2004年06月27日(日) |
JY: クラブ選手権 東海予選 名古屋グランパス+ジュビロ浜北戦 |
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04年6月27日 (日) 11:30開始 三好町旭グラウンド 第19回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)東海大会 2回戦 対 名古屋グランパスエイト ※30分ハーフ 天候:曇
▼布陣 清水エスパルスJrユース: 名古屋グランパスエイト: −−−−−−庄司−−前田−−−−−− −−−−− 羽根田 −花井−−−−−− − 杉山和 −−−−−−−−−田村−− −−広木−−−−神野−−−−三島−− −−−−−−岩崎−−滝戸−−−−−− −−−−−−原田−−土屋−−−−−− −−石垣−−鍋田−−小関− 桑原尚 − −−−− 播 −−三宅−−西山−−−− −−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−鈴木−−−−−−−− 後半10分:土屋 →桐山 後半24分:羽根田→榊原
▼試合展開 [前半] グランパス 清水エスパルス 3(1) シュート 6(1) ○和毅、×庄司、×和毅、×田村、×田村、×和毅 2(0) 右クロス 4(2) ×田村、○田村、×尚希、○?? 0(0) 左クロス 2(0) ×和毅、×石垣 1(1) 右側CK 3(0) ×和毅、×和毅、×和毅 2(0) 左側CK 2(1) ○岩崎、×岩崎 0(−) 犯OS 1(−) ・和毅 4(2) ファウル 3(1) ・岩崎、・庄司、×尚希
[後半] 後半27分、名古屋、三島がシュートブロックを自ら拾うと、右に開いてクロス、桐山がファーで頭を合わせて、0−1。
グランパス 清水エスパルス 6(2) シュート 2(2) ○滝戸、○庄司 5(2) 右クロス 10(2) ○尚希、×庄司、×田村、×田村、×前田、×尚希、×庄司、×田村、×尚希、○和毅 3(1) 左クロス 3(2) ○和毅、×岩崎、○和毅 1(0) 右側CK 2(1) ×和毅、○和毅 0(0) 左側CK 1(0) ×岩崎 0(−) 犯OS 1(−) ・庄司 9(1) ファウル 8(3) ・前田、・岩崎、・前田、×尚希、×滝戸、・小関、和毅、×??
最終ラインを高く維持した清水が、6:4で優位に進めながら得点できず。終盤、前線の選手が戻りきれずに4−2−4に近い状態になり、清水の4+2の守備ブロックが、同数に近い人数を掛けたグランパスに押し切られた格好だった。但し、決して不運な敗戦ではなく、十分に論理的な帰結だった。 スタッツで分かるとおり、盛んに個人能力で名古屋の両サイドを崩した清水だったが、それだけだった。確かに、左右SHの和毅・田村は同年代でトップクラスの能力を持つ選手である。しかし、残念ながらサッカーは相手を抜いた回数ではなく、ゴールを揺らした回数で勝敗を決めるスポーツだ。しかも、枝村の対角線フィードのように中央からサイドを使って攻めるのではなく、同サイドで前後にパスを送り、和毅・田村の突破力に頼る単調な攻撃が多かった。この効率性の悪さは、花井・三宅といった全国級のタレントが前線と後方の中央にいた名古屋と比べてもいいし、長沢・町田・池田・佐野・岩本と世代別代表選手で縦に一本軸を通した昨年のJrユースと比べてもよい。 それは守備においても、同じことが言える。高い最終ラインを保てば、流れの中では有利になるが、局面を見れば裏のスペースに走られるリスクも抱えている。求められるのは、まず1対1に勝って自分の裏へと行かせないこと、次に裏に行かれても追いつくスピードがあること。だが、残念ながら名古屋の羽根田・花井・三島に対して、それを完遂できたとは言えない。良い読みは何度も見られた一方で、競り合いに脆さを見せる場面も多かった。 効率的に戦う方法=戦術ということになるのだが、これについては浜北戦の総評で触れたい。
▼試合結果 清水エスパルスJrユース 0−1 名古屋グランパスエイト 得点:後半 分:名古屋・桐山 悠 (三島圭一郎・右クロス) 警告:後半10分:名古屋・三島圭一郎 (異議) 後半17分:名古屋・原田 達哉 (ラフプレー)
▼選手寸評 [私撰MVP] 桑原 尚希 (左SB) : 縦のスペースに抜ける速さと、前の選手を使う巧さを兼備。読みも良く、守備にも破綻なし。
[私撰MIP] 田村 亮介 (左SH) : 単純な足の速さだけでなく、裏をとるタイミングの良さも光る。空中戦にも存在感を見せた。
[個人的好印象選手 (相手方) ] 三島圭一郎 (トップ下) : 速さを活かしたドリブルを披露しつつも、パス出しのタイミングにもセンスを感じさせた。
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04年6月27日 (日) 15:15開始 三好町旭グラウンド 第19回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)東海大会 4位決定戦1回戦 対 ヤマハジュビロ浜北 ※30分ハーフ 天候:曇
▼布陣 清水エスパルスJrユース: ヤマハジュビロ浜北: −−−−−−庄司−−前田−−−−−− −−−−−−畠山−−押谷−−−−−− − 杉山和 −−−−−−−−−田村−− −−−−−−−−関嶋−−−−−−−− −−−−−−岩崎−−滝戸−−−−−− −−松田−−小林−−成岡−−岩瀬−− −−石垣−−鍋田−−小関− 桑原尚 − −−−−坂田−−山本−−大森−−−− −−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−松山−−−−−−−− 後半13分:岩崎→山口 (前田をCH) 後半11分:岩瀬→高瀬 後半21分:石垣→曽根 後半22分:畠山→森田 後半28分:庄司→平井 (滝戸をFW) 後半29分:成岡→青木
▼試合展開 [前半] 15分、浜北、ハーフライン付近からのFK、PA内でクリアしたボールを、エリア外から押谷がミドルボレー、0−1。 29分、浜北、カウンター、足下に受けた畠山が小関を突破し、裏へのパスを押谷が鍋田を押し退けてシュート、0−2。
浜北 清水エスパルス 4(2) シュート 2(0) ×田村、×庄司 1(0) 右クロス 1(0) ×田村 3(0) 左クロス 7(1) ×石垣、×和毅、×和毅、○前田、×和毅、×和毅、×石垣 2(0) 右側CK 1(0) ×和毅 1(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 1(−) ・庄司、・和毅、・庄司 3(1) ファウル 3(1) ・滝戸、×尚希、・鍋田、・滝戸、・田村
[後半] 26分、浜北、森田が尚希を抜くと深く抉り左クロス、ゴール前のマークが不足しており、関嶋がフリーで決め、0−3。
浜北 清水エスパルス 5(1) シュート 4(0) ×和毅、×滝戸、×庄司、×田村 3(0) 右クロス 4(1) ×田村、○田村、×田村、×小関 1(1) 左クロス 8(2) ×庄司、×和毅、○石垣、×和毅、×石垣、×石垣、○和毅、×滝戸 1(0) 右側CK 1(0) ×和毅 1(0) 左側CK 0(0) 2(−) 犯OS 2(−) ・田村、・庄司 2(0) ファウル 4(0) ・小関、・小関、・田村、・滝戸
好敵手グランパスと最後まで分からない接戦の末に敗れた清水と、ジュビロ勢同士 (対掛川) で0−5と点差の開いた試合を済ませた浜北。消耗度には自ずから差があった。単独突破への積極性に欠いた和毅に象徴されるように、試合開始から動きの重かった清水は、給水中断の直前に失点すると、その後も振るわず。グランパス戦同様、効率性の悪いサッカーで疲弊していき、逆に最も効率性の高いカウンターで前半終了間際に突き放され、後半終盤に集中力が切れた状態でダメ押しされると、ユースに続いてクラブ選手権敗退の全国への道を閉ざされた。 戦術上の欠陥は、グランパス戦で述べたとおり。県勢同士で頻繁に練習試合を行ってる浜北には、まして対策の組みやすい相手だろう。和毅と田村の突破を止めるのは無理でも、ゴール前の人垣でシュートさえブロックすれば良いのだから。先発・交代に関する采配にも、疑問が残る。率直に言って昨年と違い、先発の顔ぶれはジュビロ勢やグランパスと大差ないが、控えも含めた選手層では (特にジュビロ勢と比べ) 、まだ差があると思うからだ。約2時間半前に60分間走り回った選手をそのまま先発させたわけだが、酷暑の連戦が果たして有効であったか。個人的に、山口・曽根・川端・横山などは、十分に先発に耐えうる選手だと思う。また、この大会の交代枠は無制限である (一度交代した選手を、再投入しても良い) 。 ただ、戦術とか采配とかは、結局のところ、個人能力を補完するもの。ユースの選手ならば、監督に与えられた役割を果たしたり、自分の特長を抑えてでも相手の長所を消したり、状況や起用法を考えてプレーを変えたりすることも求められる。だが、Jrユースの間は選手の個性が第一、自分たちの良さを出して相手に勝てないのなら仕方がない、そんな考え方もありだと思う。実際、今回の敗退で自分の足りない部分が分かった選手 (特に県大会では殆ど自由にプレーできてしまう和毅や田村) も、多いのではないか。極端な例だが、FWを10分ごとにローテーションで交代する「車懸かり」のような戦法で勝ったとしても、結果以外に得るものは少なかろう。 とはいえ、全国という舞台は時に、選手を爆発的に成長させる。今年の中3と中2はナイキカップも逃しており、Jヴィレッジに行ったことのない世代だ。清水は良い意味で「教えすぎない」チームだと思うのだが、個人能力主義と戦術主義のバランスを考えねばならない時期が、来ているのかもしれない。
▼試合結果 清水エスパルスJrユース 0−3 ヤマハジュビロ浜北 得点:後半15分:浜北・押谷 祐樹 ※DFクリアをボレー 後半29分:浜北・押谷 祐樹 (畠山 祐輔 ・スルーパス) 後半26分:浜北・関嶋 順起 (森田 雄二 ・左クロス)
▼選手寸評 [私撰MVP] なし
