2009年05月30日(土) |
クラブ選手権 東海予選 愛知FC戦 |
09年05月30日 (土) 13:00開始 磐田市安久路公園多目的広場 2009日本クラブユースサッカー選手権 (U-18) 大会 東海大会 対 愛知フットボールクラブ U-18 ※40分ハーフ 天候: 曇り後晴れ
[前半] 清水エスパルスユース −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−犬飼− 山崎教 −稲毛−− −−−−−−柴原−−田代−−−−−− −−石原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−− 畑 −−鍋田−−−−−−
−−−−−−09−−10−−−−−− −−11−−−−−−−−−−07−− −−−−−−08−−14−−−−−− −−05−−06−−03−−02−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 愛知フットボールクラブ U-18
08分、CH田代からのサイドチェンジはLH成田に届かず、愛知のスローインとなる。しかし、すぐに奪い返した清水は成田がキープする間に左サイドへFW畑が回って追い越し、そこへ成田がスルーパス。縦に抜けた畑はPAの高さにまでサイドを持ち上がると、切り返して右足でライナー性のサイドチェンッジを送った。RH石原が速い弾道に飛び込み、軽く右足を合わせた折り返しにFW鍋田、PA内中央でエースがゴール天井に先制弾を突き刺す。1−0
37分、前に出てプレスを掛けたCH田代がボールを奪うと、前線のFW鍋田の足下にボールが繋げる。鍋田、反転から刹那ボールを晒すと、小さく切り返すと同時に相手の体重移動の逆方向に加速、瞬時にDFを置き去りに。独走からPA内左、飛び出したGKを左足アウトに掛けた切り返しで抜き去り、空のゴールへ左足で流し込んだ。2−0
愛知FC 清水エスパルスユース 1(0) シュート 13(7) ×鍋田、◎鍋田、×稲毛、×畑、 ×畑、 ×畑、 ○田代、○柴原、○柴原、×柴原 ○石原、◎鍋田、○犬飼 1(0) 右クロス 4(2) ○柴原、×石原、○石原、×石原 0(0) 左クロス 11(2) ×畑、 ×成田、×成田、×鍋田、×成田、○成田、×稲毛、×鍋田、○成田、×成田 ×柴原 0(0) 右側CK 1(0) ×成田 1(0) 左側CK 2(1) ○柴原、○柴原 2(−) 犯OS 2(−) ・柴原、・柴原 4(0) ファウル 3(0) ・稲毛、・柴原、・畑
[後半] 清水エスパルスユース (67〜75分) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−中原− 山崎教 −稲毛−− −−−−− 伊東渉 −田代−−−−−− −−柴原−−−−−−−−− 山崎祐 − −−−−−−柏瀬−− 畑 −−−−−−
−−−−−−15−−18−−−−−− −−08−−−−−−−−−−07−− −−−−−−06−−11−−−−−− −−05−−21−−03−−02−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 愛知フットボールクラブ U-18 (49〜78分)
40分、愛知、交代: 10→18、14→15 (11CH、09LH、15FW) 44分、自陣で奪ったLB稲毛の持ち上がりは止められるが、CH柴原がフォロー、奪い返すとプレスを交わして右に持ち出し、サイドチェンジのパスを送った。受けたRH石原はボールをCH田代に当てて前へ、田代はヒールに引っ掛ける形でワンツーを返すと、石原が追い越して中央へ上がる。田代と入れ替わって下がっていたFW鍋田がパスを預かり、機を見てスルーパス。一気呵成に50Mを駆け上がった石原がPA内左に抜け出し、左足でGKの右肩上を撃ち抜いた。3−0 49分、愛知、交代: 09→21 (21CB、06CH、08LH) 51分、清水、交代: 石原→伊東渉、鍋田→柏瀬
56分、愛知DFラインからCH06番に当てたクサビを、読み切ったCH田代がパワータックル。強引にボールを奪った勢いのまま、一気にDFラインを突破してPA内でGKと1対1。暫し対峙、上半身のフェイントでタイミングをズラし、GKの右へ右足で流し込んだ。4−0 60分、清水RB深澤が右サイドからPA前中央まで長い距離を持ち込むと、左サイドスペースへパスを捌く。LH成田が短い距離を瞬発力で縦にブチ抜き、狭い角度から左足を強振するが、シュートはニアポストに激しく掠めてゴールネットの外側に絡まった。愛知のゴールキックで再開、しかし中盤でCH田代が跳ね返し、ボールはDFラインを越えてGKの元に戻る。…と思われた瞬間、FW柏瀬が外側からDFを追い越し、GKに返る前に無理矢理、体を入れてのシュート。それがゴールに蹴り込まれる。5−0
67分、清水、交代: 犬飼→中原、成田→山崎祐 ※ポジションチェンジ: 柴原RH、伊東渉CH 71分、稲毛のスローインからCH田代が一発、大きなダイアゴナルフィードを放つ。DFが大胆にスライディングでカットを試みるが、そのチャレンジは失敗に終わり、フリーのRH柴原にボールが繋がる最悪の結果に。柴原はGKとの距離を詰めると、駆け引きを無視した強烈なシュートをファーに蹴り込む。プリンス名古屋戦で、悉くゴールに嫌われた鬱憤を晴らした。6−0 73分、愛知RB2番のFW畑へのファウルで中盤、距離を残した位置から清水のFKとなる。ラフプレイに主審から2番へ注意が与えられてから再開。稲毛?がグラウンダーのクサビをPA前の柴原に入れ、柴原はDFを背負いながらボールを足下に収めると、右回りにドリブルしながらPA左のスペースを狙う気配。そこに後方から追い越す影。柴原に入れ代わってPA内左へ抜けた田代が、ゴール右に蹴り込んだ。7−0 75分、清水、交代: 畑→酒井 (酒井LH、山崎祐FW)
78分、CH田代の縦パスをFW柏瀬、胸トラップから反転、自らはPA内に切れ込みつつ、ボールは右アウトサイドに捌いだ。FW山崎祐が中央からそこへ流れ、リターンパスではなく自ら勝負を選択。ボールを足の甲に乗せながらの急加速でDFを抜くと、前を塞ぐGKに対して思い切りよく、ニアを蹴り抜いた。8−0 78分、愛知、交代: 15→12
愛知FC 清水エスパルスユース 2(1) シュート 9(7) ◎石原、◎田代、×柴原、×成田、◎柏瀬、◎柴原、◎田代、◎祐也、○祐也 1(0) 右クロス 2(0) ×深澤、×深澤 3(0) 左クロス 0(0) 0(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 1(0) ×柴原 1(−) 犯OS 3(−) ・畑、 ・鍋田、・柴原 6(1) ファウル 1(0) ・柴原
[雑感] クラブユース選手権緒戦。エース鍋田の活躍で前半2点を先制した清水は、自らの不用意なプレーで危ない場面をつくることもあったが無失点で凌ぎ、逆に時間が経つにつれて増えていった相手のミスに乗じて順調に加点。終わってみれば8−0の大勝で、全国大会に向けて順調なスタートを切った。
