2006年12月25日(月) |
JY: 高円宮杯 全国大会 ガンバ大阪戦 |
06年12月25日 (月) 13:10開始 名古屋市港サッカー場 高円宮杯 第18回全日本ユース (U-15) サッカー選手権大会 決勝トーナメント 準々決勝 対 ガンバ大阪ジュニアユース ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼試合展開 [前半] 清水エスパルスジュニアユース −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−山田−−−−−− −−石原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−
−−−−−−原口− 宇佐美 −−−−− −−大森−−−−−−−−−−望月−− −−−−−−中山−−水野−−−−−− −−高木−−内田−−大西−−山田−− −−−−−−−−加藤−−−−−−−− ガンバ大阪ジュニアユース
11分、ガンバ、FW鍋田のポストプレーに対し、CB内田が背後から足を伸ばす。中盤にこぼれたボールを、下がっていたFW宇佐美が拾ってカウンター。宇佐美が右スペースに蹴り出すと、LH大森がスピードに乗って持ち上がる。PA左に入ったところでRB加藤が追いつき、中のコースを切ってチャンスは潰えたに見えたが、大森は更に外へ捌いた。そこに駆け上がる宇佐美、フリーとはいえ、角度のないところから右足一閃。ゴール右に突き刺し、0−1 15分、清水、警告: 長島 15分、ガンバ、左サイドから大森がクロスを入れる。これはDFに当たってファーに流れるが、宇佐美がPAに縦に飛び込んで拾うと、ゴールライン沿いまで持ち出してキープ。清水はLB深澤?がマークに寄せるが、寄せのスピードを落としたタイミングで宇佐美は逆に加速、ワンステップで置き去りにして中へ、ツーステップにGK長島が飛び込み、宇佐美は転倒。審判はPKの判定、長島には警告。宇佐美自らゴール左に蹴り込み、0−2
ガンバ大阪 清水エスパルスジュニアユース 7(3) シュート 1(1) ○鍋田 3(0) 右クロス 1(0) ×加藤 6(0) 左クロス 1(0) ×成田、○成田 3(0) 右側CK 2(1) ○青木、×青木 2(0) 左側CK 0(0) 4(−) 犯OS 0(−) 1(0) ファウル 5(2) ・成田、×長島、×長島、・鍋田、・畑
[後半] 清水エスパルスジュニアユース (15分〜) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−荒井−−−−−− −−田代−−−−−−−−−−山田−− −−−−−−柴原−−鍋田−−−−−−
−−−−−−原口−−明智−−−−−− −−中山−−− 宇佐美 −−−望月−− −−−−−−−−水野−−−−−−−− −−高木−−内田−−大西−−山田−− −−−−−−−−加藤−−−−−−−− ガンバ大阪ジュニアユース (12分〜)
02分、ガンバ、速攻の形。RH望月の入れたクサビを、宇佐美がスルー。その裏、PA手前で受けた大森が右に捌くと、そこに宇佐美が飛び出す。そのままPA内右を縦にゴールライン際まで抜け出し、戻したボールをフォローしていたFW原口が左へごっちゃんゴール、0−3
08分、清水、交代: 石原→荒井 (荒井CH、山田RH) 10分、清水、交代: 畑→柴原 12分、清水、警告: 成田 12分、ガンバ、交代: 大森→明智 (4-1-3-2に変更: 中山LH、宇佐美OH、明智FW) 15分、清水、交代: 成田→田代 (田代RH、山田LH) 17分、ガンバ、警告: 望月 18分、清水、望月のファウルで左サイドのハーフライン付近、ゴール左ポストまで40Mほどある位置でFKを得た。望月はなかなか距離を離れず、警告を受ける。キッカーは深澤。緩いボールを蹴り込んだが、ニアを窺う175cmの青木、ファーに飛び出した175cmの田代、共に全く合わず。が、176cmのガンバGK加藤、青木と田代の間で混乱したか、ポジションが中途半端。哀れボールは彼の頭上を越え、そのままゴールに吸い込まれた。1−3
27分、清水、警告: 小澤 31分、清水、加藤のスルーパスは内田にカットされるが、すぐにFW柴原がプレスを掛けて奪い返す。しかし、内田もすぐに体を寄せ、柴原はゴールに背を向けたまま3人に囲まれて、タッチライン沿いに追い込まれた、かに見えた。すると柴原は右足アウトにボールを乗せて一歩、次の左足のステップで反転と同時に抜け出し、3人を置き去りにPA右角へ、右足インサイドでシュートを撃つ。GK加藤もファーに横っ飛びでカット、だがCH青木が飛び込み、左足ボレーでゴールに叩き込んだ。2−3 32分、ガンバ、中央で原口が持ち上がり、3対4で速攻の形。左に中山、右に明智、原口はPA前でCB山崎とCB小澤に前を塞がれたかに見えたが、シザースを使って体の後ろから左足インサイドでパスを出す。連動したFW明智が深澤より一歩前に出て、角度のない位置から右足シュート。左ポストに当たってゴールイン、2−4
ガンバ大阪 清水エスパルスジュニアユース 8(6) シュート 6(6) ○畑、 ○鍋田、◎深澤、○柴原、○柴原、◎青木 0(0) 右クロス 1(0) ×柴原 2(2) 左クロス 0(0) 0(0) 右側CK 1(0) △青木 3(0) 左側CK 0(0) 3(−) 犯OS 0(−) 5(1) ファウル 5(2) ・成田、・山田、・小澤、×加藤、×加藤
▼試合結果 清水エスパルスジュニアユース 2−4 ガンバ大阪ジュニアユース
