2008年06月28日(土) |
プリンス東海 帝京可児高校戦 |
08年06月28日 (土) 16:00開始 静岡県草薙総合運動場 陸上競技場 JFA プリンスリーグU-18 東海 2008 2部 対 帝京大学可児高等学校 ※45分ハーフ 天候: 曇り一時雨
[前半] 清水エスパルスユース −−−−−−−−長島−−−−−−−− − 深澤詢 −小澤− 望月恭 −稲毛−− −−−−−−前田− 深澤慶 −−−−− − 佐野傑 −−−−−−−−−杉山−− −−−−−−池上−−柴原−−−−−−
−−−−−−藤浪− 唐仁原 −−−−− −−塚本−−−−−−−−−−熊崎−− −−−−−−門間−−田中−−−−−− −−加藤− 小木曽 −原田−−山岡−− −−−−−−−−渡辺−−−−−−−− 帝京大学可児高等学校
22分、可児、警告: 田中 30分、可児、警告: 門間
帝京可児 清水エスパルスユース 5(0) シュート 3(2) ○杉山、○杉山、×池上 4(1) 右クロス 5(1) ×詢也、×詢也、○前田、×佐傑、×佐傑 1(0) 左クロス 1(0) ×杉山 3(0) 右側CK 1(0) △杉山 0(0) 左側CK 1(1) ○柴原 0(−) 犯OS 3(−) ・池上、・柴原、・柴原 9(4) ファウル 2(0) ・池上、・池上
[後半] 清水エスパルスユース (64〜90分) −−−−−−−−長島−−−−−−−− − 深澤詢 −小澤− 望月恭 −稲毛−− −−−−−−西澤− 深澤慶 −−−−− −−田代−−−−−−−−−−成田−− −−−−−−前田−−鍋田−−−−−−
−−−−− 唐仁原 −熊崎−−−−−− −−塚本−−−−−−−−−−藤盛−− −−−−−−門間−−田中−−−−−− −−加藤− 小木曽 −原田−−山岡−− −−−−−−−−渡辺−−−−−−−− 帝京大学可児高等学校 (62〜78分)
45分、清水、交代: 佐野傑→成田 (杉山RH、成田LH) 54分、清水の二次攻撃。PA内に入れたボールのクリアをバイタルでCH前田が拾うと、右サイドスペースに持ち出し、縦にドリブルで抜け出す。クロスを入れるがニアでDFに引っ掛かり、右CKに。キッカーは杉山。左足でストレート系の速いボールをゴール中央に入れると、やや離れた位置から走り込んだ稲毛がノーマークでジャンプ、高い打点のヘッドで叩き落とし、バウンドしてゴールに転がり込んだ。1−0
60分、清水、交代: 池上→鍋田 62分、可児、交代: 藤浪→藤盛 (藤盛RH、熊崎FW) 64分、清水、交代: 杉山→田代 (田代CH、前田RH) 68分、可児FW熊崎のミドルをGK長島がキャッチしてリスタート。左スペースに流れてボールを受けたFW柴原、内側へ向かって斜めにドリブルで持ち込むと、PA内に向かってグラウンダーのパスを送る。PA左側で待ち受けるFW鍋田、これを半身を開いて待ち、左足下へのクサビとして処理する体勢だったが、そこに中央から駆け上がるCH田代。柴原へのパスをスルーパスとして反応し、加速したままパスに追いつき、そのままDFラインを追い越す体勢。そして、2人は衝突。だが、この不測の事態にも動じずに鍋田、一瞬の棒立ちの2人の間にあったボールをPA左へと持ち出すと、角度30度から左足一閃。低く鋭いシュートをゴール右サイドネットに突き刺した。2−0 70分、清水、交代: 柴原→西澤 (西澤CH、田代RH)
75分、清水、警告: 前田 77分、左サイドでの清水の攻撃はCH西澤が攻撃参加するが、跳ね返されてしまう。クリアを受けたRH藤盛、ゆっくりと中央を持ち上がるが、ここにプレスが掛からない。LB稲毛とCH深澤慶を釣り出したところで、右サイドオープンスペースへとパスを捌く。長い距離を走ってきたRB山岡、しかし、LH成田はついておらず、完全にフリーのままタッチライン際を縦に十分に抉って準備万端、右クロスを入れた。マイナスの大きいクロスがファーサイドまで届くと、そこに起点となった藤盛が大きく回って飛び込む。160cmの小さい身長ながら、フリーでGK長島を外したガラ空きのファーサイドへと頭を合わせ、2−1 78分、可児、交代: 門間→伊東武 90+1分、清水、交代: 深澤詢→山崎 (望月恭RB、山崎CB)
