2004年02月29日(日) |
JY中2: 練習試合 ヤマハジュビロ浜北戦 |
04年2月28日12:35開始 鈴与三保グラウンド(エスパルス育成グラウンド) 練習試合 対 ヤマハジュビロ浜北(中2) ※25分×4本 天候:晴れ時々曇り
28日に行われたジュビロ浜北との練習試合。ユースの中日本から駆けつけたため見逃したが、新中3チームの対戦は、2−3で敗北したそうだ。実際に観戦したのは新中2チームの対戦。個人的には見るのが、初めてのチームだ。ナイキ全国大会は見に行くことも多いのだが、今年は清水も浜北も、クラブの部準決勝で敗退してしまった。 清水の方は、主力の前田・横山・曽根が中3チームに合流、狩野は怪我で出場せず。代わりに、新中3の小嶋・平井・古牧が加わった。浜北の方にもそうした入替があったかもしれないが、基本的にさなるカップの背番号のままだと思われる。ちなみに五十音順だ。こちらは、JFAエリートプログラムに参加経験のある小林・高瀬の他、町田が出場していない。ちなみに清水は、エリートプログラムとやらに、U-14/U-13の双方で、延べ参加人数ゼロ。 試合は25分×4分。共に延べ17名が出場した。
詳細はこちら → ぽけっとエスパルス
---【1本目】--- 清水エスパルス: ヤマハジュビロ浜北: −−−−−−池上−−古牧−−−−−− −−−−−−森田−−袴田−−−−−− −−小嶋−−−−−−−−−−西澤−− −−−−−−−−加藤−−−−−−−− −−−−−−平井−−深澤−−−−−− −−疋田−−中村−−越川−−井上−− − 佐野傑−岩崎広−望月恭−加瀬澤 − −−−−大澄−−早川−−山崎−−−− −−−−−−−−柴田−−−−−−−− −−−−−−−−鈴木−−−−−−−− ※名前が灰色の選手は3年生 交代:なし 交代:20分:山崎→平野
浜北 清水エスパルス 1(1) シュート 8(2) ×池上、×古牧、×深澤、×小嶋、○西澤、×池上、○池上、×西澤 0(0) 右クロス 5(1) ○??、×西澤、×平井、×加瀬、×西澤 0(0) 左クロス 4(2) ○池上、×小嶋、×小嶋、○小嶋 2(1) 右側CK 1(0) ×西澤 0(0) 左側CK 2(0) ×小嶋、×小嶋 0(−) 犯OS 2(−) ・池上、・池上 1(0) ファウル 0(0)
---【2本目】--- 清水エスパルス: ヤマハジュビロ浜北: −−−−− 佐野孝 −高橋−−−−−− −−−−−−森田−−袴田−−−−−− −−池上−−−−−−−−−−吉川−− −−−−−−−−加藤−−−−−−−− −−−−−−西澤− 望月卓 −−−−− −−疋田−−中村−−越川−−井上−− −−小嶋− 岩崎広−望月恭−加瀬澤 − −−−−大澄−−平野−−鈴木−−−− −−−−−−−−柴田−−−−−−−− −−−−−−−−鈴木−−−−−−−− ※名前が灰色の選手は3年生 交代:なし 交代:18分:加藤→内山雅
01分、清水、右サイド奥でキープする高橋が小さく戻すと、吉川が斜めにパスを入れる。PA右角の佐野孝が裏に抜けると、ワントラップからシュート。確実にファーに決め、1−0。
12分、清水、速攻から左CKを得る。蹴るのは池上。左足で速いボールをマイナスに入れると、ニアの高橋が反応し、他より二回りは小さい体で懸命にジャンプ。やっぱり届かない。が、浜北はそれに釣られてしまったのか、中央で待つ西澤がフリーになり、丁寧にボレーで合わせると、GKの反応が完全に遅れ、ゴール左に決まる。2−0。
浜北 清水エスパルス 2(0) シュート 6(3) ◎孝洋、○西澤、×吉川、◎西澤、×孝洋、×恭平 1(0) 右クロス 1(0) ×吉川 1(0) 左クロス 4(1) ○小嶋、×小嶋、×小嶋、×池上 0(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 1(1) ◎池上 1(−) 犯OS 0(−) 3(1) ファウル 1(0) ・卓馬
---【3本目】--- 清水エスパルス: ヤマハジュビロ浜北: −−−−−−高橋−−古牧−−−−−− −−−−− 伊藤誓 −袴田−−−−−− − 杉山一 −−−−−−−− 佐野孝 − −−−−−−−−越川−−−−−−−− −−−−−−平井−−吉川−−−−−− − 内山雅 −中村−−早川− 内山博 − − 加瀬澤−岩崎広 −深澤− 望月卓 − −−−−大澄−−平野−− 條 −−−− −−−−−−− 望月景 −−−−−−− −−−−−−− 伊藤彰 −−−−−−− ※名前が灰色の選手は3年生
02分、清水、右サイドを抉った佐野孝が戻したボールを、古牧がクロスを送るが、ファーに流れてしまう。が、杉山一がフォローし、ゴールライン際でマイナスで折り返すと、ニアの高橋を通過し、中央に走り込んだ古牧がズドン。強烈なシュートがゴール上に突き刺さった。3−0。
浜北 清水エスパルス 3(3) シュート 10(3) ×孝洋、◎古牧、×孝洋、×一貴、×一貴、×古牧、×高橋、×平井 ○平井、○高橋 3(1) 右クロス 7(3) ○孝洋、○卓馬、×孝洋、○孝洋、×孝洋、×孝洋、×古牧 1(0) 左クロス 3(2) ◎一貴、○平井、×加瀬 0(0) 右側CK 2(0) ×一貴、×一貴 1(1) 左側CK 1(0) ×?? 0(−) 犯OS 0(−) 0(0) ファウル 1(0) ・吉川
---【4本目】--- 清水エスパルス: ヤマハジュビロ浜北: −−−−−−池上−−西澤−−−−−− −−−−−−森田− 伊藤誓 −−−−− − 佐野傑 −−−−−−−− 佐野孝 − −−−−−−−−加藤−−−−−−−− −−−−−−平井−−深澤−−−−−− − 内山雅 −中村−−疋田− 内山博 − −−小嶋−−古牧− 望月恭 −吉川−− −−−−井上−−平野−− 條 −−−− −−−−−−− 望月景 −−−−−−− −−−−−−− 伊藤彰 −−−−−−− ※名前が灰色の選手は3年生 交代:16分:深澤→高橋
05分、清水、右サイドの吉川から縦にパスが入ると、そこに流れてきた深澤が、マイナスに右クロスを送り込む。すると池上、自らの右に空いていたスペースへとウェーブの動きで走り、ボールとゴールを視野に入れて綺麗にファーに流し込んだ。4−0。
09分、清水、中盤左サイドで奪った池上、ルックアップすると、柔らかいミドルパスを最終ラインの裏へと、斜めに送り込む。それに反応したのは西澤、付いてきたCBを背中で押し退けて強引に突破、PA内でGKと1対1になると、急速方向転換で飛び込んできたGKを交わし、無人のゴールへと流し込んだ。5−0。
15分、浜北、長い縦パスが左サイドを狙ったボールにFW森田が反応、数的には不利だが、高い最終ラインの裏の豊富なスペースで前を見る。清水で応対するのは古牧、が、体を当ててきた森田に吹っ飛ばされる。GKと1対1になった森田は、GK望月景もスピードのままに抜き去り、ゴールへと流し込んだ。5−1。
24分、清水、自陣左サイドから一度、最終ラインに戻すと、古牧?が大きくロングフィード。この1発のパスで池上が逆サイドの裏に抜け出すと、右足を強烈に合わせる。GK伊藤彰が反応したが、なおも池上が左足で押し込んで、6−1。
ロスタイム、清水、先程と同じような展開。先程よりやや高い位置、中盤の底(平井?)からのダイアゴナルフィード1発で、池上が右サイドへと抜け出す。今度はDFも反応していたが、PA右角でマルセイユルーレット1発で置き去りに。ゴール右ポストあたりでGK/DFに飛び出されるが、そこでマルセイユルーレット2発目。GKも置き去りにした池上は、後はゴールにボールを押し込むだけだった。7−1。
浜北 清水エスパルス 4(3) シュート 9(8) ◎池上、○西澤、◎西澤、○平井、×孝洋、○高橋、○孝洋、◎池上 ◎池上 0(0) 右クロス 6(4) ×孝洋、○吉川、◎深澤、○吉川、○西澤、×孝洋 1(0) 左クロス 5(4) ○平井、○佐傑、○佐傑、○小嶋、×小嶋 1(1) 右側CK 1(0) ×深澤 0(0) 左側CK 1(0) ×西澤 0(−) 犯OS 0(−) 1(0) ファウル 0(0)
清水エスパルスJrユース 7−1 ヤマハジュビロ浜北 得点:2本目01分:清水・佐野孝洋(吉川涼太・スルーパス) 2本目12分:清水・西澤郁 (池上智視・左CK) 3本目02分:清水・古牧淳也(杉山一貴・左クロス) 4本目05分:清水・池上智視(深澤慶也・右クロス) 4本目09分:清水・西澤郁 (池上智視・スルーパス) 4本目15分:浜北・森田雄二 4本目24分:清水・池上智視(古牧淳也・ロングフィード) 4本目24分:清水・池上智視(平井正伸・ロングフィード)
[選手寸評(出生順)] 古牧 淳也 (1)FW (2)− (3)FW (4)CB デッカくてパワフル。特にキックのインパクトは強烈。 小嶋順一郎 (1)左SH (2)左SB (3)− (4)左SB 単独突破は苦手そうだが、正確なクロスを持つ。 平井 正伸 (1)CH (2)− (3)CH (4)CH 地味ながらリズムを変える能力があり、要所で輝く。
高橋 真登 (1)− (2)FW (3)FW (4)−→FW 小さくてもズルさと負けん気は譲らない。このタイプは伸びる。 佐野 傑 (1)左SB (2)− (3)− (4)左SH 動きの量と質に改善の余地。個人技には光るものがある。 望月 恭平 (1)CB (2)CB (3)− (4)CB 声を出せるDFリーダー。良いキックもあり、完成度が高い。 杉山 一貴 (1)− (2)− (3)左SH (4)− 自ら突破力もあるが、逆サイドの展開に合わせるのも巧い。 吉川 涼太 (1)− (2)右SH (3)CH (4)右SB 現時点では小粒ながら、よく動いて要所で繋ぎ役に。 深澤 慶也 (1)CH (2)− (3)CB (4)CH→− 1対1も強いが、読みに優れ、守備を落ち着かせる点が稀少。 西澤 郁 (1)右SH (2)CH (3)− (4)FW→CH 身体・判断・技術、全て水準以上。上で使うべき。MIP。 岩崎 広大 (1)CB (2)CB (3)CB (4)− 強力な1対1で、PAの手前に鉄壁を築いた。 望月 景旭 (1)− (2)− (3)GK (4)GK 柴田より小柄なGK。あまり出番なし。 望月 卓馬 (1)− (2)CH (3)右SB (4)− 安定した守備から、機を見た攻撃参加のできる大人の選手。 池上 智視 (1)FW (2)左SH (3)− (4)FW サイズとテクニックとセンスが揃う、穴のないFW。MVP。 佐野 孝洋 (1)− (2)FW (3)右SH (4)右SH 力と技を併せ持つ、自我の強いプレーヤー。私は嫌いじゃない。 柴田 直紀 (1)GK (2)GK (3)− (4)− 望月より大柄なGK。あまり出番なし。 加瀬澤 大 (1)右SB (2)右SB (3)左SB (4)− ひたすらダイレクトな、でもドリブラー。個人的素敵大賞。
誕生日バランスが懸念材料だが(出場した10/14人が4〜6月生。欠場した選手を含めると12/18)、少なくとも現時点は非常に強力なチーム。力で振り回すドリブルで何とかしてる選手が多く、そのあたりが成長するにつれ、どうなっていくか。考えられた動き出しはよく見られ、展開はまだ小さいものの、フィールドの縦幅や横幅を使う意識も高く、特に穴は感じなかった。
2004年02月28日(土) |
中日本スーパーリーグ U-18 藤枝東高校戦 |
04年2月28日10:00開始 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP 中日本ユースサッカースーパーリーグ 第7回U-18大会 クループA 対 藤枝東高校 ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−−−長沢− 篠田悠 −−−−− −−−−−−町田− 篠田悠 −−−−−
