2005年03月19日(土) |
「グラディエイター」 |
期待度 ★★★★☆ 満足度 ★★★★☆
ええと。 この映画を見ていて、ファザコンゆえにひねくれてしまってやることが今ひとつせこい皇帝陛下に感情移入してしまうというのは、やっぱ、まずいんでしょうか??? いえね、こういうタイプにわたくし、弱いんです。なんというかね、「甘ったれてんじゃないよ」と思いつつも、こう、罪悪感がひしひしと押し寄せてきまして。 「うう、ごめんよ、ごめんよ」と思ってしまう(映画の登場人物にではなく、自分の娘に謝った方がいいと思います、、、
冒頭、父親に必死で訴えるシーンは思わず泣いてしまった。 でもね、違うのよ。父親だってあなたを愛していたのよ。あなたの望む愛し方ではなかったけれど。 あの父親も、あそこで息子に殺されることはわかっていたのじゃないかなぁ。 最後の最後、皇帝としての厳しさ(できそこないの息子を殺してでもローマを守る)よりも、父親としての甘さ(自分を殺させてでも息子の希望どおり皇帝を譲る)を選んでしまったのではないかしら? それはゆがんだ愚かしい愛情だし、故に息子も不幸になるのだけど、時としてどうしようもなくばかになってしまうのが親なのよ。 ……曲解しすぎ?(^^;
ほかにこの映画で語るべきことと言ったら、新皇帝の甥っ子のかわいらしさ。もうちょっと「僕がママを守るんだ!」なんて態度を示してくれたらおばさんは嬉しかったけど、いいの、あなたのうろたえた表情はとてもかわいかったから。すこしばかり、素直馬鹿って感じがしないでもないけれど(それを言うなら、この映画には知力勝負!って方はいなかったような?)、いいの、かわいいかったから。 叔父や叔父を殺した男の死をその目でしっかりと見つめ、強く優しく生きていってください。そうそう、ママを大切にね。 え、ラッセル・クロウ? うん、強かったね。でも、もう少し頭を使えば、家族も部下も守れたんじゃないでしょうか? 基本的に性善説者だったのかな? その甘さが家族と部下を殺したね。
期待度 ★★★☆☆ 満足度 ★★★★☆
日本のアニメは世界でも高く評価されているようです。そのせいでしょうか、実写の映画でも、最近はアニメの実写化的なものが多いのは。 で、この映画もかなりアニメチックです。どしょっぱつから「ありえねぇ、、、」的な展開・人物設定で、「これで秘密兵器は超能力者でした、なんていったら完璧だな」なんて思っていたら、本当に超能力もどきが出てきてびっくり。わたしの方こそ超能力者かも♪
そう、これは日本を代表する娯楽映画、アニメチック映画(わたしが勝手に命名)だったのですね。リアリティなんか求めてもらっちゃ困る、かなり最初からそう主張する声が聞こえて参りました。 肝心の少女の服装がそれを体言していると思われます。本当は軍人さんたちももっとガンダムチックなお洋服を着せたかったのでしょうが、そこまでしちゃうと第二次世界大戦時という時代設定が崩れてしまうのでしょうね。せめてもの抵抗ということで、みなさまの髪の毛が長かったのでしょうか。やたらと軽い人物設定も非常にファンタスチックです。
予告の雰囲気から感動の戦争映画なんてものを想像していたのですが、まるで違いました。そう気がついたときの頭の切り替えに成功したおかげで、けっこう楽しんで見ることができました。いや、正直に言いまして、こういう映画はかなり好きです。上演時間もかなり長めだったと思いますが、退屈することもありませんでした。 ……もっとまじめな「Uボート」風のものを期待していた人(じつは、わたしもそう)もいるんだろうな。そんな人は怒っているかも。 でも、一緒に見に行った実母のように、見てもなお、あれを「まじめな戦争映画」と思っている人もいるけれど(^^;
