2009年04月25日(土) |
プリンス東海 藤枝明誠高校戦 |
09年04月25日 (土) 14:15開始 藤枝総合運動公園サッカー場 JFAプリンスリーグU-18 2009 東海 1部 対 藤枝明誠高校 ※45分ハーフ 天候: 雨
[前半] 清水エスパルスユース 控え:瀧川、溝口、矢守、進藤、酒井、伊東渉、鍋田、柏瀬、山崎祐 −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−中原−−田代− 山崎教 −稲毛−− −−−−−−青木−−柴原−−−−−− −−深澤−−−−−−−−−−石原−− −−−−−− 畑 −−影山−−−−−−
−−−−−−原口−−安東−−−−−− −−鈴木−−−−−−−−−−小川−− −−−−−− 辻 −−小川−−−−−− −−八木−−藤原−−増田−−山本−− −−−−−−−−甲斐−−−−−−−− 藤枝明誠高校
34分、CB山崎教のGK長島へのバックパスミスで招いた明誠の右CKを凌ぎ、ゴールキックに。ハーフライン付近で明誠が跳ね返すと、こぼれを拾ったFW原口が前にクサビを入れる。FW安東がPA右角手前でDFを背負ってキープ、ターンするや後方からRH小川が追い越し、入れ替わって裏に抜けた。スピードに乗って1対1、GKの上を狙い、長島の手を弾きつつ、ゴールに収まる。0−1
藤枝明誠 清水エスパルスユース 3(1) シュート 1(1) ×教史 2(0) 右クロス 4(0) ×影山、×石原、×中原、×影山 4(1) 左クロス 1(0) ×石原 2(0) 右側CK 2(0) ×柴原 2(0) 左側CK 0(0) ×柴原 1(−) 犯OS 2(−) ・柴原、・畑 7(0) ファウル 9(1) ・畑、 ・深澤、・石原、・深澤、×石原、・影山、・柴原、・畑、 ・柴原
[後半] 清水エスパルスユース (74分〜) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−田代− 山崎教 −稲毛−− −−−−−−青木−−柴原−−−−−− − 伊東渉 −−−−−−−− 山崎祐 − −−−−−− 畑 −−柏瀬−−−−−−
−−−−−−阿部−−安東−−−−−− −−鈴木−−−−−−−−−−小川−− −−−−−− 辻 −−小川−−−−−− −−八木−−藤原−−増田−−山本−− −−−−−−−−甲斐−−−−−−−− 藤枝明誠高校 (78分〜)
45分、清水、交代: 中原→山崎祐 (深澤RB、山崎祐RH) 50分、清水、警告: 田代 59分、清水、交代: 影山→柏瀬 74分、清水、交代: 石原→伊東渉 (伊東渉RH、山崎祐LH) 78分、明誠、交代: 原口→阿部
藤枝明誠 清水エスパルスユース 6(2) シュート 1(0) ×深澤 1(0) 右クロス 1(1) ○深澤 1(1) 左クロス 1(0) ×柏瀬 2(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 0(−) 3(0) ファウル 7(3) ×祐也、×田代、・柴原、・青木、・柏瀬、×青木、・渉
[雑感] 前半34分、見事な連携での速攻で失点すると、その直後こそ積極的な動きでの反発を見せたが、時間が経つにつれて尻つぼみの内容に。得点の予感が生まれないまま、初黒星を喫した。
期待の1年生FW柏瀬と、主将のFW鍋田がベンチに復帰。豪雨での悪コンディションでの試合となり、長期の怪我で苦しんできた鍋田を出場させるのは難しそうだが、前節のようなベンチにFWのいないスクランブルは回避された。一方でLH成田がベンチからも外れたため、前節の成田交代後と同じ中原RB、深澤RH、石原LHでサイドを構成する。前節は中原しかベンチに上級生フィールドプレイヤーがいなかったのだが、今節も鍋田1人のみ。そもそも上級生のフィールドプレイヤーが12人しかいないのだから、仕方がない。1年生が早く計算できるようになってほしいものだ。先発は3年生5人、2年生5人、1年生1人。
前半は一進一退の攻防が続いた。明誠は前節の橘のように自分たちのスタイルに拘るというのがなく、サッカーを勉強していて戦術的な応用力がある印象。CH辻の状況判断が良く、FWは長身の安東の回りをキープ力のある原口がよく動いてパスを引き出す。両サイドはスピードがあり、SBは守備に強いが、長い距離を走って攻撃に絡むこともある。詰まったらサイド攻撃を基本に、ハイボールや裏への放り込みもしてきたが、清水のCBの山崎教・田代とCHの青木・柴原で築く、ゴール前のボックスは強固だった。ドリブル勝負の橘相手だけでなく、安東の空中戦などを絡める明誠の攻撃にも十分以上に渡り合えたのは自信になるだろう。ミドルとセットプレー絡み以外でシュートを許したのは、34分の失点と、その直後のLH鈴木のクロスにRH小川のダイビングヘッドを許した場面 (GK長島がCKにディフレクト) のみだった。 しかし、この試合の2/3近くはリードされた状況である。同点ならともかく、負けている以上、守っているだけでは評価できない。一方、明誠は後半、後方の守備組織は崩さずに、ロングボールやサイドでの単独ドリブルの回数を増やして枚数を掛けずに攻撃するよう切り替えており、リードしている状況に相応しい戦い方をしていた。リスクを考えたサッカーをしている相手を抑えたところで、負けている自分たちが決定機どころかシュートすら撃てていないのだから、完敗と言わざるを得ないだろう。それもボールを大切にするあまり、強引なシュートを自重したのならともかく、シュートを撃てる位置までボールを運べなかったのだから。