帝京可児 清水エスパルスユース 7(2) シュート 6(4) ◎稲毛、○鍋田、◎鍋田、×前田、×田代、○前田 8(1) 右クロス 2(1) ○池上、×前田 1(0) 左クロス 1(0) ×成田 1(0) 右側CK 1(1) ◎杉山 3(1) 左側CK 2(0) △柴原、×柴原 1(−) 犯OS 2(−) ・池上、・鍋田 9(2) ファウル 4(1) ・池上、・??、・前田、×詢也
●個人的MVP 鍋田亜人夢 ●個人的MIP 望月 恭平、小澤 蓮
上位2チームが1部昇格のプリンス東海。清商と同勝点で首位に立つ清水は、プリンス中断中に行われたクラブ選手権予選でも、1部の名古屋、磐田と互角に渡り合い、自信を深めている。2年生エース鍋田が長期の怪我から復帰するなど、選手層も厚くなってきた。だが、この日はCH青木がベンチ外。ショートパスを多用する今年のチームにあって、自分の色を出せていない印象はあるが、バイタルエリアをきっちり守って速攻に繋がるロングフィードを出せる青木は、試合終盤の苦しい時間帯に存在感を発揮するだけに、不在の影響が心配されるところ。先発は3年生6人、2年生3人、1年生2人。とりわけ中盤は、全員3年生。 帝京可児高校の3年生は、全国中学総体4強の黄金世代。6年間一貫指導を掲げ、帝京可児中学入学時に旺盛なスカウトを行ってきた。元U-15代表の主将・小木曽を筆頭に、昨年冬のU-17地域対抗戦東海選抜に小木曽と一緒に選ばれた山岡・熊崎・三島 (不出場)、他に藤盛・田中・塚本あたりが中学時代から有名な選手だ。先発は3年生7人、2年生3人 (原田・塚本・藤浪)、不明1人 (門間)。
ボールポゼッションは清水。中盤中央で深澤慶・前田を軸に、10M未満の細かいパスを2タッチ以内で細かく回してキープ、そして左右に捌き、あるいはバックパスも厭わない。だが、展開速度が遅く、高さもスピードも水準以上の小木曽 (主将)・原田の両CBを、守備体系が整った状態で崩すことはできなかった。唯一、ショートパスを交わしている最中に佐野傑が駆け上がりつつパスを受け、ドリブルに盛り込んだ時は勢いがあり、7分、13分とサイドでパスを受けて右回りにターンしながら切れ込む形で、佐野傑はゴール前でのFKを奪っている。負けじとドリブルキング、前田も22分と30分にゴール前でのファウルを誘う。可児は激しいプレスが裏目に出て、この4つのファウルを含む9本のファウルを前半に数えた。けれども、9分と22分の杉山のFKは枠を捉えたが、GKに落ち着いてキャッチされ、30分の柴原のFKも鋭い位置に飛んだが味方に合わず、ボールを持っているだけで有効な攻撃が少ない、膠着状態へと陥っていく。 可児の方も清水にポゼッションされ、主導権を握られた苦しい状態。ボールを奪うと素早く前に向かい、ドリブルから、あるいは放り込みのクリアを拾ってすぐにミドルを蹴り込んでくる。しかし、枠を捉えられず、前半最大の好機は19分、RH熊崎の右クロスをFW藤浪が頭で合わせるが、やはり枠を外した場面。一方、清水の前半最大の好機は26分。例によって中盤中央の細かいパスでボールを確実にキープし、前田?がやや下がった位置にいたLH佐野傑へ斜めにボールを戻したところ、1本のスルーパスがオープンスペースへ出る。そこへ中央から斜めに抜け出たFW池上、回り込んでゴール方向に向き直し、やや早いタイミングでシュートを放ったが、ゴールのニアへ外してしまった。膠着した流れは前半のうちに変わることなく、ゆっくりとサイドに回す清水はシュートまで繋がらず、少ないチャンスに早い仕掛けでシュートを撃つ可児は枠を捉えられず、スコアレスで試合を折り返した。
