夢見る汗牛充棟
DiaryINDEXpastwill


2007年04月30日(月) 黄昏の百合の骨 恩田陸

講談社文庫

購入。読了。

三月は……が今んとこ一番好きだ。

本屋でたまたま見つけて、何冊か読んでいる里瀬の話だったので購入。

雰囲気的にいかにもという感じです、もやもやして思わせぶりで、
あやふやで、現実感なくて。場所なんてどうでもよくて、皆が
誇大妄想に耽っていて、ひたすらずれてるような性質の悪さというか。

ちゃんと纏まってるんだけれど、なんとなく物足りなかったです。
読後感。なんとなく。なんとなく。なんとなく。ええと。

そして、次出ると買っちゃうんだろうな。これが。


2007年04月29日(日) ゲルマーニア タキトゥス

泉井久之助:訳註

岩波文庫 青408−1

好奇心でなんとなく。ケルト好きからガリア戦記つながりか。
密偵ファルコつながりかもしれない。
タキトゥスさんは、ファルコよりずっと年下だけど一応同時代
の人だよね。

読了。

面白く読めました。
ゲルマニア人全般や各部族について簡潔に述べている。
やっぱり地名や人名はわかり難い。

本文自体は短いけれど、注釈や解説が詳細についています。
語源というか、言語学(?)から云々という説明が多かったので
わからない部分多々ありました。

ラテン語わからないし、ギリシャ語わからないし、ドイツ語わからないし。
ははははー。言葉の壁は読書の前には分厚いですが、私には踏破できませ
ん。こういう時、人はバビロンまで何マイル(川原泉)のノームの指輪が
心底欲しい! と思うのだろう。

先日DVDで見たがリア戦記を題材にした映画。
タイトル忘れたけど。

城壁に上って身を乗り出した女達が胸をはだけて両腕を差し伸べ
大声でなにか叫んでいたのは、私には征服者ローマ軍に媚びて
(略奪・強姦・殺戮)の運命から逃れようと色仕掛けしているのかと
思っていました。

記述によると
敗戦によって蒙る恐ろしい運命を戦っている自分の夫たちに
訴えて、彼らを鼓舞している行動だったのでした。
「あんたーあたしや子供が殺されるか、奴隷になる瀬戸際よ!」
と言ってたんですね。映画じゃわからんかったです。


映画ではガリア人の女達がそうしてたんですが、ひろくそうする
ならわしだったのかな。

ゲルマーニアの時代にはガリア戦記で華々しかったガリア人の
諸部族もゲルマニアの人に押されてすっかり過去の人で栄枯盛衰
というか時代の流れを感じました。




現在、ローマ人の物語に行きたい気分。
せっかく文庫化していることだし、積読山をある程度低くしたら。


2007年04月26日(木) なんてことない日記付けたりベランダ備忘録

久々に晴れ。今年の春はなんか天気変ですね。

最近ちょっといらいらです。そろそろ決算だし。
無駄口叩かず――同僚もいないし――昼飯食う間も惜しんで
仕事してるんだけどなかなか片付かないんだなぁ、これが。

根性悪かろうが、なんだろうが。

郵便だと失くすから宅急便で請求書送れ と要求してきた挙句に
入金日に入金しないくそったれな担当者は腹でも掻き切りやがれ!!


と思う今日この頃です。ええ。○○のあほんだらー。
ああ、しみじみとストレスたまってやがるぜ。自分。
問い合わせの電話したら、今月でもう一度送れとのたまいやがった。
着払いで送っていいですか? って喉元までこみ上げたよー。


なんか、すすけてます。余裕がないです。黄金週間で月末が
早いのがまた呪わしいです。

◇◇
がんちゃんは、なんでかベランダから室内に入ってきたがる。
なんでなんだろう。自力で部屋に入ってきては、自分の姿が映る
場所で一時間も二時間も佇んでます。それを見るたびに、仲間が
欲しいのかなと思って申し訳ないです。
でも、私は一匹が限度だなぁ。ごめんよ。
最近ようやくエサをけっこう食すようになってきました。びば。

甘ラベの花は切って吊るした。いい香りがします。
一年たってもまだ香るのでラベンダーはすごいなと思う。
だって精油ってあっというまに香りが飛んでしまうじゃないですか。

一回り大きい鉢に植え替えたアングスティフォリアは、伸びてきた。
今年は花期待できるかなー。楽しみです。

ローズゼラ。一鉢は花盛り。もう一つは、蕾が膨らんできたところ。
同じベランダで置いているのにこの違いって面白い。


2007年04月22日(日) 毒杯の囀り ポール・ドハティー

アセルスタン修道士シリーズ第一弾

古賀弥生:訳

創元推理文庫

修道士ものに弱いので購入。読了。

14世紀のロンドンが舞台。
中世の都市部の暗部や、どうしょうもなく不衛生な感じが
これでもかというくらい描写されていて見事でした。
気持ち悪くなるくらい暗くてどろどろしてました。
面白く読めました。