−−岡村−−−−−−−−− 高野一 − −−風間−−−−−−−−−−小泉−−
−−−−−−上埜−−池田−−−−−− −−−−−−上埜−−谷野−−−−−−
− 高野美 −村越−−石垣−−柴田−− − 桑原卓 −村越−−石垣− 高野美 −
−−−−−−−−前田−−−−−−−− −−−−−−−−前田−−−−−−−−
交代:後半00分:柴田 →谷野 (そのまま右SBに) 後半13分:長沢 →町田 (そのままFWに) 岡村 →桑原卓(そのまま左SHに) 後半14分:高野一→小泉 (そのまま右SHに) 後半28分:池田 →風間 (谷野をCH、風間を右SBに)
藤枝東高校:
−−−−−−河津−−三輪−−−−−−
−−−−柴田−−−−− 鈴木崇 −−−
−−−−−−知野−−増田−−−−−−
−−黒瀬−−井上−−村松−−西形−−
−−−−−−−−碓井−−−−−−−−
交代:後半00分:黒瀬→岸佑、後半10分:柴田→滝田、後半12分:三輪→植松、後半26分:知野→閨谷 後半28分:西形→佐久間、後半34分:鈴木崇→大塚
▼試合展開 朝10時にJ-STEPはキツイ。5時起きだ。今日も清水駅から歩いて行ったのだが、別に好きで歩いてるんじゃなくて、地元民以外にとって、バスの時刻表と路線図が分かりにくくて、今ひとつ信頼できないのである。その点、歩いていけば、時間は掛かるものの、確実に目的地に着ける。で、実際、開始時刻の1時間半前に駅へ着いてしまうと、わざわざバスを使う気が起きないのである。あまり早く会場に着いても暇なだけだから。何はともあれ、この日は風もなく、2月と思えない好天に恵まれたサッカー日和。歩くのも苦にならなかった。
清水は、怪我の枝村・真希・真司抜き。枝村は姿を見せず、真希は記録員、真司はランニングをしていた。雄也・望月・八木の3人も、ランニング中。岩本・佐野・小出・渥美の新1年生4人は、未だに合流していないようだ。とはいえ、先発は彼らを除けば、現状のベストと言えるかもしれない。先発は、3年3人、2年6人、1年2名。実は、GKと最終ラインは、真希の代のナイキ杯から、望月大と村越が入れ替わったものだったりする。 藤枝東も、県選抜に選出された赤星・中村・小関が欠場。午後から、山梨選抜との練習試合を控えていたらしい。ちなみに清水からの選出は、真希のみ。小関がいなくなったことで、昨年来の4バックに戻している。佐久間や閨谷も先発を外れ、三輪・知野といった、新人戦では出番の少なかった2年生が、名を連ねた。先発は3年生5名、2年生6名で、当然1年生は合流していない。県高校新人戦は惜しくも準優勝に終わった藤枝東だが、怪我や高校選抜の合宿で赤星を欠くことも多い中、決勝まで勝ち抜いた力と経験は侮れまい。また、2週間前の中日本が初の「準」公式戦である清水とは、この時期の仕上がりに大きな差があるだろう。
[前半] 序盤、展開の速さで優位に立ち、ピッチの幅を広く使って攻める清水は、しかしパス出しの扇の要となるボランチが入れ替わった影響は大きく、単調な攻めが目立ち、オフサイドの山を築く。藤枝東は鈴木崇を軸にパスのテンポが良く、西形・増田らのフリーランニングも豊富で、5分にはPA左横で石垣のファウルを誘うなどしたが、PA内で石垣・村越・前田の牙城を崩すには至らない。 そのまま大きな動きなく、7分、清水はGK前田からのゴールキック。標的となった長沢は、相変わらず目測を誤るが、長沢と共に上がったCB村松のスペースに岡村が待ち受け、トラップして後ろに戻す。受けた美臣はルックアップ、そして中盤左サイドから、斜めに低いロングフィードを放った。そこには、CB井上と競りながら悠輔が走り込んでいたが、更に右外から一也が快速を飛ばす。悠輔はスルー、そして一也は対応の遅れた黒瀬をスピードで振り切ると、最終ラインの裏に抜けて、鋭いボレー。反応したGK碓井もさすがだが、そこに抜け目ない男・悠輔が、弾いたボールを押し込んで、美味しく先制点をゲットする。1−0。最初の決定機で、きっちりと仕事をしてみせた。
得点後も、試合の展開はあまり変わらない。藤枝東は、右では鈴木崇・増田・西形のトライアングルのパス回しで部分的に数的有利を作り、左では柴田・河津が、そのスピードで清水の柴田を押し込んだりするのだが、いざシュートを撃とうという場面で一瞬手間取り、その隙に村越・石垣の屈強なCBに跳ね返されてしまう。初シュートは実に20分、上がった左SB黒瀬のクロスを、PA外から鈴木崇がボレーで合わせたもの。それも、ダフって高く上がり、GK前田が余裕で抑えた。 一方の清水は、なおも攻撃が単調。連携不足だけでなく、今年の出場経験の少ない岡村・美臣・池田らに単純なパスミスが散見され、試合勘を取り戻せていない様子が見られる。それでも個人技で上回る清水は、岡村のドリブルなどで攻め続けると、22分、右サイドで受けた悠輔、一瞬の反転から急加速し、PAを右角から斜めにペネトレイト。黒瀬・井上を引き連れて、小さくゴール手前に戻すが、長沢のシュートはGK碓井に阻まれてしまう。27分にも、左スローインをPA左角前で悠輔が受け、刹那に上体を横に揺らすと方向転換、縦に3歩のダッシュ。西形・村松の間を割り込むや、スルーパス。またも長沢がゴール前で受けるが、GK碓井の飛び出しの前にシュートを撃ちきれない。 この間、藤枝東の攻撃を柴田のミドル1本に抑えた清水は、前半終了間際、試合を決めるべく村越が上がる上がる。築館監督の「村越ぃー、戻れぇー」という声にも、必死に戻った後、息を切らせて「(ボールを)回そう」と声を掛けながら、さっさと次の攻撃を仕掛ける味方にも、隣で観戦するN氏の「イヴァン・カンポか、お前は」とのツッコミにもめげることなく、38分。奪った勢いのまま左サイドスペースに抜け、左クロス。これは跳ね返されるが、岡村が拾って後ろに戻して美臣、鈴木崇・西形に囲まれながらも強引に突破すると、タイミングを図ってループで囲みの裏にパスを送る。すると、全然戻る気配を見せなかった村越が、ノーマークで受け、左から斜めに切れ込んでシュート。強烈なボールだったが、GK碓井が反応。ちゃっかり、そこにいた悠輔が押し込もうとするが、なんとかGKが抑え込む。 前半は、それで終了。点差以上の内容で、折り返した。
藤枝東高 清水エスパルス 2(1) シュート 5(4) ○一也、◎悠輔、×長沢、○村越、○悠輔 3(0) 右クロス 4(0) ×一也、×柴田、×長沢、×悠輔 3(1) 左クロス 3(0) ×岡村、×美臣、×村越 0(0) 右側CK 1(0) △岡村 0(0) 左側CK 1(0) ×上埜 2(−) 犯OS 7(−) ・悠輔、・岡村、・悠輔、・池田、・悠輔、・一也、・長沢 5(0) ファウル 3(1) ・美臣、×石垣、・一也
[後半] 後半も、ボールを支配する清水が、要所で連携不足をさらけ出し、動きが少ない展開が続く。沸かせた場面は、4分に岡村が切返し2発で4人を振り回し、左CKを奪った場面ぐらいか。上埜は巧いが展開が小さく、池田のパスは狂いがちで、両翼のスピードを活かせない。試合が動き出したのは、交代があった10分過ぎから。藤枝東は柴田に代えて、エスパルスJrユース育ちの滝田を右MFに投入。キープレーヤー鈴木崇は、左に移る。岡村との同期対決が注目されたが、直後、清水攻撃時の接触で岡村が負傷。対決は僅か2分ほどで終わり、清水は町田・桑卓・小泉の1年生が投入した。 すると11分、カバーに入った村越がGK前田に戻す。「回そう」との声を無視して、敢えてダイレクトで右SBの谷野に入れるが、結局、相手のチェックが厳しく、もう一度、前田へ。今度は落ち着いてタイミングを図り、前田得意のロングキック。前線に上がっていた上埜が頭でトラップし、戻りながら足下に収めて、右横に小さく流す。そこに池田、ルックアップして出したスルーパスは、走り込む小泉の足下にピタリ。疾走する小泉は、そのままドリブルでPA内に侵入し、十分にCBを引きつけると、小さく中央へ横パス。併走していた町田、更にその横にエースの悠輔も近寄ってきていたが、ゴールの果実は譲らず、自ら美味しくもぎ取って、2−0。
攻撃陣に1年生が4人入った清水は、オフサイドの判定に苦しめられながらも、判断の速さに連携の良さが加わって、昨年Jrユースの鋭い速攻の形が蘇る。藤枝東も20分に、左に回った鈴木崇が、ロビングパスを受けて右SB谷野の裏に走り、鋭いセンタリングを送ったが、美臣が落ち着いてゴールの枠上に頭でクリア。結局、藤枝東、後半最初のシュートは、22分の知野のミドルまで待たねばならなかった。そのミドルの直後、中央突破を仕掛ける上埜が、町田から細かいワンツーリターンを受け、裏に抜けてシュート。またもGK碓井が阻むが、またも絶好のポジションにいた悠輔が弾いたボールを弾き返す。が、DFがカットし、PA外へクリア。それも拾って、再び中央突破を仕掛けた上埜をたまらず倒し、中央25MからのFK。ボールをセットした上埜が狙ったのは、なんと壁の下。惜しくも僅かに壁の足を掠め、威力なくGK碓井がキャッチした。 さらに26分、悠輔のドリブルのクリアボールを桑卓が拾い、ボールを足下にキープしたまま、スルスルと攻め上がる。タイミングを図って、PA内に折り返したクロスをDFは反応できず、ゴール至近距離に町田。昨年Jrユースのエースのシュート、だが、GK碓井正面、体を倒して弾き返す。これも悠輔が、ダイレクトで打ち返したが、シュートは枠上に外れた。清水の攻撃はその後も続いたが、アクシデント発生。池田が負傷し、風間と交代。風間は最初左SBに入ったが、暫くすると左SHに。代わって谷野がボランチへ。一人でバイタルエリアの掃除役をしていた池田が退いたことで、清水の中盤の守備力が、ガクンと下がる。落ち着かない展開が増え、藤枝東に隙を与えることになる。 29分、右に流れたFW河津のパスを受けた右SH滝田は、Jrユース当時はGKだった同期・風間と対峙、その裏にパスを送る。そこに3人目の動きで西形が飛び出し、小さく折り返すと、起点となった河津が突っ込んでシュート。これはGK前田がCKにディフレクトしたが、そのCKもファーに流れたボールから、鋭い左クロスを入れられるなど(DFクリア)、危うい場面が続く。30分の藤枝東、今度は左サイドから人数を掛けて攻めるが、美臣・石垣の壁と、小泉の粘りに交代を余儀なくされ、小泉が奪い返そうかというところで、一度、中盤の底の増田に戻す。増田は、思い切って縦にロングフィード、と、それを跳ね返そうとした村越を掠めて、最終ラインの裏へ。絶妙のスルーパスの格好となり、それを村越のかつての戦友・滝田が、フリーの1対1を美味しく頂き、2−1。前田は手を地に叩き付けて、悔しがる。
2−0から1点返されるのが一番危ない、そんな意見もあるが、この日の清水は、事故のような失点だったこともあり、むしろ気合を入れ直した格好に。終盤は、谷野が当たりの強さを攻守に発揮。38分、中央から相手を押し退けながら持ち込んで、スルーパス。これは風間のトラップが乱れて、決定機をふいにするが、その直後、今度はスルーパスのフェイクでDFラインを金縛りにして、一気に中央突破。PA内でシュートを放つが、GK碓井がファインセーブ。 なおも、小泉がボールを足の甲に乗せて切り返す得意のフェイントで相手DFを振り回し、石垣がボールを奪った勢いのまま、相手を吹っ飛ばし、次の相手をマルセイユルーレットで交わすなど(その後、奪われて必死で戻ることになったが)、やりたい放題。怪しいオフサイドの判定で決めきれずにいたが、ロスタイム、最終ラインで組み立て直すと、村越が左に張る風間へとフィード。ハーフライン付近の風間は、相手のプレスが緩んだ余裕を得て、体を半身内側に向けて左から右足に持ち直すと、視野を確保したまま、斜めにロングフィード。視点の先で走り込む町田は、CBの間を割り込んで突進。町田を信頼したのか、「どうせコイツはパスを出す気はない」と諦めたのか(笑)、追走する小泉が速度を落として見つめる中、PA内の1対1。GK碓井が動くのを見て、タイミングを微妙に外し、ゴール右へと流し込む。美味しく2点目も平らげた。3−1。 これで、試合も決まり。点差以上の快勝となり、気温が上がるにつれ、だいぶ調子も上向きになってきたようだ。
