雑記帳

2003年10月31日(金) 樹上のゆりかご (青春)

樹上のゆりかご  荻原規子著  理論社  2002/5

青春もの。男:女=3:1の進学校で女の子が名前のない顔のない物(暗黙の了解:性差に関するもの)に気づく。高校生活という外界から守られたゆりかごのような安寧とした日々をおくりながらも、その世界にも底に流れている理屈で割り切れないものに違和感を感じる。ヒロインはばたばたしながらも、それを淡々と描いてある。

ヒロインひろみより、打破しようと行動する有理の肩肘張った態度がかわいい。タイトルの樹上は机上とかけてあるのかな。

評価 ○



2003年10月30日(木) ブラックジャックによろしく1

ブラックジャックによろしく 1 佐藤秀峰著 モーニングkc 2002/6/21

医者って一体、なんなんだ? 
    僕は医者だ  
 だから一流は危ないのよ

今頃、読みました。えぇ図書館にはいっているんです。ということでとりあえず一巻。おなじように、Dr.コトーもただいま予約中。コトーの方が人気あるね。

たまたま今日が新人医師卒業後研修マッチングの締め切り日。

評価 ○



2003年10月29日(水) 愛のトンデモ本(ばかうけ)

愛のトンデモ本  と学会著 扶桑社 2003/8/12

「恋は狂気の沙汰」「未知なるものへのあこがれ」となると、これは、と学会的な嗜好でつついてみることで、なにやら面白そうなものが藪から飛び出してきそうに思えてくる。<前書きより

紹介された本:
「前世からの恋人」、「光よりの光、オリオンの神の座より来たりて伝える」、「心理ゲーム恋愛編」、「眠り姫、官能の旅立ち」、「”ちょっとした一言”でわかる恋愛心理」、「ユング博士の大恋愛になる8つの相性」、「官能小説用語表現辞典」、「THE RULES OF LOVEー恋のオキテー」、「官能瞑想」、「美少女、幼な奴隷の拡張検査」、「ユニコーンの恋人」、「愛される理由」、「ダディ」、「楯」、「ジャニーズアイドル攻略法」、「なぜ、工藤静香がキムタクと結婚できたのか」、「エルメスを甘くみると痛い目にあう」、「永遠のバービー」、「自慰マニュアル」、「改訂増補 性技実践講座」、「10000人に聞いた女のコのH」、「知っておきたい女性の医学」、「男を抱くということ」、「リーマンギャンブラーマウス」、「性生活報告」、「こいとろじあ」、「娘を早く嫁がせる法」、「THE RULES理想の男性と結婚するための35の法則」、「MonMon★Boyもんもんボーイ」、「THE NAUGHTY BICTORIAN HAND BOOK」、「愛のポジティブ・シィンキング」、「「堕靡泥の星」の遺言 さらば愛しき女たち」、「体にいい寄生虫」

うけた。内容についてはタイトルから推理してください。 

評価 ○



2003年10月28日(火) 蝉の羽(シリーズ10)

蝉の羽  高里椎奈著  講談社 2003/8/5

薬屋探偵妖綺談シリーズ10 

失踪がつづく村。その謎を解いてほしいとの依頼があった。村は住民以外はではいりすることができない不可思議な場でつつまれていた。秋、ザギ、リベザルは守護神にであう。

「人間は」がキーワードで続いているシリーズ。いまいち盛り上がりにかけ淡々と続きすぎである。毎回ぼけ役がいるが、今回のは名前からいってレギュラーになるかもしれないな。

評価 △ 



2003年10月27日(月) オールドOLD (天誅)

オールドOLD  岩城捷介著  中央公論新社  2003/8/15

表紙がゴヤの巨人と銃。
許せん!銃殺。 その繰り返し。

ゴヤのこの絵といえばちょっとまえに読了した「星の感触」薄井ゆうじ著をおもいだす。この作品はタイトルですでにネタばれの感あり。天誅。よみやすいが後つづかないであろう。出版日にも作為(計算?)感じられる。

評価 △



2003年10月26日(日) 東電OL殺人事件(判決でましたな)

東電OL殺人事件  佐野眞一著  新潮社  2000/5/10

雑誌掲載時のルポをまとめたもの。

題材の事件は「グロテスク」のもとねた。視点の違いを感じる。

評価 △



2003年10月25日(土) 天窓のある家(短編集)

天窓のある家  篠田節子著  実業之日本社 

短編集(女性主人公ものおおし)
友と豆腐とベーゼンドルファー  奥さんきれちゃいます。
パラサイト  〜シングルより小姑
手帳  閉じれば忘れる
天窓のある家  人のことはほっとけばいいのに。。
世紀頭の病  性感染症 ♀早老症 ♂不能
誕生  幻の子
果実  逝く
野犬狩り  格闘
密会  幻の水曜の女