[私撰MIP] 石垣 亮 (左SB) : 小柄な体格ながら精力的に動いて疲弊した和毅をよくフォローし、巧みなキックを披露した。
[個人的好印象選手 (相手方) ] 押谷 祐樹 (FW) : 鋭い突破と積極的なチャレンジが、試合前から疲労していた清水DF陣の脅威に。足技もある。
04年6月26日 (土) 18:15開始 長良川球技メドウ JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第6節 東邦高校 対 岐阜工業高校 ※45分ハーフ
東邦高校: 岐阜工業高校: −−−−−−奥村−−10−−−−−− −−−−−−−−19−−−−−−−− −−08−−−−−−−−−−11−− −−−−臼井−−10−−栗本−−−− −−−−−−09−−06−−−−−− −−−−−−奥田−−河合−−−−−− −−05−−04−−03−−02−− −−04−−03−−松井−−05−− −−−−−−−−01−−−−−−−− −−−−−−−−清水−−−−−−−− 交代:後半22分:02番→14番 交代:後半00分:03→20 後半28分:08番→16番 04→14 後半32分:11番→18番 10→21 ※19と21の2トップに 後半09分:栗本→17 後半19分:奥田→22 ※22も含めた3トップ、06のワンボランチ 後半38分、松井をGKにコンバート・3バック
前半05分、岐阜、右サイドを抉った栗本が右クロス、低い弾道がファーポスト際の臼井の頭へと綺麗に渡って、0−1。 前半10分、東邦、DFクリアをFWがブロック、すぐに右へ流すと、そこに11番が走り込んでファーに決める。1−1。 前半44分、東邦、ロスタイムのラストプレー、速攻から中央10番のスルーパスから、ゴール前に飛び出た奥村、2−1。 後半23分、東邦、13番にイエローカード (反スポーツ的行為) 後半34分、岐阜、14番にイエローカード (ラフプレー) 後半38分、岐阜、清水にレッドカード (得点機会阻止) 後半43分、岐阜、GK退場で一人少ない岐阜工、長いFKのクリアに河合の胸トラップドライヴミドルが炸裂、2−2。 後半44分、東邦、半身抜けた奥村にシュート撃たれたら終わりと岐阜20が体を寄せるが…、その時、47分56秒、3−2。
東邦高校 岐阜工業高校 4(1)/8(3) シュート 7(3)/5(2) 5(0)/3(0) 右クロス 4(2)/0(0) 2(1)/2(1) 左クロス 4(1)/2(0) 1(1)/0(0) 右側CK 1(1)/2(1) 4(0)/0(0) 左側CK 1(1)/0(0) 1(−)/3(−) 犯OS 2(−)/2(−) 8(2)/6(1) ファウル 8(0)/3(0) ※内側が前半/外側が後半の数字
東邦高校 3−2 岐阜工業高校
2004年06月26日(土) |
プリンス東海 名古屋グランパスエイト戦 |
04年6月26日 (土) 16:00開始 長良川球技メドウ JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第6節 対名古屋グランパスエイトユース ※45分ハーフ 天候:曇
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−−−長沢− 篠田悠 −−−−− −−−−−−石垣−−町田−−−−−−
− 鈴木真 −−−−−−−− 山本真 − −−岡村−−−−−−−−− 山本真 −
−−−−−−枝村−−池田−−−−−− −−−−−−枝村−−池田−−−−−−
− 桑原卓−佐野克− 村越−−渥美−− − 桑原卓−佐野克− 村越−−渥美−−
−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−
控え:晃太、石垣、岩本、桑彬、上埜、柴田、岡村、小泉、町田 交代:前半35分:篠田悠→小泉 (山本真をFW、小泉を右SHに) 後半00分:鈴木真→岡村 (そのまま左SHに) 後半15分:長沢 →町田 (そのままFWに) 後半30分:小泉 →石垣 (山本真を右SH、石垣をFWに)
名古屋グランパスエイトユース:
−−−−−−津田−−上村−−−−−−
−−永芳−−−−新川−−−−高橋−−
−−−−−−稲垣−−福島−−−−−− 交代:後半30分:稲垣→根津 −−−−小寺−−森本−−吉田−−−− 後半20分:上村→酒井 後半37分:吉田→唐沢 −−−−−−−− 森 −−−−−−−− 後半38分:永芳→久保
▼試合展開 清水はクラブ選手権静岡予選での退場による出場停止から、遂にDFリーダーの村越が戻ってきた。四中工戦はお休みだった真司も復帰。GK前田、DF美臣 (新たに怪我?) を除けば、ほぼベストメンバーが揃った。3年生4人、2年生2人、1年生5人。それでもDFラインが、岩本→村越以外は昨年Jrユースのままというのが、恐ろしい。 名古屋はサテ+ユースの韓国遠征で10番の遠藤が負傷、更にU-16代表の青山が出場停止で外れたのが痛い。吉田と高橋のポジションを動かし、代わりに1年生の森本と新川を起用した。正統派クラッキの新川は、グランパスサポの評価が特に高い選手。3年生6人、2年生1人、1年生4人の学年構成は、清水と比べなければ、かなり若い部類に入るだろう。昨秋・高円宮杯 (U-15) 東海予選の再対決が早くも訪れた。しかし、これを見ると、清水は本当に昨年Jrユースが主力になってるのな。
[前半] 序盤の流れを掴んだのは清水。村越−枝村−悠輔と、今大会初めて昨年のレギュラー選手で一本縦に軸を通した清水は、彼らを起点に小気味よく左右に捌く。7分にロングボールを受けた真希が中央にクサビ、悠輔が軽く右に戻して枝村がDFの股を抜くミドルは、GK森が好セーヴ。9分、池田の粘りで得た右CK、真司が入れた速いキックを、村越がタイミングよくファーゴール直前で合わせたが、僅かに上。
(9分、プリンス東海復帰戦の村越が巧みに小寺に競り勝ち、GK森の前でヘディングシュートを放つ)
12分、村越が真司に入れたロングフィードは前でDFがカットするが、それを桑卓が拾ってアーリークロス、中央の長沢には合わなかったが真希が拾い直し、シュート性の右クロスがニアサイドネットに突き刺さる。ここまで中盤を清水に制圧されていた名古屋だが、14分。ボールをカットして持ち上がった村越を、高い位置でFW上村がドリブルブロック。村越のいないDFラインは上村のドリブルに対してリトリート (後方に下がる) 、その間に村越が戻り、上村に近い渥美に当たるよう指示を出す。が、上村は、渥美がバック走から前進へ切り替える一瞬の隙に急加速、抜き去って上げたグラウンダーの左クロスに渥美同様、他のDFも足が止まる。PA内で津田?がポストになって右に流すと、PA右角からフリーの高橋が狙い澄ましたシュート。さすがにU-19代表候補が外すはずもなく、0−1。名古屋が最初の好機で先制してみせた。
プロ予備軍とはいえ所詮は高校生の選手たち、清水に動揺が見られ、にわかに名古屋が攻め込むようになる。20分には枝村が異議で警告を受けるなど、苛立ちを隠せない。それも10分、真希のFKをDF小寺が離れずにブロック、「C6:距離不足」で警告かと思えば、何故か真希のファウルとなるなど、微妙な判定が続いたせいでもある。何度かサイドを崩されるが中央で村越が存在感を発揮、また悠輔も前線で巧みなキープを見せて、この時間帯を耐えると21分。これまで完全に消えていた真司が、ヒールスルーパスのファンタジーア。桑卓が飛び出して上げた左クロスを、悠輔が巧みにGK森と左DF小寺の前に位置取り、身長差10cm以上を覆すヘッドを放ったが、僅かにファーに外れた。復活した真司は23分に佐野のクサビをまたもヒールスルーパス、飛び出した桑卓を上村が倒し、PA左角外から枝村の直接FKは枠上。24分、真司からのパスを、悠輔が踏みつけるように勢いを殺す神トラップ、真司にリターンを送るが、惜しくもオフサイドになる。 だが、その後、前線の起点になっていた悠輔が、足下にスライディングを食らって負傷。自ら外に出た後、軽く治療を受けて復帰するが、その間に名古屋に反撃の機会を与えるようになり、望月監督代行はすっぱりと悠輔を諦め、小泉を投入した。この時の監督代行の指示は「前に長沢と真希の2枚、その下に枝村」というものだったが、枝村はゴール前に飛び出す機会こそ多いが低い位置で試合を創っており、FW真希は時にPA内からその両横までカバーしたため、四中工戦と同様に4−2−3−1に見えた。なお、悠輔の負傷した際のファウルは見逃され、また名古屋の主将・稲垣も負傷交代したが、清水にファウルはなかった (正当な競り合いなどで痛めた可能性もあるが) 。枝村の異議あたりから燻りだした審判不審が高まる。 それが爆発したのが、36分。右サイド40Mほど距離がある位置からの真希のFKは、長すぎて佐野が頭で逸らすが左に流れる。それを真司が拾うと即反転、そして股抜き! たまらず高橋がオブストラクション、左CKに近い位置からFKを得る。ここまではいい。枝村が蹴ったボールは、GK森が問題なくパンチングで跳ね返した、に思われた。が、主審が猛然とペナルティスポットを指差す。PK。全く意味不明である。
(問題の場面の連続写真。さて、どこにファウルがあったでしょう? GK森のハンド? (苦笑) なお、筆者のデジカメはこれでバッテリー切れ。電池のないデジカメは、ただの箱だ)
