2004年11月21日(日) |
中日本スーパーリーグ U-18 中京大中京戦 |
04年11月21日 (日) 14:00開始 鈴与三保グラウンド 第7回 中日本ユースサッカースーパーリーグ (U-18) 7位決定戦 対 中京大学附属中京高校 ※40分ハーフ 天候:晴
▼布陣 前半: 後半:
−−−−− 鈴木真 −石垣−−−−−− −−−−− 鈴木真−篠田悠 −−−−−
−−岡村−−−−−−−−−−柴田−− −−岡村−−−−−−−−−−小泉−−
−−−−−−谷野− 山本真 −−−−− −−−−−−谷野− 山本真 −−−−−
−−八木−−村越−−望月− 桑原彬 − −−八木−−村越−−石垣− 桑原彬 −
−−−−−−−−前田−−−−−−−− −−−−−−−−前田−−−−−−−−
控え:山崎晃、渥美、小泉、篠田悠、町田 交代:後半00分:望月→篠田悠 (石垣をCB、篠田悠をFWに) 柴田→小泉 (そのまま右SHに)
中京大学附属中京高校:
−−−−−−11−−吉田−−−−−−
−−08−−−−−−−−−−07−−
−−−−−−北森−−20−−−−−−
−−02−−04−−03−−06−−
−−−−−−−−01−−−−−−−− 交代:後半32分:11→17 (08FW)
▼試合展開 中日本ユースサッカースーパーリーグのU-18部門は、18チームが2つのグループに分かれて総当たりのリーグ戦を行っている。Aグループ4位の清水は、Bグループ4位の中京大中京との順位決定戦となった。この日は、上埜、美臣、小出、神田が別調整。佐野、長沢、岩本、池田がU-17NTC合宿で、他に風間、枝村、竜男、桑原卓が不在。残りの選手は全員がスタメン、乃至はベンチに入ったが、後半頭から出場した悠輔・小泉の他は、渥美と町田は交代で副審担当、山崎晃は高祖さんと個別特訓と、出場メンバーはあらかじめ決められている感じだった。主審は小池さん。 中京は昨年の同大会U-17部門の優勝チーム。175cmを越える選手の多い長身チームで、グランパスの蟹井、名古屋FCの吉田、そして日比野中の北森など多くのタレントを抱えている。清水と同じく、MF石原・FW伊藤はU-16NTCで不在 (のはず)。プリンス東海参入戦を残してはいるが、高校選手権で敗退してしまったため、恐らく新チームだと思われる。ちなみに参入戦は8チームが2つのトーナメントに分かれて2枠を争い、中京は緒戦に清水東と対戦。この2チームと各務原あたりが、有力だと思われる。
[前半] 立ち上がり、遠目から中京がシュートを狙う場面もあったが、徐々に清水がサイド攻撃からペースを掴む。真司・真希が中央で絡み、岡村・柴田がスピードを活かして高い位置で起点を作った。ただ、PA内で互いにミスが多く、クロスに対して中央で合わせる/クリアすることができず、ボールがファーに流れることもしばしば。逆に9分には、速攻から中京FW11番に左SB八木の裏を抉られ、クロスにフリーでFW吉田が飛び込んだが、ヘッドは枠外に外れた。その後、やや清水の攻勢が停滞するも13分、CH谷野のサイドチェンジを中京左SB2番がカットするが、すぐに右SB桑彬がプレス。慌てた横パスを受けたCH20番から、CH真希がガツンと奪い取ると、小さくドリブルしてDFに突っ掛け、PA手前からズトン。立ち位置が低すぎたGKのポジションミスもあり、弾丸ミドルを正確にゴール左へ撃ち抜いた。1−0。 狙っていたサイドからの崩しからではなかったが、先制した清水は勢いに乗る。15分には、再び真希が横パスをアンティシペーションで奪い取り、そのままミドルを放つが、CB4番に掠ってGK。18分、CB望月のクサビを同期のFW真司が受けると、素早いターンからスライディングで左に大きく展開する美技。これも同期の左SH岡村がPA内に切れ込むと、細かいステップから小さくPA内中央のFW石垣に戻すが、シュートはDFのスライディングにゴール前で阻まれ、更にリバウンドを自らボレーで狙ったが、大きく右に外れた。
その後は暫く縦に速い展開が続き、拙速故にオフサイドに引っ掛かるなどミスが目立つ。だが、個々のキープ力が上回る清水が、ポゼッシャンを高めていく。パスを左右に振り分けながら、真司・岡村・八木が絡む左サイドで起点を作り、大きく右に展開する形で好機を創るようになった。27分には深く右サイドを抉った右SH柴田が後ろに戻し、桑彬が一気にサイドチェンジ、受けた岡村が左SB八木との縦のワンツーから猛然と駆け上がると、そのクロスにファーで柴田がヘッド。しかし、ボールは枠右に外れる。36分にも岡村が八木とのワンツー、続いて真司とのワンツーで縦に走り抜け、クロスに再びファーで柴田がヘッド。これはGKにキャッチされた。 一方、中京も清水と同じく、FW・SH・SBが絡んでサイドを崩そうとする意識の強いチームであり、特に慣れないポジションを務める八木が狙われた。流れが前後するが32分、オフサイドポジションに残っていたFW吉田に釣られて、オンサイドから飛び出した右SH7番へのスルーパスを許す。クロスはファーで桑彬が逆サイドへ跳ね返すが、今度は右SB2番が拾ってクロス。PA内で混戦になり、最後は吉田が窮屈な体勢からシュートを放ったが、ゴール右に外れた。 そんな中、37分、相手陣内のパス回しを真希がカット、パスをCBの間に入り込んで受けた真司、小さなフェイクでGKを惑わし、綺麗に左足で巻いたミドルをゴール右に突き刺して、2−0。一瞬の隙にあっさりと追加点。そのリスタート直後も、今度は真司がタックルしたボールを拾った真希が、35Mロングシュートを狙うなど、清水押し気味のまま前半を折り返した。