短編薄味。アンソロジーで既読のものあり。ワイドショウのよう(みてないけどさ)

評価 △



2003年10月24日(金) まひるの月を追いかけて (むずがゆい。。)

まひるの月を追いかけて 恩田陸著  文芸春秋  2003/9/15

まひるの月ってなんだろう。イメージは影響を与えているのに認識されにくい。空にとけ込んでおり目立たず影のような存在。イベントの時だけ大騒ぎになる。

でまぁ、かゆいのにかけないというか、すっきりしないまま話はすすむ。なんだこの嫌らしい展開はと思いつつ読了。 「黒と茶」好きなひとにはあうかもしれない。

評価 △



2003年10月23日(木) アリスの夜(デリヘル)

アリスの夜 三上洸著  光文社  2003/3/25

第六回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作

闇金融に手を出した主人公は、追いつめられ芸能プロの運びやになる。主に運ぶのは、少女たち。9才にもならない少女「アリス」に出会い惚れ、逃げ出す事を決意。

少女は肉をかんじないからかえってのめり込むものかもしれない。

元気な女の子すきです。んでもこのアリスは受動的だったな。よってペケ。

評価 △



2003年10月22日(水) 殺人の門(人生哲学論)

殺人の門  東野圭吾  角川書店  2003/9/5

動機さえあれば殺人が起きるというわけではないんですよ。動機も必要ですが、環境、タイミング、その場の気分、それらが複雑に絡み合って人は人を殺すんです。さらに、何らかの引き金によって行動する者もいる。それがないかぎり、殺人者となる門をくぐることはできないというわけです。<本文より

手紙の流れである。ミステリではない。説教くさく感じる。楽しみたいひとには不向き。

評価 △



2003年10月21日(火) 幻の少女 (記憶)

幻の少女 安東能明著  双葉社 2003/8/30

未明に煤だらけの姿で帰宅。殺人容疑をかけられるが記憶がかけおちている。痴呆と診断される。メモをとり、自分を取り戻そうとする。そこかしこで現れる少女の影はなにを意味しているのだろうか。

ハッピーエンドでおわらないのが安東の特長。事件は解決しても登場人物に救いはさしのべられない。社会派。

評価 ○



2003年10月20日(月) 被告A(少年犯罪)

被告A  折原一著  早川書房 2003/9/10

ジョーカー事件の容疑者田宮亮太。拘置され厳しい取り調べにあう。犯行を認め、法廷で否認。真犯人をあぶり出すことを決意した。そんなとき教育評論家浅野初子は息子の身代金を要求される。犯人はジョーカーを暗示するトランプを送り、彼女を翻弄する。これらの事件の裏に隠されたものはなんであろうか。

叙述推理の折原。構成がシンプルで読みやすい。

評価 ○



2003年10月19日(日) 天正マクベス  (無理矢理)

天正マクベス  山田正紀著 原書房 2003/9/18

劇作家のシャグスペアが信長の甥とともに体験したまか不思議な出来事。第一話颱風(テンペスト)、第二話夏の夜の夢、第三話マクベス。

章立てでシェークスピア関連とすぐわかる。マクベスと本能寺を無理矢理関連づけ来日を隠すためにシェークスピアの名を騙る。強引だなぁ。素直に楽しめるのは第二話。

評価 △(知識なしのため



2003年10月18日(土) マリア様がみてる〜涼風さつさつ〜(惰性)

マリア様がみてる〜涼風さつさつ〜  今野緒雪 コバルト文庫 2003/7/10

シリーズ14巻

祐巳に妹の噂が。花寺学院の学園祭で祐巳誘拐。たとえどんな姿でも貴女がわかる。

元気な女の子がまたまた増えた。

評価 △



2003年10月17日(金) シェルター

シェルター 近藤史恵著  祥伝社 2003/9/10

生体師合田力シリーズ3(カナリヤは眠れない、茨姫はたたかう<前作)

生体師、受付姉妹、記者おなじみの4人がいったりきたりする。 中国へいくといって消えた姉。 生体師の過去。 妹と恋仲の記者。 拾った女の子。 
(カナリヤは眠れない、茨姫はたたかう<前作)

全知全能の人物が現れない。キャラがはっきりしている。章毎に語り手が違うが混乱もせず読了できる。
人間がいちばん舞い上がってアホになるのは・・・・・ではじまる小松崎の章がよかった。狂言回しにぴったり。 登場人物の悩みはあわないんだよなぁ。 楽しめないとね。

評価 ○(よみやすい)



2003年10月16日(木) どいてよへびくん(いじめ???じゃない)