藤枝東高 清水エスパルス 3(2) シュート 9(5) ◎町田、×美臣、○上埜、○町田、×悠輔、×谷野、○谷野、×悠輔 ◎町田 1(0) 右クロス 2(1) ○小泉、×美臣 2(0) 左クロス 3(1) ×悠輔、○桑卓、×桑卓 2(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 1(0) ×上埜 2(−) 犯OS 9(−) ・岡村、・長沢、・悠輔、・悠輔、・美臣、・桑卓、・小泉、・悠輔 ・町田 6(1) ファウル 4(0) ・池田、×石垣、・谷野、・石垣
▼試合結果 清水エスパルスユース 3−1 藤枝東高校 得点:前半07分:清水・篠田悠輔 後半15分:清水・町田朋弥(小泉慶治・ショートパス) 後半35分:藤枝・滝田哲也(増田洋平・ロングフィード) 後半39分:清水・町田朋弥(風間翔太・ロングフィード)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●町田朋弥 27分出場: シュート3(枠内3、得点2) Jrユースでは殆ど経験のない交代投入(エースだったし)で、2得点。得点の意欲は、ユース史上でも最高級なだけに、スーパーサブ適性があれば、トップ昇格後まで睨むと、大きく可能性が広がる。ユース史上最高の得点意思を持つ悠輔と組んだが、常に精力的に動く点で、タイプが異なる。ボールに絡む回数が不満だが、随所に良いポストプレーもあり、共存の可能性を伺わせた。
[私撰MIP] ●村越大三 80分出場: シュート1(枠内1)、クロス1(左1) ちょっと攻撃参加に色気出し過ぎな気はするが、守備自体は盤石。石垣と共に、1対1で負ける場面は稀だった。主力が抜けたチームで、常に声を張り上げて守備網を指揮し、モラールを高める。さらに正確なキックとコーチングでビルドアップを率先するなど、リーダーとしての威厳が生まれつつある。
●篠田悠輔 80分出場: シュート4(枠内2、得点1)、クロス2(右1左1) 1点のみだったが、怪しいオフサイド判定が繰り返されなければ、ハット達成もおかしくない。そのぐらい決定力と、ゴールへの嗅覚、DFラインとの駆け引きは卓越している。良い形でボールを持つ機会は少なかったが、その少ない機会を確実に決定機に昇華するセンスは凄まじい。普段は淡々としてるだけに。
[個人的好印象選手(相手方)] 増田洋平(新高3): 豊富な運動量と競合の強さを活かし、潤滑油とフィルターの1人2役を果たす。 鈴木崇紀(新高2): 一人、違う判断速度が違った。動き出し・パス出しのタイミングは、全国標準。
2004年02月22日(日) |
中日本スーパーリーグ U-18 岐阜工業高校戦 (寄稿) |
04年2月22日10:30開始 杭瀬川スポーツ公園A 中日本ユーススーパーリーグ(U-18) 対 岐阜工業高校 ※40分ハーフ
先発: 終了間際:
−−−−− 鈴木真 −長沢−−−−−− −−−−− 山崎竜 −町田−−−−−−
−−岡村−−−−−−−−−−小泉−− − 鈴木真 −−−−−−−− 高野一 −
−−−−−−上埜−−池田−−−−−− −−−−−−上埜−−池田−−−−−−
− 高野美 −村越−−石垣−−柴田−− − 桑原卓 −村越−−石垣−−谷野−−
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
交代:後半12分:長沢 →山崎竜(そのままFWに) 岡村 →町田 (鈴木真を左SH、町田をFWに) 後半22分:高野美→桑原卓(そのまま左SBに) 後半32分:小泉 →高野一(そのまま右SHに) 柴田 →谷野 (そのまま右SBに)
前半22分、岐阜、右CKから、松井ドンピシャヘッド、岐阜工先制。0−1。 後半04分、清水、上埜→真司→上埜で浮き球を長沢が競り落とし、上埜がゴール、同点。1−1。 後半19分、岐阜、栗本のスルーパスを受けた松井が、落ち着いてゴール。1−2。 後半39分、清水、ゴール左へと流れた高野が、鮮やかに決めて同点。2−2。
清水エスパルスユース 2−2 岐阜工業高校
2004年02月15日(日) |
中日本スーパーリーグ U-18 草津東高校戦 |
04年2月15日12:00開始 トヨタスポーツセンター第3グラウンド 第7回中日本ユースサッカースーパーリーグ(U-18) クループA 対 草津東高校 ※40分ハーフ 天候:曇り時々晴れ
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−−−−−−−石垣−−−−−−−−
− 鈴木真 −−−−−−−−−小泉−− − 鈴木真 −−−上埜−−−−小泉−−
−−−−− 山本真 −枝村−−−−−− −−−−−−−−柴田−−−−−−−−
− 桑原卓 −村越−−石垣−−柴田−− − 桑原卓 −村越−−池田− 桑原彬 −
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
交代:前半38分:山本真→池田 (そのままボランチに) 後半00分:町田 →篠田悠(そのままFWに) 後半24分:枝村 →桑原彬(柴田をボランチ、桑原彬を右SBへ) 後半27分:長沢 →上埜 (そのままFWに)
草津東高校:
−−−−−−11−−07−−−−−−
−−−−−−−−10−−−−−−−−
−03−−−06−−16−−−08−
−−−−04−−05−−19−−−−
−−−−−−−−17−−−−−−−−
交代:後半00分:03→15、後半06分:10→02、後半28分:17→01、後半32分:08→12
▼試合展開 トップで躍進が期待される高木和道と、新入団の前田の母校である草津東は、昨年の清水フェスティバルでも対決し、0−1で負けていたりする。この試合で前田は、清水関係者にアピールするものがあったのだろうか? 草津東は、GKユニやマネージャーの着ていたウィンドブレーカーが、エスパのものとよく似ていて、何となく好印象。システムの方も、トップと同じ3−5−2だが、両翼の位置は低く、代わりにボランチの攻撃参加の多いチームだった。滋賀は、草津東の他にも、野洲(昨年戦力外となった田中の母校)や守山北など、好チームが分散している地域だが、草津東は1−1、PK戦13−12という激戦を経て、守山北を振り切って新人戦に優勝したそうだ。当然、清水とは、完成度に大きな開きがあるだろう。 一方の清水は、昨日とほぼ同じ面子ながら、丸岡戦で足を痛めていた谷野に代わって桑卓が入り、現役中学生が5人と、ますます若いメンバーに。三種年代での試合は、最長でも高円宮杯本戦の35分ハーフなので、40分ハーフの連戦がどのように影響するかも、一つのポイントである。ま、昨日の試合は、中学生たちはフル出場していないのだが。
(と、遠すぎる…。左から、石垣2、桑卓24、小泉26、町田30、晃太16、長沢29、真希7、柴田19、村越3、真司11、枝村10。※名前の横は背番号)
[前半] 強風吹き荒れる中、前半は逆風。開始直後、石垣のファウルで中央40M弱あるFKが、一気にPA内に放り込まれて草津東8番がヘッド、GK晃太がディフレクトするなど、その影響はモロに表れる。枝村・村越らのロングフィードが事実上封印された清水は、前線の核となる長沢にボールが入らず、攻撃の形を作れない。両翼の小泉・真司が突破を仕掛けるが、展開が読まれやすく、相手を崩すに至らず。6分に、FKから小泉が持ち込んで左CKを奪い、真司のキックに村越がヘッドを放つも、左外に外れた程度。PA内の仕事師・町田は、完全に消えていた。 そんな清水を、圧倒的に攻める草津東。ロングボールが風に乗って伸びると、スピードのある2トップが精力的に追い掛けて裏を奪い、或いはCKを得る。タッチラインに逃げてもロングスローと、攻撃の手を緩めない。13分、右サイドから内側に切れ込んだ草津東7番、シュートは村越にブロックされると、跳ね返りを拾った10番が、枝村を交わして持ち込むが、再度シュートブロックに遭い、右CKに。10番のキックを、飛び出たGK晃太の手前で誰かがスラすと、それはファーポストを直撃した。 尚も盛んにサイドスペースをドリブルで仕掛け、CKを山と築き上げる草津東。20分には、真司がタッチライン外に逃げたが、今度は8番がロングスロー。村越?がヘディングで競り勝つが、ふわりとしたスローインは大きくクリアできず、跳ね上ったボールを更に桑卓?がボレーでクリア。次の瞬間、揺れたのは清水ゴールネットの「天井」。クリアの先にいた草津東6番が、中央20Mの位置からクリアボールをダイレクトボレー、シュートは一直線にゴール中央上部に突き刺さったのだ。GK晃太、一歩も動けず。0−1。
反撃したい清水は、強風の中、なんとか枝村が自ら持ち込もうとするのだが、複数に囲まれては潰され、責任感が空回り。真司が、散発的にクロスを放つ程度でしかない。相手ペースが続行し、28分、草津東の右CKは、通算で8本目のCK。10番の蹴ったボールはゴールの手前を横切るが、飛び出したGK晃太が競り合いの中で十分なジャンプを確保できず、ボールに触れられずにカブってしまう。ファーの5番が頭で落とし、ゴール左ポスト前で混戦になるが、最後はCBの19番が、大きな体を活かして空のゴールへと強引に押し込み、追加点を挙げる。0−2。直後の29分にも、同じように右CKをファーで折り返されて混戦を招くなど(シュートはブロック)、風の影響はあるとはいえ、GK晃太はセットプレーのポジショニングと、飛び出しの判断に課題を見せる。 これ以上、離されたくない清水だが、大きい展開は風の影響を受け、細かい展開ができるほど、連携が取れていない。結局、セットプレーぐらいしか頼るものがなく、34分、右センタリングエリアを突いた真希を、草津東16番が倒し、FK。真司の蹴ったボールに枝村が飛び込んだが、ヘッドは枠上に外れる。すると、直後の35分、今度は草津東7番のパスから、16番が汚名返上の飛び出し。裏に抜けてのクロスは石垣がブロックするが、続く6番の左CKに、またもGK晃太がカブってしまい、ファーで撃たれたヘッドは、左ポストが晃太の代わりにゴールを守った。36分には、ボールを持った真希が激しくタックルを受け(清水のアドバンテージで流された)、自ら足を引きずって外に出る。治療を受けるが、結局2分後、池田に交代。チームの2枚看板の1枚を失い、いよいよ追い込まれた。 ロスタイムに入って40分、草津東4番がハンドを採られ、右60度30M程からFK。蹴るのは枝村。右足で巻いたボールで壁の後ろを抜かれた草津東、素早く反応した町田と長沢に、裏へ抜け出されてしまう。町田の頭は合わなかったが、ファーで長沢がヘッド。クロスバーの内側に跳ね返ったボールは真下に落ち、バウンドしてDFがクリアしたが、判定はノーゴール。筆者の位置からは、ゴールインにも見えたが…。結局、前半はそのまま終わり、順風となる後半に賭けることになった。
草津東高 清水エスパルス 8(3) シュート 3(0) ×村越、×枝村、×長沢 1(0) 右クロス 1(0) ×小泉 0(0) 左クロス 4(0) ×真司、×真司、×真司、×真司 7(2) 右側CK 2(1) ○真司、×真司 5(1) 左側CK 1(0) ×枝村 3(−) 犯OS 0(−) 9(2) ファウル 4(0) ・石垣、・枝村、・真司、・長沢