後半、大榎監督は佐野傑に代えて成田を投入。同じ攻撃的レフティながら、右サイドからドリブルにパスを交えてビルドアップに加わっていた佐野傑に対し、成田は単独突破を得意とする縦への推進力が長けた選手。成田はパスをスペースで受けるべく、前半の佐野傑・杉山より高い位置をとる。すると48分、成田の上がったスペースに飛び出た可児・熊崎が、カバーに入ったCB望月恭と巧みに体を入れ替えて突破、スピードに乗るがCB小澤が鋭いタックルでドリブルを潰し、熊崎はサイドにこぼれたボールを右クロスに持ち込むが、中央で合わない。50分にも熊崎のキープから、その外を回ったCH門間が右クロスを入れるなど、生憎、清水の望んだ展開ではないが、試合は動き出す。そして、54分、この時間帯目立っていた前田の前目での攻撃参加から右CKを得ると、稲毛がジャンプ一番、ヘッドで先制! 柏でもSBながらパワープレー要員になっていた稲毛、そのフィジカルを見せつけた。 清水は60分、FW鍋田を投入。鍋田は65分、RB深澤諄のスペースへの長い縦パスをライン際で残し、そこからドリブルで戻って右30度から25Mミドル。際どいコースに飛んだシュートはGK渡辺が左CKに逃れた。対する可児も62分、10番・藤盛をRHに投入。160cmと小柄ながら確実な足下の技術と豊富な運動量を誇る藤盛は、仕事場をサイドに限定せず、頻繁に各所で顔を出してキープしては前へサイドへ素早く繋ぎ、試合を動かしていく。66分、中盤中央に位置した藤盛からPA内への速い縦パス、足下に収めたFW熊崎が抜け出しかかるが、CB小澤が倒れながら強引に体を入れて食い止める。そこに藤盛が飛び出し、勢いのままシュートを放つが、左ポストが同点ゴールを阻んだ。嫌な予感が漂うが67分、直後の長島のキックから鍋田が決定力を見せて、2−0。突き放した。 同点後の69分、CH田代のクサビをRH前田が受けると追い越した柴原へ縦パス、更に前田が右から柴原を追い越してパスを受けると角度のない位置からシュート、更に76分にも前田のドリブルから田代がミドルを放つ。清水も勢いに乗り、途中投入の成田・田代・西澤が前への積極性を見せ、勢いに乗った。けれども、どちらかと言うと前半のように、中盤でじっくり繋ぐのが得意のリズムな清水。疲労した中盤は互いの距離が短くなり、また卓越したキープ力で周囲の上がりを待つ前田もFWに上がったため、ショートパスが繋がらなくなる。大榎監督は深澤慶と組むCHを前田→田代→西澤と頻繁に代えていったが、この日はむしろ味方を混乱させてしまったかもしれない。一方の可児は、その深澤慶と上がり目の成田の間のスペースで藤盛が起点を作り、藤盛の空けた右スペースにRB山岡やFWに上がった熊崎が流れることで、主導権を握っていく。最終盤は可児の一方的な攻勢となったが、CB2枚を中心とした体を張った守りで何とか逃げ切った。
鍋田の決定力は相変わらず錆び付いていなかった。ゴール前で自分の得意の角度に持ち込む「シュートまでの形」が洗練されている。怪我で離脱している間にすくすくと背丈も伸び、元々動き出しの良さは折り紙付きなだけに、179cmの小木曽、182cmの原田を相手にしても、すっとDFラインから離れて清水第八からの僚友、長島のゴールキックを巧く頭で擦らしていた。同じ清水第八からの僚友、青木のスペースへのパスと畑のスペースへの飛び出しを組み合わせた攻撃を早く見てみたい。フィールドを大きく使ったサッカーが見られそうだ。得点後は観客席に向かって吠えてみせるなど、洗練されたプレースタイルとは対照的に、相変わらず「熱い」。 望月恭からはDFとしての経験値を感じられた。味方のミスに対して速やかにカバーできるポジションをとっており、実際にミスが生じたときの反応が速い。周囲だけでなく、自らのミスにも落ち込むことなく、素早く立て直す。中盤がショートパスを多用していただけに、望月恭と小澤は最終ラインからの司令塔としての機能も担っていた。その小澤は望月恭とは逆に、つまらないポカが時折散見されるものの、力強いフィジカルを武器にプレーレベルの最高値が高い。スピードに乗った深いタックルで、スピードに乗った相手からボールを奪えるあたりが、現代的DFの風格を漂わせる。
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