ある漫画家の池袋線日記...ばて

 

 

吉祥寺へ。 - 2006年04月30日(日)

昨日、久しぶりに吉祥寺に行った。
普段静かなところに住んでいるので、池袋線の周辺とは違って、何か湧き上がってくるものを感じる。
静かなところもいいけど、ああいうストレスをおあるところもいいのかも。
でもそんなところの近くに前は住んでいて、なかなか漫画のいい発想ができないという経験も味わったので、まだしばらくはこっちのほうが精神的にいいのかもしれない。

昨日は某漫画雑誌の副編集長と二人であちこち飲みに。

しかし副編集長って、力があるのねん・・・













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かちかち山。 - 2006年04月27日(木)

寝る前に漫画家、山下和美先生の「不思議な少年」を読んだ。

「天才柳沢教授の生活」を読んでたときにも思ったんだけど、何か現代版日本昔話のような雰囲気を感じる。

現代になるとこれは昔話にはならないと思うが、そういうことではなくて、物語のつくりがそう感じるのである。

漫画日本昔話はテレビでも高視聴率をマークし、昔、土曜日の7時という時間帯に視聴率40パーセントを突破したことがあるらしい。

ではいったいどういう作りになっているんだろう?
物語を最後まで見たときに、まず教訓なりいましめなりが残る。

これは童話や昔話の特徴である。

おそらくはじめにテーマありきなんだろう。

そこから物語の構成上必要なある性格を持ったキャラクターを作る。

すると大体の物語の全体像があらわれてくる。

後はテーマに沿って自由にストーリーを作っていけばいい。

いろんな要素を盛り込んだとしても、はじめに作ったテーマからはなかなか外れては行かない。



しかし、ほかにも日本昔話的な物語の作り方の要素はあるだろうな・・・・

たとえば、神話的な要素を取り込む。

おそらくいくつかのパターンに、分けられそのパターンの数はそんなには多くないはず。
いいおじいさんと、悪いおじいさんの話とか。

かちかち山のように、悪いやつをこらしめる話とか。

心の優しいおばあさんが、恐いやまんばの所へ行ったら、意外とやさしくてお土産をもらって帰ってきたとか。







そんなオーソドックスで人の心を捉えやすい、物語の形を身に着けたらおそらく大金持ちになれること間違いなしなんだろうなぁ。




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映画化? - 2006年04月25日(火)

今日はたくさん電話がかかってきた。
どこそこの漫画雑誌増刊。
隔月なんですけど、連載しませんか?


今、連載中の漫画の映画化が決まるかもしれません。
確実に映画化されるかどうかはやってみないとわかりません。
確実に決まるまでには約一年かかります。
ということは映画が上映されるまで、後1年半か2年後?
・・・・2年後なんて、僕、この業界で生き残ることができているんだろうか・・・・?






連載している漫画よりも面白かったりして・・・






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コッポラは言った。 - 2006年04月23日(日)

この前、テレビでフランシス・フォード・コッポラが出ていた。

そこでこんなことを言っているのが妙に引っかかって、日記を書いている。
「わたしは、早くに結婚して子供をもうけた」

コッポラがまだ「パットン」の脚本を書いて、アカデミー脚本賞をもらうより前だから、そのころの収入はあまりたいしたことがない。

「皆さん、結婚したら仕事ができないなんて大間違い。むしろ結婚していたほうがたくさん仕事ができるんだ。子供ができた、さあがんばって仕事をしよう、となる。今の人は36歳になっても、わたしには仕事があるからまだできないとか言っているが、それは逆なんだ」
・・・・とこんな風なことを言っていた。


自分はどうなんだろう?

思い浮かべてみた。
やっぱり、結婚はしていなくても、女の人と付き合っていて、あそこ連れてけここに連れてけ、あれを手伝えこれを手伝えと言われている時の方があれこれとたくさんのいい仕事をやっている。

漫画家のアシスタントを、ただ孤独にやっていたころって、本当に何もやっていない。
ただお金を稼ぎに行っているだけで、将来を切り開こうという気持ちはあっても、将来を切り開こうとした行為はほとんどない。

やっぱりコッポラの言っていることは当たっているんだろうか?


しかし独身で、たくさんの活躍をしている人もいる。

間違っているかもしれないけど、阪神タイガースの金本は独身?
もしそうだとしたらすごい?
もともとはやせて力のあまり出ない体を、徹底的に鍛え上げ、鉄人と呼ばれるようになったのはすごい。
それにあの精神的な充実度。







やっぱり、その人次第なのかな?




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漫画のネット販売。 - 2006年04月21日(金)

漫画のネット販売が始まった。
今まで書店からなくなると絶版になっていた漫画が、格出版社のホームぺじから購入できるようになった。

これは漫画家にとっても読者にとっても画期的なことなのではないだろか?

新古書店が増え、書店では、漫画などは特に長い間継続して販売することがなくなってしまった。
もちろんものすごく売れている、浦沢直樹の漫画や鳥山明の漫画は別にして、そこそこ売れているものでさえあっという間に書店から消えてなくなってしまう。

すぐ新古書店に出回るのが原因なんだけれど。
そこで悪循環が始まった。
大ヒットを出している漫画以外のものは書店に置く冊数が半分以下になり漫画家は食べていくのが精一杯。
読者もすごく売れている漫画以外は手に入れるのがしんどくなってきている。
みんなはあまり読まないけど、この漫画はわたしの中では大ヒット。
そんな漫画が以前はよくあったのに、どんどんなくなってきている。

出版社のホームページ出のネット販売は画期的で、以前僕の描いた「おさなづま」も、今スペリオールで描いている「昆虫鑑識官ファーブル」もネットで購入できるようになります。

しかしみんなこのことを知っていて、たくさんの人がネットで漫画を買うようになるのかどうか?

それはもう少し普及するまで時間が必要なのかな?

しかし、あんなに話題になって、新聞や雑誌にあんなに取り上げられた「おさなづま」がこんなに早く絶版になってたなんて、描いた僕自身も知りませんでした。

あ・・・昆虫鑑識官ファーブルは、すでに発売が始まっている模様・・・・










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