具体的に言えば、前述の山崎・田代・青木・柴原のブロック、ここでボールを奪えるのだが、奪った後の展開に課題がある。畑や影山、石原あたりが元気なうちはスペースに動き出してパスを引き出すのだが、パスを受けた後、単独で突破を図ったり、キープして後方4人のブロックが押し上げるまで時間を稼ぐことができなかった (明誠のSH、特に鈴木が強力なせいもあるが、SHをサポートすべきSBの攻撃参加も少なかった)。後半、4人のブロックのうち柴原を意図的に前目に置き、前線への繋ぎの位置でキープさせるように修正した。しかし、疲労のためか動き出しが遅く、ならばと1年生を投入したが、パス&ゴーの「ゴー」の意識が弱いため、パスを受けた柴原がキープして相手を引き寄せてるのに、相手の空けたスペースに飛び出さずにリターンを待ってしまい、展開が前に加速しなかった。 清水の唯一の好機は78分、左サイドでFW柏瀬とLH山崎祐で仕掛けるも上手くいかず、CH柴原を経由して戻したボールをCH青木が綺麗なサイドチェンジ。スペースにRB深澤がフリーで駆け上がり、トラップから状況をよく見てアーリークロス。ファーで柏瀬がフリーになるが、山崎祐と重なってしまい、ゴールを向けずにシュート未満のヘディングになった場面。一方の明誠は75分、右サイドでキープするFW安東に何を油断したか、中央に送った緩いグラウンダーのパスに誰も反応せず。PA内ニアでフリーのRH小川が反応するも、ビックリしたか当たり損ねでシュート未満になった場面。とはいえ、明誠はミドルや長距離のFKでも鋭いシュートを放っており、リスク管理しつつ攻撃面でも優位に立っていたと言えるだろう。
後半の好機の場面を見ても、相手のミスに頼らずに得点を生み出すには、4人のブロック全体が押し上がる状況にならないと難しい。4人のブロックを押し上げるには、前線で押し上げる時間を稼がなかればならない。それだけのキープ力を持つのは柴原。柴原が前線に絡むには、4人のブロックが押し上がる必要がある。そのためには…、という堂々巡り。柴原をFWにする、というのも一つの解法なのだが、せっかく安定しているブロックを崩して大丈夫なのか、という不安が伴う。やはり、今の前線のメンバーで何とか奮起してもらいたいものだ。「鍋田」という回答が出る前に。
2009年04月18日(土) |
プリンス東海 常葉橘高校戦 |
09年04月18日 (土) 12:00開始 静岡県草薙総合運動場球技場 JFAプリンスリーグU-18 2009 東海 1部 対 常葉学園橘高校 ※45分ハーフ 天候: 曇
[前半] 清水エスパルスユース 控え:久保田、溝口、中原、矢守、伊東渉、伊藤直、進藤、酒井、山崎祐 −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−田代− 山崎教 −稲毛−− −−−−−−青木−−柴原−−−−−− −−石原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−− 畑 −−影山−−−−−−
−−−−− 富ヶ原 −渡邊−−−−−− −−−−梅原−−−−−−中村−−−− −−−−−−松下− 小野寺 −−−−− −−清野−−石川−−浦山−−提坂−− −−−−−−−−芹澤−−−−−−−− 常葉学園橘高校
09分、橘、警告: 石川 12分、清水、警告: 稲毛
常葉橘高 清水エスパルスユース 3(1) シュート 1(1) ○成田 3(0) 右クロス 6(1) ×深澤、×石原、○深澤、×石原、×柴原、×石原 1(0) 左クロス 7(1) ×成田、×柴原、×稲毛、×成田、○畑、 ×稲毛、×稲毛 1(0) 右側CK 0(0) 2(0) 左側CK 1(0) ×柴原 0(−) 犯OS 2(−) ・畑、 ・稲毛 7(2) ファウル 11(1) ・柴原、・影山、・柴原、×稲毛、・深澤、・成田、・青木、・石原、・成田、・深澤 ・影山
[後半] 清水エスパルスユース (70〜86分) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−中原−−田代− 山崎教 −稲毛−− −−−−− 伊東渉 −柴原−−−−−− −−深澤−−−−−−−−−−石原−− −−−−−− 畑 − 山崎祐 −−−−−
−−−−−−提坂− 久保山 −−−−− −−− 富ヶ原 −−−−−中村−−−− −−−−−−松下− 小野寺 −−−−− −−清野−−石川−−浦山−−梅原−− −−−−−−−−芹澤−−−−−−−− 常葉学園橘高校 (54分〜74分)
45分、橘、ポジションチェンジ: 梅原LB、富ヶ原OH、提坂FW 54分、橘、交代: 渡邊→久保山 59分、清水、交代: 青木→伊東渉 61分、清水、交代: 成田→中原 (中原RB、深澤RH、石原LH) 70分、清水、交代: 影山→山崎祐 74分、橘、交代: 提坂→坂口 86分、清水、交代: 石原→矢守 90+1分、清水、警告: 柴原
常葉橘高 清水エスパルスユース 6(3) シュート 1(1) ○柴原 5(3) 右クロス 1(1) ○石原 4(0) 左クロス 4(0) ×稲毛、×成田、×柴原、×稲毛 0(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 3(−) ・石原 ・成田、・石原 2(0) ファウル 9(3) ・石原、・畑、 ・影山、・畑、 ・深澤、×深澤、・渉、 ×柴原、×祐也
[雑感] グランパスの海外遠征のため、1週遅れで始まった清水のプリンスリーグは、不完全燃焼のままスコアレスで緒戦を終えた。
3年生7人、2年生7人、1年生11人の25人と、少数の上に学年構成も偏っている今年の清水。鍋田・山田・柏瀬・犬飼が怪我などでベンチ外、GK瀧川を除いて出場できる全選手がベンチ入りという異常事態だ。GK久保田と中原以外、控えが今年高校生になったばかりの1年生というのは、いかにも苦しい。先発こそ3年生5人、2年生5人、1年生1人という構成だったが、終了時には3年生4人、2年生4人、1年生3人となり、時間が経って疲労が蓄積されるにつれ、厳しいベンチワークを強いられた。また、禿げ上がった部分が散見されるほどピッチ状態が悪く、審判は20回も清水にファウルの笛を吹くなど競り合いに厳しく、しっかり足下で止めて蹴る、大榎サッカーを展開しづらい外的環境も災いした。