「100年後の日本を想像してみろ。大人は誰も責任をとらず、なにも行動をせず」 もしかして、わたしたちが非難されているのかな〜、ははは〜、なんて思っておりましたが、最後にはそれなりにけじめもつけてくれました。なるほど、そうくるわけね。それはそれでとてもファンタジー的な結末ですが、全編でファンタジーを貫いてくれているからヘンにリアリティがあるのよね(笑 話題になっておりますCGのちゃちさも、一目で「これのことか!!」とわかりました(笑)。でも、あれも案外わざとかもね。妙に漫画っぽかたし。 戦争・歴史映画としてみれば突っ込みどころ満載で、展開も甘いとんでも映画ですが、これは娯楽映画です。細かいことを言っちゃだめなのよ(きっと)。 ただ……わたしは兵器には詳しくないので、それ故の誤解なのかもしれませんが、原爆を搭載した戦闘機って爆発してましたよね? あれで原爆は爆発しちゃったりしないものなのでしょうか? よほど頑丈な入れ物にいれてあるのかな??? ああ、だから、そういう細かいことを言っちゃだめなのよね、、、
で、こういう映画こそ、役者陣の演技力がものをいう。 その点、安心して見ていられる方々ばかりで(妻夫木くん等若い子たちはちょっとあれだけど、かわいいからいいの)、役所・柳葉さんあたりは熱演をされていたと思います(柳葉さんはここでも「室井さん」だったけど 笑)。
この映画、第二段、第三段も作れそうですね。 第二段はもちろん「あの潜水艦は沈んではいなかった!」という設定で、海に沈んでいった原子爆弾を巡る攻防戦。で、ここらで一度、本格的に壊れていただきまして。 第三段は「あの潜水艦を復活させる!」という設定で、対弾頭ミサイル戦ですわ。宇宙VS深海の戦いなんていかがでしょう。 どうやって闘うのかって? そんなの、作る人が考えてよね。 ……なんか、宇宙戦艦ヤマトみたい。そのうち宇宙を飛んだりして(^^;
そういえば、タイトルロールを見ていたら、少女のヘアメイクという項目だけで名前があったぞ?(にしても、あの格好だけ浮いていたような? 潜水艦の中でマントもないでしょ? あずみかと思ったぞ ^^;) 「イノセンス」で「鳥のCG」だけで名前があったのと同じぐらいに驚きましたわ。 そういえば、なにを担当していたかまでは忘れましたが(忘れっぽい、、、)「押井守」の名もありました。 やっぱり、アニメチック映画だわ、、、
期待度 ★★★★★ 満足度 ★★★★★
念願の「オペラ座の怪人」をやっと見ることができました。 期待しすぎて、思いっきり外されたらどうしよう? と不安にさえ思っていましたが、そんな心配は無用でした。アンドリュー・ロイド=ウェバーは映画になってもアンドリュー・ロイド=ウェバーでした♪ あの音楽、本当にすばらしいです。 オープニングでは鳥肌がたちましたもの。ああ、これだよ、これ。 が、映画館の音響のせいでしょうか、最初の方の音がうすっぺらくて(涙)。高音と低音の間の厚みがまるでなく、ぺらぺらな音。しかも、低音が割れていたような気もするんだけど……とても悲しかった、、、途中からは耳も慣れたのか、そこまで気にはなりませんでしたけど。
映像も「これぞ、オペラ座の怪人!」というイメージ通りの映像でした。そうそう、こういう映画を待っていたのよ。アンドリュー・ロイド=ウェバー本人も関わっているだけあって、舞台版のイメージのまま、さらに映画ならではのゴージャズさで仕上げてくださいました。わたしは嬉しい。 地下の秘密部屋はちょっと豪華さに欠けたような気がしないでもないんだけど、、、もうちょっと、ろうそくを増やしてくれてもよかった?
