白日の独白
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時々、僕は人を騙していることが怖くなる。 時々、僕は体を売っていることに疲れ果てる。 時々、僕は何をしているのかが解らなくなる。 時々・・・・ いや、違うよ。そんな風に誤魔化しちゃいけない。 僕は嘘吐きだ。こんなの大嘘だよ。何でこんな嘘を吐くのだろう。 ただ頭が痛くて仕方がないんだ。
誰に何を期待していたのかが今となっては謎。 僕は何を求めて何をしたかったのだろう。 忌憚ない僕を綴るのは此処。 独り言は彼女に。 切り取った僕の眼と記憶はあちら側。 元に戻る。 在るべき場所へと戻る。
面倒な人間と付き合う為にはそれ以上に面倒な人間でなければ無理だ。
勉強しなくちゃ
たとえ適性が無いとしても
僕には他に何もない
なぁぁぁんにもない
御勉強に縋れるならそれは救いだ
なんというか「結構生き難いんだよ」とか言われたら萎えました。 酷く自分が見っとも無い事をしてきた様な気がしたのです。 だから「僕は生き易くて生きた心地がしないんだ」とか言えるようになりたいです。 どうせ安っぽい生き方しかしていないことですし。
自分の想い通りにならなかった時に僕は怒りを感じる。 「僕は君に大切な話をしている。その通りにしないのは君の怠慢だ」 そういう類の怒り。というか憤り。 そういう類の感情は酷く馬鹿馬鹿しいので直ぐに切り捨てる。 「君には何か深遠な理由があるのだろう。仕方がない。それはもう僕の関知しない領域だ」 相手への配慮ないし譲歩の姿勢は一切の責任の回避を意味する。 ならばはじめから何もしなければいいのだ。
何事にも僕は勝ちたくなんかないし勝たなくてもいいと想っている。 けれど負ける事は嫌いだと想う。『負けたくない』とは想わないけれど。 それは僕が独りで居られる環境をいつも選んできた理由のひとつかもしれない。 それが独りで居る事を好む理由の全てではないにしても。 孤独でありさえすれば対立も競争も無関係でいられる。 要するにテーブルに就かなければゲームは始らないという事。 『負かされたくない』という意味で僕は負けず嫌いなのだ。
理解する事が出来ないのなら曖昧な笑みで全てを有耶無耶にしておけばいい。
僕のふたつの眼は君の姿だけを観る。 僕のふたつの耳は君の声だけを聴く。 ピアノ弾きの悪魔が謳う。 すっかりココロを持ってかれた。 僕は生きている!
ふたりで俺ん家の裏を散歩しているんだ。そうすると青が「これ何?」って聞くから俺は「オオイヌノフグリ」って言う。そすると青は黙って何にも言わないんだ。まだ次に栗の木の下で「これ何?」って聞くから俺はコガネムシかな?って思ったけどよくみたらフンコロガシだった。そう言うとまた黙って何も言わない。俺が次々答えちゃうから青は面白くないらしくって家に帰っちゃうんだよ。ふたりで俺ん家に入って庭を見ると巨大なスッポンとワニが戦っているんだ。俺は驚いて『何だこれは!?』って思うんだけど青は黙って見ている。意外なんだけど巨大スッポンは素早くって首をシャって伸ばしたかと思うとワニの頭に噛み付いてさ。そのままのみこんだんだ。と思ったらワニも巨大スッポンも爆発した。飛び散っているのを青は淡々と見ていたよ。
そう言われましても僕は君と寝たくないですよ。
君達は「わたしが死ねばいいんです」とか「死にたい」とか言う。 勿論僕は「ではお好きなように」とは死んでも言わない。 心の中では『不公平だな』と想いながら神妙な顔をしているだけ。 僕だってそうなんだ。全くもって同じ気持ちなんだ。 いつもいつも・・・・ 今この瞬間だって。
「迷いの無くなる事は無いね、幾つになっても」 「孔子は『四拾にして惑わず』でしたっけ?」 「迷っていたねぇ・・・迷っていたよ」 「迷っていましたか・・・何に対する迷いだったのでしょう?」 「全てだよ」 「全てですか?」 「全てに迷っていたよ」
一体この口から漏れ出る言葉達は誰の為のものなのだろうか。 君を想って君を励ます為なのだろうか。 それとも僕自身の満足の為か或いは保身なのだろうか。 どちらでもありどちらでもなく・・・やれやれ。 結局僕は作り物の言葉を繰り出しているに過ぎずに疲れ果てる。 無難で無意味で無駄な言葉達は君へは届かない。 そして僕を無力で無価値で無駄な存在にする。
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