[後半] 追い風となった後半は、両チームの勢いが逆転。3分、桑卓の攻撃参加から真司の左クロス、4分には望月の右クロスが、共に長沢の足下に入るが、トラップをミスして好機を活かせない。5分過ぎに長沢が鼻血のため一時ピッチを退き、一旦攻勢が弱まるが、9分、真司の左クロスから右CKを得ると、真司が蹴ってファーで石垣が頭で合わせ、ネットを揺らすが、ボールはネットの上。だが、その直後、風で目測を誤ったか、草津東のロングスローで8番に抜け出され、シュートはブロックしたものの、裏にこぼれたボールを16番に拾われて、シュートを撃たれると、これもファーポストを直撃。ヒヤリとさせられる。 とはいえ、鋭い草津東のカウンターも、強風で煽られる清水の攻勢を弱めるには至らず。14分、左から持ち込んだ真司をフォローした桑卓、真司が粘って戻すと、桑卓も粘ってキープし、前に送り直す。それを真司がダイレクトで左クロス、草津東5番がダイビングヘッドで跳ね返すが、それを小泉が、相手の先制点のお株を奪う、PA外からのダイレクトボレー、おまけにアクトバティックなダイビング付き。さすがに難度は高く、シュートは宇宙開発。さらに18分には、池田のサイドチェンジから小泉が仕掛けて戻し、枝村が前に送り直すが、これは草津東DFがクリア。が、柴田が拾って仕掛け、最後はもう一度小泉が仕掛けるが、交錯して左CKとなる。真司のキックに、空中戦最強・石垣がファーで折り返すが、それをDFがカット。しかし、クリアを阻んだのは長沢の大きな体。得意の胸トラップシュートを放ったが、右隅を狙ったボールをDFが体で弾き出す。 決まりそうで、決めきれない。その焦りが出たのか、22分に枝村が奪われたボールを取り戻そうと、足を伸ばしてしまい、交錯して枝村のファウル。と、枝村は体を投げ出したまま、立ち上がれない。担架で運ばれ、ベンチ側で軽く診断を受けると、おんぶされて一足早く、ロッカールームへ。交代要員として、桑彬が準備される。枝村負傷退場。2枚看板が、2枚とも怪我でピッチを退いてしまった。代わってボランチに入ったのは、右SBでプレーしていた柴田。長沢や桑彬などボランチ経験のある1年生もいるのだが。
これに奮起したのが、今年4人の二種登録選手の内、残った2人、真司と悠輔。24分、ドリブルで左サイド深くに切れ込んだ真司は、追走した桑卓と、後ろに戻りながらのワンツーから、横に叩く。それを中央で受けた悠輔が、急加速。咄嗟に押し掛かったDFが彼を倒し、PA寸前中央の絶好の位置でFKを得る。が、よく考えると、プレスキックを担当してきた枝村も真希も、ピッチを後にしていたり。結局、蹴ったのは、なんと村越。強烈なシュートだったが、壁にブロックされてゴールならず。池田・桑卓あたりが蹴らなかったのは、新入り故のアピール不足か。ちなみに、こぼれを拾った相手選手を後ろから押し倒した悠輔が、イエローをもらっている。 その後、やはり枝村、真希不在が響き、真司にボールを集める単調な展開が続く。それでも33分、中盤中央、こぼれ球を拾った相手選手がトラップに戸惑う間に、ダッシュで間を詰めて強引に奪い返した桑卓、そのまま前方にフィードすると、最終ラインに挟まれた状態から悠輔が、最初の3歩で抜け出す。すぐにGKも飛び出すが、小さなトラップから右足アウトサイドでゴール右に流し込む。が、やや引っ掛かった感じのシュートになり、GKの横っ飛びが間に合った。すると、34分、ハイボールの競り合いの際、両手を小さくバンザイした格好の悠輔が、ハンドの反則、しかも意図的と見られて、イエロー、2枚目で退場。遂に4人の二種登録選手すら、真司一人になってしまう。しかも、10人での戦い。 築館監督は、この緊急事態に石垣をFWに上げ、169cmの池田を最終ラインに、特攻体制。まあ、それぞれ経験のあるポジションではあるが、劣勢は否めず、36分には草津東11番に、急造最終ラインの裏を取られ、シュートを許すが、GK晃太が超反応で、それを凌ぐ。清水も37分、池田らしい早いタイミングのスルーパスから、小泉が右スペースに抜け、その右クロスを真司がボレーで合わせたが、DFのブロックに遭って、枠から逸らされてしまう。その後も、村越が声を張り上げるが、前線の石垣に活きたボールが入らないまま、タイムアップ。昨年のリベンジ達成はならず、しかも2枚看板が負傷という、誠に残念な結果になってしまった。
草津東高 清水エスパルス 5(1) シュート 9(6) ○枝村、×石垣、×小泉、×真司、○石垣、○長沢、○悠輔、○真司 ○上埜 2(0) 右クロス 7(2) ×柴田、×枝村、○小泉、×柴田、×池田、×桑彬、○小泉 4(0) 左クロス 7(1) ×真司、○真司、×真司、×池田、×真司、×真司、×真司 0(0) 右側CK 2(2) ○真司、○真司 0(0) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 0(−) 7(1) ファウル 9(0) ・石垣、・小泉、・悠輔、・枝村、・小泉、・枝村、・悠輔、・石垣 ・悠輔
(試合終了後、真司を先頭に、珍しく小走りで(普段は歩いて)戻るイレブン、じゃなくてテン。真司のキャプテンシー?)
▼試合結果 清水エスパルスユース 0−2 草津東高校 得点:前半20分:草津・06 前半28分:草津・19 警告:後半25分:清水・篠田悠輔(反スポーツ的行為) 後半34分:清水・篠田悠輔(反スポーツ的行為) 退場:後半34分:清水・篠田悠輔(退場2回)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●村越大三 80分間出場:シュート1 対地対空共に、対人動作が強力そのもの。最後の一歩が出る粘りがある。何より頼もしかったのは、枝村・真希の2枚看板が抜けた後も、その声とプレーで下級生主体のチームを支え続けた姿勢だろう。前に出る判断が格段に改善し、急造最終ラインを表に陰にまとめあげたが、風の影響はあったとはいえ、まだまだ改善の余地はありそうだ。
[私撰MIP] ●桑原卓哉 80分間出場 真司先輩に遠慮があるのか、Jrユース時代のように思い切ってサイドスペースに抜ける動きはなかったが、後方待機しながら、機を見てこぼれ球に絡むスピードは魅力的。部分的だが、ドリブル突破は十分に通用する。守備でもSBの動きができており、時折ミスが見えるものの、コンタクト勝負自体は善戦しており、安心して見ることができた。
●長沢駿 67分間出場:シュート2(枠内1) 既に前線の核。幅広く動き、常にボールの受け手として機能した。頭から上のボールの弱さは相変わらずだが、胸から下に入れば、的確に左右に振ってサイド攻撃を引き出す。個人的に、悠輔との凸凹2トップは、ユース世代最強クラスだと思っているが、まだ悠輔の動き出しに長沢の判断速度が遅れている印象。その点が改善されれば。
[NEW COMER] ●池田康彦 初登場で、いきなり地味に汚れ役をしているのが、実に池田らしい。司令塔役は枝村や柴田に任せていたので、縦への判断の速さは垣間見せただけだが、一つ上のカテゴリでも、体を張るのを厭わない強さを見せていた。
●桑原彬 コンタクトに遅れをとると、厳しい。上のカテゴリの当たりに、まず慣れる必要があるからだ。自身や石垣の裏をカバーできない場面もあり、連携面も今ひとつ。強風で、得意のフィードを活かせなかったのも、辛かった。
[個人的好印象選手(相手方)] 16番:精力的な運動量で、盛んに前線に飛び出す一方、守備でも体を張り、枝村を自由にさせなかった。 4番:小泉を攻守で圧倒し、二種世代の格を思い知らせる。1対1だけでなく、中央へのカバーも良し。
--- 04年2月15日10:00開始 トヨタスポーツセンター第2グラウンド 第7回中日本ユースサッカースーパーリーグ(U-18) クループA 名古屋グランパスエイトユース 対 富山第一高校 ※40分ハーフ
名古屋グランパスエイトユース: 富山第一高校: −−−−−−津田−−上村−−−−−− −−−−−−−−10−−−−−−−− −永芳−−−−−高橋−−−−−遠藤− −−−−09−−17−−08−−−− −−−−−−稲垣−−立道−−−−−− −−−−−−05−−07−−−−−− −−−−小寺−−吉田−−福島−−−− −−06−−04−−03−−02−− −−−−−−−− 森 −−−−−−−− −−−−−−−−12−−−−−−−−
後半17分:立道→後藤 後半00分:09→13 後半20分:小寺→唐沢 後半08分:02→15 後半11分:07→18 後半17分:12→01 後半30分:17→14
前半16分、名、PA手前の競り合いがで混戦、裏にこぼれたボールを津田がアクトバティックなボレーで決めて、1−0。 前半19分、名、永芳の左CK、ニアで小寺が左足のインサイドで鮮やかにファーへ流し込み、2−0。 前半26分、富、6番に警告。 前半41分、名、ロスタイム、永芳の右CK、ファーで遠藤が折り返したボールを、吉田が高い打点で軌跡を変え、3−0。
後半16分、富、飛び出した上村を倒したとして、GK一発退場。PKは津田が失敗。 後半19分、名、ほぼ正面25M程の直接FK。永芳のキックはGKに弾かれるが、小寺が交錯しながら強引に詰めて、4−0。 後半27分、富、8番に警告。 後半28分、名、右サイドを抉った遠藤からマイナスのクロス、PA外から永芳がダイレクトボレーを豪快に決め、5−0。
名古屋グランパスY 富山第一高校 12(5)/9(5) シュート 3(2)/1(0) 1(0)/4(1) 右クロス 6(0)/0(0) 6(2)/5(2) 左クロス 0(0)/4(0) 2(1)/3(0) 右側CK 1(0)/0(0) 3(1)/2(1) 左側CK 1(1)/2(0) 0(−)/0(−) 犯OS 0(−)/0(−) ※左が前半/右が後半のスタッツ 2(1)/2(1) ファウル 8(2)/10(2) ( )内は枠内・成功・自陣DFエリア内でのファウル数
名古屋グランパスエイトユース 5−0 富山第一高校
名古屋・稲垣順:チームを引っ張る闘将。中盤で体を張る守備に加え、盛んに上がる最終ラインの穴を的確にカバー。 名古屋・津田知宏:ツッダツッダゴール♪ 外し過ぎな気もするが、裏に抜ける鋭さはさすが。津田も決めさせる意思が徹底。 富山一・4番:富山の闘将。的確なカバー、激しいコーチング、機を見た攻め上がりで、攻守に貢献した。
--- 04年2月15日14:00開始 トヨタスポーツセンター陸上競技場 第7回中日本ユースサッカースーパーリーグ(U-18) クループB 大垣工業高校 対 四日市中央工業高校 ※40分ハーフ
※寒くて途中で帰ったので、先発布陣のみ
大垣工業高校: 四日市中央工業高校: −−−−−−11−−20−−−−−− −−−−−−17−−08−−−−−− −−−−−−−−09−−−−−−−− −−−−16−−−−−−14−−−− −−−−08−−10−−06−−−− −−−−−−23−−07−−−−−− −−06−−04−−03−−12−− −−15−−04−−03−−20−− −−−−−−−−01−−−−−−−− −−−−−−−−01−−−−−−−−
2004年02月14日(土) |
中日本スーパーリーグ U-18 丸岡高校戦 |
04年2月14日12:00開始 トヨタスポーツセンター 第7回中日本ユースサッカースーパーリーグ(U-18) クループA 対 丸岡高校 ※40分ハーフ 天候:晴れ時々曇り
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−−−− 山崎竜−篠田悠−−−−−−
