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■ 蜘蛛の糸が切れた
わたしと、前の結婚をつなぐもの それは紛れもなく 都内の家に居るだろう娘達。
彼女達は、この世に生まれるべくして生まれてきた子達なのだ。 わたしの元にいることはなくても わたしの愛を直接受けることはなくても
前夫と別れることになったとき わたしが結婚した意味はなんだろうと考えて たどりついた答えが、これだ。
きっとこの子達をこの世に送り出すため。
わたしに許された、彼女達への 糸のような、それでも確かな たったひとつの道すじは ある銀行の口座番号だった。 7ケタの番号は前夫名義だけれど 彼女達の誕生日には、いくらかの入金を認められていた。
そのわずかなお金が、彼女達の手に渡っているかどうかは不明だ。 それでもよかった。 自己満足だったのかもしれない。
でも、その糸はいつの間にか切れていた。 今年の下の娘の誕生日の入金は 受理されず口座に返金処理された。
きっとなにかが、都合が悪くなったのだろう。 上の娘はもうすぐ中学生になる。
ゆうさんと再婚してから 今年で、前夫との結婚生活の期間を越えた。 ここにいるのは、ゆうさんと、息子達。 あのころの娘達は、もうどこにもいないのだ。
2007年12月20日(木)
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