病める都市に悩める探偵たち。そして事件。
生真面目な托鉢修道士と腹に酒がつまってそうなおっさんが
コンビを組んで事件に挑みますよー。互いが心に傷を抱えつつ。

彼らは事件を解決しつつ、相互理解をふかめつつ、そのうち
自己の魂の救済にまで至るんでしょうか? はてさて。
一作目なだけあって、まだまだぎこちない二人でした。

これからどうなるんだろう。クランストンさんはちょっと
飲みすぎだと思います。肝臓は大事にしよう。
あんまり酒飲み過ぎて大立ち回りすると心臓に負担がかかり
そうで心配です。素敵でしたけど。

「修道士」と呼びかけられるたびに
「托鉢修道士です!」とむきになって訂正を入れるアセルスタン
さんの生真面目さは好ましかったです。

修道院に篭って俗世と関わらないで生きるのが【修道士】で
市井で人々を啓蒙しながら生きる【托鉢修道士】なんだから
一緒にしないで!! って気分なんだろうか? 

とりあえず、続きが滞りなく出ますように。なむー。


2007年04月21日(土) シャーロック・ホームズ 東洋の冒険 テッド・リカーディ

日暮雅通:訳
光文社文庫

ホームズパスティーシュもの。
買いたい本がなかった時に衝動買い。


どうにかこうにか読了。

ホームズの空白の三年間をロンドンに帰ってワトソンさんに
語るという形式の短編連作。語った順で時系列順ではない。

著者さんの専門分野らしいチベットやインドの詳細な記述はすごい。
不勉強なので正確な知識を披露してくれているのかは、わかりかねますが。
もっともらしくって、なんかすげーうんちくだぜと思うです。

ホームズのパスティーシュとしてどうなの? というのは
ホームズ愛好家でない私には語れない事柄なので置いておきます。

好きな話は、ジャイサルメルの謎、フランス人学者の事件。

印象に残った文章は
「地上の楽園は、敬虔なイスラム教徒には住みづらい」
「われわれは世界のこちら側の人々に何の用もなく、彼らもわれわれには何の用もない」
です。今になっては世界に行き来できない壁を望むのは無理なんですけど。

物語として。推理を積み重ねてどーこーという印象はなかった。
動くと展開が開ける、行き当たりな冒険もののような雰囲気です。
けれど、冒険ものとして読むならば致命的なまでに、躍動感とか
臨場感とか、勢いとかがごっそりと抜け落ちているような。
でもたまに、えー? そんなんありか? とか叫びたくなる。

なんとなく地味。でも500頁弱。
ちょっと読むと猛烈におねむになるのが困りものでした。(私はね)
趣向はこらしていてもどうしたって一人後語りものだなと思いました。

総括すると、私にとっては抑揚に欠ける退屈な講義っぽいお話。
なので短編連作でよかった。長編だと眠い以前に挫折してたかも。


ええと、あくまで私見です。概ね趣味の問題です。


2007年04月15日(日) ガリア戦記 カエサル

講談社学術文庫 訳:國原吉之助

読了。

だんだん面白くなってきて、だんだん読みやすくなった。
なんとなくケルタエ人側を応援したくなるのはいかんともし難い。
そんでもって臨場感ありすぎて、憂鬱になります。
兵士はもちろん、女子供を虐殺し、略奪し、街を焼き、畑を荒らし
穀物倉をも焼き払う。もう死ぬしかないですね。

征服者側の当事者っつうか張本人でありながら、いかにも客観的に
主観による恣意なぞ欠片もありませんよ風に描かれているのが
見事だなーと思う。あと客観的と関連するのかな、敵側に対する侮りとか
蔑みを極力排除した文章でやっぱ好き嫌いはともかくモノスゴイ人だった
んだろうなと素直に思える。

別の人が書いた八巻は、その点なんとなく蔑みや侮蔑が文章上に
現れすぎているのが高慢ちきで嫌な感じーでした。
意図やなにやら全てわかった当の本人がわざと客観的に書くのと
第三者が客観的に書くのはなんとなく違ってるのは仕方ないにしても。

ケルタエ人、同盟はできないは、局地的な小規模戦闘ならともかく
大規模な戦になると力をまったく発揮できなくてもうどうしょも
なかったです。ねちっこさとしつこさと結束と地道さが足らない。
工夫も足りない。人数では戦闘技術の発展度合いの差って覆せないのかな。
普通に考えれば、他領土に侵入して戦をしているローマ側の方が
よっぽど不利だと思うんだけど。

カエサルの書き具合もあるかもだけど、絶妙なところで総崩れ
になるわ、ここぞというところで仲間割れするは、横の連携
なさ過ぎて読んでて悲しかったです。部族いっぱいあるからー。
あと、名前が長すぎて覚えられないよう。