立ち上がりの10分は一進一退の攻防が続いたものの、時間が経つにつれて青木、柴原のダブルボランチの支配力が効果を発揮。体格が良い上にボディバランスに長け、足が伸びてくる青木は、対地対空ともに自分の後背への進入を許さない。柴原は機動力が高く、ルーズボールを素早くマイボールにする足下のテクニックについては、今さら言うまでもないだろう。2人がしっかりボールをキープするのでSBも上がりやすく、青木がバランス良くパスを左右に配給、前半だけで13本のクロスを入れたが、シュートに結びつかなかった。成田が中央に入ってきてヘディングを放った32分の場面など、攻撃を厚くする工夫もあったのだが、今後もっと洗練させていく必要があるだろう。 このコンビを崩したのは、大榎監督だった。59分という早い時間で、青木に代えて1年生の伊東渉を投入。待って弾く青木ではなく、機動力の高いコンビで前からボールを奪い、前半少なかった中央からの仕掛けを増やし、ひいてはボールをキープではなくシュートに行くようにとの意図だったのだろう。しかし、伊東渉自身は悪くなかったのたが、徐々にチーム全体の運動量が落ちてボールを支配できなくなり、柴原が中盤の底で体を張るため前に出て行けないという、本末転倒の状況に陥ってしまった。そうした状況ですら柴原は82分、CB田代の奪ったボールを受けて中盤の底からロングフィード、FW山崎祐がDFラインの裏に飛び出すと左に流れ、LH石原が中継に入って長い距離を走った柴原が中央、ドリブルでDFに突っ込みつつシュートを放ったが、GKに抑えられた。しかし、このプレーで体力を使い果たしたか、89+1分に自分が奪われたボールを奪い返すべくファウルを犯し、チームとしても非常に痛いイエローカードを受けてしまった。
一方、FWは交代も制限されるほどやりくりが苦しかった。主将の鍋田は長期離脱中、練習試合でスタメンを張ってきた柏瀬が直前に怪我をし、残った2人…畑と影山が2トップを組む。畑は爆発的な瞬発力を生かした意外性、影山は走力を生かした裏への走り込みが武器の選手。それ故に消耗が激しく、次第にパスを引き出す動きを失い、せっかくボールを奪っても前線に当てられず、サイドに展開してそこで攻撃が手詰まりになっていた。良くも悪くも思いっきりの良い成田ならともかく、後半のSHを務めた石原・深澤は連携で崩すタイプであり、稲毛と中原は攻撃面のアイデアよりも守備の強さが魅力のSB。どうもちぐはぐとした印象を受けた。 一方、CBは盤石。橘が清水にボール支配を奪われてもなお、単純にロングボールをPA内や最終ラインの裏に放り込んだりしなかったことも、2人には幸いした。橘はFWがサイドに流れてロングボールを受け、パスが通ればPA横で起点をつくり、OHやSBも絡んでゴールに向かって斜めにドリブルで持ち込んで、積極的にミドルシュートを狙うスタイル。2人はドリブラーに強い清水DFの伝統を引き継ぎ、単純な1対1の勝負で後れを取ることはなかった。シュート数で橘が大きく上回る試合になったが、後半30分を過ぎるまではセットプレーとミドルシュートのみだったことが、それを証明している。ただ最後の15分間はシュート4本、クロス6本を浴びるなど完全に後手に回り、85分にはLB稲毛のクサビをLH石原が反応できずにDH小野寺に奪われ、右に捌いてRB梅原のクロスにニアへOH中村に突っ込まれる (枠外) 決定機をつくられている。90+3分のラストプレーでは、小野寺のフリーキックから松下のヘッドがバーを叩く場面もあった。
課題が山積みなのは紛れもなく事実。だが同時に、伸びしろがあるのも事実。課題を解決するのは簡単なことではないが、チームの成長に期待したい。
2009年04月11日(土) |
Jrユース: 練習試合 川崎フロンターレ戦 |
Jrユース: 09年04月11日 (土) 12:30開始 鈴与三保グラウンド 練習試合 対 川崎フロンターレ U-15 ※35分×3本+20分 天候: 晴れ
[1本目] 清水エスパルスJrユース −−−−−−−−八谷−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−江井−−佐藤−− −−−−−−石毛−−白井−−−−−− −−水谷−−−−−−−−−−浅沼−− −−−−− 加瀬澤 −海野−−−−−−
−−−−21−−12−−11−−−− −−−−−−07−−23−−−−−− −−−−−−−−14−−−−−−−− −−03−−13−−24−−25−− −−−−−−−−16−−−−−−−− 川崎フロンターレ U-15
02分、川崎が裏のスペースにフィードしたボールをCB中村がカバーに入るが、トラップミス。フィードに反応していたFW21番が、転倒した中村を尻目にフリーでシュート。しかし、GK八谷が至近距離のシュートを見事にブロック。が、リバウンドに再び21番が反応し、空のゴールに蹴り込む。0−1 31分、川崎GKのフィードを中村がヘッドで跳ね返すと、引いてきたFW加瀬澤がリフティングで受けて、ターンから左スペースにパスを送る。反応して飛び出したFW海野、内側ゴールへの進路をDFに塞がれて暫し足を止めて対峙するが、急加速からゴールライン沿い「裏街道」を抜けて突破、GKが飛び出したところに中央へパスを戻すと、遅れて飛び込んできたLH浅沼がゴール、1−1
川崎U-15 清水エスパルスユース 5(5) シュート 5(2) ×石毛、×加瀬、◎浅沼、×海野、○水谷 2(0) 右クロス 4(0) ×柳沢、×水谷、×水谷、×白井 2(0) 左クロス 0(0) 2(0) 右側CK 1(0) ×石毛 0(0) 左側CK 2(0) ×石毛、×石毛 1(−) 犯OS 2(−) ・海野、・加瀬 2(1) ファウル 1(0) ・柳沢