中京大中京 清水エスパルス 4(0) シュート 9(6) ◎真希、○真希、○石垣、×柴田、×柴田、×柴田、○柴田、◎真司、○真希 3(1) 右クロス 4(0) ×柴田、×柴田、×桑彬、×真司 4(0) 左クロス 6(2) ×岡村、×岡村、×岡村、×岡村、○岡村、○岡村 0(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 4(−) ・柴田、・真司、・柴田、・柴田 1(1) ファウル 3(1) ・望月、×村越、・岡村
[後半] 開始早々、中京の出会い頭の一撃。1分、中央から裏に抜けて吉田が放ったシュートは、GK前田正面で事なきを得る。後半から久々にCBを務める石垣のポジションが悪く、流動的に動く吉田を掴まえきれなかった。中京は前半と同様に不慣れな八木を狙いつつ、前半と違って縦に速い展開を志向。3分には11番の右CKから、吉田が石垣の背後に巧みにポジションをズラしてヘッドを放ったが、シュートはGK前田が阻んだ。清水は岡村の運動量が落ち、途中交代した小泉のドリブルを巧く中京2番に封じられたため、前半の幅のある攻撃が不発気味。何度か八木が岡村をフォローして絡んだが、後半から投入された悠輔を軸に中央から縦に崩しにかかる。ただ、互いに中央の守備は厚く、淡々と時間が過ぎていった。18分、石垣→真希→悠輔と2年生3人が一気に縦に繋ぎ、DFのクリアを拾って2年生谷野のミドルが、僅かにファー右。 20分も過ぎると、勘を取り戻した石垣が安定し、CB2枚が積極的に中盤の守備に加わることで、清水が高いポゼッションを保つようになる。サイドも使えるようになり、真司や小泉の突破から後半残り20分で6つのCKを得るが、20分の谷野の左CKは、岡村とショートで繋いで谷野のクロスを石垣がファーで折り返すが、村越より一瞬早くGK。31分、真司の右CKを中央で石垣が頭一つ高く競り勝ったが、ボールは左に外れた。よくパスを繋ぎ、攻め込みながら最後が決まらない中、33分、中盤のプレス合戦で一度奪われるが、相手のバックパスを掻っ攫って真希がスルーパス。CBの背後に潜んでた真司が死角から飛び出し、GKと1対1に。PA内で一度プレーを止める余裕を見せ、戸惑うGKの肩越しにドライヴシュート。ゴール中央に叩き込んだ。3−0。
以後も試合を決めた清水が攻勢。34分、中に切れ込んだ桑彬が再び右に叩き、大外の小泉が再び中に切れ込んで中央にマイナスに戻すと、真希砲発射! GKが何とか右CKに逃れるが、岡村のキックのクリアを谷野が拾って小泉とワンツー、続けてスルーパスから真司の左クロスを村越が合わせるも、枠の上に外す。悠輔と真希あたりが「俺がもう1点獲るぜ」的に強引に仕掛け続けるが、逆に38分、桑彬は自らの後ろに吉田を置いていたが、最終ラインが乱れてオフサイドなく彼にパスが通り、そのまま裏に抜け出される。クロスの前に桑彬が追い付くも吉田はキープ、石垣が釣り出されたところで後ろに戻し、左SH17番がダイレクトでPA内にクサビ、飛び出したCH北森がヒールで後ろに流し、フリーの右SH7番が美味しくゲット。3−1。攻撃練習を見るような、綺麗な崩しだった。 だが、清水は失点後も変わらず、悠輔と真希が「もう1点」を狙い続ける。ロスタイム、岡村が戻したボールを八木がサイドチェンジ、桑彬が右斜めに流して小泉の右クロス、ファーに真希が飛び込んでヘッドはGK。続けて小泉のパスの相手カットミスを真希が奪ってスルーパス、駆け込む悠輔がDFを競走で追い抜き、強烈に腰を捻ってシュートを放ったが、角度がなくGKに阻まれた。 試合は結局、3−1で終了。ポゼッション率に比べてゴール前でのミスが多く、スコア的にやや消化不良感はあったが、危なげなく7位を決めた。
中京大中京 清水エスパルス 3(3) シュート 8(4) ×悠輔、×谷野、×石垣、◎真司、○真希、×村越、○真希、○悠輔 2(1) 右クロス 3(1) ×小泉、×小泉、○小泉 0(0) 左クロス 7(2) ×八木、×岡村、○谷野、×小泉、×真希、○真司、×岡村 0(0) 右側CK 4(1) ○真司、×真司、×真司、×岡村 0(0) 左側CK 3(0) △谷野、×谷野、△真希 1(−) 犯OS 3(−) ・小泉、・岡村、・村越 1(1) ファウル 1(1) ×桑彬
▼試合結果 清水エスパルスユース 3−1 中京大学附属中京高校高校 得点:前半13分:清水・山本 真希 ※ミドルシュート 前半37分:清水・鈴木 真司 (山本 真希・ショートパス) 後半33分:清水・鈴木 真司 (山本 真希・スルーパス) 後半38分:中京・07番 (北森 陽介・ショートパス)
▼選手寸評 ●山本 真希 (2年・CH) 普段に比べれば運動量が少なく、お疲れモードの印象。だが、局面での運動能力の高さは明らかに違うレベルにあった。3得点は全て真希が強引に奪ってのもので、瞬発力と浮き球コントロール、判断の速さはさすが。シュート5本は全て枠内。
●村越 大三 (3年・CB) 空中戦・地上戦・フィード・コーチングと、ほぼ完璧なプレーを見せた。岩本不在のため、久々に後方で余る形となったが、急造CBの望月・石垣を実に巧く操り、攻撃の選手への指示も適切。自ら中盤のプレスへの参加も、判断が良かった。
2004年11月20日(土) |
JY (中2): 中東新人戦 静岡市立清水第六中学校戦 |
Jrユース (中2) 04年10月06日 (土) 12:40開始 鈴与三保グラウンド 中東新人戦 準決勝 vs 静岡市立清水第六中学校 ※25分ハーフ