U-18東海大会は今年から大会方式が変更となり、従来、県単位で行われていた予選を撤廃。清水を含むJ1クラブ3チームは2次トーナメントからの登場となり、その他の4クラブが対戦する1次リーグを経て組み合わせが決まる。ただ、予選のないJ1クラブの間で条件が同じなわけではなく、磐田・名古屋がトーナメント戦準決勝からの出場なのに対し、清水は準決勝を前に1次リーグ2位のチームと対戦して勝ち抜く必要がある。不公平な気がしないでもないが、毎年、チームの仕上がりが遅い清水としては、公式戦の数が増えるのは歓迎すべきなどだと前向きに捉えたい。 清水は前の名古屋戦で大活躍の成田が先発を再奪取。代わって1年生の伊東渉がベンチスタートになった。引き続き青木がメンバーから外れたが、去年のクラブ選手権 (U-15) 優秀選手に選ばれた期待の1年生FW、柏瀬が怪我から復帰してベンチ入り。青木の他にも山田が足を痛めた状態だが、面子が揃ってきた。先発は3年生5人、2年生5人、1年生1人。中盤はオール2年生である。対する愛知FCはHonda FCに1-2で敗れ、2勝1敗で1次リーグ2位通過。J発足前はクラブユース選手権優勝経験もある名門だが、3年前のU-15東海大会では1勝もできずに予選リーグで姿を消している。実力差を考えれば、清水としては結果だけでなく、内容も求められる試合となる。
開始3分、いきなり清水の決定機。LH成田が粘って戻したボールは一度DFにカットされるが、すぐにCH柴原が奪い返してFW鍋田にクサビを当てると、鍋田はDFを交わしてPA内へ、更にGKを交わして空のゴールに蹴り込むが、ゴール左ポストに直撃させてしまう。しかし、この決定機逸にもめげず、8分には横幅を大きく使った展開から鍋田が決めて先制。怪我からの復帰後、主将としてエースとして公式戦2勝1分のチームを引っ張っていた鍋田に、遂に結果がついてきた。その後も清水はボールをよく動かし、巧みにサイドに展開するが、この日はFW畑が「not his day」。12分の柴原の左CKにニアで頭を擦らしたのがファーに外れたのはともかく、14分に自らのサイドチェンジから柴原が1人ドリブルで抜いて右クロス、17分に石原の右クロスに鍋田が粘ってこぼれたボールに対して、ロケット打ち上げの「宇宙開発」をしてしまった。 やがて流れは膠着、リードされても前に出てこない相手にCH田代やCH柴原がミドルで狙うが、得点に結びつかない。成田の思い切り良い突破は錆付いてはなかったが、34分にRH石原のボール奪取から鍋田のスルーパスで抜け出した場面では、クロスというらしくない選択。右足は殆ど使わない成田だが、角度のない位置を構わずニアを左足で撃ち抜いてこそ成田だろう。一方の愛知は専守防衛の状態で、ゴール前どころかボールを前に運ぶことすらできなかったが、藤枝明誠やジュビロ磐田とは違う清水エスパルスは、リスクの最小化が実に苦手。30分には相手の苦し紛れのロングボールにLB稲毛が競り勝ったところまでは良かったが、CB犬飼がダイレクトで繋ごうとして愛知FW10番にボールを献上。シュートは右に外れたが、この試合が負けたら終わりのトーナメントであることを思い出させてくれた。嫌な流れになりかけたが、前半終了3分前、エース鍋田の個人技で2点目。1対1でGKを抜きに行くのが、洗練されたプレーに隠れがちな鍋田のFWたる所以だろう。
後半4分に3点目を挙げて安全圏に。石原は良くない時も得点に頻繁に絡んでいるが、それはこの得点場面に象徴される長い距離を走る能力と意志の賜物だろう。それだけにガス切れも早いのだが、最近は石原の後を任せられるベンチメンバーも充実してきた。その石原と鍋田は51分に交代。フリーランとポストプレーでボール回しの中心にいた2人がいなくなり、一方で後がなくなった愛知もSBの攻撃参加を解禁。更に52分の選手交代で7番をCBからCHの位置に上げ、CH7番、LB5番、LH8番のトライアングルで積極的に攻撃を仕掛けるようになった。名古屋戦では田代が一人、膨大なスペースのカバーリングに走り回っていたが、この日はその田代も攻撃参加して前へ。大量点に気が緩んだか、マークを離して簡単にクサビを入れられる場面が散見され、中でも87分、8番とのワンツーから左45度で放った5番のシュートは、1点ものだった (GK長島がセーヴ)。 そうした課題も残ったが、組織を無視した個人の勝負になれば清水の持ち味が存分に発揮される。特に柏瀬、山崎祐といった外部加入の1年生としては、連携を無視できる展開は望ましかった。前半から散々ボールを回されて疲労した愛知DFのマークが緩かったこともあり、自らのスピードを遺憾なく披露。共に清水エスパルスユースとして公式戦初ゴールを記録した。奔放としたサッカーの中心にいたのが、後半2得点2アシストの田代と1得点1アシストの柴原。ハイテンポの展開にも自分のリズムだけで動かず、周囲を見て有機的に繋ぐプレーを見せ、一つ高いレベルにあることを証明した。とりわけ田代は武器である機動力だけでなく、単純な1対1にも強さを見せ、成長を感じさせる。また、田代に代わって後方で攻撃の芽を摘んだのが伊東渉。先発でも交代出場でも、既に組織の柱になれる存在になってきている。 プリンスに比べて彼我の力量差は考慮に入れないといけないが、それでも80分間で8−0という結果はそう簡単に出るものではない。自信を持って良いのではないだろうか。
2009年05月17日(日) |
プリンス東海 名古屋グランパス戦 |
09年05月17日 (日) 15:00開始 トヨタスポーツセンター JFAプリンスリーグU-18 2009 東海1部 対 名古屋グランパス U-18 ※45分ハーフ 天候: 雨
[前半] 清水エスパルスユース 控え: 久保田、中原、矢守、進藤、酒井、伊東直、成田、山崎祐、影山 −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−犬飼− 山崎教 −稲毛−− −−−−−−田代−−柴原−−−−−− − 伊東渉 −−−−−−−−−石原−− −−−−−− 畑 −−鍋田−−−−−−
−−−−−−矢田−−奥村−−−−−− −−小幡−−−−−−−−−−加藤−− −−−−−−近藤− 三浦俊 −−−−− −−安藤−−奥山−− 岸 −−岩田−− −−−−−−−−古川−−−−−−−− 控え: 三浦天、中野、野崎、水野、藤田、高原、大西 名古屋グランパス U-18
23分、名古屋、警告: 加藤 43分、清水RH伊東渉が戻っていない早いタイミングで、LH小幡がスローインで再開。LB安藤がフリーでボールを持ち、その左サイドに流れたFW矢田へロビングでパスを入れる。矢田にはCB犬飼が付いてきていたが、矢田は小さい体を犬飼の懐に沈めると、体を入れ替えて反転、突破、そしてフリーのままPA直前、左30度からシュートを狙うが、GK長島が何とか反応、バーを掠めてCKとなった (42分)。矢田の左CKはニアで清水DFがクリア、PA外中央で拾った近藤は、伊東渉のプレスを何とか浮き球で逃れ、下がってきた矢田にボールが渡る。矢田はワントラップから左足でインスイングのクロス。中央で稲毛と岩田の両者が潰れて誰も触われなかったボールは、ファーで一人余っていた三浦俊の元へ。トラップから右足できちんとファーへ蹴り込み、名古屋が先制する。0−1
グランパス 清水エスパルスユース 3(2) シュート 3(1) ×柴原、○畑、 ×柴原 2(1) 右クロス 3(1) ×渉、 ×畑、 ○渉 1(0) 左クロス 4(0) ×石原、×石原、×柴原、×柴原 4(1) 右側CK 1(0) ×柴原 1(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 0(−) 8(1) ファウル 9(0) ・柴原、・教史、・稲毛、・深澤、・稲毛、・深澤、・鍋田、・鍋田、・渉