枝村が蹴るが、低く速いシュートは、しかしほぼ正面でGK森に見切られ、弾き返されたのを自ら横向きにバイシクルする格好でボレーを放ったが、これも右に外れた。PK失敗。実は枝村、昨年末からの3回連続PK失敗である。とはいえ、私の観戦歴でPK失敗したのは、村松、仁科、浩太、阿部、大瀧、枝村、桑卓、小泉、滝戸 (JY) 。一度、PKとスローインを繋ぐ練習は、本気でやった方がいいと思う。 プロ予備軍とはいえ所詮は高校生の選手たち、再び名古屋の時間帯に。40分にはFW津田がPA手前で切り返して村越を外し、渥美と村越の隙間からシュートを放つが、GK風間が好セーヴ。逆に44分には、長沢のスルーパスに左から真司が抜け出し、更にもう一度中央へと送り出す。そこに枝村が走り込んで右足を合わせたが、そのままニアに真っ直ぐ外してしまう。45分、今度は名古屋。永芳?の突破をFW真希が、PA内で食い止めて奪い返す。が、真希のドリブルを更に津田が奪い返し、真希が再び食いつくも体勢を崩さずにシュート。が、GK風間が横っ飛びのスーパーセーヴでゴールを許さない。 ロスタイムの46分、ルーズボールを拾った枝村が反転したところ、DF小寺が後方からタックル。FKと小寺には警告が与えられる。右サイド距離40Mほど、36分と似た位置からのFK、今度蹴るのは枝村。右足で大きく緩く巻くボールに、真司が驚異的なジャンプ力で水平に「浮かび上がり」、スーパーボレーを狙ったその時、地面に面した背中側のユニフォームが、船の帆のように膨らんだ。今度は明快なDF吉田の反則、そしてPK。主将が一度失敗したPKを決められるのは、この男しかいない。真希の蹴った強烈な低い弾道のボールは、左ポストに衝突してゴールに吸い込まれた。1−1。四中工戦に引き続き、終了直前に追いついて前半を折り返した。
名古屋 清水エスパルス 5(4) シュート 10(3) ○枝村、×長沢、×村越、×悠輔、×枝村、×枝村、○枝村、×枝村、×枝村、◎真希 5(0) 右クロス 3(0) ×真希、×真希、×真希 5(1) 左クロス 6(3) ○桑卓、×桑卓、○桑卓、×真司、×長沢、○真司 0(0) 右側CK 1(1) ○真司 3(0) 左側CK 2(0) ×枝村、×枝村 0(−) 犯OS 3(−) ・真司、・真司、・長沢 10(6) ファウル 3(0) ・桑卓、・真希、・悠輔
[後半] 序盤は清水が岡村・小泉を使った横幅のある流れを掴んでいたが、11分。佐野が津田?に空中戦を競り負け、桑卓が中央に絞るが名古屋は右に展開。フリーになった高橋からファーの永芳に絶好のクロスが入るが、渥美がカバーする。直後にも吉田のクサビから再び高橋、素早い反転から桑卓を置き去りしてドリブル。佐野が寄せきる前に右クロスをPA手前に送ったが、新川のシュートミスに救われた。12分にも名古屋は巧みに右の高橋にパスを回すが、これを逆サイドから走ってきたFW真希が信じられない運動量でカット。しかし、繋いだボールをがFW上村が池田を弾き飛ばして奪い返し、ドリブルからPA内左60度の津田に決定的なパスを送った。しかし、再度GK風間が超反応でシュートを枠上にディフレクトする。 その後、後ろ向きのまま長沢が巧みなボレーで裏に流して岡村が、渥美のクイックリスタートから小泉が、それぞれ左右を崩す場面が生まれ、名古屋の時間帯を凌ぎきったかに見えた。ところが21分、左から回してPA手前中央の新川、PA内右角の高橋の足下にクサビを入れる。高橋は重心を低くした桑卓に対面すると、フェイントを入れた後に桑卓に突っ掛け、勝手に倒れた。それがPK。桑卓呆然。大人しい性格の桑卓は、理不尽な仕打ちに対する怒りをどう表現すればよいのか分からない感じだったが、それで良かったかもしれない。闘争心溢れる村越や真希なら主審を殴りかねない、1つめのPK同様、どうしようもない判定だった。高橋のPKをGK風間は読んでいたが、正確なコースを止めきれず、1−2。名古屋が清水を突き放した。
失点直後の23分。反撃の口火を開いたのは、怒りの桑原卓哉。猛然とフリーランで飛び出し、左クロスに枝村が飛び出すが、僅かに合わず。元々カウンター (速攻) を得意とする名古屋も、途中投入のFW酒井を使って対抗する。25分には津田の左クロスを頭で合わせるが、僅かに左。27分にはバイタルエリアから左に開いた酒井へクサビ、胸トラップでDFを外し、PA左端からシュート。その勢いにGK風間も一度ボールをこぼすが、何とか抑える。清水は28分、渥美のパスを受けた枝村が、斜めになったDFラインの急所を突いたスルーパス。途中交代の町田が飛び出してシュートを放つが、ファーポスト左に外れてしまう。激しい攻防は、意外な形で決着が付いた。30分、ルーズボールを右DF吉田が処理しようとしてトラップミス、こぼれたボールを真希が拾うとそのまま一直線にPAに侵入すると、足下に飛び込むGK森をヒョイと越えるシュートを放って、同点に追いついた。2−2。 中盤に広いスペースが空いた中、FWとDFとの間が開いて単調なロングボール攻撃に終始した名古屋に対し、清水はスピードに自信がある村越・佐野・渥美が高いラインを保ち続けた。また、勢いが加熱する中、キープとサイドチェンジで一人攻撃に「意図」を与えた枝村の存在も大きい。怒りの桑卓は高い位置で攻撃に絡み続け、31分には枝村のスルーパスから岡村が左クロス、高橋がカットするが猛然と桑卓が奪い返したところ、クリアしようとした高橋のキックが桑卓のスネを直撃して、審判の笛、PK、…と誰もが思ったところ、指差したのはPAの外。あ り え な い。高橋も桑卓も勿論ボールも、全てPA内に入っていたのに。33分にも桑卓→岡村→桑卓と繋いでスルーパス、飛び出した岡村と吉田?がPA内で交錯、両者倒れる。悶絶する両者、しかし笛は吹かれず、倒れた2人をそのままに試合も止めず。結局、名古屋がボールを外に出した後に選手に指摘され、ようやく副審のオフサイドの旗に気づくお粗末さ。 そんなどうしようもない状況の中、2人の選手の激情と落ち着きが試合を決める。DF吉田と肩を寄せ合う岡村が、「出せ、エダ!」とパスを要求。枝村のスルーパスに、パッと競り合いから体を離した岡村は一度左に開いた後、斜めに疾走。計ったように枝村のパスが逆回転で止まり、それを同期・岡村の左クロス。決然とゴール前に飛び込んで右足を合わせたのは、30分に途中交代した「FW」の石垣! 少年団では悠輔と2トップを組んだ男が派手にゴールへ叩き込み、右腕を何度も中空に突き上げた。3−2。
この試合、初めて追われる立場になった名古屋だが、津田が必死にサイドへ動いて起点となり、左右からクロスを入れるものの、ゴール前の人数が足りず、村越と佐野から制空権を奪えない。勇気を持って最終ラインを上げようとするが、前半から縦に素早く走る攻撃を繰り返してきた名古屋と、枝村を軸に幅のあるパス回しをしてきた清水では、自ずと疲弊度に差があった。40分、ロングボールを受けたハーフライン付近の石垣が、本職がCBとは思えないトラップから小癪な足首での切り返しで前を向くと、広大なスペースが前にあった。右斜めにスルーパスを送ると、先に反応した町田は真希を見て、交差するように左へ。この時間帯でも運動量が落ちない真希が受けて、左斜めにクロスを送る。ファーに位置取った町田は裏に抜け、GK森を体ごと飛び越えるようにダメ押しシュートを放った。4−2。勝負あり。 その後は「もう1点取れー」というGK風間の声のとおり、なおも清水が押し込み続ける。44分、枝村のチェンジサイドから岡村がPA内に切り込み、左クロスを右から斜めに走り込んで枝村が右足インサイドを合わせたが、GK森。完璧な形なのだが、どうも枝村には昨年のプリンス東海で7点を決めた得点力と運が戻ってないようだ。岡村は45分にも町田のパスを受けて、PA内を右に切り込み、そこで縦へ切り返して突破、更に左へ切り返してシュートを放つが、僅かに上。名古屋に攻撃をさせないまま、見事な逆転勝利を飾った。
名古屋 清水エスパルス 8(4) シュート 8(4) ×枝村、×町田、◎真希、◎石垣、◎町田、○枝村、×岡村、×真希 4(2) 右クロス 7(3) ○小泉、×小泉、×渥美、○枝村、×真希、×真希、◎真希 3(1) 左クロス 5(2) ×岡村、×桑卓、×岡村、◎岡村、○岡村 0(0) 右側CK 2(0) ×岡村、△枝村 2(1) 左側CK 3(0) ×枝村、×枝村、×枝村 1(−) 犯OS 3(−) ・長沢、・町田、・岡村 9(5) ファウル 4(1) ・佐野、×桑卓、・町田、・町田
▼試合結果 清水エスパルスユース 4−2 名古屋グランパスエイトユース 得点:前半14分:名古屋・高橋 良太 (津田 知宏 ・ポストプレー) 前半44分:清水Y・山本 真希 ※PK 後半21分:名古屋・高橋 良太 ※PK 後半30分:清水Y・山本 真希 ※名古屋パスミス 後半35分:清水Y・石垣 勝矢 (岡村総一郎・左クロス) 後半40分:清水Y・町田 朋弥 (山本 真希 ・右クロス) 警告:前半20分:清水Y・枝村 匠馬 (異議) 前半46分:名古屋・小寺 勝也 (ラフプレー) 後半02分:名古屋・根津 俊平 (ラフプレー)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●山本 真希 (2年・右SH→FW→右SH) 2得点1アシストの真希だが、決定的なプレーよりも持続的な運動量が最も印象的だった。FWの位置からDFラインまでカバーに走るのは、戦術的には決して誉められたことばかりはないが、その意気や良し。終盤にも全く運動量が落ちず、最後までパスの受け手としてフリーランを繰り返した。大熊監督が惚れ込むのも頷ける。
[私撰MIP] ●岡村総一郎 (3年・左SH) 変則派の真司から直球でグイグイ押す岡村へのリレーは、破壊力MAX。プレーの種類は少ないが、だからこそ愚直に快速を飛ばしてドリブルからの左クロスを繰り返し、真司の変態プレーで混乱していた名古屋DFにトドメを刺した。真司や岡村にとって、受け手の特徴に合わせたパスを出せる枝村の復帰は、本当に大きい。
●風間 翔太 (3年・GK) 1年生ながら実質ワンボランチの大役を務めた池田や、ファウル以外では殆どボールを奪われなかった枝村も有力候補だが、今回は風間をMIPに推す。GKとしてのブランクを急速に取り戻して、不安定だった大会序盤とは打って変わった。PKを除くセーヴ率は87.5%を数えたが、課題とされるクロスへの対応やコーチングにも十分合格点をあげられる。
[個人的好印象選手 (相手方) ] 高橋 良太 (3年・左SH) : サイドでスペースを得て、精度の高いキックを存分に披露した。単独突破力も標準以上。 稲垣 順 (3年・ボランチ) : プレー以上に、そのリーダーシップがチームの支え。後半の名古屋は、重しを失った。
2004年06月20日(日) |
練習試合 清水東高校戦+JY: FERVOR愛知戦 (寄稿) |
またまた某N氏より。
04年6月20日 (日) 鈴与三保グラウンド 練習試合 対 清水東高校 ※40分ハーフ?