▼布陣 清水エスパルス: 静岡市立清水第六中学校: −−−−−−池上−−高橋−−−−−− −−−−−−10−−20−−−−−− − 佐野傑 −−−−−−−−−吉川−− −−15−−−−−−−−−−09−− −−−−−−杉山−−西澤−−−−−− −−−−−−08−−14−−−−−− − 加瀬澤−望月恭 −岩崎−−狩野−− −−06−−11−−05−−04−− −−−−−−− 望月景 −−−−−−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 後半12分:西澤→望月卓
▼試合展開 [前半] 13分、清水、杉山のシュートから左CKを得る。杉山が蹴ると、ファーで待つ岩崎が頭一つ高くゴール左へ折り返し、1−0 14分、清水、深く抉った佐野傑の速い左クロスをファー池上が丁寧に頭で落とし、中央フリーで高橋がボレーで詰め、2−0
清水六中 清水エスパルス 0(0) シュート 15(11) ○池上、○池上、×池上、○岩崎、○佐傑、○池上、×杉山、◎岩崎、◎高橋、○加瀬 ○西澤、○池上、×西澤、○杉山、×佐傑 0(0) 右クロス 4(1) ○吉川、×狩野、×吉川、×吉川 0(0) 左クロス 7(3) ×佐傑、○佐傑、×佐傑、×杉山、○佐傑、○加瀬、×佐傑 0(0) 右側CK 3(1) △杉山、○杉山、×杉山 0(0) 左側CK 1(0) ×西澤 0(−) 犯OS 3(−) ・高橋、・高橋、・高橋 0(0) ファウル 2(0) ・吉川、・吉川
[後半] 13分、清水、ポストの池上から反転スルーパスに、飛び出した卓馬が倒されてPK。卓馬自らゴール右に低く決めて、3−0 22分、清水、杉山の左CKはファーに流れるが、吉川の折り返しをDFがクリアミス、左ポスト前にいた高橋が詰め、4−0 23分、清水、吉川が右CKをショートで素早く再開、受けた杉山がクロスを入れ、ファーの池上が頭で丁寧に合わせ、5−0
清水六中 清水エスパルス 1(0) シュート 11(7) ×池上、○池上、×吉川、○岩崎、◎卓馬、○高橋、×高橋、○高橋、×杉山、○高橋 ◎池上 0(0) 右クロス 6(3) ×吉川、○高橋、×吉川、○狩野、×狩野、◎杉山 1(0) 左クロス 7(3) ×佐傑、○佐傑、×佐傑、×佐傑、○杉山、○加瀬、×佐傑 0(0) 右側CK 2(1) ○杉山、△吉川 0(0) 左側CK 2(0) ×杉山、×杉山 0(−) 犯OS 3(−) ・吉川、・池上、・池上 1(1) ファウル 3(1) ・杉山、・杉山、×卓馬
清水エスパルスJrユース (中2) 5−0 静岡市立清水第六中学校 (中2)
▼個人的好印象選手 杉山 一貴 (CH): 幅広い運動量と的確な判断、精妙なキックで試合を創る。意外性は少ないが、丁寧な展開が印象的。 高橋 真登 (FW): まだ声変わりしてない142cmは、巧さとズルさで勝負。サボらぬ運動量と絶妙のポジションが持ち味。
2004年11月06日(土) |
Jユース杯 ジュビロ磐田戦 (H) +JY (中2): 聖隷SC戦 |
04年10月06日 (土) 14:00開始 清水エスパルス三保グラウンド 第12回Jユースカップ2004 Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ 対 ジュビロ磐田ユース (H) ※45分ハーフ 天候:晴 (気温22.4℃/湿度63%)、観衆:246人
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−−−− 鈴木真 −−−−−−− −−−−−−− 篠田悠 −−−−−−−
−−岡村−−枝村− 山本真 −上埜−− −−岡村−−枝村− 山本真 −小泉−−
−−−−−−−−池田−−−−−−−− −−−−−−−−池田−−−−−−−−
− 桑原卓−佐野克 −岩本− 桑原彬 − − 桑原卓−佐野克 −岩本− 桑原彬 −
−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−
控え:前田、渥美、谷野、小泉、篠田悠、石垣、長沢 交代:後半29分:鈴木真→篠田悠 (そのままFWに) 後半29分:上埜 →小泉 (そのまま右SHに)
ジュビロ磐田ユース:
−−−−−−増田−−岡本−−−−−−
−−−−−−−−中村−−−−−−−−
−−白井−−上田−−徳増−−石神−−
−−−−飯田−−森下−−宮本−−−− 交代:後半09分:宮本→渡邉昌 −−−−−−−−松本−−−−−−−− 後半37分:白井→伊藤大 (増田を左WB、伊藤大をFW)
▼試合展開 劇的な逆転から1週間後の再戦。ただ磐田は1週間空いたのに対し、清水は水曜日に湘南戦を経ている。日曜日のサテライトに出場した選手も多くおり、疲労が心配だ。とはいえ、磐田の方も前回の乱戦で警告を受けた藤井・八田の昇格内定者が出場停止になっており、全てが全て有利なわけではない。清水の方は、池田が出場停止を消化している。 その清水。CB村越が大学の推薦入試でもあったのか、ベンチにも名前がない。そのため、3バックではなく、桐蔭戦の後半途中から用いた、4バックの前にボランチを1枚置く4−1−4−1を採用。守備ブロック5人はその時と同じく、全員1年生である。一方の攻撃陣は、3年生4人と2年生1人。上級生が攻めて、1年生 (と風間) が守る。 磐田は藤井の代わりに増田を1列上げ、左WBに1年生の白井を起用。GKには2年生の伊藤洋ではなく、U-15代表歴もあるSS沼津の後輩、松本を起用した。余談だが、清水のフロント陣は東部の人材を飛び石で磐田に抱えられていることについて、危機感を覚えているのだろうか。途中交代の渡邉昌 (U-16代表) と伊藤大 (U-15ストライカーキャンプ) も、SS沼津出身である。3年生5人、2年生4人、1年生2人と、普段よりかなり若い面子となった。ただ、センターラインは森下−徳増・上田−中村−岡本と、きっちりと一本線が通っている。