[後半] 清水エスパルスユース (51〜86分) −−−−−−−−長島−−−−−−−− − 伊東渉 −犬飼− 山崎教 −稲毛−− −−−−−−田代−−柴原−−−−−− −−石原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−− 畑 −−鍋田−−−−−−
−−−−−−高原−−奥村−−−−−− −−小幡−−−−−−−−− 三浦俊 − −−−−−−矢田−−近藤−−−−−− −−安藤−−奥山−− 岸 −−岩田−− −−−−−−− 三浦天 −−−−−−− 名古屋グランパス U-18 (68〜75分)
48分、清水左サイドのパス交換から、FW畑のスルーパスに反応したLH石原の突破は、RB岩田が体を張って許さず。岩田が出したボールをCH近藤?が大きくサイドチェンジする。この一連の流れで清水CH柴原が倒れており、これに気を取られたか、サイドチェンジに対するRB深澤の反応が遅く、ボールはLH小幡に繋がってしまった。慌てて距離を詰める深澤だが、そこへLB安藤が小幡を追い越し、深澤の裏に抜ける。清水は全体に戻りが遅く、安藤の速いクロスに一人ゴール前に下がったCB山崎が必死に足を伸ばすが、足に当てたボールはゴールに吸い込まれ、0−2 51分、清水、交代: 深澤→成田 (伊東渉RB、石原RH、成田LH)
57分、清水FW畑をCB岸が倒し、中盤、40Mほどの距離を残した位置からFK。キッカー成田、この位置から弾丸シュートを放つ。と、ニアで跳び上がった畑がこのシュートに右足を合わせ、軌跡を変化。ボールは勢いを失わず、ゴールに突き刺さる。1−2 66分、名古屋、交代: 古川→三浦天 68分、名古屋、交代: 加藤→高原 (三浦俊RH、矢田CH、高原FW) 70分、清水右サイドのスローインから、CH柴原が入れたクサビを右サイドに流れたFW鍋田が受け、戻したボールをFW畑、静止した状態でトラップするや急加速してDF間を割って入った。そしてPA内へ、前を塞ぐ相手に対し、独特の細かいステップを踏んでボールを動かし、タックルさせる隙を与えない。PA内中央で左足に持ち替えたところでシュートコースが開くが、そこでパス。フリーでPA内左に走り込んだLH成田が、ゴール右に蹴り込んで同点!、2−2
75分、名古屋、交代: 奥村→大西 77分、パス回しの中で名古屋CH近藤にファウルがあって、中盤左寄り、ゴールまで45Mほど離れた位置からFK。またも蹴り込むのは成田。が、今回はニアの壁を越えずにPA外へ跳ね返され、しかしクリアにいち早く食いついた田代が、前に出ながら頭でボールを右サイドへ流す。RHのポジションに戻ろうとしていた石原が、DFにブロックされながらも前のスペースへボールを送ると、そこに柴原。ボールを拾ってからの加速が鋭い。寄せてきたDFの予想を上回るスピードでPA内へ切れ込んでシュート。GK三浦天は反応したが、弾いた方向が自らゴールを空けているPA左側。そこに駆け込んだ畑が、ダイビングボレーに近い格好で空のファーサイドに突き刺した。3−2、逆転!! 80分、名古屋、交代: 安藤→藤田 (小幡LB、藤田LH)
85分、名古屋、警告: 大西 86分、清水、交代: 石原→中原 (中原RB、伊東渉RH) 88分、名古屋FW高原の中盤でのファウルで、中盤右寄り40MからのFK。蹴るのは調子に乗っている成田。速く、だが小さく曲がってPA内で落ちるボールを入れると、DFを背負いながら畑が高く跳び上がり、高い打点で頭で擦らせてゴールに流し込み、4−2。畑、ハットトリック達成!!! 89分、名古屋、警告: 矢田 90分、清水、交代: 鍋田→影山 90+4分、清水、交代: 伊東渉→矢守
グランパス 清水エスパルスユース 7(3) シュート 10(7) ×畑、 ・鍋田、◎畑、 ◎成田、○柴原、×柴原、○柴原、◎畑、 ○柴原、◎畑 3(1) 右クロス 4(1) ×渉、 ・鍋田、・渉、 ○石原 2(1) 左クロス 3(0) ×柴原、・稲毛、・鍋田 0(0) 右側CK 0(0) 2(0) 左側CK 2(0) △柴原、△柴原 0(−) 犯OS 3(−) ・畑、 ・教史、・柴原 16(1) ファウル 8(0) ・柴原、・鍋田、・鍋田、・鍋田、・成田、・教史、・鍋田、・影山
[雑感] 雨中の試合は集中力の乱れから2点を先行され、自ら苦しくしなるが、瀬戸際に立たされて前に出ざるを得ない状況を力にして、鮮やかな4得点。勝点を8にして4位に浮上し、残留争いから抜け出すとともに、既に1位・藤枝明誠高 (勝点13)、3位・ジュビロ磐田ユース (同10) との対戦を済ませている清水は、2位・静岡学園 (同10) との対戦次第では、上位3チームに与えられる全日本ユースの出場権を狙える位置に付けてきた。
鍋田、成田、犬飼といった選手が戦列に復帰し、ベストメンバーが出揃ってきた清水だが、この日は青木が欠場。序盤戦を支えてきたゴール前4人 (柴原・青木・田代・山崎教) のブロックでも中心と言える存在なだけに、これは痛い。果たして大榎監督は犬飼をCBに起用して田代を一列上げ、更に2節前からサイドに配置していた柴原をCHに戻して田代と組ませた。「青木の代役」ではなく、根本的に戦い方を変えようとの意図だろう。事実、柴原は守備での奮闘も目立ったが、意欲的にFWを追い越してゴール前の場面に加わっており、田代にも青木とは違うボランチ像が求められる。先発は3年生5人、2年生4人、1年生2人。一方の名古屋は3年生4人、2年生5人、1年生2人と、僅かながら清水より更に若いチーム。CB金編が累積警告で出場停止のため、昨年Jrユースの全国優勝メンバーながら1年生の奥山が代役を務めた。
清水は鍋田、柴原、伊東渉という足下に自信のある選手を軸に、ボールポゼッションを高めていく、いつもの展開。対する名古屋は前監督のように組織的に第三の動きを導いてフリーの選手を作るのではなく、オーソドックスな4-4-2に選手を配置し、サイドに展開して突破を仕掛けてくる。序盤こそ清水が優勢だったが、名古屋側は1年生RH加藤がしばしば潰されながらも積極性を見せ、拮抗した展開に。そして名古屋の方が前へ向かう分、CKなどセットプレーの機会を得ることが多く、そこから徐々にリズムを掴む。清水は縦に攻め急ぐことが増え始めた。 それでも36分、RH伊東渉のクサビをFW畑がポストに入ってサイドに戻し、RB深澤のロビングパスからライン際で粘った伊東渉のクロスに合わせたCH柴原のシュートがネットを揺らす、…がそれは外れたシュートが跳ね返ってゴール「裏」に絡まったもの。両チーム、攻め倦ねたまま折り返すかと思われた43分、CB犬飼の軽いプレーが与えた決定機は防いだものの、そこから与えたCKの、更にセカンドボールに対してマークが甘くなり、失点。犬飼個人は上級生相手にも能力では全く劣っていなかったが、昨年全日本ユースを決勝まで勝ち進み、自分より能力を上回る相手から如何に隙を突くか、名古屋の経験にやられた格好だ。これも良い勉強だろう。しかし、前半終了間際の痛い失点でリードを許し、後半へ。