[2本目] 清水エスパルスJrユース (16分〜) −−−−−−−−斉藤−−−−−−−− −−柳沢−−杉山−−江井−−中村−− −−−−−−石毛−−浅沼−−−−−− −−勝又−−−−−−−−−−佐藤−− −−−−−−海野− 鈴木聖 −−−−−
−−−−21−−12−−11−−−− −−−−−−07−−23−−−−−− −−−−−−−−14−−−−−−−− −−03−−13−−24−−25−− −−−−−−−−16−−−−−−−− 川崎フロンターレ U-15
04分、PA左角手前でポストに入ったFW鈴木聖が左サイドにパスを流すと、加速してきたLH佐藤が縦に抜ける。細かいドリブルタッチでボールをコントロールし、十分に抉り、しかし相手が寄せきる前のタイミングで速い左クロス。PA中央、FW海野の飛び込みは…合わず。しかし、右サイドでRH水谷が右足を丁寧に合わせると、クロスの勢いそのままに逆サイドネットへと跳ね返った。1−0 15分、川崎は右サイドでRB25番が佐藤と1対1となる状況をつくりだすが、佐藤は突破を許さず、右CKとなる。キッカーの03番はショートコーナーを選択し、リターンを受けて角度を付けると、利き足の左足でインスイングのクロスを入れた。GK斉藤が飛び出すが中央で触ることができず、ファーポスト前でフリーになっていた24番が、落ちてきたボールに頭を合わせた。1−1 16分、清水、交代: 水谷→勝又
26分、自陣中盤で奪ったCH石毛が、速いグラウンダーのパスでGK斉藤にボールを戻す。相手FWのプレッシャーのない状況で、斉藤は味方にラインの押し上げを指示。動き出しを見て一気に前線にフィードすると、海野が走り出す。追走するDFに対して、一度減速して再加速するスピードの変化で引き剥がすや切り返し、PA中央に小さくパスを送った。そこへ海野に負けないスピードで飛び込んだ佐藤、勢いのままにゴールへ突き刺し、2−1 33分、自陣でボールをキープしたCB江井、ノープレッシャーのまま前に出ながらロングフィード。左サイドに抜け出た佐藤がトップスピードに。ゴールライン際で急停止、右に切り返すや即座に再び左、マークを外して左足でマイナスのクロスを入れる。それに対しニアに走り込んだ鈴木聖、なお相手より外側にいたが、上半身でDFを抑えつつ右足を伸ばす。そして、アウトサイドボレー。GKの寄せきれない空のニアサイドに蹴り込み、3−1
川崎U-15 清水エスパルスユース 6(5) シュート 3(3) ◎水谷、◎海野、◎聖矢 4(0) 右クロス 3(1) ×聖矢、○柳沢、×水谷 1(1) 左クロス 4(2) ◎佐藤、×石毛、×佐藤、◎佐藤 2(0) 右側CK 2(0) ×佐藤、×佐藤 1(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 0(−) 4(0) ファウル 1(0) ×斉藤
[3本目] 清水エスパルスJrユース −−−−−−−−八谷−−−−−−−− −−三田−−杉山−−福島−−稲葉−− −−−−−−勝又−−白井−−−−−− −−渡邉−−−−−−−−−−小林−− −−−−− 加瀬澤−鈴木聖 −−−−−
−−−−10−−06−−15−−−− −−−−−−25−−22−−−−−− −−−−−−−−23−−−−−−−− −−07−−24−−05−−25−− −−−−−−−−16−−−−−−−− 川崎フロンターレ U-15
04分、川崎がDFラインでのパス回しでトラップミスを犯す。前に転がってきたボールを拾ったCH勝又が、位置の高いGKの頭上を越えるロビングでの20Mミドルシュート。空のゴールにすっぽり決まり、1−0
川崎U-15 清水エスパルスユース 2(1) シュート 3(1) ◎勝又、×加瀬、×渡邊 1(0) 右クロス 1(0) ×三田 4(0) 左クロス 4(0) ×小林、×小林、×小林、×稲葉 1(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 1(−) ・聖矢 0(0) ファウル 1(0) ・加瀬
[4本目] 清水エスパルスJrユース (16分〜) −−−−−−−−斉藤−−−−−−−− −−三田−−福島−−稲葉−−岩間−− −−−−−−水谷−−勝又−−−−−− −−島村−−−−−−−−−−白鳥−− −−−−− 小柳津 −渡邊−−−−−−
−−−−14−−21−−06−−−− −−−−−−25−−22−−−−−− −−−−−−−−24−−−−−−−− −−03−−13−−05−−11−− −−−−−−−−16−−−−−−−− 川崎フロンターレ U-15
03分、川崎のPA内突破に対してCB稲葉がカバーに入り、左CKに。14番が右足で蹴ったインスイングのボールは清水DFに当たってファーに流れ、今度は右からのCKとなる。ショートコーナーこそ使わなかったが、2本目の失点と同様に5番が左足で入れたインスイングのボール、それに対して2本目同様、ファーポスト前で6番がフリーになっており、ヘディングを決められた。0−1 14分、清水PA内でルーズになっていたボールを、相手を背負う形でキープしようとした稲葉が転倒。詰めてきたOH22番にボールを取られまいと、倒れたまま背後から足を伸ばして絡めるが、それをファウルにとられ、PKが与えられる。22番が左隅に蹴り込み、0−2
川崎U-15 清水エスパルスユース 7(6) シュート 1(1) ○白鳥 3(0) 右クロス 1(0) ×島村 1(0) 左クロス 2(0) ×渡邊、×岩間 2(1) 右側CK 0(0) 3(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 1(−) ・小柳 0(0) ファウル 2(2) ×島村、×稲葉