[前半] 立ち上がりは清水が押し気味、と思われた5分。上田の右CKを岡本より先に触れてニアで桑彬がクリア、のはずが、何をミスしたのかボールは綺麗なループを描き、あれよあれよとゴールファーに吸い込まれる。0−1。敵味方共に、暫し呆然。今まで3度も対戦しているが、何故か磐田戦は、普段からは考えられないようなミスが多い。緊張しているのだろうか。 気持ちを切り替え、清水が攻める。激しく前線の3人、真司・真希・枝村がポジションを入れ替え、時には枝村が最前線でポスト役を担う。ドリブルと飛び出しを兼用する攻撃は即興性が高く、見ていて気持ちがいい。左サイドからの崩しが多かったが13分、初めて右SBの桑彬が右SH上埜を追い越し、PA横までオーバーラップ。最初のクロスはDFが跳ね返したが、すぐに拾い直して再び右の桑彬に展開する。柔らかい狙い澄ましたクロスをトップ下の枝村が頭で落とすと、まず磐田の右CB宮本が確保したが、足下にトラップしたところ、中に絞っていた上埜が突撃。強引に奪い去ると勢いのまま裏に走り抜け、飛び出すGK松本に対してゴール右へと低く正確に突き刺した。1−1。
相手の弱点を突くのは、勝負の鉄則。本来ボランチの相手右CB宮本を、徹底的に崩しに掛かる。17分、最終ラインでボールを回す宮本からトップ下の真希がカット、枝村が単独裏に出るが、シュート体勢でリベロの森下が間に合う。22分、岡村が左から切れ込むと一度はカットした宮本だが、クリアを拾った真希を倒してFK。枝村の右足で巻いてゴールに向かうボールは、走り込む味方に合わない。25分、ボランチ池田→CB佐野→左SB桑卓と1年生で回し、桑卓が左足でインに掛けてタッチライン際にボールを走らせる。それに左SH岡村が駆け込み、一度宮本がカットするが、自ら拾ってPA内に突破。それを宮本が後ろから腕で引き倒したように見えたが、…笛は吹かれず。 一方、何度か佐野の位置を突ついていたものの、ここまでシュート0の磐田は、清水の運動量が落ちてきた間隙を縫って、トップ下の中村が流れを引き寄せる。30分、ボランチ徳増の縦パスに対して佐野の右横のスペースに走りながら、反転ダイレクトシュート、GK正面。非常に藤田っぽい動きで、初シュートを記録する。その後も中村は31分、FW岡本がCB岩本に突っ掛けてこぼれたボールに飛び出すが、一歩早くGK風間、32分には右に流れて岡村と桑卓の2人マークに対し、ターンから縦に勝負して右クロスがピタリとFW増田の頭に合う。決定的な形だが、これもGK風間の正面だった。 運動量の落ちた清水は、前線の流動性が衰え、磐田のお家芸のオフサイドトラップにハマる形が増えてくる。ならばとサイドからクロスを入れるが、競り合う際にファウルを犯してしまい、厚みのある攻撃に繋げられない。一方、守備では39分に40Mの長い距離のFKをクリアできず、PA内で岡本に拾われてシュートがポストを直撃するなど、集中力に陰りが見えた。それでも、このまま同点で折り返すかに思われた43分、大きく右サイドに開いて受けた右WB石神が右から左へと大きく切り返して桑卓を交わすと、左足でインに巻くクロス。岡本がニアのフリースペースに流れながら、頭を捻らせるテクニカルなヘッドを放つと、ボールは導かれるようにゴールへ吸い込まれた。1−2。その後も磐田攻勢のまま、前半を折り返した。
磐田 清水エスパルス 5(3) シュート 2(2) ○枝村、◎上埜 4(2) 右クロス 5(1) ×桑彬、×桑彬、○桑彬、×上埜、×桑彬 1(0) 左クロス 5(0) ×枝村、×真司、×岡村、×桑卓、×岡村 1(0) 右側CK 1(1) ○岡村 0(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 7(−) ・??、・真希、・真司、・真司、・真希、・真希、上埜 12(1) ファウル 6(0) ・池田、・枝村、・真司、・真司、・岡村、・真司
[後半] 全般には五分か、6:4で清水という展開ながら、最初の5分間と最後の5分間の失点で磐田に主導権を譲り渡した前半。しかし、後半は開始早々、桑原弟のサイドチェンジを真希がスルーし、右の桑原兄へ。上埜とのワンツーで中盤まで攻め上がると、桑原彬が得意のアーリークロスを送る。それを真司がダイレクトで叩くと、PA手前中央で真希砲発射! GK松本、正面で受け止めるが、全くブレのない強烈なシュートに会場騒然とする。1分には、岡村の左クロスをGK松本が触り損ね、ファーの上埜に詰めかけるあわやの場面。その後も、上埜がスローインから左CB飯田を突破してクロスを上げたり、岡村が宮本をスピードでぶち抜いてシュートを放ったり、磐田は8分に宮本を下げてU-16代表・渡邉昌を入れる修正を余儀なくされる。 だが、その後も流れは変わらない。8分に石神がアフタータックルで、11分には増田が腕を掴んで、共に清水の速攻を強引に潰し、警告を受ける。15分、枝村得意のダイアゴナルフィードを真司がダイレクトで叩き、岡村のクロスに対して上埜。3年生4人が絡む攻撃は、しかし上埜のシュートが宇宙開発。18分、渡邉昌を背負う真司がファウルを誘い、PA左横から距離15M強のFK。走り込む池田が至近距離で合わせたが、その前に立ちはだかる森下が胸でブロック、逸れたボールに悠輔が突っ込んだが、それも素早く体勢を向き直した森下とGK松本がシュートコースを消して弾いた。
この間、守備陣は岩本と池田のチャレンジ&カバーの関係が抜群、岡本が良い動き出しと素早い反転の個人技という好機を作られた程度。22分、自陣のスローインから桑彬のパスミスを増田に拾われ、PA内のシュートがニアサイドネットというのは、いただけなかったが。