後半開始直後、RB深澤が頭でボールを前に繋ぐとRH伊東渉がスルーパスを送り、FW畑がサイドスペースに抜けてシュート。続く46分にも畑が潰れた裏に伊東渉が抜けて右クロスを入れるなど、清水が積極性を見せる。ところが48分、複数が絡んで左サイドに攻め込んだところ、柴原が痛んでチームが動揺、気にせずに攻めきった名古屋がオウンゴールを誘い、追加点を重ねた。失点の仕方も悪いが、前半終了2分前と後半開始3分後という非常に悪い時間帯での失点。ベンチは深澤に代えて成田を投入、MFの伊東渉をRBにコンバートする積極策に出たが、負け慣れたチームならば、ずるずると落ち込んでもおかしくない展開であった。だが、選手一人一人が自分のポジションを無視して前に向かう姿勢を見せ、怒濤の4連続得点で大逆転勝利。その途中の62分、成田を起点に稲毛の左クロスをPA中央に飛び込んだ畑が更に右後方に流し、石原が決めた同点ゴールが、微妙なオフサイド (畑の時点) で取り消されたりしたのだが、それをものともしない「反発力」を見せつけた。 その直接の原動力になったのは3得点1アシストの畑と、1得点2アシストの成田の爆発力であることは間違いないが、彼らの活躍は得点場面を見てもらうとして、彼らを支えた選手も素晴らしかった。まず鍋田。彼が戻ってくるまでは、畑はポストプレーを受ける際に、成田はボールを中盤で運ぶ際に爆発力を使い果たしてしまい、肝心のゴール前では消耗してしまっていた。それを鍋田が巧みなポジショニングで繋ぎ役となり、時にはドリブルで時間を稼いで、彼らをゴール前へ導いた。鍋田という格好の見本を得て、皆がボールをキープすることを恐れず、そしてキープする味方を信頼して追い越して前で受ける、その積み重ねが流動的でありながら有機的な清水の攻勢を導いた。対して守備で支えたのが田代。総攻撃状態でMFから前の守備のポジションがバラバラになりなると、田代も中盤の底に固執することなく、広く空いたスペースを膨大な運動量で前に出ながらカバー。空中戦以上に、長い足を苦しい体勢からも柔軟に伸ばす、地上戦の粘りに目を奪われる。その姿は180cmの伊東輝悦を見るかのようであった。
試合の流れに戻れば、勝敗を分けたのは同点後の攻防。同点2分後の72分、柴原のパスにポストに入った鍋田が背後から押し潰しに来たDFすら利用して、一緒に倒れながら反転、裏にスルーパスを送ると、信じて追い越した柴原が単身抜け出し、左45度からドリブルシュートを放つが、GK三浦天の「足」が一気の逆転を許さない (個人的には完璧なスルーパスで「仕事を終え」てDFに潰されながら、すぐに立ち上がってゴール前のポジションに駆け上がる鍋田の集中力が目を引いた)。すると73分、名古屋は成田の戻らない右サイドをRB岩田が攻め上がり、何とか柴原がカバーに入るもFW矢田がサイドに流れて繋ぎに入り、PA右角のFW高原にパスが入ると高原は山崎教に潰されながらボールを残し、それを拾って入れ替わった岩田がPA内でシュート。完璧に崩された清水はGK長島もボールに触れられなかったが、ゴールポストが失点を防いだ。その4分後の77分に清水の逆転弾が生まれたわけだが、ここで失点していれば展開は全く違っていたはずで、熱戦に相応しい、紙一重の攻防を象徴する7分間だった。
2009年05月04日(月) |
Jrユース (U-14): プレミア全国 グランセナ新潟・名古屋グランパス戦 |
Jrユース (U-14): 09年05月04日 (月) 10:30開始 Jヴィレッジ No. 3 ピッチ JFA PREMIER CUP 2009 supported by NIKE 対 グランセナ新潟FC ジュニアユース ※25分ハーフ 天候: 曇り
[前半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−大木−−−−−−−−−−太田−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−清水− 本間爽 −−−−− − 渡辺悠 −−−−−−−−−轡田−− −−−−− 渡邊匡 −金子−−−−−− −−星野−−堀内−− 東 −−赤川−− −−−−−−− 渡辺笙 −−−−−−− グランセナ新潟FC ジュニアユース
14分、左奥で囲まれた太田が粘って得たCK。キッカーは浅沼。右足で巻いたボールを入れると、ニアの相手DFを越えて沈み込む。沈むボールにおじぎするように合わせた大木の頭を掠め、GKの手を弾いてゴールに決まる。1−0
グランセナ 清水エスパルス ジュニアユース 0(0) シュート 3(1) ×太田、◎大木、×太田 1(0) 右クロス 4(0) ×柳沢、×柳沢、×大木、×大木 0(0) 左クロス 3(0) ×太田、×佐藤、×佐藤 1(0) 右側CK 2(0) ×浅沼、×三井 1(0) 左側CK 2(1) ◎浅沼、×浅沼 0(−) 犯OS 1(−) ・?? 3(0) ファウル 1(0) ・大木
[後半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (43分〜) −−−−−−−−朝倉−−−−−−−− −−柳沢−−武田−−福島−−佐藤−− −−−−−−粟冠−−望月−−−−−− −−和田−−−−−−−−−−丸山−− −−−−− 鈴木聖 −山下−−−−−−
−−−−−−石塚− 渡邊良 −−−−− −−田辺−−−−−−−−−−蔵田−− −−−−−−成澤−−金子−−−−−− −−星野−−堀内−− 東 −−加藤−− −−−−−−−−畑山−−−−−−−− グランセナ新潟FC ジュニアユース (47分〜)
25分、新潟、交代: 渡邊匡→成澤、轡田→石塚 32分、清水が前線に当てようとしたクサビはCH金子がカット、最終ラインにバックパスして立て直そうとするがパスが弱く、一瞬に加速したFW鈴木聖が奪い去る。責任を感じた金子が追い縋り、体を当てるが鈴木聖は倒れない。GK渡辺笙が飛び出すと左に交わし、DFに囲まれて体勢を崩しながらも左足シュート。を、RH大木が直前に押し込んでゴールを横取り (笑)、2−0
35分、中盤のCH浅沼が大きく左へサイドチェンジ。緩いボールがバウンドしながら流れると、LH佐藤が左に膨らみながら受け、一発のロングフィードを縦に送る。PA左横のスペース、そこへ中央からFW鈴木聖が斜めに走り込み、体を捻らせるやバウンドしたボールに上手く合わせて左足ダイレクトシュート。ゴール右に豪快に突き刺す。3−0 35分、新潟、交代: 渡辺悠→田辺 36分、清水、交代: 海野→粟冠 38分、中盤でボールを奪った清水は最終ラインにパスを戻すと、CB福島がダイレクトでスルーパスを送った。FW鈴木聖が抜け出すものの、GK渡辺笙が飛び出してキャッチ。が、勢いを抑えきれずにボールをこぼす。即座に体をGKとボールの間に入れた鈴木聖が、即座に空のゴールにループシュートを決めて、4−0 38分、清水、交代: 大木→和田
41分、新潟、交代: 渡辺笙→畑山 41分、清水、交代: 三ツ井→望月、太田→丸山、浅沼→山下 (粟冠CH、山下FW) 43分、清水、交代: 石塚→朝倉、中村→武田 43分、新潟、交代: 清水→蔵田 (蔵田RH、石塚FW) 47分、新潟、交代: 赤川→加藤、本間爽→渡邊良
グランセナ 清水エスパルス ジュニアユース 2(2) シュート 7(5) ◎大木、×太田、◎聖矢、○和田、◎聖矢、×丸山、○粟冠 2(0) 右クロス 0(0) 2(0) 左クロス 1(0) ×浅沼 2(1) 右側CK 1(0) ×山下 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 0(−) 0(0) ファウル 1(0) ・??