終わってみれば前半11分、15分の2失点があまりに痛く、ベスト8で清水の大会敗退が決まった。ガンバ大阪はその後、大会優勝を飾っている。 もっと積極的に中盤からプレス掛けて攻めればよかったような、或いはもっと引きこもってカウンターに光明を見出せばよかったような…。夏に勝った試合を見ているだけに、個人的には消化不良が残る試合だった。中盤のプレスが緩かったのは、ヴィッセル・ヴェルディ・クマガヤという強豪と対戦済みだった夏に比べて、エンジンが掛かるのが遅すぎたのが原因だろう。緒戦のベガルタ戦こそ苦い良薬になったが、その後は自ら奪いに行かずとも、ミスからボールを渡してくれるような試合ばかり。だが、ガンバはパス回しで殆どミスをしない。そうした相手にはプレスでミスを誘い、時に体をぶつけて潰す、そんなサッカーが必要だった。 一方、完全に引きこもれなかったのにも理由がある。立ち上がりはガンバにPAの外でパスを回させ、苦し紛れのクロスを高さで上回る清水が跳ね返す、或いはミドルを撃たせて枠外と、清水の思惑どおり、そして夏と同じ展開だった。何故ならば、ガンバ (宇佐美) が怖いのは、PA内・付近で前に向かう推進力だからだ、しかし、夏は跳ね返した後で攻撃に転じた時、ドリブルで持ち上がる柴原がいた。単独突破故に成功率は低かったが、それも一つの攻撃の形。けれども、柴原のいない今回は、鍋田のポストプレーに頼らざるを得ず、鍋田のポストを受けるために中盤を押し上げねばならない。DFライン裏に生まれるスペースは、スピードのある山崎がカバー。夏の戦い方より、むしろこれが清水本来の形ではあるが、この日は前述のとおり中盤のプレスが弱く、スペースを有効活用したのはガンバの方だった。
FW宇佐美に2度飛び出され、2度の被決定機で2失点を喫した清水は更に18分、宇佐美のスルーパスから今度はFW原口に抜け出され、GK長島が倒したとして微妙なPKを与えてしまう。が、宇佐美2度目のPKはGK長島が遮断、20分を待たずに試合が決まることだけは阻止した。この時間帯を過ぎるとガンバのプレスもだいぶ弱まるが、速攻の形に頼る清水はゴール前に辿り着く前に潰されることが多く、唯一のシュートチャンスは31分、CH青木のクサビをFW鍋田が戻すと青木がダイレクトでサイドチェンジ、サイドスペースに飛び出したLH成田がクロスを入れる大きな展開に、鍋田が15Mの距離からボレーを合わせるも、GKが正面で抑えた場面。一方、2点を先攻したガンバはゴール前でのがむしゃらさが薄れ、宇佐美のミドル2本にとどまり、前半は0−2で終えた。
大切な後半立ち上がり、しかし見事な連携プレーではあるが宇佐美に三度抜け出され、決定的な3点目を奪われてしまう。5分にCB山崎がダイレクトで跳ね返したロングボールに対し、ガンバCB大西が落下地点を見誤り、ならばと体を抑えにいったところをFW畑が体を入れ替えて抜け出すが、1対1の勝負をGK加藤に止められた。これで勝負は決まったかに思われたが8分、宇佐美のスルーパスで抜け出した原口が、GK長島をも交わしながら無人のゴールに対してシュートミス。その後、交代を経て中盤に下がった宇佐美が、対峙する青木によく守られて、ガンバは肝心のゴール前での突破力を失ってしまう。一方、ウイングタイプの石原・成田を本来CHの荒井・田代に代え、中盤のプレスを強めた清水は18分、何でもない深澤のFKからGKのミスで1点を返す。試合はにわかに動き始めた。 ここで輝いたのが、怪我を押して途中出場した柴原。28分、GK長島から加藤、RH田代と右サイドを縦に繋ぎ、田代がPA右角に入れたクサビをFW柴原がスルー、鍋田がポストに入って戻したボールに田代が駆け上がり、中に切れ込むと見せて右足アウトでスルーパスを送る。スルーした後、右に流れていた柴原が、ウェーブの動きでゴールを向いてシュートを放つが、GK加藤にCKへ逃げられた。だが、31分、柴原の絶妙な個人技から1点を奪い、遂に1点差に。気勢を上げる清水は、しかし直後の32分、4点目を奪われて今度こそ万事休す。攻めるガンバがサイドやCKで時間稼ぎしつつ、そのまま勝ちきった。
何にせよ、選手の皆さんはお疲れ様でした。スペースを常に意識したパスと動き出しは、これからより高いレベルで勝負するにつれ、より必要になってくることでしょう。このセンスは枝村が抜けた後の2年間、ユースが決定的に欠けている部分でもあります (昨年は飛び出しの方は合格点だったんだけど)。3年生たちが、次の3年間でも活躍することを期待しています。できれば、ユースで。
▼選手寸評 [私撰MVP] 青木 達也 [私撰MIP] 柴原 誠、加藤 喬大 [相手方好印象選手] 宇佐美貴史
2006年12月23日(土) |
JY: 高円宮杯 全国大会 VALENTIA戦 |
06年12月23日 (土) 13:10開始 豊田市運動公園球技場 高円宮杯 第18回全日本ユース (U-15) サッカー選手権大会 決勝トーナメント ラウンド16 対 VALENTIA ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼試合展開 [前半] 清水エスパルスジュニアユース −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−山田−−−−−− −−柴原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−
−−−−−−−−深町−−−−−−−− −−山下−−古川−−黒田−−長野−− −−−−−−−−江頭−−−−−−−− −−財木−−古田−−三浦−−山本−− −−−−−−−−中西−−−−−−−− VALENTIA
34分、清水、交代: 加藤→荒井 (山田RB、荒井CH) 36分、VALENTIA、交代: 山下→永富