− 鈴木真 −−−−−−−−−小泉−− − 高野一 −−−−−−−−−上埜−−
−−−−− 山本真 −枝村−−−−−− −−−−− 山本真 −枝村−−−−−−
−−谷野−−村越−−石垣−−柴田−− − 桑原卓 −村越−−石垣−−柴田−−
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
交代:後半00分:谷野 →桑原卓(そのまま左SBに) 後半14分:町田 →上埜 (そのままFWに) 小泉 →高野一(そのまま右MFに) 後半25分:長沢 →篠田悠(そのままFWに) 後半31分:鈴木真→山崎竜(高野一を左MF、上埜を右MF、山崎竜をFWへ)
丸岡高校:
−−−−−−07−−14−−−−−−
−−−−06−−−−−−16−−−−
−−−−−−08−−10−−−−−−
−−05−−13−−03−−02−−
−−−−−−−−01−−−−−−−−
交代:後半16分:06→09、後半27分:16→20
▼試合展開 04年度清水エスパルスユース、初の(準)公式戦。この時期、既に新人戦をこなしている高校勢や、Jユース杯から代替わりを始めている名古屋・磐田に比べ、仕上がりが遅いのは仕方のないことだ。毎年、春先の成績はかなり悪い。昨年、レギュラーを務めた3年生は、阿部・海人・大瀧・森安・高柳・篠田大。とはいえ、秋には高柳・篠田大は出番を下級生に譲ることが多かったが。彼らに代わる選手が誰になるかが、春先の試合での注目だろう。 ただ、この日は静学在学選手の多くが同行しておらず、前田・岡村・美臣・雄也らの姿が見えなかった。恐らくは、期末テストなどがあったのだろう。上埜や真希ら、例外的に出場した選手は、自信があるのか、或いは諦めたか(爆)。自然、早くも新1年生(現中学生)の出番が増えることになったが、高校入試の日程もバラツキがあるため、こちらも岩本・佐野・小出らが見えず。結局、CBの2枚とボランチの2枚こそ昨年からの実績があるものの、新1年生が4人起用されるなど、フレッシュな布陣となった。 対戦相手の丸岡高校だが、…よく知らない。丸岡町はサッカーのまちを名乗るだけあって、高校選手権12年連続18回の出場を数えるなど、県下では無敵を誇る。昨年のプリンスリーグ北信越では、3位。ただ、雪国だけあって、高校新人戦も秋のうちに終えてしまうなど、この時期は十分な練習環境があるとは言えないようだ。清水のように、いきなり中学生を起用してはいないだろうが、この時期のコンディションとしては、五十歩百歩というところか。
(その緒戦でスタメンを飾ったイレブン。左から石垣、長沢、小泉、晃太、町田、真司、谷野、柴田、真希、村越、枝村。長沢デカッ、だが石垣もデカイぞ。風で真司の髪が、増量中(笑))
[前半] 開始2分、村越のクリアボールを丸岡8番に拾われて、ミドルを撃たれるなど(GK正面)、初の緒戦らしい、やや落ち着かない出だしとなる。だが、清水も続く3分、枝村がワンフェイクを入れ、タイミングをズラしたクサビを長沢が横に流し、町田が初シュートを記録(枠上)。これを機に、新1年生2トップにボールが入り始めると、2人はU-15代表の実力の片鱗を示し始める。9分には、裏に出たボールをGK晃太が処理、そのロングキックを町田が受けて横に流し、長沢がドリブルで突っ掛けて再び横に叩くと、そこに町田。シュートはブロックされたものの、新1年生だけでチャンスメイクをしてみせる。 すると今度はセットプレー。直後10分。枝村の左CKに長沢が頭で合わせて高さを発揮し(枠上)、11分にも真希のドリブル突破で奪った左CKを、クイックリスタート。素早く渡された枝村が、ドリブルで翻弄して左クロス。低く速いボールにストライカー町田が合わせたが、これは宇宙開発。とはいえ、外して外して最後に決めるのが、町田のプレースタイルである。心配要らない(?)。 などと言っていると、逆襲を浴びるもの。攻めながら、やや中だるみ感の出てきた21分、丸岡7番のPA外シュートを、村越がブロックした迄は良かったが、ブロックが裏に後逸し、拾った14番がPA内フリーでシュート。これは相手の宇宙開発に救われたが、24分には、左サイドの6番から、8番が粘って、7番へと綺麗に繋がれ、裏に抜けられる。左クロスが入るが、村越がクリア。が、これも運悪く丸岡10番に拾われ、20Mの距離からゴールを狙われるが、左に外れた。
しかし、29分。枝村が体を張ったキープからゆっくり前進、一気のチェンジ・オブ・ペースで前のスペースにダッシュして右クロスを送ると、ファーで長沢が長身ヘッド。DFが足を伸ばして、何とかブロックするが、こぼれ球を町田が無理矢理拾って、ゴールへと押し込む。そのシュートもブロックされたが、ペースは再び清水に。攻撃の起点になりきれなかった真司が、ボランチの位置へなど自由自在に動き回るようになり、空いたスペースは真希が忠実にカバー。展開にダイナミズムが生まれる。 すると33分、左サイドに開いた長沢が、ロングボールを足下で受けると、ポストして戻すと見せて、一旦止めた後に反転しつつ、背後へと流す。そこに飛び出した枝村はフリー、PA内右30度、やや角度のない位置だったが、シュートフェイントを入れてGKの体勢を崩すと、次の瞬間に低く鋭利なシュートを放つ。点を通す精度でファーサイドネットに決まったボールは、ゴールの下梁に跳ね返って、ゴールから出てしまう程の、ギリギリの位置に決まったものだった。青木主審だったら、ゴールインが認められなかったかもしれない(苦笑)。1−0。 待望の先制点を決めた清水は、その後も試合を支配。35分には、相手ゴールキックをトラップした枝村が、大きく右へ展開。ドリブルで果敢に仕掛けた小泉は止められるが、素早くフォローした柴田が攻め上がるスピードを落とさず、こぼれ球を拾って、そのままシュート。強烈、だがニアポストに弾き返された。
(その35分の場面、枝村(中央)のお家芸、対角線ロングフィード。広大に余る右スペースを、一気に切り開く)
その後、前半終了直前に、長沢のファウルで丸岡のFK、ゴール30M弱から8番が直接ゴールを狙う。良いシュートではあったが、十分にGK晃太の守備範囲、のはずが、両手を上げて掴んだボールがスカっと。幸い、ゴールの上にこぼれて、相手CKとなっただけで終わった。何はともあれ、1点リードしての折り返しとなった。
丸岡高 清水エスパルス 3(1) シュート 7(3) ×町田、×長沢、×町田、○真希、○町田、◎枝村、×柴田 1(0) 右クロス 4(1) ×長沢、×小泉、○枝村、×枝村 3(1) 左クロス 2(1) ○枝村、×真司 1(0) 右側CK 1(0) ×真司 2(1) 左側CK 2(1) ○枝村、△真希 1(−) 犯OS 0(−) 4(0) ファウル 3(1) ・真希、×長沢、・石垣
[後半] 後半開始と同時に、桑卓を投入して新1年生(現中学生)5人となった清水。だが、村越がドリブルで攻め上がるなど、1点差以上の余裕を展開する。6分に、真希が中央突破を仕掛けて右に叩くと、小泉がドリブルを仕掛ける。これは弾き返されるが、柴田が拾い、石垣経由で再び真希。PA右角にいた枝村とのワンツーでPA内に侵入すると、強烈なドリブルシュート。キャッチしたGKごとゴールラインを割り、清水のCKとなる(真司のキックはファーに流れた)。11分には、枝村のシュートが弾かれたボールを拾った村越が持ち上がり、やはり枝村とのワンツーでPA内に侵入。相手と交錯して倒れるが、転び方が無骨で、PKはもらえなかった(笑)。
(17分、ハイボールを競り合う長沢。目測を誤り気味(苦笑)。とはいえ、早くも前線の起点に)
その後も殆ど丸岡の攻撃を許さずに時計の針は進み、21分。途中交代の上埜のドリブルは潰されるが、フォローした長沢がキープして後方に戻すと、枝村のダイアゴナルフィード。右からやはり途中交代の高野一が切れ込み、勢いのまま角度30度シュート。鮮烈だったが、GKに阻まれる。23分、真司の突破から得た左センタリングエリアからのFK、枝村のボールに合わせたのがファーの石垣。攻撃でも空中戦最強っぷりを見せつけたが、ボールは右サイドネットの「外側」に突き刺さる。
(31分、左に流れてキープする悠輔(中央)を追い越して、真司(右)と真希がパスを受けに走る。未熟な連携面を、運動量で補う)
その後も、攻撃の手を緩めない清水は、33分、こぼれ球を拾ってPA左横のスペースに抜け出した桑卓に対し、丸岡2番が機敏に対応したが、スライディングが深く入り、FKが与えられる。ゴールまで20M強、ゴールラインから5M程しか離れていない、角度のない位置。立った壁は2枚。それに対して、枝村は左足を鋭く振り抜いて壁の内側を通すと、完全に丸岡DFは読みが外れたのか、清水の選手、3人ほどがフリー。ゴールの至近距離を低く速く平行移動する弾道に対し、ニアの竜男、中央の悠輔?は合わせられなかったが、ファーの石垣が軽く右足を合わせてゴール左に流し込み、試合を決める。2−0。 2点目直後の36分、丸岡5番が清水陣内からアーリークロスを入れるが、これはGK晃太がガッチリとキャッチ。晃太は素早く近くの石垣にボールを渡すが、その時、抜け目ない男が動き出す。石垣が50Mロングフィードを放つと、攻め上がった丸岡5番の裏に悠輔がフリーで飛び出していた。PAの右角から持ち込んだ悠輔が、これを外すはずもなく、強烈な弾道をゴール左へと撃ち込み、ダメ押しの3点目を決めた。3−0。さすが石垣と悠輔、清水FCで2トップを組んでただけのことはある(笑)。 試合は、その後、39分に丸岡20番のパスから、8番が裏に出てフリーでシュート。GK晃太が機敏な反応で弾くが、これはオフサイド。だが、続いて42分(ロスタイム)、丸岡7番のドリブルシュートを石垣がブロックしたボールが、裏にこぼれてしまい、そこに残っていた14番がシュート。GK晃太の超反応でこれは弾き返され、最後は右サイドで拾い直した丸岡が、中央を経由して、再び7番が左から狙ったが、大きくファーに外れる。この被決定機に、ベンチから村越に、「ゼロで終われ〜」と大声の指示。改めて気合を入れ直したイレブンは、それをミッションコンプリートし、新体制緒戦を快勝で飾った。
(ロスタイム、左スペースを深く突いた竜男が戻すと、悠輔(手前)が横に流し、枝村(中央)がPA内へと仕掛ける。結局、シュートはブロックされたが、枝村のダイナミズムと、素早くゴール前に戻る竜男(奥)の動きに注目)
丸岡高 清水エスパルス 2(1) シュート 9(6) ○真希、○上埜、○真希、○一也、×石垣、×枝村、◎石垣、◎悠輔 ×悠輔 0(0) 右クロス 5(1) ×一也、×柴田、○柴田、×柴田、×柴田 3(0) 左クロス 3(0) ×桑卓、×真司、×山竜 0(0) 右側CK 1(0) ×真司 1(0) 左側CK 0(0) 2(−) 犯OS 1(−) ・真司 5(2) ファウル 2(0) ・枝村、・悠輔
▼試合結果 清水エスパルスユース 3−0 丸岡高校 得点:前半33分:清水・枝村匠馬(長沢駿 ・スルーパス) 後半35分:清水・石垣勝矢(枝村匠馬・直接FK) 後半36分:清水・篠田悠輔(石垣勝矢・ロングフィード) 警告:前半05分:丸岡・03 (ラフプレイ)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●枝村匠馬 80分間出場 シュート2(枠内1、得点1)、クロス3(右2左1、成功2) ゲームキャプテン。恐らくは、04年度主将。センス溢れるロングフィードで、若いメンバーも自在に操った。少々、周囲がを頼りすぎてしまうきらいがあり、厳しい状況でもボールを預けられ、出し所が無く、カウンターを許すような奪われ方があったのが、減点材料。一方、競り合いでの粘りや最終ラインへの精力的なカバーなど、主将として責任感あるプレーには、大きく加点したい。