Jrユース (U-14): 09年05月04日 (月) 15:00開始 Jヴィレッジ No. 5 ピッチ JFA PREMIER CUP 2009 supported by NIKE 準決勝 対 名古屋グランパス U-15 ※30分ハーフ 天候: 曇り
[前半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (〜26分) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−大木−−−−−−−−−−和田−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−北川−−曽雌−−−−−− −−伊藤−−−−−−−−−− 森 −− −−−−−− 金 −−真柄−−−−−− −−中島−−松田− ニッキ −後藤−− −−−−−−−−板倉−−−−−−−− 名古屋グランパス U-15 (〜24分)
05分、名古屋LB中島の突破にはRH大木が体を入れるも、同時にボールに触れてしまい、左CKとなる。両チーム合わせて最初のセットプレー。真柄の右足キックにGK石塚が飛び出すも触れることができず、ファーで待ち受ける北川が丁寧に頭を合わせて、0−1 23分、左サイドを抜け出したFW北川がトラップしたところを、CB中村が強く体を当てて食い止め、左CKとなる。真柄の右足キックにGK石塚が飛び出すも触れることができず、折り風の強風にも煽られたボールは綺麗に巻いてゴールに収まった。0−2 24分、名古屋、交代: 曽雌→児玉 26分、清水、交代: 三ツ井→粟冠
グランパス 清水エスパルス ジュニアユース 8(4) シュート 0(0) 3(1) 右クロス 1(0) ×大木 1(0) 左クロス 0(0) 1(1) 右側CK 0(0) 3(2) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 0(−) 2(0) ファウル 6(1) ・三井、・太田、・海野、・粟冠、×粟冠、・太田
[後半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (51分〜) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−−−柳沢−−粟冠−−中村−−−− −−−−−−浅沼−−佐藤−−−−−− − 三ツ井 −−−−−−−−−和田−− −−−−大木−−海野− 鈴木聖 −−−
−−−−−−曽雌−−宮市−−−−−− −−加藤−−−−−−−−−−石川−− −−−−−−直江−−真柄−−−−−− −−中島−−松田− ニッキ −若園−− −−−−−−−−板倉−−−−−−−− 名古屋グランパス U-15 (57分〜)
39分、清水、警告: 海野 40分、清水、交代: 太田→和田 41分、清水、交代: 海野→三ツ井 (三ツ井LH、大木FW) 45分、名古屋、交代: 森→石川 45分、清水、ポジションチェンジ: 粟冠CB、中村LB、佐藤CH 47分、右サイドから名古屋RB後藤が縦にクサビを入れると、サイドに流れてきたFW北川がポストに受け、そこに後藤が勢いのまま走り込んでスイッチ、ドリブルで縦に抜けようとする。清水DFもそうはさせじと体を入れて混戦、PA右角手前でFW児玉がこぼれ球を拾うや、後藤が内側を回って中央へのフリーランを開始する。そこにパスが出ると、ボールサイドに人が寄りすぎていた清水は、中央のスペースをぽっかり空けていた。フリーになった後藤はPA内に持ち込むと、左足でゴール右に流し込み、勝負を決めた。0−3
51分、清水、交代: 福島→海野 (3-4-3に変更: 海野FW) 51分、名古屋、交代: 伊藤→曽雌 52分、名古屋、交代: 後藤→加藤 54分、名古屋、交代: 北川→宮市 55分、名古屋、交代: 児玉→若園 (若園RB、加藤LH、曽雌FW) 57分、名古屋、交代: 金→直江 60+2分、名古屋、警告: 板倉 60+2分、中盤の底でパスを受けたCH佐藤が、グラウンダーで中央を割る見事なスルーパスを送り込む。抜け出すのはFW鈴木聖、トラップでボールを止めるとGKを抜きに掛かり、足先のフェイントから左足に持ち替えて左に交わすが、GK板倉がたまらず足首を掴む。なおも倒れずにゴールに向かう鈴木聖だがシュートは撃つことはできず、ここで笛。PKが与えられ、板倉には警告が与えられる。鈴木聖自らゴール右上に突き刺し、3−1
グランパス 清水エスパルス ジュニアユース 4(4) シュート 4(4) ○佐藤、○佐藤、○聖矢、○聖矢 3(1) 右クロス 0(0) 1(0) 左クロス 1(0) ×佐藤 1(0) 右側CK 2(0) ×佐藤、×佐藤 0(0) 左側CK 1(0) ×浅沼 2(−) 犯OS 0(−) 5(3) ファウル 1(0) ・海野
[雑感] グループリーグを全勝首位で勝ち上がった清水は、グループ2位の中で唯一勝点7を稼いだ名古屋と、全国大会準決勝の舞台で再び相まみえた。東海の時とは違い、恐らくベストメンバーを組んだのであろう名古屋に対し、逆風の前半は手も足も出ず、追い風の後半もその利を生かすことができず、1−3で完敗。3年前と同じく、準決勝で大会を去ることになった。
グループリーグ最終試合、グランセナ新潟戦は、ほぼ確実にしていた午後の準決勝のことが頭にあったか、球際の激しさが足りずに拮抗した試合となる。近年、育成年代でも結果を残すようになってきたアルビレックスを倒してきただけのことはあり、グランセナはCB東、LB星野、CH金子、FW本間爽など体格の良い選手も多かった。決して専守防衛というわけではないが、攻撃サイドのSBを除いた最終ラインの3人とCH金子を加えた4人が常に残って速攻をケア。きちんと守備がセットされている相手に2トップがなかなか起点になれず、苦しい時間帯では常に頼りになってきた大木の単独ドリブルも不発。それでも14分、セットプレーでしっかりリードを奪って試合を折り返した。 後半になっても中盤の競り合いは決して優位に立ったわけではないが、ゴール前での精度の差がスコアに表れる。相手のミスを確実に得点に結びつけた鈴木聖に対し、ミスやセカンドボールから悪い状態で相手ボールになっても、次のミスを続けずに素早くカバーする集中力とスピードがあった。とりわけCB中村が素晴らしく、広い守備範囲で裏に抜けてきたボールを次々とカバー、相手にスペースを与えなかった。唯一38分、スローインに対しての反応が遅れ、PA内でバウンドするボールをLH田辺にハーフボレーで狙われるが、GK石塚が落ち着いてキャッチ。多くの選手交代があった後も最後の一線を割らせることはなく、無失点で逃げ切った。
準決勝の相手、名古屋は東海での先発と大きく異なる布陣。10番後藤を右に、中島を左に置く最終ラインは全員が体格が良く、前回は交代出場すらなかったCH真柄は完成度の高い司令塔だった。前線に良い選手の多い清水は、苦しくなるとロングボールに頼る癖があり、海野の粘り強さ、鈴木聖の体の入れ方の巧さ、大木の絶対的な速さは、それを何とかしてしまうだけの武器なのも事実である。しかし、ただでさえ向かい風の前半、海野や鈴木聖が長身のハーフナー・ニッキやゲームキャプテン松田相手に上手く競っても、風に流されるボールがDFラインの裏にこぼれることはない。こういう時に頼りになるRH大木の単独突破だが、逆風の中で裏のスペースにフィードするのは難しく、体が強いLB中島も加速する前に大木を抑え込む。左ではLB佐藤が様々なパスでLH太田の走らせ方を工夫するが、RB後藤は裏へのパスへの競争でも、足下の勝負でも盤石を誇った。失点自体はセットプレーでのミス絡みだったが、失点直後に点を奪い返す反発力を見せることができず、前半を終えた。 追い風になった後半は、重苦しい前半とは変わってパスが回り始める。しかし、今度はロングボールを使った縦に速い攻撃が不発で、足下で繋いで行くも最後までスピードに乗れずに囲まれる場面が続き、シュートが遠い。一方の名古屋は裏を狙ってきた前半と違い、下がってポストとなるFWを起点にパスを中盤に戻して丁寧に繋ぐサッカーを披露。FW北川のポストプレーと、CH真柄の展開力が光る。前後半通して、相手の意図する戦術に鏡のように合わせてしまった印象だ。スピードのある大木をFWにしたり、展開力のある佐藤をCHにしたり、最後は海野を再投入して3トップにしたりするなど、清水ベンチもメッセージを送り続けたのだが、結局、機能したのは3点目を奪われ、名古屋がメンバーを落とした後だった。佐藤が風を考えた巻いてゴールに向かう山なりのシュート (公式記録はシュートに含まれず) を放ってペースを掴み、最後に鈴木聖が一矢報いたものの、試合内容から言えば完敗だった。