VALENTIA 清水エスパルスジュニアユース 4(3) シュート 5(3) ○鍋田、○柴原、×加藤、×畑、 ○成田 2(0) 右クロス 17(3) ×柴原、×柴原、×柴原、○柴原、×柴原、×柴原、×成田、○成田、×加藤、×加藤 ×小澤、×加藤、×柴原、×青木、×柴原、○柴原、×青木 0(0) 左クロス 8(2) ×成田、○成田、○成田、×成田、×深澤、×成田、×成田、×成田 0(0) 右側CK 2(0) ×柴原、×柴原 0(0) 左側CK 2(0) ×柴原、×青木 1(−) 犯OS 0(−) 4(1) ファウル 4(0) ・柴原、・山田、・山田、・柴原
[後半] 清水エスパルスジュニアユース (〜38分) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−小澤−−山崎−−山田−− −−−−−−青木−−荒井−−−−−− −−石原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−
−−−−−−−−深町−−−−−−−− −−三浦−−古川−−唐川−−長野−− −−−−−−−− 龍 −−−−−−−− −−財木−−古田−−三浦−−江頭−− −−−−−−−−中西−−−−−−−− VALENTIA (25分〜)
HT、清水、交代: 柴原→石原 HT、清水、ポジションチェンジ: 深澤RB、山田LB
16分、清水、LH成田の左サイド突破をOH黒田が体を張って食い止め、もつれ合って両者転倒。RB山本のクリアは清水が確保、CH青木が中盤中央でボールを受ける。黒田は依然立ち上がれず、VALENTIAの選手はボールを外に出すように声を出すが、青木はプレー続行。するすると中央を持ち上がり、痛めた黒田のサイドにパスも出せたが、PA左角手前のFW鍋田へと縦にクサビを入れる。ゴールに背を向けて受けた鍋田は、背後にトラップしつつ相手に体を預けながらターン、体を入れ替えてPA内、きっちりゴール右に低いボールを蹴り込み、1−0 17分、VALENTIA、交代: 黒田→龍 20分、VALENTIA、交代: 永富→唐川 25分、VALENTIA、交代: 山本→三浦 (江頭RB、龍DH、唐川OH、三浦LH)
28分、清水、相手ロングボールを拾ったCB山崎を見て、やや位置の高かったRB江頭の裏に成田が走り出す。そのスペースへ山崎から正確な60Mロングフィード、ワンバウンドしたボールを掬い上げるように、ゴールライン際で成田がボールを折り返した。速い放物線を描く難しいクロスだが、飛び出すGKの更に前へ走り込んだ鍋田は跳びつきながら右足をライダーキックのように伸ばし、インステップで完璧なコントロールショット。ゴール右に「流し込む」。2−0 38分、清水、交代: 成田→本川 38分、清水、RB深澤からの縦パスを中盤で受けたRH石原、振り向いてそのまま持ち上がり、縦に抜きに掛かる前のタイミングでDFラインの裏に低いクロスを入れる。加速するFW畑、フラットな最終ラインの裏へニアに向かって斜めに抜け、完璧な腰の捻りから痛烈なシュートをゴール左へ突き刺した。3−0
VALENTIA 清水エスパルスジュニアユース 4(2) シュート 12(5) ×鍋田、×小澤、×深澤、◎鍋田、×成田、×成田、○石原、×成田、◎鍋田、○成田 ◎畑、 ×畑 2(0) 右クロス 8(2) ×石原、×深澤、×深澤、×石原、○鍋田、×石原、×石原、◎石原 2(0) 左クロス 13(4) ×成田、×成田、×成田、×山田、○成田、×成田、◎成田、×鍋田、×成田、×成田 ×成田、○成田、○本川 1(0) 右側CK 1(1) ○石原 0(0) 左側CK 6(2) ×青木、×青木、×青木、○青木、△青木、○荒井 1(−) 犯OS 0(−) 0(0) ファウル 3(0) ・青木、・小澤、・小澤
▼試合結果 清水エスパルスジュニアユース 3−0 VALENTIA
格下のチームがジャイアントキリングを狙う場合、守備を固めて前線に一本ロングパスというのが常道。それ自体はVALENTIAも同じなのだが、守備の固め方がユニーク。相手の攻撃の選手に常にマンマークをつけ、更に後方でスイーパー役を余らせるという常套手段に対し、VALENTIAはゾーンディフェンス。ただ、最後尾のフラット4は、PAラインから10Mほど離れた先には絶対に上がらない。それも4人とも! 当然、最前線の深町とは60M以上空くが、その膨大なスペースも中盤の5人がゾーンで分担することで、最小限 (と言っても多大な負荷ではあるが) の運動量で埋めていた。同時に4-1-4-1を採用することで、ゾーンで人を分散しながらバイタルエリアだけは数的不利にならないように工夫していた。
後方のスペースを絶えず4人で埋めるVALENTIAの戦術に、清水は得意の速攻を封じられ、焦れた展開に。個の力で何度もサイドを崩すのだが、それでも中央から相手を釣り出せない。中に切れ込めば中央で待ち構える相手に囲まれ、クロスもなかなか合わない。唯一40分、CH青木の右クロスがDFに当たってファーに流れたところ、キープしたLH成田が一旦停止、縦ダッシュから強シュートを放つが、角度がなくGK中西に防がれる。一方、VALENTIAの攻撃は深町頼みの部分も大きいが、各選手前を向いてドリブルに持ち込んだときは、それなりの自分の形を持っている。30分、OH黒田がキープして戻したボールをDH江頭がダイレクトでロブ、これにFW深町がPA左裏にフリーで抜け出し、頭で叩き落とすがGK長島がセーヴ。32分には黒田が右サイドからCB山崎を抜いてPA内へ突入、ドリブルシュートはGK長島をも弾いてゴールに向かうが、青木が頭で掻き出した。前半はVALENTIAの目論見どおりといった展開だが、スコアは動かず。