[私撰MIP] ●石垣勝矢 80分間出場 シュート2(枠内1、得点1) 1ゴール1アシスト。空中戦の最強っぷりは、今年も健在で、あらゆるハイボールを撃ち落とした。昨年に比べ、村越がカバーに入り、石垣が前に出る役割分担がよくできており、中央の2枚は盤石だった。スピードのある相手を抑えきれない部分は、今後の課題か。ロングフィードでアシストを記録するなど、今年は攻撃の起点としても機能しそうだ。
●山本真希 80分間出場 シュート3(枠内3) 強烈なミドルに豪快な突破と、変わらぬモンスターっぷりを見せてくれたが、結局、得点に絡めなかった点は、真希の課題。プレーの器は大きいが、完成度が足りない。だが、今年も真希は走ります。新1年生が多く起用され、おまけに真司までいる前線を、一人でカバーしてしまう、動きの量と質の高さは驚異。
[NEW COMER] ●町田朋弥 とってもストライカー。今日はシュートを外しただけだが、その心意気や良し。長沢との相性の良さだけでなく、それ以外の場面でも、常にシュートを打てるポジシュニングを心掛けている。
●長沢駿 空中戦の勝率は課題だが、ポストプレー自体は安定して成功していた。懐の深いキープと左右に捌く視野の広さは、既にユース水準。速い縦の展開には、もう少し慣れる必要があるだろう。
●小泉慶治 とってもドリブラー。今日は潰されただけだが、その心意気や良し。フェイントとアジリティは十分に通用しているが、そこから次のプレーに移る間に、強引に体を入れられる傾向があった。
●山崎晃太 安定したフィードとセービングに、超反応まで装備し、1年生と思えない完成度の高さを伺わる。声もよく出ていた。が、何故にポカが出るのか。画竜点睛を欠いたが、全体的には良い内容。
●桑原卓哉 その攻撃力を評価する私としては、飛び出しが自重がちだった点は不満。だが、競り合いに強く、左SBとしての動きもスムーズで、守備に破綻を見せず、上々のデビューと言って良い。
●高野一也 小柄な選手より一回り小さいが、瞬間的なスピードで、十分以上に通用していた。消えやすい点は、連携面の問題だろうか。観客席から逆サイドでもあり、もう少し長く見たかった。
●山崎竜男 よく動いていたが、万能型FW故に、どの武器で勝負すれば良いか、戸惑っているように感じた。周囲に同期がいない不利もあったが、もう少し自分の色を見せていきたい。
[個人的好印象選手(相手方)] 2番:ピッチを上下するスピードに加え、体を張ることもできる。真司をほぼ封印した。 8番:精力的な動きと、正確なキックを兼ね揃えた質の高いFW。冷静な落ち着きも伺わせた。
--- 04年2月14日14:00開始 トヨタスポーツセンター陸上競技場 第7回中日本ユースサッカースーパーリーグ(U-18) クループA 岐阜工業高校 対 富山第一高校 ※40分ハーフ
岐阜工業高校: 富山第一高校: −−−−−−−−09−−−−−−−− −−−−−−−−11−−−−−−−− −−−−17−−10−−07−−−− −−−−09−−10−−08−−−− −−−−−−05−−08−−−−−− −−−−−−17−−07−−−−−− −−06−−04−−03−−14−− −−05−−04−−03−−02−− −−−−−−−−01−−−−−−−− −−−−−−−−01−−−−−−−−
後半05分:17→11 後半00分:02→16、05→15、17→14、11→13 後半19分:14→02、04→13 後半12分:09→18 後半32分:07→22
後半31分、富、クリアを8番が拾うと、右サイドへ斜めに展開。右SB16番が勢いのまま抉って、右45度から叩き込む。0−1。
岐阜工業高校 富山第一高校 2(0)/1(0) シュート 3(3)/2(1) 3(1)/2(0) 右クロス 2(0)/3(0) 2(1)/1(0) 左クロス 1(0)/2(0) 0(0)/2(0) 右側CK 0(0)/2(0) 1(0)/1(0) 左側CK 0(0)/2(0) 3(−)/0(−) 犯OS 1(−)/0(−) ※左が前半/右が後半のスタッツ 4(1)/0(0) ファウル 3(0)/3(0) ( )内は枠内・成功・自陣DFエリア内でのファウル数
岐阜工業高校 0−1 富山第一高校
富山一・10番:動きが質・量共に豊富で、周囲の連携を引き出すセンスがある。背は高くないが、体を張ったプレーも。 富山一・04番:岐阜工の攻撃が単調なせいもあるが、積極的に前に出て、ドリブルを次々とカット。 岐阜工・07番:ゴール前でのプレーの精度に難があるが、上下左右に豊富に動き、劣勢の中、中盤で奮闘。
2004年02月13日(金) |
梅村芳生氏 GKコーチ就任 |
公式HPより。
--- ■清水エスパルス ユース/Jrユース GKコーチに梅村芳生氏 就任決定のお知らせ
この度清水エスパルスユース、ジュニアユース GKコーチに梅村芳生氏の就任を決定しましたのでお知らせいたします。
梅村芳生(うめむら よしお) ユース/Jrユース GKコーチ
●出身地 : 静岡県 ●生年月日: 1981年4月30日 ●選手経歴: 清水エスパルスジュニアユース →清水エスパルスユース [1999年]高円宮杯第10回全日本ユースサッカー選手権 第3位 →阪南大学 [2003年]平成15年度 第52回全日本大学サッカー選手権大会 ベスト4 第27回 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント 準優勝 関西学生サッカーリーグ 優勝
--- 梅村が帰ってきました。どうやら今年は、高祖氏とのGK2人体制で行くようですね。実績のある高祖氏に学びつつ、ユース卒業生に恥じぬ活躍を期待しています。
2つ上に野澤のいた梅村は、2年の時にも190cm級の大型ルーキーGK、鶴田にポジションを奪われる屈辱を味わいます。しかし、3年次には夏に鶴田が怪我もしたこともあり、定位置を奪い返すと、CBに池田昇・佐野裕、ボランチに吉崎・鈴木隼という無骨な壁を得て、鉄壁の守備を築き上げました。クラブ選手権4強・高円宮杯4強・Jユース杯8強という安定した成績は、その守備があってこそのものです。177cmとGKとしては小柄な方ですが、CB・ボランチが人には強いものの、マークを放しがちだったため、最後尾の梅村がスペースを埋める補完関係が上手くできていたと思います。 昨年は、阪南大でレギュラーGKの座を確保。駒澤・筑波と並ぶ、大学三強の地位を守り通しています。
2004年02月02日(月) |
旧正月企画 「マルチロールを考える」 |
〜 時代の流れが“分業化”へと進んでいることは間違いない。だがその一方で、選手個々に求められる戦術的役割は実に多様化している。だからこそ、マルチロール、つまり複数のポジションをこなす柔軟性があるか否かで、選手の活躍の場は大きく変化するのだ。〜(ワーツドサッカーダイジェスト159号より)
そんなパクリ企画(笑)。最近、少しずつ変わりつつあるとはいえ、伝統的に少数主義を採るエスパルスユースでは、下級生で才能のある選手を、本来のポジションとは違う位置で起用することが多かった。また、試合中に戦術を変化させたいときにも、駒が少ないため、選手交代ではなく、ポジションチェンジで対応せざるを得ない。そのため、他のクラブや高校に比べ、数多くのマルチロールな選手を生み出してきた。市原ユースには負けるけど。 一方、本当に資質の高い選手は、1年生の内から、競争もなく簡単に定位置を奪ってしまい、3年間(6年間)同じポジションで終わることもある。その傾向は、先輩の層の薄かった、初期の選手に多い。
何はともあれ、以下から実際に、選手を個別に見て行こう。スペシャリストからユーティチティーまで、ズラリと揃っている。ポジション適性は、ユースで標準的に採用されている中盤フラットの4−4−2と、トップで長く使われてきた3−4−1−2の2つのシステムで考えてみたい。記号の意味は、◎=本来の能力を発揮できる、○=十分の適性あり、△=まずまずの適性あり、×=プレー経験あり。言うまでもないことだが、所詮は筆者の自己満足な主観評価なので、あまり信頼しすぎないように。
【 スペシャリスト 】 MR指数14 池田昇平 (2期:22歳) CB 筆者の数字では、最低となったのが、池田昇平。最低の数字、とは即ち、スペシャリストということでもある。池田の何がスペシャルかと問われれば、何と言っても相手FWを封じることだろう。助走なしでの空中戦(ノーステップジャンプ)の強さを称されるように、抜群の運動能力を誇る。他の役割、展開力とかカバーリングとかは、ユースの時には谷川・佐野裕、トップでは森岡、世代別代表は羽田や阿部に任せれば良い。と言いつつ、密かにボランチや右SBの経験もあったりする。
MR指数14 阿部文一朗 (6期:18歳) FW 池田と並んで最低の数字となったのが、今年昇格する阿部。トップに呼ばれた際、何度か右ウィング的なポジションで使われた程度で、一貫してFWとして使われてきた。昨年の春先に、ポストで周囲を使うプレーを多用すると、「自分で得点できるのに、わざわざゴールに背を向ける必要はない」と修正されるなど、それは徹底されている。ユースヤクザの中では、突破力を生かしてサイドプレーヤーの適性も試すべき、との声もあったが、果たして今後、どうなることか。
MR指数17 杉山浩太 (5期:19歳) ボランチ・トップ下 Jrユース時代は、到底考えられなかったボランチというポジションが、いつの間にか、生まれついてのポジションのようにハマっている浩太。その頃は、FWの方が、余程可能性があると思われていたものだ。パスの出し手としては、傑出したセンスと独特のリズムを持つ一方で、受け手としては、逆にそれが邪魔して周囲と噛み合わないことが多い。その天才を愛でる指導者は多いものの、起用法に悩まされる選手である。
MR指数17 篠田悠輔 (8期:16歳) FW 予め断っておくが、悠輔の場合はエスパニョールでの2年半を知らないので、その間にFW以外のポジションも試されているのかもしれない。清水ユースでは、FWと右MFでのプレーを見たことがあるが、そのスタイルはFW以外の何物でもなかった。とにかく、ゴールを決めることに特化されており(基礎技術はしっかりしてるけど)、そのための騙し合いや緩急の付け方は、お手の物。逆に、一瞬の油断で試合を決めてしまう後ろのポジションでは、絶対に認められないプレーだろう。
【 スペシャリスト±α 】 MR指数18 日高琢磨 (4期:20歳) 右MF・右WB 外部参入組の日高は、自ら最大の長所である突破力を、ひたすら前面に押し出すことで、ポジションを確保していった経緯がある。そのため、多くのポジションで試される機会がなく、プレー自体も、汎用性の高いものとは言えなかった。だが、同じような経緯を辿った太田に比べ、昇格を逃したの理由は、むしろスペシャルな部分…突破力で後れを取ったからである。サイズのある日高の方が、むしろ潜在的なマルチロール性は高かったろう。
MR指数19 高山純一 (5期:19歳) CB・リベロ 高山も今ひとつ、中途半端な印象のある選手で、ストッパーとしてはサイズの不足から空中戦に脆さを見せ、リベロとしては、周囲を動かすコーチングが足りない。大学1年にして、筑波のインカレ優勝に貢献した通り、地上戦の機動力と1対1には、ズバ抜けたものがあるのだが。実際、所属チームでは終始守備の要を担ってきたが、選抜チームの監督には起用方の難しい選手だったようで、U-17代表や国体静岡選抜に選出されながら、出場機会を与えられなかった。