そして配役の方々。 歌唱力は心配していませんでした。歌えないのに「オペラ座の怪人」の出演するほどあつかましい人もいないでしょ。実際、感動するほどお上手ではなかったけれど、蹴りを入れたくなるほどでもなく、合格点というあたり?(偉そうな奴 ^^; 気になっていたのはその声です。かなーり、好みの問題なんですよね。
まずはファントム。 なによりも危惧していたのは、山口祐一郎以外のファントムの声をわたしが受け入れることができるか、どうか。 結構平気でした。いや、映画にはこのぐらい世俗的(?)な声の方はあっているのかも。 わたしが愛してやまない山口さんやホセ・カレーラスのような空気をたっぷりと含んだ芳醇なお声では、あの映像の中では浮いてしまっていたかもしれません(万が一、吹き替えをしてくれた日には、まるっきり別のことを言い出す可能性が大)。 仮面の下のお顔が今ひとつ醜くなかったのもちょっと残念。
お次はクリスティーヌ。うーん、ちょっとわたしの好みのクリス声からは外れるかなぁ。もっと透明感のあるソプラノがいいんですよね。容姿も「夢見る少女のような」というイメージとはちょっとずれているような。でも、見ているうちにそんなものだと思えてくるから映像の力ってすごい。 が、歌うときの口の開け方が少なくて「あなた、本当に歌ってる??」と気になってしかたがなかったわ。 ミュージカル映画の撮影方法ってよく知らないけれど、演技とは別に歌は取るんですよね、きっと。微妙にあってないところが非常に気になりました(細かいっ。 カルロッタの方が断然うまくないか? というのは言わぬが仏ってやつだな(^^; そういえば「第三幕のマリア」の衣装、「シシィだっ!」と思ったのはわたしだけではないはず。髪型といい、ドレスといい、あれは絶対にエリザベートだわ。
ラウルはけっこうイメージ通り。 登場人物の中でじつは一番好きなメグ。彼女がもうイメージ通りの容姿&声でとても嬉しかった〜。 そうそう、メグの声ってCD版でもかわいい声の人が担当しているの。クリスの声よりもメグの声の方がわたし好みです。 ストーリーの方は舞台版に忠実ながら、とてもわかりやすくなっています。 舞台を最初に見たときには「結局、あなたたちはなにがしたいの??」って思うところもなきもあらず、でして(笑)。三重奏、四重奏ともなると、一度じゃ個々の声は聞き取れないし。字幕さまさまです。劇中劇もわかりやすくて、しかも豪華絢爛。 「マダム・ジリーはどうして、ファントムのことに詳しいの?」「どうして、縄なの? どうして首を守るの?」と謎だったこともファントムの過去シーンでわかり、大納得です。
それに、シャンデリア! そう、落ちるのはやはりここよね! 舞台版では「どうしてこんなところで?」と思うほど中途半端なところで落ちたので、拍子抜けしていたのです。落とすなら、クライマックスでしょ。
やたらと気が変わることで有名なクリスティーヌさんですが、映画ではそれなりにその心境もわかりました。 ファントムかラウルか、ではなく、恋愛か芸術かの板挟みだったのね。 初恋の延長の恋愛で幸せになるか、芸術の高見を極めて地獄へ堕ちるか。 もっとつきつめてしまえば、これって、仕事か家庭か、だよな(こう言ってしまうと夢もロマンもないけれど ^^; 墓標に捧げられた言葉は「よき妻」であり「よき母親」ではあるけれど「類い希な歌手」ではない。 クリスティーヌはファントムとともに歌を捨てたんだね、くすん。 よき妻もよき母親も、家族とそしてなにより自分自身を幸せにすることができるけれど、類い希なる歌手なら何千何万という人を幸せにすることができるのに。アンドリュー・ロイド=ウェバーが8000万人(ポスターによる 笑)の人を幸せにしたように……自分とその周りの人は不幸にするかもしれないけどさ、、、 ファントムと一緒に地獄に堕ちてでも、音楽を極めて欲しかった(他人事ですね? 笑 いや、クリスがラウルを選んだからこそ、ファントムの切なさや苦しさが引き立つのだろうな(映画のファントムは舞台版以上に危ない人だから、逃げたくなる気持ちもわかるんだけど
正直なところ、いろんな穴もすべて音楽でごまかされたような気がしないでもないのだけど(笑)、あの音楽をゴージャスな映像付きで聞けただけでわたしは大満足です。
期待度 ★★☆☆☆ 満足度 うーん なんとなく★★★★☆
なんというか、一言で言うならお子ちゃまが好きそうな映画だわ。 B級好きにはたまらないかも(わたしも好きよ♪ 最初っから全開じゃないですか? 仲間同士の殺し合いだなんて。 きっと「仲間を殺してまで」っていうシチュエーション、作りたかったのだろうな〜。 遠慮がないというか、人の評価を気にしていないというか、やりたい放題です。 白ナリスもどき(あなた、名前はなに?)が出てきたときにはあまりにあまりなキャラクターに小躍りしそうになりましたわ。ふふふ、そこまでやってくれちゃうの?? ここぞってシーンにはきちんと「いなずま」が光って、ここぞってときにはきちんと「雨」が降る。「こうでなきゃ!」というポイントは何一つとして外さない。 漫画をそのまま実写にしたような映画だなと思っていたら、原作は漫画なのですね。
贅沢を言うなら、俳優陣かな。 B級であればこそ、きちんと演技ができる俳優陣で望んで欲しかったなぁ(って、これはもしかしてアイドル映画でした???
いやいや、最近の邦画はいいですわ。 作品の質のことなど考えず、やりたいことを思いっきりやっていらっしゃる。わたしは嬉しいよ。
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