後半4分、青木がカットして上空に跳ねたボールが落ちてきたところ、ダイレクトで撃ったOH古川のドライヴシュートはGK長島がCKに逃げる。だが、それからは運動量の落ちた相手に対し、清水が一方的にボールを支配する展開に。とはいえ、ゾーンで引いた相手にはスペースを活用する速攻を繰り出せず、清水の方も手探りの時間帯が続いた。そして16分、遂に中央で相手との1対1で上回ったFW鍋田がゴールをこじ開け、先制に成功。するとVALENTIAは追いつきたい前線の選手と、当初の戦術どおり低いDFラインに固持する守備側とのズレが見えるようになり、その間でパスを受ける清水のSHを掴まえきれなくなる。追加2得点以外にも24分に成田の左クロスをファーでRH石原のボレー、30分に鍋田のポストから成田のミドルとそこからチャンスを生み出し、結果としては3−0で快勝。夏に続いてベスト8で、ガンバと相対することとなった。
▼選手寸評 [私撰MVP] 鍋田亜人夢 [私撰MIP] 成田 恭輔、山崎 教史 [相手方好印象選手] 深町 健太
2006年12月17日(日) |
JY: 高円宮杯 全国大会 カティオーラ戦 +ユース: 練習試合 暁秀高校戦 |
06年12月17日 (日) 13:10開始 藤枝市民グラウンド 高円宮杯 第18回全日本ユース (U-15) サッカー選手権大会 グループG 対 カティオーラフットボールクラブU-15 ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼試合展開 [前半] 清水エスパルスジュニアユース −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−山田−−−−−− −−柴原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−− 畑 −−櫻井−−−−−−
−−−−−−福原− 伊賀上 −−−−− −−−−−−−−山本−−−−−−−− −−戸高−−吉賀−−吉岡−−伊東−− −−−−塩月−−衛藤− 大久保 −−− −−−−−−−−江藤−−−−−−−− カティオーラフットボールクラブU-15
03分、清水、RH柴原の右クロスから右CKを得る。青木の蹴ったボールはDFにクリアされるが、小澤がPA外に下がりながらキープして左に展開、櫻井のクロスはニアのDFに引っ掛かり、再び小澤の元へ。小澤、今度は右に展開、受けに戻ってきた青木がターンして前に出ながら右クロス、それを畑が右足で豪快に叩き込み、1−0 11分、カティオーラ、キープするLH戸高の背中を押したとしてRB加藤がやや厳しいファウルの判定を受け、左ポストまで距離40M、角度60度ほどからFK。伊賀上の蹴ったゴールに巻いて向かうボールに対し、逆光が目に入ったか、GK長島の飛び出しが一瞬遅れ、GKの前に入った福原がバックヘッド気味にゴール右に流し込む、1−1
20分、清水、パスをカットしたCB小澤が右に捌き、加藤が縦にクサビ。ハーフライン付近で受けた柴原、足下に吸い付く細かいタッチと共に体をOH山本・DH吉賀の間に入れると、グンと加速、マークを置き去りに。そのまま30MをドリブルしてPA内に突入すると、疲れを感じさせない足運びから強烈なシュートを正確にゴール左に突き刺し、2−1 28分、清水、小澤→FW畑と繋ぎ、19分の左CK以降、柴原と入れ替わって右に回っていた成田が右クロス、こぼれ球に食いついた畑のシュートがDFに当たり、左CKを得る。柴原のキックを中央で小澤が頭で叩き落とすと、DFが掻き出そうとするが弱く、山田の足下へ。山田は冷静にトラップしてDFを外すと、PA内10Mの距離からゴール右に蹴り込み、3−1 32分、カティオーラ、交代: 吉賀→比江島
カティオーラ 清水エスパルスジュニアユース 8(5) シュート 12(5) ◎畑、 ×青木、×柴原、×青木、×畑、 ×青木、◎柴原、○柴原、×畑、 ◎山田 ×成田、○畑 2(0) 右クロス 10(2) ×柴原、◎青木、×加藤、×小澤、○加藤、×青木、×柴原、×成田、×加藤、×青木 2(2) 左クロス 6(1) ×櫻井、×成田、×成田、○成田、×成田、×成田 1(0) 右側CK 2(1) ×青木、×青木 0(0) 左側CK 2(2) ○柴原、○柴原 0(−) 犯OS 0(−) 4(1) ファウル 4(2) ・成田、×山崎、×加藤、・柴原
[後半] 清水エスパルスジュニアユース (25分〜) −−−−−−−−水野−−−−−−−− −−加藤−−植野−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−荒井−−−−−− −−滝戸−−−−−−−−−−大島−− −−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−−
−−−−−−福原−−甲斐−−−−−− −−−−−−− 伊賀上 −−−−−−− −−戸高− 比江島 −吉岡−−山上−− −−−−塩月−−衛藤− 大久保 −−− −−−−−−−−江藤−−−−−−−− カティオーラフットボールクラブU-15 (25分〜)
01分、清水、攻撃参加していたLB深澤の下げたボールを小澤が大きくサイドチェンジ、加藤が前のスペースに出ながら受けると、そのまま縦にクサビを入れる。PA右角でポストに入ったFW櫻井が足下に収めるや、小さく横パス。そこに走り込む柴原がスイッチして縦に抜ける作戦だったが、相手DFがカット。しかし、そのこぼれたボールをCH青木が鮮烈な20Mミドルをゴール左に決める、4−1 03分、清水、交代: 小澤→荒井 (山田CB、荒井CH)
