夢見る汗牛充棟
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2008年06月25日(水) もの悲しく揺れる

……というほどかどうかわからないのだけど。

今日、自治会費を納めに自治会館に行ったです。

入ったらちょうど事務員さんがユスリカの発生について
区役所或いは保健所の人と電話でアツク語っている最中だったので
調度品など眺めて待ってました。

笹が飾ってあって飾りや色とりどりの短冊が揺れていて
あーそういやもう直に七夕なんだなぁとちょっと懐かしげな気持ちに
なりつつ、どんな願い事しているんだろう、と短冊を眺めたと思いねえ。

桃色、橙、萌黄色、折り紙を縦長に切ったのであろう短冊は願いを
寄せられて揺れてましたよ。

「ぼけませんように」
「痴呆になりませんように」
「ぼけずに長生きできますように」
「しっかりしていられますように」

7割の短冊はそんな願いが綴られてました。


見上げるわしは、なんちゅーか泣きたかったです。


2008年06月23日(月) 映画:ナルニア国 2 見たのこと(個人的感想)

映像の美しさや幻獣や動物の美しさ可愛らしさ。
子供のセントールがアーチを作る場面で一生懸命胸をそらして
伸びているのにものすごく萌えました。ええ。かわええ。
筋骨逞しいセントールはあいかわらずむしゃぶりつきたいです。
随所でくすりと笑わせてもらえるなどはとても満足です。
ネズミ、いい味出してました。
飽きることなく、最後まで見させてもらいました。

以下は内容に触れたきわめて個人的な感想です。
一般にこうだじゃなくて、私がこう感じたというものです。
一応同色埋め。超ネタバレあしからず。







原作は未読ですので、原作と同じとか違うとかはわからないのですが
ほんわかするシーンでは拭い去れないほどナルニアの住人たちが非常に
痛々しかったです。

カスピアン王子のどの辺に信頼に足る証があったのかわからない。
あったとすれば、それは古き良き時代の忘れ形見である角笛を持っていた
という事だけで、それを信じて彼らは文句も言わず戦って死んだんだなと
思うと言葉になりません。

エラゴンもそうでしたが、無理を押して少数で城塞を攻めて失敗
しなければならない掟でもあるのだろうか。ファンタジー映画。
無謀な城攻めは食傷しました。
ミノタウロスさんをつっかい棒にするくらいなら、丸太の一本くらい
持参したらいい、と思ったよ。ミノさんなら持ち運びも容易かったよ。
ぶち破るにせよ、城攻めの必需品じゃあるまいか? ぶっとい丸太。
もう城攻めのシーン痛くて可哀想で見てられませんでした。めそめそ。

カスピアン王子。彼に国を治める能力があるとは思えない。
赤ちゃん生まれた瞬間に城から追われるほど、自分の立場を
確立できなかったのなら、きっと政には向かないと思った。
一日で受胎から出産じゃあるまいし、男がうまれる可能性は5割だし、
もしもの手段何一つ講じずにのほほん暮らす王子なんて、わしなら助けません。

そしてそもそも、ナルニアの民とアスランに支持されたからって、
彼はテルマールの王にはなれないだろうに。
テルマールの騎士、諸侯、民衆に支持されてなんぼだよ。

自分本位で、無理無茶無謀、そしてナルニアの住人たちが何のために
犠牲を払っているか、その重みを背負うという意識があると思えなかった。
どころか、自分の民の重みも感じているとは思えなかった。

最後まで自分の都合で動いていたようで、好感を持ちようがなかった。
命を背負う意識のなさという点では、4兄弟も似たようなものだけれど、
王子はこの世界と時間の住人なんだから少しは意識が違ってもいいような。
自分の民も今回たくさん死んでいると思うのですが、いきなり指導者として
演説している場合かな。将軍が新たな地に移住する名乗りを上げたのは、
王子が仕えるに値しないからじゃないのかと思えてならなかったです。

4兄弟は私らの言葉でいうのならマレビトで通り過ぎる人たち。
次男が「懐中電灯忘れた」言うあたりでは、悲惨な城の戦闘でどれだけ
死なせたとかはもう物語の一文でしかなかったと思う。
そしてみんな幸せに暮らしました。で本を閉じてきた後だから。
彼らにはナルニアの苦しみはわからないし、わかれ言われても困るだろうし。
4兄弟が本当に立ち向かわなきゃならない人生は英国にあるわけで。
結局あそこは彼らの国ではない。
ぱっと召喚されても過ぎ去った空白の時代はいかんともしがたい。
ァンタジーの世界で王様ごっこをしていただけの子供たちなんだから
なぜ国を捨てたと言われても困るよ、と思います。
それでも遊び半分責任感半分で意向に沿おうと行動するだけ良い子達と思う。
文句があるならアスランに言え! とか言わないし。
何もできなくても。アスランが来てくれるまで。頑張る姿は健気でした。
ただし、長男はもうちょっと大人でも良かったかなと思わなくも。
カスピアン王子と角突き合わせて主導権争いしている場合じゃないって。

ナルニアの民たちの支持というものが無条件に与えられている辺りがおとぎ話なのか。
本来なら才知や勇猛や人徳や希望を示してそれらは初めて与えられるものだけれど、
とりあえず失策やらかしても不信任される心配が皆無なんだな。この世界。

あてにならないものをあてにする人々にも責任はあるのかもしれない。
時間のなかで民族はどうにもならなく歴史の中に滅びていくわけで、それならば
文化を蹂躙され、独自の言語を失い、沈黙した民が滅びるのは必然なわけです。

無責任に自分の命の危機の為に角笛を吹いた王子様の為に滅びるべき民が
奮起させられるなんて、どれだけ可哀想なんだろうとどうしても思ってしまう。
映画の中だけで言うなら、あの後やっぱり違う種族同士の遺恨が残ると思うし、
極めて少数であるナルニアのもともとの住人たちはごく自然に滅びる気がする。

ナルニアの民は基本的に他力本願っぽい気がしますが、もしかしたらそれは
現実に人間が存在を許さなかったせいで無言で滅んでいった生物や、古き善きもの
たちを人間の思い一つで存続させられたかもしれない。
静かに滅んでいくものたちを忘れないで、というメッセージなのかもしれないけれど。

原作を読めば違ったテーマが見えてくるのかもしれないですが、
映画はとにかくナルニアの民もテルマールの民も悲惨で気の毒で痛々しい、に尽きました。


以上、自分勝手な感想ぶちゃけました。でもDVDは多分買う。
そして、続編は見たいです。セントールのために! 



結論:アスランは助けるなら初めから助ければ良いよー(映画にならないが)




2008年06月19日(木) うだうだ

もはやひねくれた大人であるので、悲しいを悲しいと表現するのが
すっかり苦手になっちまったのだけれど、今日遅ればせながら
氷室冴子先生の訃報を知って、つくづく悲しい。

銀の大地 金の海 の続きが読める日は永久に来ないのだなぁ。

小学生くらいからかなり長いことお世話になった作家さんです。
もう忘却の彼方にある少女時代にとても親しんだ文庫本たちでした。

悲しく、惜しいなぁと思います。






恵 |MAIL