とはいえ、決して悲観的になることはない。例年、全国に出るとそれまで通用していた武器が通じない壁にブチ当たることも多いのだが、この大会では逆に全国でも通用することを証明した選手が多かった。石塚のシュート反応、柳沢のエンドレスアップダウン、中村のカバーリング、福島の前に向かう強さ (時々持ち味を忘れて当たりが弱くなり、自らを苦しめていたが)、三ツ井の判断力とキック精度、浅沼の相手の前に体を入れる推進力、和田のドリブルコースの選択、大木の絶対的速さ、海野の競り合いに怯まない粘り強さ。4ゴール2アシストと全国の舞台でも決定力を見せつけた鈴木聖に、守備での鉄壁の1対1に、とりわけパス出しのタイミングの早さ・得点に繋がる狙いの鋭さで別格の存在感を見せた佐藤は、言うまでもないだろう。後は足りない部分、足先だけでボールを処理せずに体を相手にぶつけること、ボールの反発力に頼らずに自分の力で弾き返すこと、それを普段の練習から意識することでリベンジは果たせる。全国での「失敗」の経験ほど、選手を育てるものはない。今後に期待したい。
2009年05月03日(日) |
Jrユース (U-14): プレミア全国 サンフレッチェ広島・アンフィニMAKI.戦 |
Jrユース (U-14): 09年05月03日 (日) 10:30開始 Jヴィレッジ No. 5 ピッチ JFA PREMIER CUP 2009 supported by NIKE 対 サンフレッチェ広島F.C ジュニアユース ※25分ハーフ 天候: 曇り
[前半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−大木−−−−−−−−−−和田−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−清谷−−浅海−−−−−− −−宮原−−−−−−−−−−神原−− −−−−−−上村−−島田−−−−−− −−山口− 長谷藤 −大谷−−川辺−− −−−−−−−−前川−−−−−−−− サンフレッチェ広島F.C ジュニアユース
03分、広島は最終ラインからのビルドアップに詰まり、RB川辺が右サイドから中央にボールを運ぶも、しつこく追いかけたLH和田が体を入れてカットする。そのまま代わって和田が中央に持ち運び、LB佐藤も中央に併走。相手を寄せたところで空けた左サイド、PA角前に斜めにパスを出した。FW鈴木聖、足下で受けて止まると一瞬の加速、マークするCB大谷と体を入れ替え、競り合いつつ前へ。角度のないところから左足を振るうとGK前川が横っ飛びで弾く。が、遅れて飛び込んできたCH浅沼がこぼれ球を蹴り込み、1−0
広島JY 清水エスパルス ジュニアユース 6(3) シュート 4(3) ○聖矢、◎浅沼、○大木、×聖矢 4(1) 右クロス 2(0) ×大木、×柳沢 1(0) 左クロス 1(0) ×海野 0(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 0(−) 2(1) ファウル 3(0) ・??、・福島、・大木
[後半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (39〜47分) −−−−−−−−朝倉−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−大木−−−−−−−−−−山下−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−清谷−−浅海−−−−−− −−宮原−−−−−−−−−−神原−− −−−−−−上村−−島田−−−−−− −−渋谷− 長谷藤 −山口−−川辺−− −−−−−−−−前川−−−−−−−− サンフレッチェ広島F.C ジュニアユース (33分〜)
25分、清水、交代: 石塚→朝倉 26分、LB佐藤からのダイアゴナルのサイドチェンジはRH大木の手前、広島LB山口にカットされる。前に弾いたボールを拾ったH宮原が、縦に低い弾道のフィード。裏に抜けるボールを頭でカットにいったCB福島、しかし弾ききれずにこぼれを拾ったFW浅海が半歩前へ。追う福島をスピードで寄せ付けず、飛び出すGK朝倉をよく見てファーに沈めた。1−1 28分、LH和田の上げた高く緩いクロスは、飛び出したGK前川がキャッチした。そしてスローで速攻、…のはずがRH大木へのプレゼントボールに。すかさず、大木の25Mロングループシュート。綺麗な放物線を描いて空のゴールに収まる。2−1 28分、上記ゴールからのキックオフでの再開。清水のフォアプレスでファウルがあり、ハーフライン付近から広島のFKとなる。川辺がPA内へ直接蹴り込んだボールを弾き返すことができず、混戦からマイボールにしたのは広島。PA内の左に流れた清谷がDFを背負ってキープ。そこへ左から回った大谷が追い越して抜け出し、フリーのままファーへと流し込んだ。2−2
30分、クリアボールをカットしたLB佐藤から二次攻撃。左タッチライン沿いを持ち上がると、グラウンダーのクサビをPA左角付近のFW海野の足下へ入れる。強引に振り向いた海野は中央にドリブルしつつ、シュートコースを探すが、DFも併走。そこでボールをPA外へ戻した。そこにCH三ツ井、走り込む勢いのまま25Mダイレクトシュート。ゴールまで一直線で突き刺し、3−2 33分、広島、交代: 大谷→渋谷 (山口CB、渋谷LB) 39分、広島、警告: 山口 39分、清水、交代: 和田→山下 47分、清水、交代: 三ツ井→粟冠
広島JY 清水エスパルス ジュニアユース 3(2) シュート 4(3) ◎大木、◎三井、○三井、×海野 1(0) 右クロス 4(1) ×大木、×柳沢、○大木、×大木 0(0) 左クロス 2(0) ×和田、×和田 0(0) 右側CK 2(0) ×三井、×三井 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 2(−) ・聖矢、・山下 2(1) ファウル 6(0) ・??、・聖矢、・和田、・??、・??、・粟冠
Jrユース (U-14): 09年05月03日 (日) 15:00開始 Jヴィレッジ No. 2 ピッチ JFA PREMIER CUP 2009 supported by NIKE 対 アンフィニMAKI. FC ※25分ハーフ 天候: 曇り
[前半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (〜22分) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−大木−−−−−−−−−−和田−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−国田−−田中−−−−−− −−矢野−−−−−−−−−−谷津−− −−−−−−成田− 佐々木 −−−−− −−菅井−−近藤−−吉田−− 李−− −−−−−−−−浅川−−−−−−−− アンフィニMAKI. FC
22分、清水、交代: 和田→山下