[雑感] U-14がプレミアカップ全国大会出場を決めた1週間後に行われた、川崎フロンターレとの練習試合。当初はU-15とU-14に分かれて試合を行う予定のはずが、いつの間にか試合はU-15のみ、U-14は10時からU-13と合同練習となっていた。果たして、中2チームから中村 (20)、柳沢 (22)、浅沼 (23)、鈴木聖 (24)、海野 (27) の5人を昇格させ、35分×3本+20分と充実の試合を組むことになった (( )内は背番号)。先週結果を出した中2チームが上の世代にどのように刺激するかを注目していたが、5人全員が主力組の1本目・2本目に登場。浅沼・鈴木聖が1ゴール、海野が2アシスト、また早生まれでU-14チームに参加していた佐藤は1ゴール2アシストと結果を出し、ミスもあったが中村・柳沢も遜色ない守備を見せ、大会を通じて得た自信の大きさを感じさせた。
主力組では加瀬澤の評価が難しい。運動量も豊富な加瀬澤は、ピッチにいれば最もボールを受ける回数の多い選手になるのだが、なまじ単独で局面を打開できる能力があるだけに、周囲が絡みにくい傾向がある。能力的には加瀬澤より下でも、海野は味方の厳しいパスにも常に反応して体を張る責任感があり、鈴木聖は使われる動き…DFの間にポジショニングしてパスを受け、簡単にパスを返して自らはゴール前に走り込む動きがある。すると、このチームの強み、石毛と白井のダブルボランチが生きやすいのだ。白井は自らドリブルで仕掛け、前に出ながらパスを捌くようになり、怖さが出てきた。そして、何と言っても石毛。相手のプレスを足裏などを使って交わしつつ、そうして生まれた隙を使って急所にパスを出す、そのセンスは別格。インサイドキック一つ見ても高いレベルで基礎を身につけており、昨年、上の学年で揉まれた経験が生かされているようだ。石毛と同じU-15代表候補の八谷も、クロスへの対応一つ見ても基礎レベルが高く、今年のJrユースのストロングポイントとなるだろう。
控え組中心となった3本目、4本目は、このチームの悪い面を引きずっていた。単独突破ばかりで展開が単調で、相手に読まれやすい。チーム戦術だけでなく、個人戦術を見てもパスを受ける前や後の動き出しが乏しいため、ドリブルできるかできないかの二択に自ら選択を狭めてしまっている感がある。特に3本目は中央のラインはなかなか強力で、試合を支配していたのにも関わらず、サイドにパスを捌いた後に展開が遅くなり、結局はシュートに至る前にドリブルを潰されることが多かった。 先週の記事でも書いたが、メンバーを固めて結果に拘るのは、ここ最近のユース、Jrユース全体の傾向である。今回も、出場した順に江井・佐藤・石毛、八谷・白井・加瀬澤、水谷、杉山、斉藤、勝又、三田・福島・稲葉・渡邊・小林、岩間・島村・白鳥・小柳津と、序列を明確にしていた。最初の江井・佐藤・石毛は去年のJrユースの公式戦で出場機会を当てられた選手であり、続く八谷・白井・加瀬澤もJrユースの練習に合流、一方で一部の選手は最後の4本目、20分間しか出場機会を与えられなかった。非情であるが、プロに繋がる下部組織とはそういうものである。そうした中、3・4本目まで出場できなかった福島が、プレミアカップ東海大会で培った自信を感じさせるプレーを披露。今は低評価に甘んじている選手の反発力に、期待したい。それは、プロとして必要不可欠な要素であるから。
2009年04月05日(日) |
Jrユース (U-14): プレミア東海 内部中・岐阜VAMOS・名古屋グランパス戦 |
Jrユース (U-14): 09年04月04日 (土) 11:00開始 長良川球技メドウ JFA PREMIER CUP 2009 東海大会 対 四日市市立内部中学校 ※30分ハーフ 天候: 曇り時々雨
[前半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−大木−−−−−−−−−−和田−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−17−−25−−−−−− −−22−−−−−−−−−−11−− −−−−−−14−−07−−−−−− −−13−−09−−05−−16−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 四日市市立内部中学校
内部中学 清水エスパルス ジュニアユース 1(1) シュート 10(7) ○三井、○大木、○聖矢、×聖矢、×和田、×聖矢、○大木、○大木、○海野、○海野 0(0) 右クロス 11(2) ×大木、×大木、×柳沢、×大木、×大木、○大木、×柳沢、×大木、○大木、×大木 ×柳沢 0(0) 左クロス 3(1) ×聖矢、×和田、○聖矢 0(0) 右側CK 1(1) ○三井 0(0) 左側CK 2(0) ×三井、×三井 0(−) 犯OS 0(−) ・聖矢 1(0) ファウル 4(0) ・柳沢、・柳沢、・海野、・聖矢
[後半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (47〜58分) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−和田−−−−−−−−−−山下−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−17−−23−−−−−− −−22−−−−−−−−−−11−− −−−−−−14−−07−−−−−− −−13−−09−−05−−16−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 四日市市立内部中学校 (30〜46分)