前半: 後半00分〜19分: 後半19分〜: −−−−−−−−長沢−−−−−−−− −−−−−−−−町田−−−−−−−− −−−−−−町田− 山崎竜 −−−−− −−−−− 桑原卓−篠田悠 −−−−− −−−−−−柴田− 桑原彬 −−−−− − 鈴木真 −−−−−−−−−小泉−− −−岡村−−神田−−池田−−柴田−− − 篠田悠−桑原卓 −池田−−小泉−− −−−−− 桑原卓 −池田−−−−−− −−− 佐野克 −岩本−−村越−−−− −−− 佐野克 −岩本−−村越−−−− − 佐野克 −岩本−−村越− 桑原彬 − −−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
清水エスパルスユース 2−3 清水東高校 (前半 1−1) 得点:前半19分:清水エ・池田 康彦 (柴田 和也 ・スローイン) 前半20分:清水東・99番 後半06分:清水東・09番 後半15分:清水東・16番? 後半21分:清水エ・町田 朋弥 (鈴木 真司 ・左クロス) CK総数 6(3)− 3(2) シュート数 9(4)−11(9) 左右クロス 13(6)−14(8) ※( ) 内は前半の数字
真希と美臣はサテライトに行ったのでしょう。枝村は休養か、それともサテか。石垣・谷野・渥美あたりの姿も見えませんね。※結局、枝村と真希だけがサテライト合流、試合にも出場した。石垣・八木・渥美は控えのまま出場機会なし。上埜・雄也・前田・美臣・一也・小出は姿を見せず。 今日もかなり実験的な布陣を披露。今までの閉塞感が、かなり払拭されてきました。トップと同じ3−4−2−1を採用も、3バックの出来は、(当然と言えば当然だが) 今ひとつ。特に村越に違和感があった模様。他にも桑卓の少年団以来?となるボランチ、桑彬の2列目、悠輔の左アウトサイドなど、面白い試みが見られます。が、ゴールから遠い位置での悠輔は、例によっていまいちだったようで。
Jrユース 04年6月20日 (日) 鈴与三保グラウンド 練習試合 対 FC FERVOR愛知 ※30分×3
1本目: 2本目: 3本目: −−−−−−庄司−−小澤−−−−−− −−−−−−庄司−−前田−−−−−− −−−−−−小澤−−山口−−−−−− − 岩崎真 −−−−−−−−−前田−− −−小嶋−−−−−−−−−−山口−− −−小嶋−−−−−−−−−−西澤−− −−−−−−平井−−滝戸−−−−−− −−−−− 岩崎真 −滝戸−−−−−− −−−−−−平井−−横山−−−−−− −−石垣−−川端−−小関− 桑原尚 − −−石垣−−川端−−小関− 桑原尚 − −−曽根− 望月恭 −奥山− 佐野将 − −−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−伊原−−−−−−−− 19分:岩崎真→曽根
清水エスパルスJrユース 3−0 FC FERVOR愛知 得点:1本目26分:清水・庄司 悦大 (石垣 亮 ・左クロス) 1本目28分:清水・岩崎 真和 (小澤 克真 ・右クロス) 3本目28分:清水・山口 恭兵 ※小嶋の左クロスのこぼれ球
2004年06月13日(日) |
中日本スーパーリーグ U-17 丸岡高校戦 |
04年6月13日 (日) 13:30開始 トヨタスポーツセンター第3グラウンド 中日本ユースサッカースーパーリーグ 第2回U-17大会 クループA 対 丸岡高校 ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼布陣 先発: 終了直前:
−−−−− 山崎竜 −町田−−−−−− −−−−− 山崎竜−篠田悠 −−−−−
−−柴田−−−−−−−−−−小泉−− −−小泉−−−−−−−−−−柴田−−
−−−−−−神田−−谷野−−−−−− −−−−−−神田−−谷野−−−−−−
−−八木− 高野美 −石垣− 桑原彬 − − 桑原卓−佐野克− 石垣− 桑原彬 −
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
控え:風間、岩本、佐野克、渥美、桑原卓、池田、篠田悠、長沢 交代:前半15分:八木 →桑原卓 (そのまま左SBに) 後半00分:高野美→佐野克 (そのままCBに) 小泉 と柴田 をポジションチェンジ 後半25分:町田 →篠田悠 (そのままFWに)
丸岡高校:
−−−−−−10−−24−−−−−−
−−−−20−−−−−−16−−−−
−−−−−−14−−06−−−−−−
−−15−−19−−05−−02−− 交代:後半25分:20→11、16→25 −−−−−−−−21−−−−−−−− 後半33分:15→08
▼試合展開 1・2年生のうち、真希と怪我?の一也・前田・小出を除いた18人+GK控えに3年生の風間が帯同。本当に風間は強行日程で、お疲れ様です。U-17大会とはいえ、昨日のプリンス東海で1・2年生が延べ11名出場した清水では、一部の選手は連戦とならざるを得ない。途中交代の谷野・途中投入の小泉がフル出場し、(ほぼ) 90分プレーした美臣・佐野は45分ずつCBを担当、同じくフル出場した桑卓は八木の負傷退場により、65分の長い時間をプレーすることになった。ただ長沢と岩本は練習シャツのまま、出場予定がなかった様子。人数が足りないせいでもあるが、昨日の試合に続き、八木の左SB、柴田の左SHなど「望月色」の濃い布陣になっている。
[前半] 序盤、意外にも好機を掴んだのは左に回った柴田。積極的な動きを見せ、5分には竜男のポストから裏にパスを受けた小泉が右クロス、これを柴田が左足トラップから右足シュートは、枠左に外れている。しかし、左足が得意でないのを見破られたのと、何よりポジショニングの定まらない八木に引っ張られて、徐々に柴田は試合から消えていく。10分に竜男が相手のゴールキックミスを拾ってミドルを狙うが、それが外れると丸岡の時間帯に移る。彼らは30度を超える暑さの中でも怠らぬ運動量で、主導権を自分たちに引き寄せた。 11分、丸岡16番が簡単に八木の裏をとり、右クロス。これは桑彬が中に絞ってクリアしたが、清水は4人、5人が攻撃参加する丸岡に対して、ひたすら受け身。美臣だけが必死に声を張り上げるが、馬の耳に念仏。12分には20番のパスからのスピード勝負で桑彬の裏を簡単に突いた10番が左クロス、中への絞りが遅れた八木が空けたスペースに24番が飛び込み、ファーで軽く頭を合わせて、簡単に先制した。0−1。その後、八木が臀部から太もも裏のあたりを痛めたらしく、昨日90分間走り回った桑卓が緊急登板することになった。
だが、桑卓も昨日の疲れが色濃く、反撃の起爆剤とならない。逆に19分には、ロングボールをFWが頭で桑卓サイド裏に流したボールを24番に走られながら、美臣に任せて誰もフォローせず、結果、ゴールライン直前で追いついた24番が切り返しからシュート。ゴールバーを直撃し、美臣の怒りを買ってしまう。それでも、酷暑が丸岡のプレスの出足を鈍らせたことで、再び清水ペースに。23分、スローインを竜男が浮き球トラップからシュートはDFに当たって枠外、そのCKを谷野のキックからジャンプした石垣の裏で美臣がボレーを放つが、GKセーヴ。24分、攻撃参加した美臣がドリブルからスルーパス、PA内左に町田が抜け出したがファー上隅を狙ったループ気味のシュートは落ちきらずに枠を外す。27分、プレスに粘った桑卓から美臣→石垣→桑彬と繋げて縦へフィード。縦に走った小泉が急速停止、戻したボールを神田が走り込んでミドル、は威力がいまひとつでGKキャッチ。決定打にならない。 こうなると再びペースは、丸岡に手渡されてしまう。30分、スローインから簡単に24番に裏に走られ、左クロスにニアで10番が飛び込んだが、ボールはそのまま左に外れた。その後は大きく崩されることこそなかったが、清水の集中力の低さは目に余るものがあり、CKなどで安易にマークを外してはシュートを許してしまう。攻守に美臣の孤軍奮闘ばかりが目立ったまま、前半を折り返した。
丸岡高校 清水エスパルス 9(4) シュート 7(2) ×柴田、×柴田、×竜男、×竜男、○美臣、×町田、○神田 4(2) 右クロス 3(3) ○小泉、○小泉、○小泉 4(3) 左クロス 2(0) ×柴田、×八木 0(0) 右側CK 1(1) ○谷野 2(1) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 0(−) 6(0) ファウル 4(0) ・柴田、・美臣、・町田、・小泉