14分、カティオーラ、交代: 伊東→甲斐 (山本RH、伊賀上OH、甲斐FW) 15分、清水、カティオーラがDFラインのパス回しでトラップミス、それを拾った畑が右に流れながらコースを作ると、45度の角度から右足を一閃。畑には珍しいストライカーらしいゴールで、5−1 15分、清水、交代: 成田→大島 17分、清水、交代: 長島→水野、山田→植野 20分、清水、交代: 柴原→滝戸 25分、清水、交代: 畑→鍋田 25分、カティオーラ、交代: 山本→山上
35分、清水、左サイドに流れて深澤からの縦パスを引き出したCH荒井、疲れからか距離を詰められないDFに構わず、スペースを前へ。マイナスの左クロスを入れると、低い弾道に対してニアにFW鍋田、がスルー。ファーに走り込んだRH滝戸がきっちり詰めて、6−1 41分 (ロスタイム)、清水、ドリブルでPA右角に持ち込み、強引に撃った櫻井のシュートはGKに阻まれ、右CK。滝戸のキックを中央で山崎が競り合うと、こぼれたボールがファーでフリーの櫻井の元へ。頭で押し返すと、櫻井の方向を向いていた鍋田が、GKの前でターンしながら左足インサイドでゴール右に流して、7−1 42分 (ロスタイム)、清水、自陣からドリブルでボールを運んできた深澤が、一度切れ込むと見せて左に開き、左足クロス。ニアのDFがクリアするが、PA左角前に荒井が駆け込んでダイレクトジャンピングボレー。これが見事にゴール左へと決まり、8−1
カティオーラ 清水エスパルスジュニアユース 2(1) シュート 19(12) ◎青木、×成田、○畑、 ○山崎、×山崎、×柴原、×櫻井、◎畑、 ○櫻井、×鍋田 ○荒井、○荒井、○山崎、◎滝戸、×青木、×深澤、○櫻井、◎鍋田、◎荒井 1(0) 右クロス 4(1) ○青木、×加藤、×加藤、×青木 1(0) 左クロス 5(2) ×深澤、×成田、○大島、◎荒井、×深澤 2(1) 右側CK 2(1) ○柴原、×滝戸 1(0) 左側CK 2(2) ○滝戸、○滝戸 1(−) 犯OS 2(−) ・櫻井、・大島 4(1) ファウル 5(1) ・大島、・植野、・柴原、・植野、×深澤
▼試合結果 清水エスパルスジュニアユース 8−1 カティオーラフットボールクラブU-15
結果から見れば8発快勝だが、前半20分までは決して簡単な試合ではなかった。カティオーラの175cmの2トップ、福原と伊賀上は高さも速さも連携もあり、山崎にも競り勝ってロングボールを抑え、アタッキングサードで前を向いた時には高い確率で好機に繋げていた。失点場面以外にも16分、ロングボールをポストしたFW伊賀上が左に展開、LH戸高のスルーパスからサイドに流れてきた伊賀上が抜け出し、左クロスにOH山本が走り込んでボレー、CB小澤が何とかブロックし、こぼれをDH吉岡が詰めるが、GK長島がセーヴ。18分にはCH青木、RB加藤を抜いた戸高の左クロスを、FW福原が高い打点で合わせるが枠を外し、28分にRH伊東のクサビを伊賀上がスルー、その裏にいた福原がターンシュートを放つノブリンっぽい攻撃も、GK長島がキャッチした。
しかし、カティオーラは2トップ以外は、GK・CB含めて全員170cmに満たない小さいチーム。体格面の不利だけでなく、プレスの掛け合いの中で細かなトラップやパスのミスも散見され、3-5-2という中盤中央が厚くなるシステムを採用していながら、青木・山田のCHに徐々に圧されだした。こうなるとサイドで数的有利になる清水SHが、前を向いてパスを受けられるようになり、特にRH柴原は決定的な仕事を披露しはじめた。柴原にWB戸高がマークするようになると、柴原は中央に入ってパスを受けてマークを誘い、広大に空いたサイドスペースをスピードのあるRB加藤が駆け上がる。中盤中央で競り負け、WBが守備に負われるようになったカティオーラは、2トップの福原・伊賀上がボールを受けに下がってくるようになるが、むしろそれは2トップの脅威を失わせることとなった。
後半になるとカティオーラの運動量が落ち、清水はパスを前に繋げない相手に対してDFラインを上げ、山崎・小澤 (山田) のCBが、あたかもボランチのように舵取りしていた。時折カティオーラにカウンターの機会もあったが、長い距離をドリブルさせる間に巧くコースを切り、時間を稼いで、シュートに至る前に未然に防ぐ。GKも含めて交代選手を7人全員投入した清水は、少し中だるみする時間帯もあったが、終盤にはLBの深澤があたかも攻撃的MFのようなプレーを披露するほどの総攻撃を仕掛け、残り5分で3点をあげて決着。体調不良で先発を外れていたエース鍋田も大会初ゴールを奪い、得失点差で仙台を上回って首位通過。最高の状態で決勝トーナメントに臨むことになった。
▼選手寸評 [私撰MVP] 深澤 諄也 [私撰MIP] 加藤 喬大、小澤 蓮 [相手方好印象選手] 福原 元希
06年12月17日 (日) 10:00開始 鈴与三保グラウンド 練習試合 対 暁秀高校 ※40分×? 天候: 曇り
▼試合展開 [前半] 清水エスパルスユース −−−−−−−−吉田−−−−−−−− − 望月卓 −滝戸− 鍋田圭 −江守−− −−−−− 佐野諒 −前田−−−−−− − 佐野孝 −−−−−−−− 佐野傑 − −−−−−−藤牧−−池上−−−−−−
06分、清水、FW藤牧のサイドチェンジを受けたLB江守が縦パス、受けたLH佐野傑が1人交わして中に切れ込むと、外にパスを叩く。そこに駆け上がった江守が左クロス、藤牧が高い打点で合わせ、1−0 06分、清水、左サイドでキープする江守を佐野傑が追い越して縦パスを引き出すと、そのままスピードに乗って縦に抜け、ゴールライン際からマイナスのクロスを送る。PA内で受けたRH佐野孝、トラップした時点でチャンスは小さくなったが、何とか粘ってPA外に戻したボールをFW池上?が右足シュート。当たり損ねになったボールを、PA内で藤牧が再プッシュし、ゴールへと押し込む。2−0