アンフィニ 清水エスパルス ジュニアユース 3(2) シュート 5(3) ○和田、○聖矢、×大木、×海野、○海野 1(0) 右クロス 2(1) ○大木、×大木 3(0) 左クロス 1(0) ×佐藤 1(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 0(−) 4(0) ファウル 2(0) ・柳沢、・浅沼
[後半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (34〜45分) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−粟冠−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−柳沢−−−−−−−−−−山下−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−成田−−吉田−−−−−− −−−−−−−−田作−−−−−−−− −−矢野− 佐々木 −谷津−−高山−− −−−−菅井−−近藤−− 李 −−−− −−−−−−−−浅川−−−−−−−− アンフィニMAKI. FC (36〜42分)
30分、中央でLB佐藤が空中戦を競り合ったボールが、LBのスペースをカバーしていたLH山下のところへこぼれる。サイドに開きながら山下が受ける間に、FW海野が山下の下がったスペースを狙う動き。そして、山下の縦フィード。相手RBの裏へと海野が抜け出すが、CB吉田も素早くカバー。先にボールに触れて足下に入れ、食い下がる海野と競り合いながら、海野に当ててゴールキックにしようと目論んだ。しかし、中途半端なタッチは勢いが弱く、キックの隙に半身前に出た海野、ゴールライン沿いに粘ってクロスを入れる。ゴール前に走り込んだFW鈴木聖がきっちり決めて、1−0 34分、清水、交代: 大木→粟冠 (粟冠RB、柳沢RH) 36分、アンフィニ、交代: 田中・国田→高山・田作 (3-5-2に変更: 上記参考)
42分、アンフィニ、交代: 矢野→橋詰 43分、スローインを受けたFW吉田に対し、背後からプレッシャーを掛けたCB中村のプレーがファウルと判定され、PA右角から10Mほど離れた位置からアンフィニにFKが与えられた。キッカーは佐々木。右足で巻いた速いボールを入れると、吉田が戻りながらフリーになり、高い打点でヘッド。巧みに勢いを殺してコントロールされたボールが、ゴールに吸収されていった。1−1 45分、清水、交代: 山下→丸山 46分、空中戦で競り合ったCH浅沼が、自ら頭で前に持ち出して右サイドを縦に抜けると、PA手前を通す横パスを入れる。DFを背負ったFW鈴木聖が「これがファウルなんでしょ?」とばかりに前のめりに倒れると、審判は笛を吹かざるを得ない。PA直前18M、右75度。右足で壁を越える蹴るべく三ツ井がボールをまたぐと、すかさず佐藤が壁の外を抜く速いシュートを左足で放つ。壁に当たって勢いは殺されるが、軌道は変わりきらずにゴールに収まった。2−1
アンフィニ 清水エスパルス ジュニアユース 2(1) シュート 6(3) ◎聖矢、×山下、○聖矢、◎佐藤、×聖矢、×聖矢 2(0) 右クロス 2(1) ○柳沢、×柳沢 0(0) 左クロス 3(1) ◎海野、×佐藤、×浅沼 0(0) 右側CK 2(1) ×浅沼、○浅沼 1(0) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 0(−) 5(1) ファウル 7(1) ・山下、・柳沢、・福島、・聖矢、・??、×中村、・福島
[雑感] 選抜チームでの全小出場がなくなったため (中3はサルファスoRs…加瀬澤・白鳥、中2は竜洋FC (浜松))、昨年クラブ選手権に出場した佐藤を除けば、初めてとなる全国大会。ところどころで堅さというか、過度に結果に拘って持ち味を見失う場面が見られたが、追いつかれれば自分たちのペースを取り戻してすぐに突き放す「強さ」を見せて2連勝。明日の午前、2連敗で最下位のグランセナ新潟FC Jrユースに引き分け以上で午後の準決勝に進出という、非常に有利な立場になることができた。
広島戦では早々に先制すると、次の試合のことが頭を掠めたか、チーム全体が守りに入ってしまう。地面に足の裏が付いた状態で対すれば、スピードのある佐藤や中村でも広島のLH神原やFW浅海を抑えるのは難しい。特に広島の主将を務める神原は非常に良い選手で、清水のミスが絡んだ得点場面以外の好機 (09分、42分、43分) は、彼が仕掛けることで生まれていた。中でも16分には、RH和田がRB佐藤に戻したボールが弱かったのをすかさずカット、縦にパスを出してFW浅海が佐藤の裏のスペースに抜けると、内側から寄せてきたCB中村に一度潰されながら、粘ってこぼれ球をシュート。GK石塚の腕を越えるが、シュートの威力が弱く、LB柳沢にカバーされた。厳しいことを言えば、佐藤ならスペースで1対1となる守備側不利の状況でも、相手を止めなければならない。それが佐藤の実力に見合った期待値である。後半、PA内に仕掛けた神原に対し、スライディングでボールを奪った場面は、迫力があった。 後半はこのチームには珍しい守備の1対1でのミスが出て、5分間で敵味方合わせて4点の入る荒れた立ち上がりとなる。しかし、そのたびに攻撃のギアを上げ、すぐに突き放す力強さを見せた。最後は前半早々の失点から全開だった広島の運動量が落ちたため、動き出しが減ってパスが繋がらなくなり、途中交代のCH粟冠が中盤でガンガン跳ね返して逃げ切ることができた。攻撃面では、やはり強力2トップの2人。1点目は鈴木聖が、3点目は海野の仕掛けから生まれているが、どちらもチャンスメイクではなく、自ら点を奪うことを目的とした動きであることが、怖さを生んでいる。実際にゴールを奪った浅沼、大木、三ツ井もチャンスに躊躇することなくシュートを選択しており、このあたりは点取り屋、久保山監督の面目躍如というところだろう。
アンフィニ戦は非常に構えていた広島戦とは逆に、どうも試合への入り方が緩かった。北海道代表と言うことは全国でも結果を残してきたコンサドーレを抑えての出場であり、実際に準決勝でコンサドーレを、決勝で名門SSSを共にビハインドから同点に追いつき、PK戦を勝ち抜いて全国大会出場を決めている。主将の吉田を始め、CB近藤、FW国田など体格の良い選手が多く、1対1の勝負で強引に体をぶつけて優位に立とうとしたところを予想外に粘られ、パスを繋げない場面が目に付いた。広島戦の激闘の疲労色も濃く、守備に回った時には逆にラインがずるずる下がり、ボールホルダーに体を寄せられないことがあった。19分にはFW田中のドリブルへのスライディングでボールが前にこぼれてしまい、RH谷津が単身裏に抜けたが、ファーを狙ったシュートはGK石塚が横っ飛びで枠外に弾き出した。 後半、海野の粘りが相手のミスを誘い、鈴木聖が待望の先制弾。ハーフタイムに気合いを入れ直されたか、競り合いに体を当てに行く激しさが出てきており、その積み重ねが試合を優位に進めていた。後半の被シュートは同点のセットプレー以外では、38分に許したCH佐々木の単発ミドルのみ。微妙な判定でのセットプレーから残り6分で同点に追いつかれても、同じ判定をゴール前で誘い、きっちりワンチャンスをものにした。追い込まれても絶対勝てると自分を信じられる精神力、勝者のメンタリティーは指導者だけで教えられるものではなく、しかしプロになるには必要不可欠な要素である。常にルーズボールに対して食らいつく主将の海野を筆頭に、この日の5発の勝ち越し弾を別々の選手が決めるなど、チーム全体から勝者のメンタリティーを感じることができた。頼もしいチームだ。
2009年05月02日(土) |
プリンス東海 磐田東高校戦 |
09年05月02日 (土) 12:00開始 静岡県草薙総合運動場球技場 JFAプリンスリーグU-18 2009 東海 1部 対 磐田東高校 ※45分ハーフ 天候: 晴れ