[後半] 後半、最初の清水の好機は3分。谷野が捌いたボールが、後半から小泉と入れ替わって右サイドに来ていた柴田に渡る。柴田は背後にDFのプレッシャーを受けていたが、小気味よい右回転ターンでそれを交わして内側に切れ込むと、スルーパス。この時、オフサイドにいた町田はボールに関与せずに後ろに戻り、代わってオンサイドから竜男が飛び出して、GKと1対1に。余裕を持ってゴール右に流し込み、清水が同点に追いついた。1−1。 その後は一気に清水ペースに。最大の要因は、疲れ切った丸岡の運動量が落ちたことだろう。同時に清水側でも、右サイドに戻った柴田が本来のキレを取り戻し、また慣れない左サイドに回りながら切り返しを多用する小泉は、さほど違和感を見せなかった。美臣が余っていた前半と違い、互いにストッパータイプの石垣と佐野が高いラインを布いたせいもあるだろう。 6分、マークから一瞬早く動き出した町田がPA内フリーで柴田のスローインを受けると、巧みなターンからの右クロスに竜男が合わせたが、ゴール右上。9分、ポストに入った町田が谷野に戻すと、谷野の竜男を狙ったクサビがDFに当たって再び町田の下に。改めて竜男とのワンツーでPA内に侵入した町田、先程と同じような位置 (PA内右側) で同じように巧みなターンから、同じような浮き球の右クロス。同じように竜男が飛び込むと、同じようにゴール右上に外した (苦笑) 。
その後も左右からサイドを攻めるが、柴田や小泉の個人技に頼る単調な攻撃になったせいか人垣を崩しきれず、次の好機は22分。町田が左からサイドチェンジを狙ったパスは、ミスになってDFにクリアされるが、これが上手い具合に柴田の前に転がって、すぐさま柴田はアーリークロス。町田が竜男の場面と同じような位置 (PA内ゴールエリア左角付近) に飛び込んでヘッドを放ったが、竜男と同じようにファー上に逸らしてしまう。FWが決められないのならばと24分、神田が右に捌いたボールから柴田が縦に勝負して右クロス。これをファーで丸岡右SB2番が、何故が中央に折り返してしまう。それを拾ったのが起点となった神田、飛び込んだ勢いをトラップで殺し、殺到するDFをリフティングで華麗に交わす、いかにも神田らしいファンタジックなプレー。しかし、最後のシュートの勢いが弱く、GKに阻まれた。 一方的に攻め続けてきた清水だが、25分に松商が2人を交代したのを機に、何度かカウンターを受けるようになる。この試合、前日45分間出場した谷野と元々体を張るのが得意でない神田のボランチコンビがフィルター役になりきれず、相手にスピードに乗られる場面も多かったが、後半はパワーとスピードを兼備する佐野が体で食い止めてきた。しかし、33分の松商3人目の交代直後、途中交代の11番に縦に走られる。GK晃太が飛び出すがあっさり交わされ、あとは空っぽのゴールに流し込むだけ…、ニアサイドネット、の外側。相手のミスに救われる。清水の方は、両翼の突破力に賭ける場面が多く、昨日の試合を見た後では、流動性・展開力、共に物足りなさが残った。それでも40分、左から切り返しで振り回して小泉が、PA手前で横パス。そこに走り込んだ谷野を6番が後ろから押し倒し、絶好の位置からFKを得る。蹴るのは谷野、右足で壁の外側を巻いたボールは落ちて枠内右下を狙ったが…、勢いが足りずにGKグッドセーヴ。結局、1−1のまま試合終了。スコアは昨日と同じだが、内容には不満が残った。
(他に良い写真がなかったので、新デジカメに浮かれる筆者による連写機能をお楽しみください。最後、谷野のFK)
丸岡高校 清水エスパルス 2(0) シュート 9(3) ◎竜男、×竜男、×竜男、×神田、×町田、○神田、×竜男、×小泉、○谷野 3(1) 右クロス 6(3) ○町田、○町田、×柴田、×柴田、○柴田、×柴田 2(0) 左クロス 1(0) ×小泉 0(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 2(1) ×谷野、○谷野 1(−) 犯OS 0(−) 7(1) ファウル 2(1) ×石垣、・神田
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−1 丸岡高校 得点:前半12分:丸岡・24番 (10番 ・左クロス) 後半03分:清水・山崎 竜男 (柴田 和也 ・スルーパス) 警告:後半39分:丸岡・06番 (反スポーツ的行為)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●佐野 克彦 (1年・CB) スピードがあるので裏に走られようが、ゴール方向に向き直す際に追い付いてしまう。ラインを上げるためには不可欠なCB。コンタクトに強いため、無理にドリブルで突っ込んでくれば体ごと潰してしまう。1対1の地上戦は、全く安心してみられた。
[私撰MIP] ●高野 美臣 (2年・CB) 常に声を張り上げ、球際の勝負にも激しく、積極的に中盤に上がって試合も創る。というか、美臣が絡まらないと組み立てもできなかった不甲斐ない前半のチームの中で、孤軍奮闘。ムラがあり、特にスピード勝負で遅れをとる場面もあったが、鋭い読みで補っていた。
●柴田 和也 (2年・左SH→右SH) 左サイドのユーティリティー性は小泉に譲ったが、右サイドで即興性の溢れた絶妙なトラップ・リフティングと、ボールと一体感あるテクニックを披露。クロスだけでなく、ドリブルからのスルーパスで1アシストを記録、プレー幅で小泉を上回った。
-- 04年6月13日 (日) 12:00開始 トヨタスポーツセンター第2グラウンド 中日本ユースサッカースーパーリーグ 第2回U-17大会 クループA 松商学園高校 対 名古屋グランパスエイトユース ※40分ハーフ
松商学園高校: 名古屋グランパスエイトユース: −−−−−−増澤− 胡桃沢 −−−−− −−−−−−上村−−酒井−−−−−− −−−−本間−−−−−−山口−−−− −−清水−−−−久保−−−−三島−− −−−−−−佐藤−−荒川−−−−−− −−−−−−根津−−唐沢−−−−−− −−宮崎−−藤森−−萩原−−横田−− −−−−内田−−森本−−三宅−−−− −−−−−−−−金井−−−−−−−− −−−−−−−−鈴木−−−−−−−− 交代:前半29分:横田→松澤 交代:後半33分:清水→太田 後半00分:??→佐藤康 酒井→花井 後半25分:本間→神山
前半39分、名古屋、左から切れ込んだ清水が久保にクサビ、近くの酒井がパスを要求、リターンを渡して久保がGKとの1対1を決める。 後半30分、名古屋、松商ゴールキックを名古屋が競り勝ちクリア、追った松澤のバックパスが乱れ、久保が拾って空のゴールに流し込む。 後半40分、名古屋、左サイド太田のクロスをファーで上村?が頭で落とすと、久保が全くフリー。正面からGKの手を弾いてハット達成。
松商学園高校 名古屋グランパスエイトユース 5(2)/4(2) シュート 10(4)/11(4) 3(0)/1(0) 右クロス 6(3)/10(5) 2(0)/3(2) 左クロス 5(2)/5(1) 0(0)/0(0) 右側CK 3(0)/3(1) 0(0)/0(0) 左側CK 0(0)/1(0) 1(−)/0(−) 犯OS 2(−)/1(−) 2(1)/0(0) ファウル 3(2)/3(2) ※内側が前半/外側が後半の数字
松商学園高校 0−3 名古屋グランパスエイトユース 得点:前半39分:名古屋・久保 裕一 (酒井 隆介 ・スルーパス) 後半30分:名古屋・久保 裕一 ※松商のバックパスミス 後半30分:名古屋・久保 裕一 (上村 晋平 ・ショートパス)
[個人的好印象選手] 唐沢 旭宏 (グラ・DF) : 組み立てには不満も、しばしばスピードで振り切られたDF陣を盛んにヘルプした。 萩原虎太郎 (松商・DF) : 強力なコンタクトで粉骨砕身。名古屋FWは終了間際以外、この壁に跳ね返された。
2004年06月12日(土) |
プリンス東海 四日市中央工業高校戦 |
04年6月12日 (日) 14:15開始 長良川球技メドウ JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第5節 対四日市中央工業高校 ※45分ハーフ 天候:曇
▼布陣 先発: 後半13分〜44分:
−−−−−−長沢− 山本真 −−−−− −−−−−−−−長沢−−−−−−−−
−−岡村−−−−−−−−− 篠田悠 − −−− 篠田悠−山本真 −小泉−−−−
−−−−−−池田−−谷野−−−−−− −−−−−−枝村−−池田−−−−−−
− 桑原卓−佐野克−高野美 −渥美−− − 桑原卓−佐野克−高野美 −渥美−−
−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−
交代:前半38分:山本真と篠田悠をポジションチェンジ 後半00分:谷野 →枝村 (そのままCHに) 後半13分:岡村 →小泉 (4−2−3−1にシステム変更、上図参照方) 後半44分:佐野克→岩本 (そのままCBに)