どいてよへびくん 五味太郎著 偕成社 2003/3

長いへびくんが邪魔をする。どいてよ どいてよといいながら、どんどん怒っていく猫。

ラストでどかないでよへびくん。というオチもよい。
色使い、単純さが好きだな。
青筋たててもなにしてもニコニコしているヘビ。かわいいもんだ。

評価 ○



2003年10月15日(水) デーモンズ・アイ(天然)

デーモンズ・アイ   リチャード・プレストン著 小学館 2003/6/10

サブタイトル 冷凍庫に眠るスーパー生物兵器の恐怖

天然痘ものです。

といっても炭疽菌から話しははじまり、エボラウィルス等についてもページをさいており、狙いがわからない。ストーリー性が高く、もっとシンプルなほうが読みやすかった。

評価 ○(ネタすきなので)



2003年10月14日(火) 永遠と一日(やりなおし)

永遠と一日  藁科れい著 幻冬舎 2003/8/25

瀬川夫人はウィーンの青空大市場でディレエク眼鏡(サングラス)を購入した。眼鏡をかけるとそのとき開いている本の世界にはいりこんでしまうのだ。「ああ、無情」「赤毛のアン」「美女と野獣」「ロビンソン・クルーソー」一日だけその世界に滞在できる。
夫人はアルバムを開き過去に入り込むことにした。

大人の女性に薦めたい作品である。主人公の瀬川夫人は五十代。より近いほどいいのではないだろうか。

評価 ○



2003年10月13日(月) 「面白半分」の作家たち  (時代)

「面白半分」の作家たち  佐藤嘉尚著  集英社新書 2003/8/26

サブタイトル 70年代元祖サブカル雑誌の日々

昭和46年から55年まで足かけ10年間出版された月刊雑誌「面白半分」。 吉行淳之介、野坂昭如、開高健、五木寛之、藤本義一、金子光晴、井上ひさし、遠藤周作、田辺聖子、筒井康隆、半村良、田村隆一らが半年交代で編集長をつとめた。その発行人佐藤が書いたもの。

半村良以外は未読。(いや井上ひさし、遠藤周作は1,2冊読了してるかな)知らないがゆえ楽しめたのかもしれない。作品と作者は別個のものとしてとらえないといけない。作品のファンになっても作家のファンには。。。なりたくないと常日頃思っている。全面的に肯定否定できない。
とはいえ彼らの作品を好きなひとがこの本を読んでどういうか聞いてみたい気もする。

評価 ○



2003年10月12日(日) 夫の妹(予定調和)

夫の妹 吉村達也著 集英社文庫 2003/4/20

自分を振った男を見返すために25才年上の男と結婚した。45才の義妹が「お姉さま」と慕ってきて自分そっくりにかわっていくのをみる恐怖。前妻の死にも秘密があった。

黒表紙に収録されていてもおかしくない作品。うまくまとめている。予想通りの結末に安心する。よってホラーとしてはだめだな。

評価 △(何作か読んでるとこうなる。)



2003年10月11日(土) 暗闇へのワルツ(いきあたりばったり)

暗闇へのワルツ  ウィリアム・アイリッシュ著  早川文庫 1976/10/15

花嫁を迎えに。写真とちがう美女があらわれた。幸せの絶頂のルイス。彼女はルイスの金を持ってにげた。追う。捕まえる。捕まる。逃亡生活。殺人。破滅。

しょうこりもない。。。ルイス。 読みやすい。

評価 △(映像ならたのしめたかも。美女だし。。。)



2003年10月10日(金) 食べることをやめた子(拒食症)

食べることをやめた子  ヴァレリー・ヴァレール著 php 2003/6/6

サブタイトル 31キロ、13歳の告白

ノンフィクション。 治療のため精神病院に4ヶ月入院。 2年後書き綴る。
中身、タイトルのまま。

アンネの日記(完全版)を思い出した。妙なエネルギーを感じる。これは計算してだすことはできないだろうな。

評価 ○



2003年10月09日(木) 危ない精神分析(そのまんま)

危ない精神分析  矢幡洋著 亜紀書房  2003/8/8

サブタイトル マインドハッカーたちの詐術

記憶回復療法の犯罪性。
本当に「トラウマ」で記憶が消えるのか?
社会的事件となった「記憶回復療法」
記憶戦争
裁かれるセラピストたち
記憶回復療法とは何だったのか
精神分析批判
危ないPTSD概念の拡大
心理学書を片手に親にたかる子供たち

印象に残ったのは米国では父親狩り、日本では母親狩り。この違いはどこからくるんだろう。

評価 ○(基礎知識ないゆえこんな考え方もあるんだなという程度の楽しみにはok)



2003年10月08日(水) 月のない夜(愛)