暁秀高校 清水エスパルスユース 3(1) シュート 10(6) ×卓馬、◎藤牧、◎藤牧、○卓馬、×藤牧、○佐傑、×江守、○卓馬、○孝洋、×藤牧 1(0) 右クロス 2(0) ×卓馬、×卓馬 1(0) 左クロス 8(3) ○江守、○江守、×佐傑、×佐傑、×佐傑、×江守、×江守、○江守 2(1) 右側CK 3(0) ×佐傑、×佐傑、×佐傑 0(0) 左側CK 2(1) ×佐傑、○佐傑 1(−) 犯OS 0(−) 2(2) ファウル 0(0)
午後から藤枝でJrユースの公式戦があったため、前半のみの観戦。
試合自体は快勝で、内容自体も悪くない。むしろもっと得点できてもおかしくなかったが、左サイドからのクロス以外に攻撃の形が乏しかったため、2点にとどまった。クロス以外の手段を用いるゴール前のアイデア、右サイドでの連携などが課題になるが、攻撃面は総じて悪くない。 問題はやはり、この日は殆ど脅かされることのなかった守備面だろう。昨年度は中盤中央から崩されることがあまりに多かったが、それを必死に食い止めていた佐野克が抜けた今、攻撃に長のある佐野傑・前田のCHに、本来CHの滝戸をCBに入れた布陣で対抗することができるのか。前田は今年、中盤で献身的な守備と高いキープ力を活かす術を覚え、滝戸も今日は落ち着いた対応で攻撃を跳ね返していたが、それでも強豪と当たったら確実にシュートに持ち込まれたミスが、守備ブロックで散見されたのも事実。 全国大会で敢闘を続けているJrユースからは、鍋田亜・長島・柴原が昨年度、ユース公式戦出場を果たしている。彼らがユースに再合流すれば、また競争は激しくなるだろう。特に本来MFである滝戸が務めているCBには、現所属の選手に一層の奮起を期待したい。
▼選手寸評 [私撰MVP] 江守 純基 [私撰MIP] 藤牧 祥吾、前田 陽平
2006年12月16日(土) |
JY: 高円宮杯 全国大会 フレスカ神戸戦 |
06年12月16日 (日) 11:00開始 藤枝市民グラウンド 高円宮杯 第18回全日本ユース (U-15) サッカー選手権大会 グループG 対 フットボールクラブフレスカ神戸 ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼試合展開 [前半] 清水エスパルスジュニアユース −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−山田−−−−−− −−柴原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−− 畑 −−櫻井−−−−−−
−−−−−−須藤−−飯島−−−−−− −−藤森−−−−−−−−−−若松−− −−−−−−川口−−中西−−−−−− −−下山−−浅田−−松本−−矢澤−− −−−−−−−−古澤−−−−−−−− フットボールクラブフレスカ神戸
07分、清水、LH成田のサイドチェンジを神戸がカットするが、トラップが一瞬離れた隙にRH柴原が距離を詰め、奪って縦に抜ける。その右外をCH青木が更に追い抜いてパスを受け、右クロス。これはDFに跳ね返されるが、クリアをCH山田が確保、右に捌くとそこへ素早く動き直した青木がキープ、そしてスルーパス。右に開いていた柴原が、純平を思わせるダイアゴナルランで勢いよくPA内右に突入、速いクロスをニアに飛び込んだFW畑が合わせ、1−0 19分、神戸、警告: 飯島 31分、清水、警告: 小澤
フレスカ 清水エスパルスジュニアユース 7(2) シュート 7(6) ○櫻井、◎畑、 ×青木、○青木、○柴原、○畑、 ○柴原、×畑 0(0) 右クロス 7(1) ×柴原、×青木、×青木、◎柴原、×青木、×青木、×柴原 1(0) 左クロス 3(1) ×成田、×成田、○深澤 1(1) 右側CK 2(1) ×青木、○青木 1(0) 左側CK 1(0) ×柴原 2(−) 犯OS 1(−) ・畑 4(0) ファウル 6(2) ・山崎、・成田、・柴原、×柴原、×小澤、・小澤
[後半] 清水エスパルスジュニアユース (32〜36分) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−山田−−−−−− −−石原−−−−−−−−−−柴原−− −−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−
−−−−−−須藤−−飯島−−−−−− −−藤森−−−−−−−−−−若松−− −−−−−−川口−−中西−−−−−− −−下山−−浅田−−松本−−矢澤−− −−−−−−−−古澤−−−−−−−− フットボールクラブフレスカ神戸
23分、清水、交代: 櫻井→鍋田 32分、清水、交代: 成田→石原 (石原RH、柴原LH) 36分、清水、中盤で受けた山田が前線にクサビを当て、自らも前に出る得意のプレー。ポストに入った畑のリターンを受けると、右サイドに配球してそのままPA内に突進する。RH石原がPA内右に入れたボールを受けたのは、しかし、逆サイドから流れてきたLH柴原。GKの肩越しにゴールへと突き刺し、2−0 36分、清水、交代: 山田→荒井
フレスカ 清水エスパルスジュニアユース 4(2) シュート 7(3) ×畑、 ×畑、 ○畑、 ×山崎、×青木、◎柴原、○柴原 0(0) 右クロス 4(0) ○加藤、×柴原、×加藤、×山田 1(0) 左クロス 7(1) ○成田、×成田、×成田、×深澤、×深澤、×柴原、×柴原 1(0) 右側CK 3(0) ×青木、○青木、△柴原 1(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 5(−) ・畑、 ・櫻井、・櫻井、・成田、・畑 1(1) ファウル 6(0) ・柴原、・山田、・柴原、・深澤、・加藤、・青木