四日市中央工業高校:
−−−−−−南川−−若山−−−−−−
−−−− 東 −−−−−−中林−−−−
−−−−−−高石−−馬場−−−−−−
−− 林 −−中川−−池田−−西井−− 交代:後半07分:若山→坂井 −−−−−−−−水谷−−−−−−−− 後半24分:中林→梅本
▼試合展開 清水は石垣・村越の両CBが出場停止で、遠征に帯同せず。他のレギュラークラスでは、真司の姿もなかった。だが、そうした要素を抜きにしても、「監督が代わっても戦術的に変更はない」という地元紙へのコメントに反して、大幅に入れ替わった。美臣をCBとしてDFリーダーに、また谷野が大会で初めて先発に抜擢された。真希と悠輔は従来のポジションと逆である。私の考えでは3年生が昇格を賭ける勝負の年、1年生はユースのスピードに慣れる年だが、2年生はプレーの幅を広げる年だと思う。こうした試みは歓迎したい。それにしても、フィールドプレーヤーに3年生が一人しかいねえ。その岡村がゲームキャプテン。そして、半分が1年生かよ。 四中工は…、すいません、誰か正確な背番号教えてください。8割方合ってるとは思うのだが。昨年の高校選手権で、優勝した国見を苦しめたチームは、3年生にテクニシャンの高石・中林、万能型FWの南川らが揃う。更に2年生は黄金世代で、昨年U-16代表に総合力の高いDF中川と突貫型FW坂井、昨年U-16ナショナルトレセンには186cmの大型GK水谷、身体能力の高い西井が選ばれた。他にもボランチも務める大型DFの池田、センスフルなFW若山と選り取り見取り。なんでこのチームが浜名に負け、藤枝東に大敗し、IH予選では暁に敗れたのか、不思議で仕方がない。思えば、夏の大会の早期敗退、充実した下級生世代と、どこかエスパルスに似ている。
(試合開始前の礼を終えて。左から渥美、桑卓、悠輔、谷野、渥美、風間、真希、美臣、佐野、長沢、岡村)
[前半] 序盤こそFW真希がボランチと変わらぬ運動量でプレスを率先、機先を制した清水だが、次第に四中工が戻りの遅い悠輔の清水右サイドで起点を作り始め、同時に24番・10番を中心に流動的かつ精力的な運動量で、清水に圧力を掛ける。併せて3分に13番、10分に24番がミドルシュートを狙うことで、徐々に最終ラインを押し込んだ。13分には18番が渥美を縦に抜き去ってから中に切れ込んでシュート、ニアポストを直撃する。清水も15分に谷野の左CKから長沢がヘッドを放つなど反撃するが、ボランチが潰されて起点になりえない状況では、流れの中で良い形は生まれなかった。
(前半15分、ニアで長沢 (中央) ヘッド、僅かに上。セットプレー限定ながら、最近は空中戦が本当に強くなった)
暫く潰し合いが続いた後、20分。四中工、左SB林がFW南川とのワンツーで左サイドを縦へ、ただでさえ戻りが遅れていた悠輔に加えて渥美も置き去りにする。縦パスを送ると、右MFの10番が左ニアポスト際に飛び出しながらそれを受け、ゴール至近距離。が、そこでふわりと左クロス。ファーポスト際で24番が丁寧に頭で合わせ、GK風間が外れたゴール右に流し込んだ。0−1。脱帽せざるを得ない、完璧に崩されてのゴールである。 22分の清水。右サイドを抉った悠輔から、斜め後ろに戻したクロスを左から斜め前に走り込んだ岡村が受け、垂直方向、つまり斜め左前へスルーパスを送る。ダイアゴナルの連鎖でマークを外した長沢、PA内右足でファー右上角を狙ったが、ループ気味のシュートは枠を捉えない。その後、暫く先制された清水が反発する時間が続くが、四中工は運動量とテクニックを兼ね揃えるMFが次第に清水CH・左右SBを翻弄し、再び最終ラインをPA内まで押し込めてしまう。31分には、右サイドを抉った10番がPA右角の13番に戻すと、13番はPA内にショートパス。南川がスルー、24番がポストに入ってダイレクトワンツー、13番が再び受けてPA直前からのダイレクトミドルは僅かに枠左。清水のお株を奪う、素晴らしいテンポでのパス回しだった。
流れの中で好機を創れない清水は、31分に谷野の左CKに長沢が体を投げ出しながら頭を合わせるが、枠右に外れる。逆に32分、谷野のファウルでPA直前中央からのFK、南川が壁を外から巻いて左端を狙ったが、GK風間がディフレクト。てんで好転しない流れに、ついに望月監督代行は悠輔と真希を入れ替え、本来のポジションに戻す。すると、サイドに張った真希こそボールが来なくて苛立っていたが (笑) 、悠輔は正に水を得た魚。素敵なトーキックトラップでポストしてみたりする。そして、ロスタイム、四中工24番の戻りオフサイドで自陣ハーフライン際からFK。蹴るのは桑原卓哉。独特のドライブの掛かったロングキックを待ち受けるのは長沢、この男、目測を誤らない状況なら空中戦に滅法強い。丁寧に叩き落とすと、あ、PA内で悠輔がフリーじゃん。この男が外すはずがなかった。GKを一呼吸外して、右足インサイドでゴール右に叩き込み、1−1。試合の殆どを押し込まれていた清水だが、篠田悠輔の天啓「一撃必殺」で同点に追いつき、試合を折り返した。
四中工 清水エスパルス 10(3) シュート 4(2) ×長沢、○長沢、×長沢、◎悠輔 0(0) 右クロス 3(1) ×真希、○悠輔、×谷野 5(1) 左クロス 1(0) ×岡村 1(0) 右側CK 4(1) ×岡村、○谷野、×谷野、×谷野 2(1) 左側CK 1(1) ○谷野 2(−) 犯OS 3(−) ・真希、・長沢、・長沢 3(1) ファウル 6(2) ・悠輔、・桑卓、・長沢、×谷野、×岡村、・桑卓
[後半] 後半、約2ヶ月ぶりに枝村登場。だが、最初の決定機は四中工の方。左サイドから渥美がマークする18番が外に叩くと、戻りが遅れた真希を尻目に左SB林がオーバーラップ。上げた左クロスにGK風間が飛び出そうとして躊躇、それで佐野の呼吸が乱れ、その裏で24番が頭を合わせた。が、躊躇が幸い、シュートはすっぽりと風間の正面に。そして、舞台は枝村の復活劇へと移り変わる。 まずは6分、自陣左サイドから桑卓が左足でインに巻く長いクサビのボールを入れる。PA手前中央の悠輔が左に流すと、外から斜めに走り込んできた岡村が受けてゴールライン際で急速方向転換、華麗にDFを一枚交わしてラストパスの左クロス。至近距離で枝村が右足を合わせたが…、枠右へ。だが、神出鬼没なゴール前への飛び出しは健在。9分には右サイドから真希が野性味溢れるドリブル、小さく斜めに戻して悠輔、粘って更に戻すと得意の枝村ミドル!、正確な右足インサイドのインパクトは枠左へ外れた。だが、ここまでは試運転。枝村のタコメーターは、13分の小泉投入を機に4−2−3−1に移行すると、左サイドの枝村−真希−悠輔のトライアングルを軸として回転していく。
あまり使いたくない言葉なのだが、枝村は別格だ。今までのユースは、真希「だけ」が目立っていたが、枝村・真希と更に悠輔が絡むテンポの速さは、互いに分かり合える者「たち」の競演である。また往事の半分程度の運動量ながら、枝村は相手の呼吸・体重移動を微妙に外す柔らかなタッチでプレスをいなす。中盤の底で奪われず、逆にそこからダイアゴナルフィードで左右に散らす攻撃は、それまでのSBとSHが同一サイドで縦に繋ぐ攻撃とは、次元がが異なるもの。真希や池田、或いは谷野が決して質が低いボランチとは思わない。だが、それでもボランチとして、枝村は別格だ。 まず17分、右に散らしたボールを渥美がアーリークロス、PA手前で悠輔が受けて反転、浮き球の縦パスを長沢が懐の深さを活かして切り返し、右足インサイドでGKの左肩口を狙ったが、GK水谷ディフレクト。19分、枝村→悠輔→真希とスペースに通して左クロスはDFが弾き、枝村の左CK。ファーでDFがクリアするが、こぼれ球を最後は池田がスライディングで奪いながらサイドチェンジする美技。再び枝村が受けると、相手の体重移動の逆を突く独特の切り返しで抜き去って、PA内へと突破。もう一度切り返してニアを狙った強シュートは、GK水谷が防いだ。が、まだ続く。リバウンドを枝村が自ら拾い、フォローした桑卓へ。粘って桑卓がリターン、枝村にはDFが付いていたが、ダイレクトで左クロスを送る。DFのクリアがファーにこぼれ、今度は小泉がフォロー。自慢のクイックネスでマークを振り回し、上げたクロスをニアで真希が右足を合わせたが、ゴール右を狙ったシュートもGK水谷。一人でPA内シュートを3点叩き落とした勘定になる。 でも、まだ続く。22分、プレスをいなした枝村が桑卓に戻すと、桑卓が枝村が乗り移ったような素晴らしいサイドチェンジ。受けた真希が縦にパス、そして小泉。トップで売り出し中の太田を思わせる脅威の連続切り返しでDFを外し、上げた右クロスにニアで同期のエース、長沢。至近距離からニアのGK肩口を狙ったシュートは、しかし水谷がまたも超反応を示し、CKにディフレクトする。枝村、復帰から4本目のセットプレー。それまで今ひとつ感覚を取り戻せていない様子だったが、これは真希の頭にピタリ。その弾道をGK水谷、今度はバレーのセッターのような格好でシュートを突き上げ、再びCKにディフレクトした。枝村5本目、ファーに合わせたボールを長沢が折り返し、真希が落とすと、悠輔。マクー空間でのギャバンの怪人並みにPA内では能力が3倍になる悠輔、DFに囲まれながら圧倒的なキープ力、しかも自ら振り向いてニアの下隅を狙ったシュートを放った。が、これもGK水谷が反応、一人でゴールエリア前後の至近距離シュートを3点阻んだ勘定になる。
