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かなしゃ想い 2006年12月25日(月)
子供の頃、クリスマスなんてハイカラな習慣はまだうちの田舎では馴染んでなく、それでもクリスマスの晩(イブではなく)には、父親がわざわざ隣町から買ってきた大きなケーキを家族全員で食べていた。夢見る少年・・ではあったが、サンタクロースがプレゼントを持ってくるなんてはなっから考えたことはなく、ましてや両親から特別なプレゼントを貰うでもなかった。ああいう儀式はテレビの中や物語の中での遠いことのように思っていた。
ところがクリスマスが近づいたある日、3つ上の姉が「クリスマスケーキは前の晩に食べるらしいよ」と言いだした。ぼくと兄は「そんなわけないだろ」と鼻で笑い、でも姉はムキになって「クリスマスイブ」について説明しだした。そんなわけで父はクリスマスケーキを一日早く買うことになり、その年から泉家はようやくイブの晩にケーキを食べるようになった。 なるほど・・クリスマスの前日にローソクを灯しケーキを食べることによって、次の日のクリスマスが特別な日に思え、また、ケーキを食べるイブの晩も特別な儀式のように思えてきたのだ。
クリスマスの特別な思い出なんてものはないが、今思い起こしてみると、やっぱりあの光景は「かなしゃ」なんだなあと・・
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