30分、内部、交代: 25→23 36分、中盤で大木の右スローインを受けたCH浅沼が、浮き球でクサビを入れる。パス進路に入ったFW海野、ヒールで更に浮かせて前に流すと、FW鈴木聖がボールを抑えようとしていたDFの間に強引に上半身を潜り込ませ、ボールを前に掻き出すやPA内右に突破。前を塞いだ相手に対し、右足のヒールを使って左に切り返し、GKの位置を見て左足でゴール右、ニアの狭いところへ突き刺す。1−0 39分、LB佐藤が入れたグラウンダーのクサビを海野がシンプルに左へ捌き、受けたLH和田がドリブルを開始。快速を飛ばして縦に抜け、切り返して右足で中央へ斜めのパスに海野がPA左に走り込むが、シュートはミートせず。しかし、ファーに外れたボールにRH大木がタッチライン沿いで追いつき、中央に返すとフリーで立っていた鈴木聖がごっちゃんする。2−0
43分、内部中のゴールキックをCH三ツ井が跳ね返すと、反応した大木が縦をブチ破る。サイドを抉って上げた滞空時間の長いクロスを、飛び込んだ海野が高い打点でヘッドで叩き込んだ。3−0 46分、内部、交代: 22→02 47分、鈴木聖が中央でRB柳沢のクサビを受け、右サイドスペースへスルーパスを送る。抜け出した大木がマイナスの緩いクロスを入れると、中央で海野が高く飛ぶが合わず。しかし、ファーにまで流れたボールに、長い距離を走った和田が助走の勢いのまま、ゴールに突き刺す。4−0 47分、清水、交代: 大木→山下 (和田RH、山下LH)
58分、清水、交代: 福島→粟冠 59分、内部中のクリアをカットした浅沼が、そのまま中央を割るスルーパス。加速した鈴木聖がDFを置き去りに独走。後は飛び出したGKを見て横にパスを流し、追いついた海野が空のゴールへ蹴り込むだけ。5−0 60+1分、清水、交代: 海野→丸山 (丸山LH、山下FW)
内部中学 清水エスパルス ジュニアユース 0(0) シュート 11(10) ○聖矢、○大木、◎聖矢、◎聖矢、◎海野、◎和田、×柳沢、○和田、○山下、○聖矢 ◎海野 0(0) 右クロス 5(3) ○大木、◎大木、×大木、◎大木、×和田 0(0) 左クロス 5(1) ○和田、×山下、×山下、×山下、×山下 0(0) 右側CK 1(1) ×三井 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 1(−) ・海野 1(0) ファウル 5(1) ・大木、×中村、・聖矢、・浅沼、・山下
Jrユース (U-14): 09年04月04日 (土) 15:00開始 メモリアルセンター陸上競技場 JFA PREMIER CUP 2009 東海大会 対 岐阜VAMOS ※30分ハーフ 天候: 雨
[前半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−大木−−−−−−−−−−和田−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−−−11−−−−−−−− −−08−−10−−06−−09−− −−−−−−−−17−−−−−−−− −−15−−12−−03−−02−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 岐阜VAMOS (〜21分)
12分、鈴木聖のドリブル突破から得た右CK。三ツ井の蹴った速いボールはカットされ、PA手前付近で拾った浅沼のシュートはゴールを阻まれ、再び右CKとなる。三ツ井、今度は緩いボールを中央に入れると、中央の海野が力強く頭を合わせ、先制する。1−0 15分、VAMOSのOH10番が左サイドでキープ、ヒールキックで戻したボールをCH浅沼に掠われる。浅沼の1本のパスでFW鈴木聖が不揃いのDFラインの裏に抜け、俊足を維持したままGKとの1対1を沈める。2−0 21分、VAMOS、交代: 09→07
岐阜VAMOS 清水エスパルス ジュニアユース 5(2) シュート 6(5) ×海野、○浅沼、◎海野、◎聖矢、○和田、○海野 0(0) 右クロス 6(1) ×三井、×聖矢、×浅沼、×聖矢、×大木、○柳沢 3(0) 左クロス 4(0) ×海野、×佐藤、×三井、×三井 1(0) 右側CK 4(1) ×三井、×三井、◎三井、×三井 0(0) 左側CK 1(0) ×浅沼 0(−) 犯OS 2(−) ・柳沢、・和田 0(0) ファウル 3(0) ・柳沢、・??、・中村
[後半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (53分〜) −−−−−−−−朝倉−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−粟冠−−菊池−− −−−−−−太田−−望月−−−−−− −−和田−−−−−−−−−−丸山−− −−−−−−大木−−山下−−−−−−
−−−−−−21−−11−−−−−− −−22−−−−10−−−−09−− −−−−−−−−17−−−−−−−− −−15−−14−−03−−02−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 岐阜VAMOS (53分〜60+1分)
30分、清水、交代: 海野→山下 (和田RH、山下LH、大木FW) 31分、自陣高い位置からCB中村のロングフィードで抜け出したFW大木、健脚で駆けるとPA内で左に切り返して狙いを澄まし、踏み込んだところを更に右足に持ち替えてゴール左へ流し込む。3−0 32分、LB佐藤のプレスでこぼれたボールを、CH三ツ井が早いテンポで縦に送る。DFを背負った大木、小柄ながらしっかり腰を入れて相手を押し出し、裏に抜けたボールにいち早く反応して追いつくと、PA内右からゴール左に流し込む。4−0 33分、VAMOS、交代: 07→09