▼試合結果 清水エスパルスジュニアユース 2−0 フットボールクラブフレスカ神戸
▼選手寸評 [私撰MVP] 柴原 誠 [私撰MIP] 青木 達也、長島 潤 [相手方好印象選手] 藤森 元太
緒戦の仙台戦を1−1で引き分けた清水は勝点1。緒戦カティオーラ戦を4−1で快勝したフレスカ神戸は、勝点3でグループ首位に立つだけに、この一戦は非常に重要な意味を持つ。勝てばグループ突破に大きく前進するが、負ければ他力に頼らざるを得ない状況に追い込まれるからだ。
オープニングシュートこそ1分、神戸CH中西の突破からCH川口に許したものの、その後は清水が中盤を支配した。青木・山田のCH2枚で相手の攻撃を跳ね返すことができるため、柴原・成田の両SHがサイドで孤立したまま守備に絡まず、攻撃に転じた時にはフリーでボールを受けられる。特に前を向いてボールを受けた時の柴原は、その加速と技術で常に脅威となっていた。序盤の神戸は清水と違い、SHが中央で攻撃に絡み、CH川口らが前に出る時の起点になっていたのだが、清水のSHを無視できずにサイドに残るようになったために攻撃の枚数が不足、青木・山田はますます余裕を持って、守備から効果的な配球を行えるようになっていった。 3分、ロングボールに対して巧くDFと体を入れ替えて抜け出たFW櫻井がシュート、GK古澤が弾き返す。7分に両CHが絡む厚みのある攻撃で右サイドを崩して先制すると、シュートの数こそ少ないが、中盤を支配して攻め続けた。18分には青木の鋭いミドル、26分にはRB矢澤の横パスミスを奪って柴原がドリブルシュートを放つが、共にGK古澤の好反応に阻まれる。一方の神戸は単発のミドルやFKしかチャンスがなかったが、37分、清水のパスミスをダイレクトで狙ったLH藤森のミドルが、ドライヴして枠内を襲う! が、それもGK長島が下がりながら枠上に弾き出す美技を見せ、事なきを得た。 この思い切ったミドルで流れが神戸に傾きかけるが、39分、青木のクサビを受けたFW櫻井からスルーパス、飛び出した畑のシュートはGK古澤がセーヴ。次いで41分 (ロスタイム)、成田のサイドチェンジをカットされるが、柴原が再び奪い返して縦に抜ける先制点によく似た形も、PA内で切り返してニアを狙ったシュートをGK古澤が弾き出す。続く青木の右CKをニアで畑が合わせるも枠を外した時点で、前半を終えた。
後半になっても清水が手数を掛けた攻撃を繰り広げ、神戸が隙を見てミドルで狙う構図は変わらない。清水は2分、RB加藤のドリブルから柴原が繋いで山田のサイドチェンジ、成田のクロスに畑のヘッドが枠外。5分、青木がカットしたボールを柴原が左スペースに配球、駆け上がった成田のクロスのクリアを拾って柴原がミドルを放つが、これも枠を捉えられない。14分にはビッグチャンス。柴原からパスを受けた青木が右スペースにスルーパス、加藤が1人かわしてPA内に侵入し、上げたクロスを畑が痛烈なジャンピングボレーで合わせるが、GK古澤のビッグセーブ。こぼれ球を左ポスト前にいた櫻井が押し込んだが、オフサイドの判定でゴールは取り消された。 神戸は26分、加藤のファウルで得た35Mほどは距離のあるFKを藤森が直接狙うが、これもGK長島にCKへと逃げられる。畑のボレーの後、オフサイドに引っ掛かったり、クロスの精度が悪かったりで小康状態にあった清水の攻撃だが、34分の山崎、青木の連続ミドルで改めて前に出てくると、36分に柴原が決定的な2点目をゲット。これだけ攻めながら試合を決定づけるのに時間が掛かったのは課題だが、強い勝ち方で結果を残し、グループ突破へと大きく前進した。
2006年12月10日(日) |
JY: 高円宮杯 全国大会 ベガルタ仙台戦 |
06年12月10日 (日) 11:00開始 藤枝市民グラウンド 高円宮杯 第18回全日本ユース (U-15) サッカー選手権大会 グループG 対 ベガルタ仙台ジュニアユース ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼試合展開 [前半] 清水エスパルスジュニアユース −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−山田−−−−−− −−石原−−−−−−−−−−柴原−− −−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−
−−−−−−太田−− 泉 −−−−−− −−坂本−−−−−−−−−−嶺岸−− −−−−−−伊藤−−小原−−−−−− − 菅井拓 −畠中−−上野− 菅井慎 − −−−−−−−−秋葉−−−−−−−− ベガルタ仙台ジュニアユース
05分、仙台、相手中央突破をCH青木とCB山崎で挟み、何とかPA前で食い止めたかに見えたが、こぼれたボールをFW泉がカット、RB深澤を強引に振り切ってPA内右に突進し、右足を強振。GK長島が何とか弾くが、ゴール前にこぼれたボールをFW太田がスライディングで詰め、0−1 10分、仙台、警告: 畠中 14分、清水、警告: 石原 33分、清水、交代: 畑→荒井 (荒井CH、山田LH、柴原FW)
ベガルタ 清水エスパルスジュニアユース 14(6) シュート 7(3) ○鍋田、×柴原、○鍋田、○石原、×石原、×山田、×山崎 3(1) 右クロス 2(1) ○石原、×石原 3(0) 左クロス 2(1) ×山田、○柴原 0(0) 右側CK 1(0) ×石原 4(1) 左側CK 2(0) △柴原、×柴原 2(−) 犯OS 0(−) 4(1) ファウル 5(0) ・柴原、・石原、・柴原、・深澤、×加藤
[後半] 清水エスパルスジュニアユース (12分〜) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−− −−−−−−青木−−荒井−−−−−− −−山田−−−−−−−−−−成田−− −−−−−−鍋田−−柴原−−−−−−