20分を過ぎると運動量が落ち、やや展開が膠着してきたが、28分と30分に真希が中盤からの中央突破で刺激を与える。それぞれ渡邉昌と徳増がなりふり構わず反則で止め、警告を受けた。それに前後して29分、疲労で足を痛めた真司と上埜に代わり、悠輔と小泉を投入。再び攻撃が活性化すると32分、左サイドの展開からドリブルする真希がクサビ、後ろ向きで受けた悠輔は「俺たちのフィールド」並の右腕の使い方で、渡邉昌を寄せ付けずに左足でキープ。枝村にパスを送ると反転、そこへスルーパス、一糸乱れぬ統率を誇っていた磐田フラット3はメンバーを入れ替えた影響か、逆サイドの飯田が残っていた。篠田悠輔、この男がPA内の1対1を外すはずがない。完璧なタイミングとコントロールでボールをファーに突き刺し、2−2。再び同点! 追いついた勢いに乗る清水が攻める。35分、枝村のループパスから悠輔の放ったシュートは、GK松本がワンタッチで軌跡を変える。38分、池田のバックパスを岩本が40Mダイレクトスルーパス、パスの前から走り出していた小泉が受けて切れ込むが、CKに逃げられる。勝点1では予選突破に黄信号の灯る磐田だが、岡本の個人技で反転ミドルを放った以外は、どうしてもPA前で1年生4バック+1ボランチに絡め取られた。が、43分、磐田のアーリークロスだっただろうか、GK風間が問題なくキャッチすると、直ちにパントキック、それはPA手前の佐野の背中に当たり、PA内を転々。岡本がそれを拾ってシュートを狙ったところで佐野?に倒され、…判定はPK。この試合、清水初めてのDFのファウルがPK。岡本自ら確実に決めて、2−3。
ありえない失点を犯した清水を畳み掛けるように、直後にもアーリークロスを途中交代のFW伊藤が頭で落として岡本、ハットトリックのチャンスはトラップミス、クリアを中村が拾ってミドルを狙うがGK風間正面。このままでは終われない清水はロスタイム、左サイドに流れてキープする悠輔が戻すと、この試合、初めて上がってきた左SB桑原卓哉。PA左の枝村にクサビを入れてリターンを受けると、スルスルとPA内に侵入してシュート! 完璧な崩しだったが、僅かにゴール右に外れてしまう。そして、タイムアップの笛。 1週間前の後半43分の逆転劇から始まったこの連戦。その翌日のサテライト湘南戦を含め、3試合連続して残り僅かで決勝弾を浴びるという、非常に悔やまれる1週間になってしまった。ただ、ドローより勝ち越しを目指した心意気は、評価したい。
磐田 清水エスパルス 8(3) シュート 8(5) ○真希、×岡村、○真希、×枝村、○岡村、◎悠輔、○悠輔、×桑卓 4(1) 右クロス 2(1) ○桑彬、×上埜 1(0) 左クロス 3(1) ×岡村、○岡村、×岡村 2(1) 右側CK 3(0) ×岡村、×岡村、×岡村 0(0) 左側CK 2(0) ×真希、△真希 0(−) 犯OS 2(−) ・枝村、・悠輔 13(1) ファウル 7(1) ・上埜、・岡村、・??、・真希、・枝村、・小泉、×佐野
さて、決勝トーナメント進出の可能性については、11月16日のJリーグ理事会次第となった。そこで、1.新潟戦は無効=勝点0、となった場合、可能性は殆どない。2.新潟戦の2試合は有効、残り試合は不戦勝とする、となった場合、新潟戦1−0で勝利した清水は、5−0で勝利している湘南に対して不利。もし13日に湘南が磐田に勝った場合、3チームが2勝2敗で並んだ上で湘南を「得点数」で下回り、3位となる可能性が高い。3.新潟戦は2試合は無効として全て不戦勝、となった場合、湘南との対戦成績で上回るため、2位以上が確定となる。一応、湘南が4点差で磐田に勝てば、清水が1位 (苦笑)。 2位になった場合、7グループの2位の成績上位5チームが決勝トーナメントに進出する。現時点でCグループは、2位が勝点12以上が確実で、得失点差も大きい。残り5グループも勝点12を越える可能性を残しており、予断を許さない。昨年は勝点10で2位の5番手に滑り込んだが、今年はその幸運が残されているだろうか。
(04.11.17追記) 11月16日のJリーグ理事会の結果、上記 2.のとおり取り扱うことに決まった。磐田が13日に湘南に勝利したため、勝点12でDグループ2位となる。現時点で既にグループA・F・Gの2位は勝点12を下回ることが確定したため、決勝トーナメント進出が決まった。
▼試合結果 清水エスパルスユース 2−3 ジュビロ磐田ユース 得点:前半05分:磐田・オウンゴール 前半13分:清水・上埜 健太 ※ドリブルシュート 前半43分:磐田・岡本 達也 (石神 啓 ・右クロス) 後半32分:清水・篠田 悠輔 (枝村 匠馬・スルーパス) 後半43分:磐田・岡本 達也 ※PK 警告:前半38分:清水・桑原 卓哉 (遅延行為) 後半08分:磐田・石神 啓 (ラフプレー) 後半11分:磐田・増田 真士 (ラフプレー) 後半28分:磐田・渡邉 昌成 (ラフプレー) 後半30分:磐田・徳増 欣也 (ラフプレー) 後半44分:磐田・森下 俊 (異議)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●池田 康彦 (1年・ボランチ) 1年生にして1人ボランチの大役を完遂。中村という曲者を相手にしながら、磐田得意の中央突破を許さなかった。岩本との補完関係は完璧に近く、最終ラインが崩れてもどちらかが的確に急所を埋めていた。プレスのいなし方も進歩している。