とはいえ、四中工はGK水谷だけで守っていたわけではない。DF陣は高いフィジカルと、殆どのボールをダイレクトで処理する技術と判断を身につけ、しぶとく抵抗していた。そして、疲労が蓄積してスペースが空いたこの時間帯からは、スピードとテクニックを兼備する坂井らFW陣が奮起する。27分、池田がバックパスをミス。南川?にカットされ右に展開すると速い速い坂井。十分に抉って上げた右クロスを、ほぼ中央から18番が飛び込んでボレーを放つ決定機。が、これはファー左ポスト前でゴールに流し込んだ15番が勇み足。オフサイドに救われる。 ただ、四中工の衰えぬ前線プレスに手を焼きながらも、その中で好機を作り続けたのは清水の方。34分、枝村のフィードから真希が左サイドをドリブル突破、DFに阻まれて一度サイドに開くと、戻して桑卓が左クロス。これをニアに入り込んだ悠輔が頭で合わせたが、僅かに左。39分、枝村が悠輔との大きなワンツーで左スペースへと抜けると、高速低空クロスにニアで長沢が飛び込む…が、あと一歩が足りず。が、小泉がフォロー。上げたクロスを真希が右足を合わせたが、DFがディフレクト、CKに逃れた。
(その後半39分の左CK、佐野 (中央) が寄せてきた馬場の体を利用しつつヘッドを放つが、GKの前にDFがクリア)
試合は、ロスタイム4分の攻防へ。戦術=坂井のスピードの四中工、再三縦にブッちぎっては速く低いクロスを送り込んでいた坂井が45分、再び桑卓と美臣までちぎってシュートを狙うが、再びゴール前を横切ってファーに外れる。次は清水。46分、美臣のクサビのパスを、未だ運動量が衰えぬ真希が顔を出して受け、ターンしてドリブル開始。と見せて横に叩くや、そこに飛び込むは枝村。得意のミドル、阻んだのはまたもGK水谷。こぼれ球を真希が詰めるが、オフサイド。47分、枝村のパスから真希がPA内に侵入、それを潰したDF池田が倒れた腕にボールが当たったが、…さすがにPKは採れないか。49分20秒、激戦の終了を告げる笛が吹かれた。
四中工 清水エスパルス 6(3) シュート 13(8) ×真希、×枝村、×枝村、○長沢、○枝村、○真希、○長沢、○真希、○悠輔、×枝村 ×悠輔、○小泉、○枝村 4(2) 右クロス 4(3) ×枝村、○真希、○渥美、○小泉 5(1) 左クロス 7(4) ○岡村、○桑卓、○真希、×枝村、○桑卓、×枝村、×枝村 1(0) 右側CK 5(3) ×枝村、×枝村、○枝村、○枝村、○枝村 0(0) 左側CK 1(0) ×枝村 2(−) 犯OS 1(−) ・真希 6(0) ファウル 5(0) ・岡村、・小泉、・佐野、・枝村、・岩本
(久々にキャプテンマークが枝村に戻ってきた。左から枝村、小泉、長沢、悠輔、真希、池田、渥美、風間、美臣、岩本、桑卓)
プリンス3位以内勝ち抜けを考えると、この勝点1は確かに痛い。だがしかし、後半は間違いなく04年最高の内容だった。凄まじいテンポでパスと選手が動き続け、前半戦では殊勲の選手すら、物足りなさが残るほど。主力が戻る効果は、単に加算するのではなく、相乗する。新しい試みである4−2−3−1も上々で、どこか硬直し勤続疲労を起こしていたチームに新風を吹き込んだ。まったく、チームの完成型が楽しみになってきた。
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−1 四日市中央工業高校 得点:前半20分:四中工・若山 勇樹 (中林 大 ・左クロス) 後半44分:清水Y・篠田 悠輔 (長沢 駿 ・ショートパス)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●佐野 克彦 (1年・CB) 前半の最小失点の立役者。優れたポジショニングと強気な声で高いラインを統率した美臣も目立ったが、高いラインが崩れなかったのは、裏にパスが出てもスピードで勝負できる佐野のおかげ。桑卓が抜かれても平然と対応し、坂井とのガチンコの競「走」にも負けてはいない。何度かドリブルで持ち上がるなど、足技にも確かなものを持っている。
[私撰MIP] ●枝村 匠馬 (3年・CH) 果たした役割については本文で既に述べたが、今年のチームが枝村のチームであることを改めて実感した。チームの空気から変わった。枝村自身は特に守備面でまだ踏ん張りきれない部分を残すが、見た感じ、体が一回り大きくなった印象。得意のミドルシュートも最初は感覚がズレているようだったが、ロスタイムには枠内に惜しいシュートを放っている。
●篠田 悠輔 (2年・CB) 悠輔なら3度チャンスがあったら2点は決めるだろ!、的な物足りなさは残るが、天啓「一撃必殺」発動はさすが。枝村・真希の速いテンポにも完全に対応し、昨年と違ってPA外での貢献も大きかった。トライアングルの内、真希も枝村・悠輔以上に目立っていたのだが、前半に3、4度のパスミスが悪印象で、FWとして機能しなかった点を減点。
[個人的好印象選手 (相手方) ] 水谷 允俊 (2年・GK) : 神。クロスなどに対して守備範囲が狭いのは課題だが、長身ながらシュート反応が鋭い。 坂井 将吾 (2年・FW) : 速い。プレーの幅は狭いが、マークに関係なくシュートを放てる自分の形を持っている。
-- 04年6月12日 (日) 14:15開始 長良川球技メドウ JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第5節 暁高校 対 岐阜工業高校 ※45分ハーフ
暁高校: 岐阜工業高校: −−−−−−高橋−−石川−−−−−− −−−−−−−−19−−−−−−−− −−飯田−−−−−−−−−− 谷 −− −−−−臼井−−10−−栗本−−−− −−−−−− 萩 −−山中−−−−−− −−−−−−河合−−07−−−−−− −−斉藤−−市野−−粂内−−西村−− −−04−−03−−松井−−14−− −−−−−−−−大島−−−−−−−− −−−−−−−−清水−−−−−−−− 交代:なし 交代:後半00分:19→22 後半30分:臼井→13 後半33分:10→17 後半41分:03→20
暁高校 岐阜工業高校 5(1)/1(0) シュート 4(3)/8(4) 3(1)/3(0) 右クロス 2(0)/4(3) 3(0)/2(0) 左クロス 6(1)/1(0) 0(0)/2(0) 右側CK 0(0)/2(0) 1(0)/0(0) 左側CK 2(0)/1(1) 3(−)/1(−) 犯OS 2(−)/2(−) 5(1)/7(0) ファウル 3(2)/9(3) ※内側が前半/外側が後半の数字
暁高校 0−0 岐阜工業高校 警告:後半30分:岐阜・03番 (反スポーツ的行為)
[個人的好印象選手] 市野 修平 (暁・DF) : スピード不足も感じたがコンタクトに強く、読みに長けた粂内とは良いDFコンビ。
2004年06月06日(日) |
練習試合 東海大学附属翔洋高校戦+JY (2年・1年) : 浜北戦 (寄稿) |
某N氏より。最近、半ば氏の寄稿で成り立つHPになってます (爆) 。
04年6月6日 (日) 9:30開始 鈴与三保グラウンド 練習試合 対 東海大学附属翔洋高校 ※35分ハーフ
前半: 後半: −−−−−−町田−−八木−−−−−− −−−−−−長沢− 山崎竜 −−−−− −−岡村−−−−−−−−−−小泉−− −−岡村−−−−−−−−−−柴田−− −−−−−−谷野−−神田−−−−−− −−−−−−池田−−谷野−−−−−− − 桑原卓−佐野克 −岩本− 桑原彬 − − 桑原卓− 村越−−石垣−−渥美−− −−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−− 交代:後半11分:風間→山崎晃 後半20分:谷野→枝村
清水エスパルスユース 4−2 東海大学附属翔洋高校 (前半 1−1) 得点:前半01分:清水・町田 朋弥 (岡村総一郎・スルーパス) 前半34分:翔洋・11番 後半01分:清水・山崎 竜男 (桑原 卓哉 ・左クロス) 後半05分:翔洋・09番 後半18分:清水・長沢 駿 (谷野 由紘 ・スルーパス) 後半20分:清水・谷野 由紘 (山崎 竜男 ・スルーパス)
