイクルレース」が開催された。参加した選手数なんと300人。ほとんどが賞金目当ての素人だ。おまけに走行距離もまたすごい。なんと下関から青森までときたもんだ。個人出場していた響木、望月、小松、越前屋がチームをくみ走る!財界、オリンピックのためアマチュア化を勧める帝都輪士会や特高、陸軍等の思惑もいりまじり波乱含み。さぁもう目がはなせない。

ロードレース小説。一気によめる

評価 ○



2004年09月12日(日) 恋の相談引き受けます

恋の相談引き受けます 唯川恵著 コバルト文庫 1992/2/10

貴女の運命の人が近くにいます。周りの恋を叶えると貴女の恋も叶います。
わけのわからない占いにつられてキューピットになるヒロイン。

かわいいといえばかわいいはなし。唯川もこんな作品をかいてた時期があるんだな。

評価 △



2004年09月11日(土) 身も心も

身も心も 伊集院大介のアドリブ 栗本薫著 講談社 2004/8/1

栗本ファン必読の著。

音楽、男の至高の愛。

保護欲をかきたてるタイプに弱い伊集院大介が、竜崎晶を介して出会った男。ジャズ奏者矢代俊一39才。ライブの前に怪手紙をうけとる。それに隠された暗号はなにか。

好みに走ってますな<著者。 ファンなら読むべき

評価 △



2004年09月10日(金) 猶予(いざよい)の月

猶予(いざよい)の月 神林長平著 早川書房 1992/5/20

惑星カミスの住民、詩人アシリスは姉イシス(理論士)を愛していた。イシスは許されない仲を公のものにするため惑星リンボスに二人を投影することにした。悪党バールの計画と重なったため、思いがけない状況に閉じこめられる。そこから脱出手段を探る姉とその場での居場所を見いだそうとする弟。擬動させられた生命体はどうなるのか。

理解しようとはおもわない。理論と情動のせめぎあい。破綻の物語である。カミス(月)とリンボス(地球)の考え方の違いがおもしろい。

評価 ○



2004年09月09日(木) レイチェルと滅びの呪文

レイチェルと滅びの呪文 クリフ・マクニッシュ著 理論社 2001/7

三部作の1

魔女が支配する星イスレア。ここから脱出するため魔女は地球の子をさらう。大きな力を持った少女レイチェルと魔法を無効化できる弟エリックは魔女に囚われる。魔女への変化をはねのけイスレアを輝く魔法の国にする。

展開が早い。単純なストーリー。魔女を負かし、地球へ帰還する。一気に読ませる力を持っている。

評価 ○



2004年09月08日(水) 魔女の血をひく娘1,2

魔女の血をひく娘 1,2 セリア・リーズ著 理論社 2002/10、2003/11

おばあさんは魔女として連れていかれた。裸で歩かされ、水に沈められたあげく、首くくりにされた。次はわたしだ・・・。アメリカで発見された古びたキルトに、一枚一枚縫いこまれた謎の日記。そこには、十七世紀イギリスの魔女狩りを逃れ、新大陸に渡った娘の、驚くべき軌跡が綴られていた・・・。<1紹介より
その後を調査するアリソンは、メアリーの血をひくと思われる娘アグネスからメールをもらう。メアリーはインディアンの一族に受け入れられた。現代と過去を織り交ぜながら謎がとかれる。代々つたわる口伝。アグネスが見る夢からメアリーの生涯が語られる。<2より

実際舞台の近くセイラムでは魔女狩りが行われていた。
2はないようがすっきりしていてよかった。

評価 1○、2△



2004年09月07日(火) ぐるぐるまわるすべり台

ぐるぐるまわるすべり台 中村航著 文藝春秋 2004/6/10

黄金比。ぐるぐる。大学をやめた。バイトをしながら生き方を探す。

最短だけがいいわけではない。ぐるぐるに共感。

評価 ○



2004年09月06日(月) 秘密の手紙0から10

秘密の手紙0から10 シュジー・モルゲンステルン著 白水社 2002/12/15

少年の成長物語。

祖母と暮らすエルネスト10才。毎日が同じである。転校生ヴィクトワールは14人兄弟。エルネストの世界を変える。初めての友達。初めての買い物。初めてづくしで目が回りそうになる。エルネストが生まれた時母は死んだ。父の心も死に、どこかへいってしまた。本の著者近影で父をみつけたとき・・・

素直に読める。ただ現代にこの設定はおきかえることはできないだろう。ファンタジーである。

評価 ○



2004年09月05日(日) 鏡のなかの迷宮(水の女王)

鏡のなかの迷宮 (水の女王) カイ・マイヤー著 あすなろ書房 2003/7/10

19世紀末ヴェネチアはエジプト軍に包囲されていた。水の女王の力によって国を保っているぎりぎりの状態であった。孤児のメルレは不思議な鏡をもっていた。鏡面が水なのだ。鏡作りの弟子として行った先で人魚と知り合う。光の王の謀略により水から追い出された女王をまもることになった。石のライオンとともに女王を体内に隠し旅立つ。

3部作の1作目。つかみはいい。こちらの世界から迷い込んだものは鏡影になり、さまよう。伏線がどう展開するか楽しみである。

評価 ○



2004年09月04日(土) 新本格魔法少女りすか

新本格魔法少女りすか 西尾維新著 講談社 2004/7/5

父をさがしに魔法の国長崎県からやってきた少女りすか。「赤き時の魔女」の名を持つ。血に魔法式を潜ませており、ある程度の血を失って死ぬとき17年後の姿で蘇る。努力家の要領の悪い少女が天下無敵の高ピーな女王様になるのだ。りすかを駒にして「魔法使い」使いの供犠はいつも通りの手順で敵を倒す。

一分だけの変身。ウルトラマン以下。これだけの会話を一分でするとはかなりの早口であろう。装画から萌えキャラかと思ったが、さほどのインパクトなし。とりあえず新シリーズの一冊目。

評価 △(様子見)



2004年09月03日(金) 追憶のかけら

追憶のかけら 貫井徳郎著 実業之日本社 2004/7/25

国文学の講師、松崎は佐脇依彦の未発見原稿を託された。それをもとに論文発表をしたが、一部に疑問点がでてきた。誰が何の目的のためこのような文献を偽造したのか?疑心暗鬼になる松崎。個人的な悲劇のため心を閉ざしてすべてを失いかけてた男が、その罠に立ち向かうことによって立ち直る物語である。

みおむけ(細かい設定より、底に流れるものを読みとる素直な読者向け)

評価 ○



2004年09月02日(木) 禅定の弓

禅定の弓 椹野道流著 講談社 2004/7/5

法医学教室事奇談5 鬼籍通覧

老人の死。小動物殺害。ものくう犬。塾。同居。

椹野作品は食べることを入れる。どんな作品(伝奇・ボーイズ・ミステリ)でも共通する。またそれがうまそうに見える。

評価 ○



2004年09月01日(水) 喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな

喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな 齋藤孝・倉田真由美著 集英社 2004/5/31

表題通り。初対面で2時間というのは無理がある。

評価 ×


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