[私撰MIP] ●岩本 大 (1年・CB) 増田を完封。地上戦は鋭い読みで次々と相手を食い止めたが、空中戦は岡本に競り負ける場面もあり、要改善。とはいえ、増田や岡本に対してストッパーの仕事をこなしつつ、右サイド際から中盤まで担当するカバーリングセンスは見事。
●枝村 匠馬 (3年・トップ下) 攻撃に関しては、本当に万能。パスやドリブルだけでなく、1点目の場面のように意外と空中戦も強く、身体能力は高い。ただ、今年に入って、昨年あれほど好かれていたゴールの神に嫌われているようだ。16分間で役割を果たした悠輔が次点。
[個人的好印象選手 (相手方) ] 岡本 達也 (3年・FW): ボールを受ける動きとシュートの質が非常に高い。良いキックだけでなく、巧いヘッドも示す。 森下 俊 (3年・リベロ): カバーに追われる展開で、寄せの速さと思い切りの良さを発揮。ほぼ一人でゴールを守った。
Jrユース (中2) 04年10月06日 (土) 12:40開始 鈴与三保グラウンド 県クラブユースリーグ vs 聖隷JrユースSC
▼布陣 清水エスパルス: 聖隷JrユースSC: −−−−−−前田−−高橋−−−−−− −−−−−−11−−08−−−−−− −−杉山−−−−−−−−−−吉川−− −−12−−−−−−−−−−06−− −−−−−−西澤− 望月卓 −−−−− −−−−−−09−−10−−−−−− −−曽根− 望月恭 −岩崎−−狩野−− −−05−−04−−02−−03−− −−−−−−− 望月景 −−−−−−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 後半00分:西澤→深澤 前半22分:06→13 後半21分:高橋→池上 後半15分:12→16 後半28分:13→14
▼試合展開 [前半] 15分、清水、西澤に警告 (ラフプレー)
聖隷SC 清水エスパルス 0(0) シュート 7(1) ×前田、×吉川、×前田、×卓馬、×卓馬、○杉山、×前田 0(0) 右クロス 5(2) ×吉川、×狩野、○杉山、○吉川、×狩野 1(0) 左クロス 4(0) ×曽根、×杉山、×曽根、×曽根 0(0) 右側CK 1(0) ×杉山 1(0) 左側CK 1(0) ×杉山 1(−) 犯OS 1(−) ・杉山 2(0) ファウル 4(0) ・高橋、・前田、・恭平、・西澤
[後半] 15分、清水、恭平のクサビから杉山→前田→杉山→前田とワンツーを繰り返し、前田がPA左角付近から精密にニア。1−0 27分、清水、杉山の左CKにニアで合わせた前田が、威力を殺したコントロールヘッドを、ループ気味にゴール左へ。2−0
聖隷SC 清水エスパルス 1(0) シュート 7(3) ×狩野、○岩崎、◎前田、×前田、×吉川、×池上、◎前田 0(0) 右クロス 2(1) ×高橋、○杉山 0(0) 左クロス 6(1) ×曽根、×曽根、×前田、×前田、×曽根、○曽根 0(0) 右側CK 2(0) ×杉山、×杉山 0(0) 左側CK 3(1) ×杉山、△杉山、◎杉山 0(−) 犯OS 2(−) ・吉川、・高橋 2(0) ファウル 2(1) ・深澤、×深澤
清水エスパルスJrユース (中2) 2−0 聖隷JrユースSC (中2)
▼個人的好印象選手 前田 陽平 (FW): ターンを見てるだけでご飯三杯はいける。平松・真司・前田の前線をトップで見たら、発狂しそう。 曽根 大二朗 (左SB): 体格は平均値だが、身体能力が非常に高い。クロスも極めて正確で、142cmの高橋にも合わせた。
2004年11月03日(水) |
Jユース杯 湘南ベルマーレ戦 (A) |
04年11月03日 (水) 13:00開始 平塚競技場 第12回Jユースカップ2004 Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ 対 湘南ベルマーレユース (A) ※45分ハーフ 天候:晴れ
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−−−−−石垣−−−−−−−− −−−−−−−−八木−−−−−−−−
−−−−− 鈴木真−山本真 −−−−− −−−−− 鈴木真−山本真 −−−−−
−−岡村− 桑原卓 −枝村−−谷野−− −−岡村− 桑原卓 −枝村−−柴田−−
−−− 佐野克 −岩本−−村越−−−− −−− 佐野克 −岩本−−村越−−−−
−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−
控え:前田、渥美、桑原彬、上埜、柴田、八木、篠田悠 交代:後半19分:谷野→柴田 (そのまま右WBに) 後半37分:石垣→八木 (そのままFWに)
湘南ベルマーレユース:
−−−−−−−−中山−−−−−−−−
−−−−加藤−−宮崎−−猪狩−−−−
−−−−−−齋藤−−高原−−−−−−
− 日下部 −渡部−−鈴木−−関口−− 交代:後半25分:高原 →北村 (4-1-3-2、中山と北村の2トップ) 後半30分:日下部→宮内 (3-2-3-2、宮内を右CB、関口をボランチ) −−−−−−−−平川−−−−−−−− 後半33分:中山 →鎌田 (鎌田を右WG、猪狩をFW)