ローマ人にもガリア人にも騎兵を貸すゲルマニア人は曲者だなー
と思います。

巻末に解説あったし、地図も最初気がつかなかったけどちゃんと
ついていたし、用語集まで付いていたし、実は至れり尽くせりでした。
地図は参照頻度が高いので、付録にして挟み込んでくれてたら
もっと嬉しいのにとか思った。広げておいて読みたいです。

すごい書物は後世に伝わるんだな。どれだけの人に読まれたのか
と考えるともうため息しかでません。


2007年04月12日(木) ベランダの備忘録

前の土曜日で
ラベンダー アングスティフォリア もう一鉢も植替え(鉢増し)完了。
回っていた根っこを大雑把にむしりましたが大丈夫だね。
ラベンダー、ネバー ダイ。だって力に満ちた春なんだもん。

ベランダは日当たりが良いせいかどうも花が早め早めです。

現在

グレイフリンジ ラベ :花終わり。
スィート ラベ :花盛り。
ローズ ゼラ :ぽちぽち開花。
タイム :咲き始め
ロズマリー:冬からこっちずっと開花中

そんなで、けっこう賑わしい。
ほんの一時ですが春はやはりうきたつような力に溢れてます。

レモンバームなんて、冬に縮こまってたのが、一日に2〜3cm
伸びてるんじゃないかという勢いです。

ミントはまだもりもりこない。でも例年わさわさくるのは
青ジソと共に梅雨前後だからのんびり待ちます。
スペアミントのフレッシュティーは一番好きなのではよ
大きくなって欲しいけれども。

株が三年目で弱ってるかなと思うので、新しい苗を買うのも
ありかなと思うのですが。もうちょっと成長を見てから
考えようかな。やっぱ元気なうちにさし芽で株を更新するのは
大切なことらしいですね。しくじった。

日本薄荷も欲しい今日この頃。もちろん場所なんてありません。


2007年04月01日(日) ガリア戦記 その2付けたりベランダ備忘録

まだやっとこ100頁

臨場感あってとっても面白い読み物だなぁ、と思います。

すらすら読めないのは地図や人種や部族名が私の中に
取り込まれていないからで、もしも同時代のローマ人だったら
どれほど楽しく読めたかなーと思うと悔しいです。
すごーく客観的な感じがするのが曲者だと思う。
だって書いているのは当事者なんだからさぞかし
巧妙に情報操作してるんだろうとか思うです。

征服された側が読めばいろいろ言いたいことありそう。

でも、私がローマの人だったらこんなの読まされたら、
カエサルを称えるかなーとか思います。最初の1〜2年なら。
さすがに10年近く続くと……うんざり?

◇◇◇

部族名がわんさか。すごくややこしいなーと思っていたんですが
もしかして、ヘルウェティィ族とかセクアニ族とかハエドゥイ族
とかラウラキ族とかトゥリンギ族とかラトビキ族とかボイイ族
とかアッロブロゲス族とかそーゆーのは、
鈴木一族とか佐藤一族とか望月一族とか田中一族とかそーんな
感じの小ぢんまりとした集団なのかしら。





一挙に春爛漫な本日。桜もとてもきれいに咲いてます。

桜は聖だと思っていたんですが、今年はなんとなく
聖と俗を繋げているもののような気もしました。
だから、この世に顕現する鬼と桜は良く似合うと思う。

【植替え】
・ラベンダー ブルーリバー×1
 植えっぱなしで丸二年経つので、鉢から出して根を切り詰めて
 解して植替えした。鉢増しできればよいけれど、置き場所ないので。
 ま、枯れるまい。

・ラベンダー アングスティフォリア×1
 これは去年の6月に苗を購入。小ぶりの鉢に植えつけたもの。
 2鉢あるけれどとりあえず一鉢を植替え。こちらは11号素焼き
 に鉢増し。根が回ってたのは大雑把に切っちゃって植え替えた。
 ま、枯れるまい。
 もう一鉢は、作っておいた土が足りなかったのでまた今度。

・スペアミント×2
 ポリポットに取って冬越しさせていたものをコンテナに植えた。
 間違っても、枯れるまい。

グレイフリンジはもう花が終わり。
スィートラベンダーはもうちょっとで咲きそうな感じ。
ブルーリバーとアングスティフォリアとグロッソはまーだまだ。

カメさんも元気。相変わらず部屋に入ってきたがるのは何故だろう。

畑に移植したワイルド苺と、レモンバームと甘ラベはすんげー元気。
大地を離れては生きていけないんだ! っつーラピュタなフレーズが
胸をよぎりましたけど……ベランダで眺めたいし。お茶にもしたいし。
癒しの為に。





恵 |MAIL