けんたのプロレス&演芸論
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2003年10月16日(木) 第10回 演芸論 M−1グランプリの功罪

 功罪、と書くと大げさだ。漫才好きとしては、M−1がやってくれたことは素直に嬉しい。なかなかチャンスの得られない漫才に光を当てた。主催者が望んでいたかどうかは分からないが、影の薄めな実力者が世にでるきっかけを作った。今、新たな漫才ブームの真っ只中であるといってもよい。

 しかし、僕にとってどうにも残念なのは、漫才のスケールが小さくなってきていることだ。今、若手を扱うお笑いの番組として、「M−1」「オンエアバトル」「エンタ」(エンタは大嫌いな番組だが)などがあげられる。いずれも持ち時間が短すぎるのだ。

 かつての演芸番組では、一組の持ち時間が15分なんてざらだった。(短い番組もあったが)今でも、「笑点」などは10分前後は与えられる。でも多くの番組で、持ち時間は多くて5分、「エンタ」に至っては途中カットはするわ、字幕は入れるわと、漫才が番組作りの1つのパーツでしかない。

 単独で視聴率を稼げる漫才師がいないことも要因ではあるが、これでは漫才がどんどん小さくなっていく。NHK「日本の話芸」で時折見た、30分の長尺漫才、今あれをできる漫才師がどれほどいるのか不安だが、逆にどんどんやらせて欲しい。深夜枠でいい、30分で2組、みっちりやらせてやって欲しい。

 今は熱病的なブームだ。かつての漫才ブームはそれを定着させることが出来なかった。今のブームを、長く続くものにするには、一組一組が漫才で力をつけること以外に方法はない。漫才師はもっと長い時間をやりたいはずだ、4〜5分枠ばかりとっているなら、中川家もますだおかだもバラエティに走っちゃうぞ。


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