▼試合展開 8日間で4試合という強行日程。新潟の出場辞退は、この点では清水に不利に働いている。4日前の磐田戦に出場したメンバー (交代含め12人) は、3日前のサテライト湘南戦に真司・風間・長沢を除く9人+石垣が同行、谷野と岩本を除く8人が出場し、枝村・村越・岡村・真希・池田の5人は2日連続して90分プレーした。ただ、池田はこの試合、出場停止。代わって桑原卓が少年団以来?のボランチに抜擢された。また、長沢がベンチにも入らず、ワントップは石垣。練習には姿を見せていたようなので、大事ではあるまい。3年生5人、2年生3人、1年生3人の先発である。 先週末にJユースカップもなく、休養十分の湘南。前述のサテライト戦でも、渡部と猪狩が交代で出場しただけである。ただ、1週間半前の藤枝での対戦で、エースの鶴見が負傷するという大きなハンデを抱えてしまった。メンバーは前回の対戦における後半の布陣が基本。ただ鶴見が負傷したため、1トップ下を3枚に減らし、代わって高原を一列上げてボランチを2枚に、日下部を左SBに起用した。これも、前回の対戦で見せていたシステムの一つである。3年生2人、2年生5人、1年生4人と、非常に若い。 この試合、清水は引き分け以上で2位以内が確定、ほぼ予選通過が決まる。
[前半] 立ち上がりは、ここ数試合で最高の内容。磐田に勝った勢いが感じられる。開始0分、FW中山にPA前後から強引なスライディングシュートを許したものの、中盤を積極的なプレスと小気味よいパスワークで制圧。4分、ボランチ枝村のシュートがDFに当たって得た右CK、岡村のキックにニアで石垣が頭で合わせて、早くも初シュートを記録する (枠上)。
5分には相手FKを跳ね返して速攻、トップ下真希のパスを前線に残っていた真司が左足アウトサイドダイレクトで流し、左WB岡村が裏へ駆け抜けるや、サイドチェンジ。枝村が一気に最前線に駆け上がったが、シュートは勢いのままゴール右に外れた。 その後も、枝村・真希・真司の中盤3人を軸に、面白いようにパスが回る。枝村が積極的に前に飛び出す一方、池田の代役を務めるもう一人のボランチ、桑卓も安定しており、中盤の底に残って人に対する強さを発揮していた。湘南はサイドに起点を作ろうとするが、パスミスが多く、サイドから中央に入れるボールを次々とカットされて、攻め手がない。22分に宮崎のFKをファーで齋藤が合わせる場面もあったが、単発。逆に25分、サイドへの散らしを読んでいた岡村がカット、左サイドに流れた真司にパスを送るとリターンを受けたが、クロスはファーで右SB日下部がカット、早くも5本目のCKを得る。岡村のキックはニアで石垣が競ってファーへと高く弾むと、佐野がそれを叩き落として中央で村越が至近距離ボレー! が、僅かに枠を外し、先制点の絶好の機会を逃した。
劣勢の展開に見かねたのか、スタンド中央の20人ほどの子供たちが「べ〜るま〜れ!」と声援と拍手を送り始める。彼らは殆ど休むことなく、残り60分間、声を送り続けた。正直、ここまで持続性のある応援は、ユースは勿論、Jリーグでもあまり見たことがない。その声に押されるように29分、最終ラインCB鈴木のフィードから大きく左に開いた左WG加藤がフリー、中に切れ込んでミドルはGK風間。前の対戦でも見た形であり、湘南はサイドからPAへと斜めに走り込んでシュートする形が、よく練習されているようだ。清水は36分、GK風間のキックをFW石垣が頭で裏に流して真司、中央に戻してもう一度石垣、更に右へ流して枝村が走り込むと、強引にターンしてシュートを放ったが、大きく右に外れた。清水は序盤の飛ばしすぎのせいか、声援に萎縮されたように運動量を落としていく。 38分、湘南は最終ラインで回して右SB関口が縦にフィード、岡村の位置が中途半端になり、トップ下の宮崎がフリーで右サイドに抜ける。対応に来た左CB佐野を切り返しで翻弄すると、速いクロスに逆サイドから斜めに走り込んできた加藤がヘッド。決定的な形だが、シュートはGK正面。ならばと清水は、中央突破からサイドを使う形に切り替え、相手のサイドを牽制。湘南は両SBが殆ど上がらず、人数を掛けて守ってきたが、43分にはセカンドボールを佐野が前に出て拾って攻撃参加、PAの左横まで持ち上がってクロスを送ると、石垣がニアで頭を合わせる。これも決定的だが、ボールはニアに外れた。 結局、スコアレスのまま、前半終了。真希の体が重く、ゴール前の人垣を崩す最後の一手に欠けている印象だった。
湘南 清水エスパルス 4(4) シュート 7(1) ×石垣、×枝村、×枝村、×村越、×枝村、○真希、×石垣 4(1) 右クロス 2(0) ×谷野、×谷野 2(0) 左クロス 5(1) ×岡村、×岡村、×岡村、×岡村、○佐野 0(0) 右側CK 3(2) ○岡村、×岡村、○岡村 0(0) 左側CK 2(0) ×谷野、×谷野 1(−) 犯OS 1(−) ・石垣 4(0) ファウル 10(2) ・桑卓、・真希、・桑卓、・石垣、×岡村、×岡村、・谷野、・桑卓、・石垣、・石垣
[後半] 後半立ち上がりは、立て続けに湘南。2分、桑卓から右CB村越のパスが悪く、トラップが乱れたのを加藤がカット、日下部が拾って速攻を仕掛ける。クロスに対してニアに中山が飛び込むが、僅かに合わずGK風間。続けて5分、宮崎?のドリブルに対してスイーパー岩本がチェック、交わされたがカバーの村越がカット。しかし、逆サイドにクリアしようとして佐野のキックミスをボランチ齋藤に拾われたが、左クロスはなんとかGK風間が手に当て、軌跡を変える。更に7分、クサビのパスをカットに前に出た村越が中途半端、先に触った後に待ち構えていた加藤にすぐに拾われ、背後へと独走される。岩本に進路を塞がれたところで中央に戻し、中山がミドルシュート。だが、GK風間が正面でガッチリとキャッチした。 この10分間、ほぼ全く攻撃のできなかった清水だが、湘南が徐々に息切れするにつれ、枝村が前線で真希らと絡み、サイドに流れてクロス、真司へのスルーパス、逆に真希からスルーパスを受けて自らの飛び出し、或いはサイドに岡村を走らせる散らし、と多彩な攻撃を率先、流れを引き寄せようとする。その間、湘南の攻撃の頻度は落ちたが、20分には低い右クロスを村越がクリアミス、ゴール至近距離で加藤にシュートを撃たれるが、村越自らGK風間の前でスライディングでブロック。22分にも宮崎が中央から斜めに右WG猪狩を走らせるパス、佐野が振りきられてシュートはGK風間の正面だった。 その直後の23分、佐野が相手のクサビをカット、ルックアップして中央バイタルエリアへクサビを送る。そこに谷野に代わったばかりの柴田が右サイドから走り込むと、小さく戻して司令塔枝村、柴田のいた右サイドのスペースへとスルーパス。先に反応していたのは湘南DFのはずだが、猛然と右から回り込んできた真希が「競走」で抜き去って、あっという間にGKと1対1、そして弾丸シュート。実にあっさりと、ゴールを決めてしまった。1−0。真希、これでサテライトリーグを含め、公式戦7試合連続ゴールである。