46分、清水、交代: 福島→粟冠、鈴木聖→丸山 (丸山LH、山下FW) 48分、清水、交代: 三ツ井→望月 50分、VAMOS、交代: 08→22、06→21 (4-1-3-2に変更: 21FW) 53分、清水、交代: 石塚→朝倉、佐藤→菊池、浅沼→太田 53分、VAMOS、交代: 01→16、12→14 55分、VAMOS陣内で相手パスミスをカットしたCH太田、顔を上げると左60度の位置から35Mロングシュートを放つ。代わったばかりのGKの腕を越えると、緩くインに掛かった速いボールが綺麗に落ちてゴールへと収まった。5−0 60+1分、VAMOS、交代: 10→06
岐阜VAMOS 清水エスパルス ジュニアユース 5(1) シュート 4(4) ◎大木、◎大木、○柳沢、◎太田 0(0) 右クロス 1(0) ×柳沢 0(0) 左クロス 3(0) ×山下、×丸山、×佐藤 0(0) 右側CK 2(0) ×三井、×山下 2(0) 左側CK 1(0) ×浅沼 0(−) 犯OS 3(−) ・聖矢、・聖矢、・山下 2(0) ファウル 4(0) ・粟冠、・大木、・山下、・大木
Jrユース (U-14): 09年04月04日 (土) 12:00開始 長良川球技メドウ JFA PREMIER CUP 2009 東海大会 対 名古屋グランパス ※30分ハーフ 天候: 晴れ
[前半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−大木−−−−−−−−−−和田−− −−−−− 鈴木聖 −海野−−−−−−
−−−−−−曽雌−−北川−−−−−− −−伊藤−−−−−−−−−−石川−− −−−−−− 金 −−石田−−−−−− −−若園−−松田− ニッキ −中島−− −−−−−−−−板倉−−−−−−−− 名古屋グランパス (〜24分)
02分、自陣中盤の底に位置するCH三ツ井が左サイドに捌いたところ、名古屋RH14番にカットされる。14番はそのまま前にいるFW08番にクサビ。受けた08番は縦に抜けつつ切り返し、ゴールへ向いて突破を仕掛けるがCB福島に進路を塞がれ、更にLB佐藤が囲みに寄ってくる。すると08番はパスを戻し、佐藤が引いたスペースへ14番が走り込んで右45度からダイレクトシュート。インに掛かったボールがGK石塚の腕を抜け、ゴール左に突き刺さる。0−1 06分、LB佐藤が左タッチライン沿いでボールを奪うと、中に持ち出しつつ、ライン沿い前方のLH和田に小さくパスを送る。和田が快速を飛ばして斜めに持ち上がり、その右を佐藤が併走する速攻。相手陣内中央まで持ち込むや、右ではなくPA左手前へとロビングでパスを送る。そこにFW鈴木聖、飛び出すGKの届かない位置にワントラップで持ち出し、…鈴木聖自身は飛び出したGKに阻まれて大きくなったトラップに追いつけなかったが、ボールはそのままゴールへと吸い込まれた。1−1 11分、清水陣内右サイド、佐藤と対峙したRB3番が進路を塞がれながらも一歩縦に出て、ゴールライン際から右クロス。果敢にニアに14番が飛び込んだが、シュートは枠に行かず、ニアのサイドネットに絡まる。ピンチの後にチャンス。素早くプレーを再開した清水は中盤、DFの間でパスを受けた大木が疾走。ドリブルしても誰よりも速い大木が、単独で名古屋陣内を突き抜け、残っていたCBがPA手前で壁になると左にグラウンダーで捌く。フリーでパスを受けた海野、飛び出すGKのタイミングを外してゴール左ニアへ浮かせて決める。2−1 24分、名古屋、交代: 石田→森 (石川CH、森RH)
グランパス 清水エスパルス ジュニアユース 3(1) シュート 5(5) ◎聖矢、◎海野、○和田、○海野、○聖矢 1(1) 右クロス 3(0) ×聖矢、×大木、×聖矢 2(0) 左クロス 0(0) 0(0) 右側CK 2(1) ×三井、○三井 1(0) 左側CK 0(0) 2(−) 犯OS 2(−) ・和田、・和田 2(0) ファウル 5(0) ・海野、・??、・柳沢、・海野、・大木
[後半] 清水エスパルス ジュニアユース (U-14) (50分〜) −−−−−−−−石塚−−−−−−−− −−柳沢−−中村−−福島−−佐藤−− −−−−−−浅沼− 三ツ井 −−−−− −−山下−−−−−−−−−−和田−− −−−−−−大木− 鈴木聖 −−−−−
−−−−−−児玉−−北川−−−−−− −−曽雌−−−−−−−−−− 森 −− −−−−−− 金 −−石川−−−−−− −−若園−−松田−−中島−−後藤−− −−−−−−−−板倉−−−−−−−− 名古屋グランパス (50分〜)
40分、清水、交代: 海野→山下 (和田RH、山下LH、大木FW) 47分、名古屋、交代: 伊藤→児玉 (曽雌LH、児玉FW) 50分、名古屋、交代: ニッキ→後藤 (後藤RB、中島CB)
グランパス 清水エスパルス ジュニアユース 2(1) シュート 3(1) ×聖矢、×聖矢、○聖矢 2(0) 右クロス 4(1) ×大木、×聖矢、○和田、×和田 0(0) 左クロス 1(0) ×山下 2(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 1(0) ×浅沼 1(−) 犯OS 0(−) 3(0) ファウル 5(0) ・大木、・大木、×中村、・三井、・聖矢
[雑感] 前年度の静岡中の優勝で、全国枠が2に増えた東海大会。初日の二連勝で早々に全国出場を決めると、二日目には同じく2連勝の名古屋グランパス相手に見事な逆転勝利。去年、U-13東海ボルケーノではH&Aともに4−6、0−3と負けていた相手にリベンジを果たし、前年度静学中の成果に関係ない「1位」での通過を決めた。