月のない夜   鳴海章著  徳間書店 2003/8/1

<連作>
情人宿 部下との情事
指定席 老いた父との距離
黒子  妻への疑い
半嚥下 社会的に成功したはずの友人との出会い 
空   父の葬儀。兄とのやりとり。
蛸穴  足元が崩れそうな中での休憩
窮鼠  妻の出奔。
拝跪  失職。拾われる。
寒月  帝王学。哲学。終焉。
月のない夜 

「ちゃんとした恋愛のできるひとは太陽で、そうでない人は月。」自分を月といいきってしまうのもまたすごい。普通でないと思っていても普通のカテゴリにいれられてしまうものだし。また太陽だといいきるほどの傲慢さももちあわせてないゆえ、この手の話としてはすーっとはいってきたという感想。

評価 △



2003年10月07日(火) 江戸の性談(非実用書)

江戸の性談   氏家幹人著 講談社 2003/8/15

サブタイトル 男は死ぬまで恋をする

挿し絵 春画

50代半ばまでの女性を相手にするときの手順をのせた文献があるらしい。寿命が50年なら 現代におきかえると何歳になるんだろうか。妙に気になった。 1600年頃の寿命はよくてもせいぜい30才程度、1775年になると、男42.7才、女44.0才である(即ち乳幼児死亡を除くと人生50年に近づいている)。とのこと。こうして、また変なジャンルにふみこむことになる。
性のめざめについて、幼児時期と第2次成長期がおおかったとのこと。 幼児期の例として中井英夫が作中で作者の投影とみられる少年が5,6才でこすっても押し当てても「何も出はしないが」、男根はそれなりに勃起し、心は春(しゅん)な気分に満たされていたのであると描写している。ここから乳母へ慕情が導かれると。 

まぁ、うんちくねたにはおもしろい。

評価 ○(参考文献にひかれた)



2003年10月06日(月) ドスコイ警備保障(うっちゃり)

ドスコイ警備保障  室積光著 アーティストハウス 2003/7/10

角界は厳しい世界である。廃業したものたちは学歴もなく、受け皿もない。そのような世界へ子どもを誘うのはいかがなものだろうか。将来のことも考えなくてはいけない。ということで警備保障会社をつくっちゃいました♪そんじょそこらの警備員じゃないぞ。なんといってもでかい。一人でもバリケードになれるぞ。さぁいっちょやってみっか。

ギャグ。

著者はスポコンが好きなんだなぁ。設定もよく前半部は楽しめた。後半冗長。

評価 △



2003年10月05日(日) 快楽の封筒(−−;;;なんだこりゃ

快楽の封筒  板東眞佐子著  集英社 2003/8/30

短編集
隣の宇宙  
謝肉祭
蕨の囁き
奪われた抱擁
アドニスの夏
二人の兵士の死
母へ
快楽の封筒(隣の宇宙の続編)

薄味官能小説といっていいんかな。。。板東氏のイメージはホラーだったのでとまどった。ノルマシーンだけを綺麗に取り出した作品。

評価 ×



2003年10月04日(土) Miracle (運命の女)

Miracle  桜井亜美著  幻冬舎 2003/7/25

美貌の看護婦聖良が起こす波紋。

主導権をとれなくなったら終わり。ゲームがゲームでなくなったら負け。
ただひとつの存在を探し求めるセイラ。

美貌がなかったらただの夢見がちな演技者。落ち着かない、ふわふわした感じをうける。

評価 △



2003年10月03日(金) 安楽椅子探偵アーチー(かわゆく)

安楽椅子探偵アーチー  松尾由美著 東京創元社 2003/8/30

誕生日祝いはゲーム機だったはずなのに、骨董屋で椅子を買ってしまった。だって、この椅子は話をするんだ。アーチーと名前をつけて僕たちは事件を解決していく。

第一話首なし宇宙人の謎
第二話クリスマスの靴の謎
第三話外人墓地幽霊事件
第四話緑のひじ掛け椅子の謎

小学5年生と紳士口調の椅子コンビが繰り広げる推理合戦。毒がなくてかわいい。

評価 ○



2003年10月02日(木) 日本の名家・名門人物系譜総覧(ぱらぱら)

日本の名家・名門人物系譜総覧  別冊歴史読本  2003/9/9

系図。 天皇家・宮家・旧華族(武家、公家、新華族)

意外なつながりをみて大喜び。趣味ですなぁ。

評価 ○



2003年10月01日(水) 「パノラマ島奇譚」殺人事件 (軽く)

「パノラマ島奇譚」殺人事件 楠木誠一郎著 実業之日本社 2003/8/15

サブタイトル 江戸川乱歩の事件簿4

「パノラマ島」そっくりのものを作ったので是非来て欲しいとの誘いを受け、乱歩と横溝が赴いたさきで待っていたのは、殺人事件だった。

パノラマ島再読したくなった。紹介だけで終わっている。独自の世界がない。

評価 △


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