MR指数20 市川大祐 (1期:23歳) 右SB 少年団時代はFWも務めた市川だが、清水入りしてからは常に、右SBを務めてきた。しかし、大柄ながら機動力に富む選手というのは、ポジションチェンジの誘惑に駆られるらしい。アルディレスが左SBに起用したのは、右に安藤がいたからだろうが、選抜チームではCBやボランチなど、およそ適性があるとは思えないポジションでも、試されている。そのためMR指数が幾分、大きくなったが、基本的にスペシャリストの選手と考えてるべきだろう。
MR指数20 村越大三 (7期:17歳) CB・右SB 昨年のユースの成長株、村越。春先は右SBやボランチなども試されたが、6月以上はCBの定位置を確保した。池田と同様に運動能力が高く、1対1で相手を封じる点で、国見戦などで大きな成果を残した。ただ、池田ほどのサイズがないため、スペシャリティに劣る。一方で、高精度フィードという池田にない武器を有しており、昇格を睨んで今一度、右SBなどの新たな可能性にも、挑戦していきたいところ。
【 中間的選手、またはユーティリティー候補生 】 MR指数21 太田圭輔 (2期:22歳) 右MF・右WB・FW 日高の項でも書いたが、太田も外部参入組というビハインドがある分、最大の武器である突破力を、ひたすら高めることで、昇格に辿り着いた。マルチロールに目覚めたのは昇格後のことで、甲府にレンタル移籍した際、ワントップとしてチーム得点王の活躍を示し、昨年は左WBなどでも試されている。クロスに加え、強烈なミドルがある点と、ボールを止める基本技術が確立している点が、プレー幅を広げている。
MR指数21 深澤良輔 (4期:20歳) ボランチ・トップ下・左MF 帯に短し、たすきに長し。優雅な対角線フィードを武器にボランチに置けば、守備力が不足し、創造性溢れるセンスに期待してトップ下に据えれば、判断の速さに課題を残し、スペースを与えて足技を披瀝すべくサイドに置けば、突破力が足りずに起点となりきれない。あと一皮剥ければ、正にマルチロールの申し子になりうる素材だったのだが。
MR指数22 鈴木隼人 (3期:21歳) CB・左SB Jrユース時代には、キレ味鋭いドリブラーとして鳴らしていた隼人だが、ユース以降は、すっかり大きな展開に長けたボランチとして定着した。国体でトップ下を務めたり、昨年のトップやサテライトで左WBや左MFで使われたりもしていたが、ドリブルとミドル砲がより活きる一方で、走力がある方ではないので、ボランチのパフォーマンスからは落ちる。密かにユース時代のアルゼンチン遠征で、長沼と組んでCBでプレーした経験もあったりする。
MR指数22 佐野克彦 (9期:15歳) CB・左SB 佐野は、中2では左SB、中3ではCBと、2つのポジションで遜色ないパフォーマンスを見せた。3種年代では、サイズと運動能力の両面で圧倒的で、おまけに細かいタッチのドリブル(フェイント)まであるため、攻守の両面で1対1が非常に強力である。サイズと運動能力だけで何とかなってしまう分、ややボール扱いと読みに雑な部分を残す点をユースで改善し、更にマルチな才能を伸ばしていきたい。
MR指数23 鈴木真司 (7期:17歳) FW・左MF Jrユース時代からFWと左MFの2つのポジションで試され続けているが、本職はFWだろう。その独特のセンスで周囲を振り回してこその真司であり、周囲に合わせるプレーは(時にそれは不可欠とはいえ)真司らしくない。ただ、実はサボることなく精力的に動き回れるだけの、心身の充実があるため、受け身のポジションでも、それなりのパフォーマンスを見せてくれる。実際に昨年、右MFにボランチ、左SBといった起用も見られたが、最低限の役割は果たしていた。
MR指数24 大瀧義史 (6期:18歳) トップ下・左MF・ボランチ クリエイティブなセンスと卓越した左足のテクニックを持つ大瀧は、試合を創るポジションに最適。だが、常に165cmという体格の不足が付いて回り、ユースでは比較的スペースのあるサイドから、高精度クロスマシーンとして活躍することが多かった。流れの中で意図的にトップ下のポジションに動いてきた際には、そのセンスを窺い知ることができるのだが。ユース最後の大会では、右MFを務めたが、右足ダイレクトタッチの精度に苦労したものの、役割自体は変わらなかった。
MR指数24 岩本大 (9期:15歳) CB・リベロ 佐野がサイズと身体能力なら、岩本はサイズと読み。3種年代でここまで大きくて、かつ機動力に富む選手は貴重であり、2つの全国大会共に大会最小失点チームに輝くなど、確かな実績を残した。さらに判断速度と視野にも優れ、殆どのボールをダイレクトで処理することで、一瞬でのターンオーバーを導く。ボールを処理する時間がとにかく早いので、注意して見ていないと、気づかないが。高円宮で注目を一身に集めた森本を抑え込むなど、1対1にも普通に強い。
MR指数26 村松潤 (3期:21歳) 左SB・ボランチ ポジショニングに秀でた村松は、高3の際には左SB・CB・ボランチの3つのポジションを、高いレベルで役割を全うし、正にマルチロールの象徴的存在だったのだが、昨年のトップでは、本職のはずの左SBで課題を露呈してしまった。元来、相手と1対1で対峙しないようなポジショニングが持ち味の選手なので、同情の余地はあるのだが…。SBより1列前の適性を問う声もあるが、単独突破を得意としない村松には、厳しいかと思う。ユース時代にも、左MFの実績は殆どない(左SB村松の前は、和田・純平・深沢・森山・仁科と、人材豊富であった)。
MR指数30 長沢駿 (9期:15歳) FW・ボランチ 昨年のJrユースは、各ポジションに穴のない人材を揃えながら、2つ以上のポジションを務められる選手が多かったが、長沢はそれを代表する選手。長身なのに、それをあまり活かさず、視野の広い展開を持ち味としており、故に汎用性が大きかった。クライフェルトのような変なFW(誉め言葉)に近づきつつある。とはいえ、3種年代で185cmの身長があれば、どこに置いても、ある程度機能するのも事実であり、県選抜ではCBまで務めている。
【 ユーティリティー 】 MR指数33 平松康平 (1期:23歳) トップ下・FW・右MF・右WB・左MF・FW ここからは、正にマルチロールと言える選手が続く。平松は、下部組織でもFWと攻撃的MFを担当していたが、それほど汎用性の高い印象はなかった。マルチロールとして見出されていくのは、トップでFWや右WBとして起用されるようになってから。新たなポジションを試されたのは、トップ下としては持ち過ぎの傾向が強く、FWとしては競り合いに脆いなど、得意としていたポジションで、課題が多かったためでもあった。機関誌のインタビューでは、本人もベストポジションを右MFとして考え始めたようであるが、果たしてどうなることか。
MR指数34 仁科克英 (5期:19歳) FW・トップ下・左右MF・左WB 攻撃的ポジションのユーティリティー。事実、高2の際には、上に列挙したポジションに加え、ボランチまでを歴任している。パス出しと動き出しの両方で判断が早く、また動き自体の量も標準以上だったことが、豊富なポジション適性を可能にした要因か。基礎技術の高さと、時に泥臭くも見える粘る強さも、欠かせない特長で、ゴール前で仕掛けられる能力がある。そのため、最終学年では専らFWを務めることになった。
MR指数37 高木純平 (3期:21歳) 左右MF・左右WB・左右SB サイドポジションのユーティリティー。噂される通り、今年のトップが4−4−2を採用するのであれば、4つのサイドポジションで貢献できる純平は、ベンチ枠が5しかないJリーグでは、かなり便利な存在になるだろう。裏のスペースに抜けてダイレクトでクロスを合わせる走力と、足下で受けて中に切れ込みながらシュートやラストパスを狙う技術とを併せ持ち、また左右両足共に遜色ない。高1まではFWを務めてきた経験もあり、一定以上の得点力も有している。
MR指数37 森安洋文 (6期:18歳) 左右SB・ボランチ・CB・リベロ 守備的ポジションのユーティリティー。最終ラインの全てのポジションに加え、ボランチまでをこなす。身体能力が高く、競り合いに臆さぬ泥臭さがあるため、守備の選手に絶対不可欠の1対1に強い点が、最大のポイント。加えて両足の精度、特に良質のロングキックを蹴られるため、低い位置からでもロングフィードやアーリークロスで攻撃参加できる点が、専守防衛で終わらない、プラスαの魅力になっている。外部参入組で、特定ポジションへの拘りが少なかったのが、プレー幅を広げた好例と言えよう。
MR指数37 枝村匠馬 (7期:17歳) ボランチ・トップ下 ほぼ全てのポジションの経験がありながら、枝村のベストポジションはボランチで決まっている。実際、所属チームでの起用は専らボランチで、上のカテゴリに抜擢された際や、怪我人治療などの一時的な対応として、他のポジションでの起用を積んできた。別ポジションでの経験は、ボランチでのプレースタイルへ吸収されており、FWのゴール前の決定力、アウトサイドとして突破力、DFのカバーリングと空中戦を、それぞれ身につけてきた。にも関わらず、他のポジションでの起用が物足りなく感じるのは、あくまで枝村の良さは、ボランチとしての展開力が、基本にあるからだろう。
MR指数48 山本真希 (8期:16歳) ボランチ・右MF・FW・トップ下・リベロ ほぼ全てのポジションの経験がありながら、真希のベストポジションは未だ定まらない。少年団ではFW、中1ではボランチ、中2でCB、中3でJrユースでFW+ユースにも合流して右MF、高1では再びボランチ。昨年、高く評価された枝村との下級生ドイスボランチの印象が強かろうが、それも可能性の一端に過ぎない。その特長は、地味だが、運動量に尽きる。常にサボらず、球際で激しく、攻守が切り替わればすぐに動き直す。一方、迫力あるドリブルに強烈なミドル砲と攻撃面にも持ち味があり、起用法を悩ませる。筆者の予想する最終到達ポジションは右SBだが、あらゆる可能性を持った「素材」と言えよう。
2004年02月01日(日) |
旧正月企画 5年後のエスパルスin2004+ほか |
1. 5年後の清水エスパルス(ユース歴代ベストイレブン)
−−−−−−−−平松28−−−阿部23−−−−−−−−
− 高木純26 −−−−−−−−−−−−−−太田27−−
−−−−−−−−枝村22−− 杉山浩24 −−−−−−−
− 山本真23 −−岩本20−− 池田昇27 −−市川28−−
−−−−−−−−−− 山本海23 −−−−−−−−−−
名前の横の数字は、2009年4月1日時点での年齢。ブンちゃんは翌日には、24歳だ(笑)。昨年と比較して、村松・鈴木隼・塩澤が抜けて(全員、3期生…)、太田・山本真・岩本が代わりに登場。とはいえ、入団3年目の岩本がポジションを奪うのは、現実的にはかなり厳しいとは思う。長沢がポストで阿部が裏を狙う、という攻撃には、かなり惹かれるが、さすがに自重。今年の平松の奮起には、本当に期待するよ。 もう一つ、現時点でのユース出身Jリーガーベストイレブン。
−−−−−−−−平松(清水)−阿部(清水)−−−−−−−−
−高木(清水)−−−−−−−−−−−−−−−太田(清水)−
−−−−−−−−鈴木(清水)−杉山(清水)−−−−−−−−
−村松(清水)−谷川(水戸)−池田(清水)−市川(清水)−
−−−−−−−−−−−−野澤(新潟)−−−−−−−−−−−
控え:鶴田(清水)、山本(清水)
谷川が復帰して、昨年に比べバランスは改善。阿部と山本海が新たにJ入りしたが、和田・塩沢が移籍リストに掲載されたため、今年も試合をするのはギリギリの面子だ。外人3人を補強して、枝村・山本真らを二種登録すれば、J1昇格争いには加われそうか?