プレミアカップの静岡県予選を兼ねるさなるカップは、29回を数える「静岡県中学1年生サッカー大会」だが、東海からは本大会の規定と同じU-14となり、早生まれの2年生 (新3年生) が出場できる。例年、あまり早生まれ選手のいない清水だが、今回は佐藤飛天と福島農が参加。ともに3年生チームでも主力であり、とりわけ佐藤は昨年の時点で一つ上に合流し、クラブ選手権全国大会にも出場したほど。自分の学年では福島は専らRB、佐藤はLHを中心にCHやLBで起用されてきたが、U-14チームでは福島はCB、佐藤がLBで登場。個人予想では福島はいつもどおりRB、佐藤は文字通り「中心」であるCHで起用されると考えていただけに、意外な形となった。 2人の3年生が加わったDFラインは、さなるカップでLBを務めていた中村がCBに回り、CBの粟冠と武田が外れた。中村と柳沢 (と鈴木聖) はしばしば3年生チームに呼ばれているそうなので、ある程度の連携経験は積んでいるはず。中盤から前はさなるカップと全く同じ。メンバーを堅く固めて結果に拘るのは、ここ最近のユース、Jrユース全体の傾向である。ただ、柔の鈴木聖、剛の海野と並び立つ技のFW、鈴木蒼が怪我で離脱中。能力的に匹敵し、しかしタイプが全く異なる3人を自由に組み合わせ、一人を切り札で途中投入する強みを失うのは、戦術的に痛手であった。
3年生2人の力は大きかった。VAMOSの9番、名古屋の14番など攻撃の中心となるべき相手選手に対し、佐藤はパワーもスピードもテクニックも、全てが上回っていた。VAMOS戦の立ち上がり、内部中戦の大勝に慣らされてたか、9番の速さに慌てる場面を作られたが、ならばと最初の競り合いで強く当たって9番の体勢を崩してからボールを奪う、そうした応用力が佐藤にはある。CB福島も1対1の絶対的な優位は同様であり、加えて2人は1人が前に出て競り合った時に、残る1人が下がってカバーに入る間が絶妙で、相手が競り合いを避けて少ないタッチでスペースにパスを流しても、危なげなくマイボールにしていた。一方、攻撃では味方とパスのタイミングが合わない場面が多々見られたが、とりわけ佐藤は正確な長いクサビを素早く前線に当てるセンスを発揮、通れば決定機という必殺のパスを連発していた。 完璧な3年生左サイドに隠れがちだが、右サイドの守備力も相当のもの。中村の身体能力は3年生2人と遜色なく、名古屋戦で一度抜かれた相手に、すぐさま振り向いてスライディングでボールを奪い去ったのには、感動すら覚えた。柳沢は1対1の守備力でこそ他の3人ほどの凄みはなかったが、走力では引けを取らず、長い距離を走って多く攻撃に絡んだ。結果、3試合180分間で失点1、被枠内シュート6本。枠内シュートはミドルを除けば、VAMOS戦で出会い頭に9番のスピードにやられた以外は全て味方のパスミスが原因で、組織が崩された場面は皆無だった、名古屋の終盤のゴリ押しにもしっかり跳ね返せていたのは、大きな自信になったのではないだろうか。
中盤では、失礼ながら試合前に不安視していた三ツ井。名古屋戦こそ失点の起点となってしまったが、この選手はサッカー的な頭の良さがあり、相手のプレスの速さに合わせて早いタイミングでシンプルに繋ぐよう、自分で工夫していった。判断の早さだけでなく、バックスピンを掛けた正確を蹴る技術もある。守備での貢献もまずます、というか大きくなったね。そして、司令塔の浅沼。本来は枝村のように、パスを捌きつつゴール前に飛び出していく攻撃力が持ち味の選手だが、三ツ井のテンポに合わせるように次々と縦にパスを入れ、2トップの破壊力を存分に生かした。守備面では、鈴木聖に通じる体の使い方、競り合いの強さを発揮。名古屋戦の終盤では、鉄壁の4バックだけでなく、彼らの前でフィルターとなり、相手の波状攻撃を許さなかった浅沼の粘り抜きでは、逃げ切りは難しかっただろう。 両サイドの大木と和田はとにかく速い。その中でも大木の早さは群を抜いている。緒戦の内部中戦の前半は、大木がボールを持てば一人で相手マークを引き連れつつゴール前まで突破してしまい、それが故に攻撃が単調になってしまったほど。シュートを撃つ前の踏み込みの弱さなど、まだ身体的には完成されていないが、FWとして奪ったVAMOS戦の2点など、相手を背負う強さも持っている。右利きながらLHを任されている和田は、速さだけでなく状況に応じたプレー幅の広さがあり、ドリブルだけでなくパスの判断が良い。控え選手の中で唯一の全3試合、計63分間の出場を果たしたのが山下。3年生の佐藤以外、レフティが先発していないチームにあって、まだ小柄ながら期待されてそうだ。
共に4得点1アシストと文句のない結果を残した2トップ、海野と鈴木聖。かつてのジェジンとマルキーニョスのように、2人は連携で互いの能力を掛け算する関係とは言えないが、単独でシュートに持ち込む決定力は足し算だけで脅威だ。海野の武器は何と言っても身体能力。下がってポストで捌いた後、ボックス内に走り込むスタイルには迫力があり、高い打点のヘッドは状況に関係なく得点を決め、劣勢を覆す力がある。キャプテンを任される海野だが、「決める」という強い意志を感じさせるのも良い。 一方の鈴木聖は、つかみどころの難しい変化球投手。基本的に相手の逆をとるのが上手く、ボールを囮にしてマークを引き剥がす職人芸を見せる。長身ながら相手の体を利用してキープするのが得意で、自分より背の高いニッキ・ハーフナーを相手にしても、その懐に潜り込んで苦にしなかった。状況判断も良いので、とりあえず鈴木聖にクサビを当てるだけでポストプレーが機能するのだが、鈴木聖の本当の武器は単独突破。走らせると普通に速いのだ。名古屋戦終盤では下がって守備に参加するなど負けん気の強さもあり、将来が非常に楽しみな選手だ。
前と後ろに強力な選手を揃えるこのチームは、負けにくいチームである。全国で結果を残してほしいのは当然だが、その自信・経験を上の学年に伝えてもらいたい。新3年生の佐藤や福島はもちろん、2年生たちも活躍の先には一学年上、Jrユースのレギュラーがあるのだと意識して、大会に臨んでほしい。
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