−−−−−−太田−− 泉 −−−−−− −−−−−−−−坂本−−−−−−−− −−−−鎌田−−小原−−嶺岸−−−− − 菅井拓 −畠中−−上野− 菅井慎 − −−−−−−−−秋葉−−−−−−−− ベガルタ仙台ジュニアユース (26〜37分)
12分、清水、交代: 石原→成田 (上記参照) 12分、仙台、交代: 太田→鎌田 26分、仙台、交代: 伊藤→小松 (上記参照) 28分、清水、FW柴原に対するLB菅井拓のファウルで右ポストまで30M、角度35度ほどの位置からFK。キッカーは鍋田。左足で速く低いボールをGKの逆サイド、左ポスト前に通すと、青木がピンポイントの高い打点で叩き落とし、1−1 37分、仙台、交代: 嶺岸→武田
ベガルタ 清水エスパルスジュニアユース 3(0) シュート 6(3) ×柴原、○山崎、◎青木、×山田、×柴原、○鍋田 1(0) 右クロス 3(1) ×山田、○青木、×山田 3(1) 左クロス 2(1) ×成田、○成田 2(0) 右側CK 2(0) △山田、×青木 0(0) 左側CK 2(1) ○柴原、×柴原 2(−) 犯OS 2(−) ・山田、・成田 7(1) ファウル 2(0) ・柴原、・鍋田
▼試合結果 清水エスパルスジュニアユース 1−1 ベガルタ仙台ジュニアユース
▼選手寸評 [私撰MVP] 山崎 教史 [私撰MIP] 青木 達也、山田 健太 [相手方好印象選手] 伊藤 拓史
夏のクラブ選手権準優勝から約4ヶ月を経て、いよいよ始まった冬の高円宮杯。その先発は、主将の山崎がCBに復帰し、山田がCHに一列上がったほかは、ほぼ夏の大会のメンバーを踏襲する形となった。昨年のJrユースは緒戦、夏準Vのマリノス新子安から金星をあげてみせたが、今年は逆に相手に狙われる立場である。
試合は序盤から仙台の攻勢。前線から出足鋭いプレスでボールを奪い、多少強引な形でもフィニッシュまで持ち込む。2分、LB深澤からLH柴原へのクサビをFW泉が奪うとそのまま深澤の裏のスペースへドリブルで持ち込み、右クロスをCH伊藤が合わせて、オープニングシュートを記録。3分にも伊藤のスルーパスから泉がシュートを放つと、5分には強引な中央突破のこぼれ球をすぐに泉が拾い、突破からシュート、こぼれをFW太田が詰め、勢いのままに仙台が先制する。 その後も仙台の波状攻撃が続く。強引が故にゴール前の精度に欠けたが、クリアボールを次々に拾って攻撃の「量」で勝負していた。13分には右スローインを泉が裏に流すと、RB菅井慎が長い距離を走って飛び出して1対1になるも、GK長島がストップ。サイドの守備で数的不利になる場面が目立つ。また、清水は両CHが押し込まれた状態で、ここからの配球ができず、満足なビルドアップができない。焦りからか、両FWと両SHの4人とも前線に張るばかりでボールを引き出す動きがなく、中盤が消えてしまった状態だった。 それでも、少ない人数で時折繰り出すカウンターの鋭さはさすがで、8分、LH柴原が中央からドリブルを仕掛けて右に配球、RH石原のクロスをFW畑が合わせるがDFブロック、更に柴原が詰めるがこれもDFに阻まれた。19分、CB山崎のヘディングクリアを相手CBがカットするが、それに食いついた畑が奪い返すや、スルーパス。それに飛び出した石原、GKと1対1、最初のシュートはGK秋葉に止められるが、こぼれを拾うと体勢を崩したGKを冷静に交わして、左足で流し込む、…はずが、ボールはニアの左サイドネットへと外れてしまった。 27分には、深澤の裏に抜けた泉が、山崎・小澤のCB2枚を交わして右横からPA内に突入、後は決めるだけだったが、シュートは当たり損ねてニアに外す。この流れを受け、岩下監督は早くも決断。33分、CH荒井を投入して山田をLHに (柴原FW)。山田がサイドから中盤の攻防に絡むことで、完全に制圧されていた中盤の支配権を取り戻し始める。仙台の強引なシュートは依然多かったが、距離が遠くなってミドルシュートが増えてきたところで、試合は折り返し地点を迎えた。
後半もその流れを受け、徐々に運動量が落ち始めた仙台から、清水が支配率を取り戻す展開。後半20分までは中盤の攻防で拮抗し、両者共に好機は少ない。しかし、次第に山田・荒井が精力的な動きで露払い、山崎も得意の前に出ての守備とそこから正確に繋ぐ技術が光り始め、司令塔・青木が効果的な配球をする場面が出始めた。14分、青木のバックパスからRB加藤のクサビ、ポストに入ったFW鍋田が右裏に流すと、走り込んだ柴原が狙うが珍しいシュートミス。しかし、28分、FKから鍋田の正確な左足に青木が頭で合わせ、遂に清水が同点に追いついた。 それからは体力の尽きかけた仙台に対し、清水が猛攻。31分、LH成田の縦突破からの左クロスに、遅れて飛び込んだ山田が頭を合わせるが枠外。34分、山崎のクリアを柴原がCBと競り合って流れたところ、鍋田がポストに入って裏に流し、柴原がシュートを撃つが、これも枠を外す。37分、加藤の縦パスを右に流れながら受けた青木が、そのままPA右まで持ち込んでクロス、荒井がPA外から狙ったシュートがGKの前に詰めた鍋田のそばにこぼれ、鍋田は押し込もうとしたが、GK秋葉が勇気ある飛び込みでそれを許さなかった。
結局、試合は1−1のまま終了。やはり4ヶ月ぶりの公式戦、練習試合と違う接触プレーに戸惑いが隠せず、対抗できる強さも、いなすだけの狡猾さも欠けていた。しかし、試合結果だけ見れば、十分に満足できるもの。再びあの、全国の熱さと激しさを思い出してくれるものと期待したい。
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