2. ユースアウォーズ投票用紙 某所にて行われたユースアウォーズの、筆者の投票用紙。個人的なコンセプトは、1.所属チームが結果を出した選手を評価、2.できる限り、多くのチームから選出、3.エスパルス枠を最低1人(笑)。だが、宣伝不足のせいか(苦笑)、本家で清水の選手は、一人も選ばれず。下級生が半数を占めるチームの割りには、随分と安定した成績を収めた方だと思うんだけどなあ。 まず、本家Jリーグアウォーズと同様に、フィールドプレーヤー28人+GK3人の優秀選手賞と、3名の優秀新人賞を選出した(こちらは、某所では募集されず)。
[優秀選手賞] 山本海人 GK 85-07-10 188/78 清水Y←清水JY 松井謙弥 GK 85-09-10 187/70 磐田Y←ジュビロ掛川 西川周作 GK 86-06-18 183/82 大分Y←宇佐FCJY 一柳夢吾 DF 85-04-02 185/76 ヴェルディY←ヴェルディJY 秋葉信秀 DF 85-04-10 177/70 市原Y←市原JY舞浜 増嶋竜也 DF 85-04-22 179/69 市立船橋←千葉市生浜中 松下幸平 DF 85-07-24 179/72 静岡学園←テイヘンズJY 大河内英樹 DF 85-08-09 178/71 青森山田←名古屋FC 小林祐三 DF 85-11-15 180/72 静岡学園←上里FC 加藤広樹 DF 86-07-31 193/75 横浜Y←平塚市金旭中 高柳一誠 DF 86-09-14 171/65 広島Y←広島JY 渡邉広大 DF 86-12-04 180/75 市立船橋←ウイングス習志野 寺田紳一 MF 85-06-10 171/65 G大阪Y←G大阪JY 増田誓志 MF 85-06-19 177/69 鵬翔←宮崎市木花中 谷口博之 MF 85-06-27 182/70 横浜Y←横浜FM追浜JY 花田卓也 MF 85-06-28 168/65 東福岡←FC花鶴 中村北斗 MF 85-07-10 168/65 国見←長崎FC 鈴木修人 MF 85-08-31 171/65 市立船橋←鹿島JY 梶山陽平 MF 85-09-24 180/72 FC東京Y←FC東京U-15 大山俊輔 MF 86-04-06 179/64 浦和Y←浦和JY 前田俊介 MF 86-06-09 173/69 広島Y←高田FC 高萩洋次郎 MF 86-08-02 180/64 広島Y←いわき市植田中 渡邊千真 MF 86-08-10 181/72 国見←国見町国見中 枝村匠馬 MF 86-11-16 175/67 清水Y←清水JY 山本真希 MF 87-08-24 175/68 清水Y←清水JY 阿部文一朗 FW 85-04-02 182/75 清水Y←清水JY 平山相太 FW 85-06-06 190/80 国見←北九州市田原中 カレン FW 85-06-07 180/72 市立船橋←柏JY 西山貴永 FW 85-07-11 163/60 広島Y←みやぎバルセロナ 兵藤慎剛 FW 85-07-29 172/68 国見←海星中 関口訓充 FW 85-12-26 171/61 帝京←多摩JY
[優秀新人賞] 三原直樹 DF 87-06-19 171/66 ヴェルディY←ヴェルディJY 中川裕平 DF 87-07-24 177/65 四日市中央工業←西笹川中 山本真希 MF 87-08-24 175/68 清水Y←清水JY
そして、以下が実際に投票した内容。 --- MVP 平山相太(長崎県立国見高校) まあ、奇を衒っても仕方あるまい。後記する通り、決して1年を通して活躍していたわけではないが、昨年は平山の年だったと、素直に思われる。次点は高柳(広島ユース)と増嶋(市立船橋)で。
ベスト11 【 GK 】 山本海人(清水エスパルスユース→清水エスパルス 3年) 一昨年に比べ明らかにタレントが落ち、下級生の起用も増えたエスパルスが、昨年を上回る安定した成績を収めたのは、ひとえにこの男のおかげ。お茶目な飛び出しが減ったのは(観戦者としては)残念だが、反射速度を全開にした「ありえないセーヴ」が、相手に驚きを伴う失意をもたらした。トーナメント戦PK2勝と貢献したが、最後の試合はPK負けだった。
【 DF 】 高柳一誠(サンフレッチェ広島F.C.ユース 2年) 二冠を裏に表に支えた名手。安定した守備を機軸に、機を捉えて攻め上がる、オーソドックスなSBだが、特筆すべきは攻守におけるプレーの幅。守備では的確にCBのカバーに入り、中盤では第三の司令塔を務め、攻めればドリブルで切れ込んでシュートを放つ。サンフの攻撃における多彩性の象徴となった。
増嶋竜也(市立船橋高校→FC東京 3年) 意図的に隙を操る狡猾なCB。完全無欠の鉄壁を築くのではなく、味方の対応可能範囲内に相手のプレーを制限する姿は、ヤン・ウェンリーのようだ(笑)。雨中の高円宮決勝、静学の選手はシュートを打ったのではなく、打たされたと感じたのではなかろうか。布前監督去りし後でも、市船伝統の堅守は健在であった。
小林祐三(静岡学園高校→柏レイソル 3年) サイズ的には並だが、運動能力に恵まれ、対地対空の双方で圧巻の1対1を見せた。静岡国体では、CBとして高い跳ね返し能力を示しつつ、時に2人目のボランチとして「黄金」の尻拭いまでする、機動力を披露。静学の東海プリンスでの快走も、攻撃陣がいくら奔放になろうが、松下・飯塚と組むトライアングルが揺るぎなかった結果である。
【 MF 】 高萩洋次郎(サンフレッチェ広島F.C.ユース→サンフレッチェ広島F.C. 2年) 元須藤ジャパン組の出世頭。自身も高い突破力を有するが、動的なサンフでは、むしろ優雅な対角線フィードで、一発で局面を変え、自在に攻撃のリズムを操るプレーが印象的。印象的と言えば、遠目でもすぐにそれと分かる体型が、観戦する者に優しかった(笑)。今年はJ1で見られることになるのか? 上げたからには、コンスタントに起用してほしいものだ。
谷口博之(横浜F・マリノスユース→川崎フロンターレ 3年) 何故か優秀選手から外れたが、間違いなく国体MVPだろう。所属チームは谷口不在のクラブ選手権で4強になった程度だったが、個人的にJユースカップ最強チームは、谷口の戻ってきたマリノスだったと思う。強烈なミドルや洒落たパスも出せる選手だが、やはり特筆すべきは滞空時間の長いジャンプ力。エア・タニグチの異名に相応しい(?)
山本真希(清水エスパルスユース 1年) 初めてエスパルスを見た人で、彼を1年生だと判別できる人はいまい。枝村と組み、展開力と機動力、更に得点力をも兼備した現代的なボランチコンビ(行徳・築館両氏は、普通に「ボランチ」の名称を使ってます)と、随所で称賛を受けた。が、個人的には右SBが最終到達ポジションとの思いは変わっていないので、そちらで選出。
【 FW 】 平山相太(長崎県立国見高校→筑波大学 3年) スターシステム本格発動が心配な、高校選手権の顔。インハイでは今一歩(※でも、アシスト王だったらしい)、国体は不発、高円宮では怪我に泣き、1年を通じて活躍したとは言い難いのだが、ワールドユースと高校選手権の爆発で、一気に話題の中心となった。ただ高いだけでなく、トラップやシュートの基本が確かな「怪物」だが、マスコミという怪物に潰されないよう、祈るばかり。
兵藤慎剛(長崎県立国見高校→早稲田大学 3年) 国見二冠の原動力だろう。不在だった国体での緒戦敗退が、その影響力を裏付ける。高校選手権でも、徐々にペースを上げるにつれ、チームの調子も急上昇した。飽くことない運動量と正確なトラップで、単純な放り込みも効果的なロングフィードに変え、ボールを持てば迫力ある突破で、最悪でも得意のセットプレーに持ち込む。国見の戦術に欠くべからざる選手。
カレンロバート(市立船橋高校→ジュビロ磐田 3年) 素材の素晴らしさと比較すると、今ひとつの感もあるのだが、まあ彼だろう。サイズを感じさせない瞬発力による、強力なドリブル突破とシュートが武器。やや正確さに欠ける点が、やきもきさせるが、逆にここぞという時に決めてくれる。高円宮決勝のミドルは、シュートの質、場面、重要性、どれをとっても昨年のベストゴールだろう。
関口訓充(帝京高校→ベガルタ仙台 3年) 秋以降に振るわなかったため、印象が薄れてしまったが、プリンス関東・インハイで準優勝になった帝京の顔。切れ味鋭いドリブルと、そこから放たれるシュートは、乗っているときには手の付けられない。一方で、消えやすいのが難点だが、結果を残すだけの特別な何かがある選手なのだろう。
−−−−−−−−平山−−−−−−−−−
−−− カレン −兵藤−−関口−−−−−
−−−−−−谷口−−高萩−−−−−−−
−−高柳−−増嶋−−小林− 山本真 −−
−−−−−−− 山本海 −−−−−−−−
サンフレッチェ広島ユースに敬意を表する4−2−3−1。次点はGK松井、DF渡邊広、MF中村、FW前田俊。CBとFWに集中する一方で、ボランチ、特に守備に長じたタイプは、人材に乏しかった。中村・山本真・鈴木修ぐらいか。サイドの人材不足は、相変わらず。CB兼任のSBは、それなりにいたけれども。
新人王 山本真希(清水エスパルスユース) いや、文句なしでしょ? そもそも上位成績チームで、中心選手として活躍した1年生は、彼ぐらいしかいないし。既にチームで最も走れて、苦しいときほど頼りになる選手だが、ドリブルやシュート、パスの精度は、まだまだ荒削りで、成長の余地を残す点も楽しみだ。
ベストコーチ賞 石渡靖之(市立船橋高校) 最有力のゴリさんに、反旗を翻します(笑)。布先生が去った今年の市船を、「もう駄目だろう」と評する声も多かったが、大きなプレッシャーを見事にはね除け、結果を残した。だが、布先生の残した人材を守ったのではなく、随所に攻撃的で、大胆な石渡色を出した点を、高く評価したい。今年は更に手腕が求められる年になるだろう。その期待値も込めて、石渡氏を推す。
最魅力的チーム賞 鵬翔高校 恐らく最多得票を集めるであろうサンフユースを推すと、また「この賞は「タイトルに縁がなかったけど、魅力的だったチーム」を表彰する意図で作られているのだが〜」と、愚痴を言われてしまいそうなので(笑)。とはいえ、シンプルだが効果的に長短のパスを使い分ける縦に速い攻撃、積極的な両SB、無謀に高い最終ライン、決定力のないFW(爆)と、魅力に溢れた素敵チームなのは確か。興梠くんもいるし。高校選手権で、去年私がこの賞に推した星稜に負けたのは、なんだか運命的だ(苦笑)
ベストバウト賞 「Jユースカップ2003 予選Dグループ 横浜F・マリノス×清水エスパルス」 私が見た試合は、基本的にエスパルス関連しかない点は、ご了承を。途中でマリノスが10人になってしまったのが、画竜点睛に欠くが、5つのゴール、どれもが素晴らしかった(染宮のPKは、ちと微妙)。大量に点が入りながら、海人・飯塚にも、それぞれビックセーヴもあった。築館×安達奇声対決も見(聞き)逃せない。さらに大瀧左SBという、築館ファンタジーも炸裂(笑)、しかも機能(爆)。負けた方が事実上の予選敗退決定、という状況が作り出した、好勝負だった。 次点に、清水×国見@高円宮杯と、広島×宮崎@国体を。広島×国見@高円宮杯が最多得票かな、と予想するが、静岡から連日観戦した人間としては、両者のコンディションの違い過ぎて、賛同できない。3種を含めて構わないなら、清水×横浜@クラセンとか、清水×瓦斯@高円宮杯とか、2種を上回るグッドゲームも多かった。
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