[前半] 清水エスパルスユース 控え:○○、犬飼、中原、矢守、進藤、成田、山崎祐、影山、○○ −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−田代− 山崎教 −稲毛−− −−−−−−青木− 伊東渉 −−−−− −−柴原−−−−−−−−−−石原−− −−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−
−−−−−−加藤−−若松−−−−−− − 宇佐美 −−−−−−−−−黒田−− −−−−−−太田−−大石−−−−−− −−寺田−−後藤−−鈴木−−野村−− −−−−−−−−杉原−−−−−−−− 磐田東高校 (〜27分)
23分、磐田東、警告: 宇佐美 24分、RH柴原のドリブルを磐田東LH宇佐美がファウルで止め (警告)、磐田東陣内10Mほど入った位置からフリーキックとなる。キッカーは深澤。PA内から柴原が右サイドに流れるが、深澤はそこを選ばず、PA内に直接蹴り込んだ。するとニアと言えば畑、真っ先に反応すると天才的な空中トラップでボールの勢いを殺し、PA内の右狭いところを縦に持ち出すや、角度のないところから右足シュート!…を山崎教が頭で豪快にゴール天井に突き刺し、1−0 25分、右サイドで奪ったボールを中央で受けたCH青木が、すぐさま縦にクサビを入れる。PA手前、DF2枚に挟まれいていたFW畑が低く浮いたボールを横に落とすと、その内側にLH石原がポジションチェンジして入り込んでいた。石原は寄せるDFの間を右足の甲にボールを置いて抜け出すと、リフティング体勢のまま左足シュート。ボールはGKの左を抜け、ゴールに突き刺さった。2−0
26分、磐田東、交代: 宇佐美→勝田 29分、清水最終ラインのボール回し。CB田代から1枚飛ばしてLB稲毛にパスが出る。稲毛がタッチライン沿いに縦にクサビを入れると、ハーフライン付近までFW畑が下がってきた。と、受けるボールの流れに逆らわぬように体を反転、半身になると同時にヒールで蹴り上げ、ボールを前へ加速。同時に加速したLH石原が縦に抜け、マイナスの速いクロスを入れた。横っ飛びで飛びつくGK、しかし後逸、すかさず体を倒してFW鍋田のボレーはGKが再度横っ飛びして阻止、だが弾いた先にRH柴原。柴原はシュートフェイントを一度入れてGKを倒すと、空のゴールに蹴り込む。3−0
磐田東高 清水エスパルスユース 3(1) シュート 8(8) ○稲毛、◎教史、◎石原、○鍋田、◎柴原、○柴田、○畑、 ○畑 1(0) 右クロス 6(1) ×深澤、◎畑、 ×畑、 ×石原、×柴原、×畑 1(0) 左クロス 2(1) ×石原、○稲毛 0(0) 右側CK 2(1) ○柴原、×柴原 1(0) 左側CK 2(1) ○柴原、×柴原 1(−) 犯OS 0(−) 10(1) ファウル 10(1) ・柴原、・畑、 ・深澤、×田代、・畑、 ・畑、 ・畑、 ・??、・渉、 ・柴原
[後半] 清水エスパルスユース (85分〜) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−矢守−−田代− 山崎教 −中原−− −−−−−−青木− 伊東渉 −−−−− −−柴原−−−−−−−−−−進藤−− −−−−−−影山− 山崎祐 −−−−−
−−−−−−加藤−−山本−−−−−− −−勝田−−−−−−−−−−笹田−− −−−−−−若松−−大石−−−−−− −−寺田−−後藤−−鈴木−−野村−− −−−−−−−−杉原−−−−−−−− 磐田東高校 (73分〜)
45分、清水、交代: 石原→山崎祐 55分、磐田東、交代: 太田→山本 (若松CH、山本FW) 62分、清水、交代: 鍋田→影山 70分、清水、交代: 稲毛→中原 73分、磐田東、交代: 黒田→笹田 78分、清水、交代: 深澤→矢守
84分、磐田東、警告: 寺田 85分、清水、交代: 畑→進藤 (進藤LH、山崎祐FW) 86分、CH伊東渉のスルーパスで抜け出したFW影山を磐田東LB寺田が倒し、警告が与えられる。右サイド際、ゴールラインまで20Mほどある位置からの柴原のFKは、軸足を滑らせてキックミスになるが、ニアのボールを戻りながら野村がクリアし、右CKになる。交代があった後、キッカーは再び柴原。ショートCKを狙って近寄る山崎祐とマークするDFが空けたニアのスペース、そこに柴原が蹴り込むが、反応したのは磐田東DF。しかし、クリアが弱く、こぼれ球を山崎教が抑えて横パス。PA内中央で受けた伊東渉が持ち直してコースをつくり、左足で低いシュートを放つ。密集を抜けてゴール左に突き刺さった。4−0
磐田東高 清水エスパルスユース 1(1) シュート 6(3) ○鍋田、×鍋田、○柴原、×教史、×影山、◎渉 3(0) 右クロス 4(1) ×青木、×影山、×深澤、○矢守 2(0) 左クロス 0(0) 1(0) 右側CK 2(1) ×柴原、○柴原 0(0) 左側CK 2(0) ×柴原、×柴原 0(−) 犯OS 2(−) ・稲毛、・祐也 7(2) ファウル 7(0) ・柴原、・祐也、・鍋田、・柴原、・畑、 ・青木、・影山
[雑感] 主将で10番、鍋田の復帰戦となったこの試合。向かい風の前半のうちに3点を奪って勝負を決めると、後半は1年生を多数起用する余裕を見せ、4−0で完勝。待望の初勝利を挙げ、残留争いから一歩抜け出した。
鍋田の復帰が最大のトピックではあるが、戦術的には柴原をCHからRHに動かし、鉄壁を築いてきたゴール前4人のブロックを崩したのが大きい。鍋田に加えてもう一つ、前線の起点が増えたことを意味するが、同時に自ら「安定」を手放したことがどう働くか。CHで代わりを務めるのは1年生、伊東渉。ベンチには成田、犬飼も復帰。また山田もベンチ入りこそまだだが会場に顔を出し、得意の「声」で試合を盛り上げていた。調整の遅れている柏瀬を除けば、まずまず戦力が揃ってきたと言えるだろう。先発は3年生6人、2年生4人、1年生1人。
結果として、4人のブロックは問題なく機能。今まで個々の守備における1対1での強さが、そのままブロックとしての強さになっていたのだが、伊東渉は終盤まで前線に絡み続けた運動量だけでなく、ボールを受ける前や直後のフェイントでマークを外すのが上手く、1対1でも全く見劣りしなかった。本当の試金石は次節以降だろうが、1年生でプレッシャーの厳しいポジションでこれだけできたのは、自信を持てる結果だろう。他の3人は変わらず盤石。空中姿勢に難のあった田代が、ここに来てボールの反発力に頼ることなく自らの力で弾けるようになってきており、成長の跡が感じさせる。 一方、鍋田や柴原の働きも大きく、特に鍋田はボールを持つだけでなく常に動きに狙いがあり、しかし自らシュートを撃つのを第一の選択にしているので、怖さがありながら的を絞りにくい。鍋田を信頼して味方が鍋田を追い越して飛び出すので、鍋田のスルーパスから畑の浮き球コントロール、柴原のドリブル、石原のフリーランが生きる。鍋田としては柴原のゴールに繋がった29分、そしてRB深澤のプレスと連動して自ら奪い、RH柴原に預けて飛び出すと、柴原の浮き球のスルーパスをダイレクトボレー (枠外) に行った55分と、2つの決定機は決めたかっただろうが、上々の復帰戦だった。
ただ、序盤からゴール前のブロックで試合を支配しながら、24分にセットプレーで先制するまでは開始直後の1分、FW鍋田がLH宇佐美に倒されて得たFKに、鍋田のキックから稲毛がダイビングヘッドを放ったシュート1本のみ。SBが殆ど上がらず、SHがSBの外側のスペースをケアして6バック+2ボランチで守る磐田東を、攻め倦ねていた。前節の藤枝明誠戦にしても、ジュビロ磐田−藤枝東戦、ジュビロ磐田−静岡学園戦にしても、セットした状態の相手をいかに崩すかというのは、この年代のチームが抱える共通の課題になっている。この試合では数人に囲まれながら無理矢理前を向いてシュートを撃とうとする鍋田の頑張りが目を引いたが、そこから鍋田と周囲が連動し、どのようにチーム戦術として昇華していくのか、今後に期待したい。
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