その後も清水の攻勢。左SBでも後半に積極性を増す桑卓が、ボランチの今回も頻繁にゴール前で絡むようになった。27分、佐野の入れたクサビを真司が受けると、右回転しながらPA内に走り込む桑卓へを送る。桑卓はDFを背負いながら鋭いターンで縦へ突破、進路を塞がれたところで大きく左外に振り、岡村のクロスを右大外にいた柴田がボレー。縦に大きく抉った位置で、左WBのクロスから右WBのシュートは、しかし角度が殆どなく、GK平川に止められた。すると湘南は、交代を機に最終ラインを1枚上げて3バックへ、積極策に出る。前線に人数を掛けて押し込み、強引に崩しに掛かるが、中央は岩本が安定しており、またクロスの精度が悪く、清水は守れていた。だが、この「守れていた」ことが、落とし穴。自分たちが守って (奪って) いたのではなく、相手のミスによって結果として守れて (奪えて) いただけだったのだ。押し込まる展開だったにも関わらず、反則が一つもなかったのがそれを証明していると言えるだろう。 勿論、連戦の疲労は大きい。徐々に湘南がボールを持つ時間が長くなる。それでも「守れていた」が、40分、PA右角から仕掛ける湘南は、クリアの乱れを拾って裏にボールを送ると、そこにFW北村。ゴール至近距離、しかし岩本が的確に対応し、シュートを撃たせないまま、ゴール方向から反転させる。が、北村の小さいパスに、左サイドから斜めに走ってきたのは猪狩。ゴールの5M前に置かれたボールをフリーで外すはずもなく、1−1。岩本が1対1を対応している間に、他の選手がパスコースを消せなかったか、猪狩に誰か併走できなかったか、悔やまれる失点だった。
同点にされた清水は、ドローより勝利を選ぶ。ボランチの2人も両WBも前掛かりになった。44分、真希がカットされたパスを自ら拾い直して縦にフィード、枝村が受けると大きく空いた逆サイドに、回転を掛けたダイアゴナルフィードを送った。真司と八木が重なりながら裏へと抜け出しに掛かり、先に触ったのは真司、と、ダイレクトで右に併走する八木にラストパス。が、八木のトラップは大きく、GK平川にクリアされた。ロスタイムにも清水が一方的に攻め続けたが、47分、枝村が左サイドを突破して上げたクロスをファーでクリアされると、それを受けた猪狩が村越の裏へとスルーパス。岩本の反応が遅れ、北村がオフサイドなく抜け出し、左から斜めにPA内へと独走、逆サイドから猛然とカバーに入った佐野も間に合わず、ゴール。1−2。 48分14秒、試合終了の笛。サテライトに引き続き、ロスタイムに決勝弾を叩き込まれて、湘南に連敗した。「べ〜るま〜れ!」と何百回、何千回と叫び続け、手を叩き、時に会場の大人にも応援を呼びかけた、湘南の小さなサポーターたちの純粋な気持ちが、報われた試合だった。
湘南 清水エスパルス 5(5) シュート 4(2) ×真司、◎真希、×枝村、○柴田 6(0) 右クロス 5(0) ×真希、×枝村、×枝村、×桑卓、×柴田 5(0) 左クロス 3(1) ×岡村、○岡村、×枝村 0(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 1(1) ○枝村 0(−) 犯OS 1(−) ・八木 6(1) ファウル 2(0) ・谷野、・真司
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−2 湘南ベルマーレユース 得点:後半23分:清水・山本 真希 (枝村 匠馬・スルーパス) 後半40分:湘南・猪狩 佑貴 (北村 尚人・ショートパス) 後半44分:湘南・北村 尚人 (猪狩 佑貴・スルーパス) 警告:前半38分:湘南・中山 敬介 (ラフプレー) 前半36分:湘南・北村 尚人 (ラフプレー)
▼選手寸評 [私撰MVP] なし
[私撰MIP] ●岩本 大 (1年・スイーパー) 時折読みが外れてスカッと抜かれる場面もあるが、奪ってからのフィードするまで読みきったようなカバーは実に優雅。それでいて慎重にすべき局面では、堅実そのもの。最後、疲労のせいかオフサイドに頼って失敗したのだけが、悔やまれる。
●村越 大三 (3年・右CB) 加藤の飛び込みに遅れをとることもあったが、いつも以上に中盤まで前に出て、不在の池田の分まで相手の起点を潰し続けた。判断は修正すべきだが、潰しの能力は本当に信頼できる。サイドチェンジなど、ロングキックも有効だった。
[個人的好印象選手 (相手方) ] 猪狩 佑貴 (1年・右WG→FW): 1得点1アシスト。まだ波はあるが、スピードとテクニックが極まれば破壊力がある。 斉藤 貴之 (3年・ボランチ): 非常に堅実で安定したボランチ。フィジカル的にも強く、劣勢の中で耐えることができる。
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