注目の枝村は、得意のロングフィードこそあったが、あまり守備もせずに無理していない様子、とのこと。前田・高野一は別メニュー。真希・悠輔・美臣がサテに向かった様子。
練習試合 対 ヤマハジュビロサッカースクール浜北 (2年) ※25分×3本
---【1本目】--- −−−−−−高橋−−池上−−−−−− − 佐野傑 −−−−−−−− 佐野孝 − −−−−−−西澤−−深澤−−−−−− − 加瀬沢−望月恭−望月卓− 吉川−− −−−−−−−−柴田−−−−−−−−
得点:24分:浜北・町田
浜北 清水エスパルス 1(1) シュート 0(0) 1(0) 右クロス 5(2) ×孝洋、○池上、×孝洋、×吉川、○孝洋 0(0) 左クロス 7(1) ×佐傑、×加瀬、○佐傑、×加瀬、×池上、×加瀬、×加瀬 0(0) 左右CK 2(0) ×西澤、×西澤 0(−) 犯OS 0(−)
---【2本目】--- −−−−−−高橋−−池上−−−−−− − 佐野傑 −−−−−−−−−吉川−− −−−−−−西澤− 望月卓 −−−−− − 加瀬沢−望月恭 −深澤− 佐野孝 − −−−−−−−−柴田−−−−−−−−
得点:09分:清水・池上 智視 (加瀬澤 大 ・左クロス) 15分:浜北・町田 23分:浜北・町田
浜北 清水エスパルス 4(3) シュート 4(3) ○池上、◎池上、○卓馬、×卓馬 1(0) 右クロス 1(0) ×深澤 1(0) 左クロス 4(2) ◎加瀬、×佐野、×佐傑、○加瀬 0(0) 左右CK 5(2) ○西澤、○西澤、×西澤、×西澤、×西澤 0(−) 犯OS 1(−) ・佐野
---【3本目】--- −−−−−−鍋田−−池上−−−−−− ※オレンジ色は1年生 − 佐野傑 −−−−−−−−−吉川−− −−−−−−深澤− 望月卓 −−−−− −−西澤− 望月恭 −植野− 加瀬沢 − −−−−−−− 望月景 −−−−−−− 7分:吉川→山崎教 (西澤を右SH、望月恭を左SB、山崎教をCBに)
得点:07分:浜北・町田
浜北 清水エスパルス 2(1) シュート 2(1) ○卓馬、×卓馬 1(0) 右クロス 1(0) ×加瀬 0(0) 左クロス 5(1) ×佐傑、○西澤、×佐傑、×深澤、×佐傑 1(0) 左右CK 1(0) ×西澤 0(−) 犯OS 4(−) ・池上、・佐傑、・池上、・池上
練習試合:清水エスパルスJrユース (2年) 1−4 ヤマハジュビロサッカースクール浜北 (2年)
練習試合 対 ヤマハジュビロサッカースクール浜北 (1年) ※25分×3本
---【1本目】--- −−−−−−櫻井−−鍋田−−−−−− −−西川−−−−−−−−−−石原−− −−−−−−青木−−山田−−−−−− −−小澤−−山崎−−植野−−滝戸−− −−−−−−−−水野−−−−−−−−
得点:06分:清水・櫻井 翔太 (西川 和輝 ・左クロス) 17分:浜北・08番
浜北 清水エスパルス 2(1) シュート 6(3) ×櫻井、◎櫻井、×小澤、○西川、×植野、○櫻井 1(0) 右クロス 1(0) ×石原 0(0) 左クロス 6(3) ×西川、×青木、×西川、◎西川、○小澤、○西川 5(0) 左右CK 2(1) ○青木、×青木 0(−) 犯OS 0(−)
---【2本目】--- −−−−−− 畑 −−関口−−−−−− −−本川−−−−−−−−−−石原−− −−−−−−大島−−櫻井−−−−−− −−荒井−−山田−−青木−−西川−− −−−−−−−−水野−−−−−−−− 交代:16分:水野→長島
得点:14分:清水・石原 聖太 (畑 直樹 ・ショートパス) 16分:浜北・04番
浜北 清水エスパルス 6(1) シュート 4(2) ◎石原、○櫻井、×石原、×櫻井 2(0) 右クロス 3(1) ○櫻井、×関口、×西川 2(0) 左クロス 2(0) ×本川、×本川 1(0) 左右CK 1(0) ×石原 2(−) 犯OS 0(−)
---【3本目】--- −−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−− −−本川−−−−−−−−−−関口−− −−−−−−滝戸−−青木−−−−−− −−荒井−−小澤−−植野−−大島−− −−−−−−−−長島−−−−−−−− (左サイドの本川・荒井以外は清水FCのOB!)
得点:01分:浜北・04番 02分:清水・畑 直樹 (青木 達也 ・右クロス) 09分:浜北・04番
浜北 清水エスパルス 3(2) シュート 2(1) ◎畑、 ×滝戸 0(0) 右クロス 4(2) ○青木、×関口、○関口、×青木 0(0) 左クロス 4(0) ×本川、×本川、×本川、×荒井 2(1) 左右CK 0(0) 0(−) 犯OS 1(−) ・本川
練習試合:清水エスパルスJrユース (1年) 3−4 ヤマハジュビロサッカースクール浜北 (1年)
植野、青木、西川の動きが良かったとのこと。
2004年06月03日(木) |
築舘範男氏 監督辞任 |
■清水エスパルスユース 築舘監督辞任のお知らせ
この度、清水エスパルスユースの築舘範男監督が辞任することになりましたのでお知らせいたします。 後任につきましては、望月保次 育成グループリーダーが監督代行を兼務し、チームの指揮を執ります。またユース/ジュニアユースの他のスタッフに変更はございません。
築舘 範男(つきたて のりお) 出身地: 愛知県 生年月日: 1960年4月2日 サッカー歴:愛知県立豊田西高校→トヨタ自動車 指導歴: 1986年 2月−トヨタ自動車 コーチ 1992年 2月−名古屋グランパスエイト トップチームコーチ 1994年 2月−名古屋グランパスエイト ユース強化担当 1999年 2月−名古屋グランパスエイト スカウト担当 2000年 3月〜2002年 6月−日本文理大附属高校(大分県)監督 2002年 9月−清水エスパルス ユース監督 資格: 日本サッカー協会公認 C級ライセンス(1989年取得) 日本サッカー協会公認 B級ライセンス(1991年取得) 望月 保次(もちづき やすじ) 出身地: 静岡県 生年月日: 1947年8月1日 サッカー歴:清水市江尻小→清水市立第一中→清水東高→日本体育大→本田技研 指導歴: 1978年 4月−東海第一高 監督 ※1985年−日本ジュニアユース代表 コーチ ※1989年−日本ユース代表 コーチ 1991年10月−清水エスパルス ヘッドコーチ 1995年 2月−清水エスパルス ユース/ジュニアユース 監督 1997年 2月−鈴与清水FCラブリーレディース 監督 1999年 2月−(株)エスパルス 育成グループ グループリーダー 2002年 9月−(株)エスパルス 強化育成本部 副本部長・強化責任者 ※2002年10月〜12月−清水エスパルス テクニカルディレクター(兼務) 2003年11月−(株)エスパルス 育成グループ グループリーダー 資格: 日本協会公認 S級ライセンス(1992年取得)
--- 昨日、大々的に報道されたため機を逸した感がありますが、築舘範男氏が清水エスパルスユース監督が辞任されました。成績不振と家庭の事情が、その辞任理由。引き金になったのは、静岡新聞によるとチーム史上初らしい、クラブ選手権静岡県予選敗退にあるのは間違いないでしょう。プリンス東海展望、磐田戦展望など折に触れて語ってますので、ここで字数は費やしませんが、ここぞという流れを掴み、そこで決断する部分に脆さがあった気がします。 後任は、東海第一高の監督として高校選手権初出場・初優勝を遂げたことであまりに有名な、望月保次氏。とはいえ、ゼムノビッチ政権末期、不振に喘いだトップのテクニカルディレクターに就任したり、01年に行徳氏がS級ライセンスを取得した際の留守に代わりを務めたように、氏はエスパルスにとって最後の切り札のような存在です。Jrユースからの6年間一貫指導において、望月氏が果たす「監督の監督」の役割も無視できないものがあります。「代行」の名が付いたことからも、後任が見つかるまでの救援登板となりそうです。 後任に考えられるのは、下部組織でGKコーチに収まってるのが不思議なほどの実績を持つ高祖和弘氏。ただ、高祖氏が後任になるのならば、間に望月氏を挟む理由が考えづらく、何か他に考えがあるのかもしれません。前回も行徳氏のトップコーチ昇格後、コーチの岩下氏が監督代行を務め、およそ3週間後、荒田に築館氏が監督に就任した経緯があります。
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