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■ 東京湾景
とりあえず悲恋じゃなくて良かった。
……中盤はどうなることかと思いましたが、いやー、10年前の月9みたいな展開にならずにすんで良かったです、ほんとに。 どうせ見るならハッピーエンドがいいに決まってますもん(個人的には)
でも、序盤に危惧していたような「安易な国籍違いの物語」にならなくて良かったなーと思ってるんですが、これ、あれですよ。 あの台詞を他の人に言わせなかったのが良かったんじゃないかと思うんですよね。
1つ目。
「日本人だろうが韓国人だろうがココ(ハート)は一緒じゃねぇのかよ!」
ケン兄ぃ格好よかったよ……。ほんっっとにかっこよかったよ。 多分これを佐藤隆太あたりが言っても説得力無かったような気がするんですよね。 一度結婚に失敗して、愛娘が居て、そんなケン兄ぃと、それを演じた哀川翔の演技力あってこその説得力だと思います。
2つ目。
「韓国と日本、両方の祖国の誇りを持って生きていきなさい」
石坂父の台詞、とても優しくて力強い言い方で、とても良かったと思います。 半分ずつではなくて、二つ。ハーフではなくてダブル。違う国籍の両親を持った子、いわゆる「ハーフ」の中では、最近「ハーフ(半分)」ではなく「ダブル(両方)」だ、という言い方が広まってきているそうで。 例えは違うかもしれませんが、生みの母と育ての母。それはどちらが大切かではなく、その子は可哀想でも何でもなく、二人もお母さんがいる幸せな子供だ。 そんなたとえ話を思い出しました。
最終的には「国籍なんて関係ないわ」というオチなんですが、そこには色んな解釈があって、少なくとも安易なオチでは終わりませんでしたね。 この「関係ない」という言葉に到達するまでの色んな葛藤、苦悩が、その言葉に深みを持たせているんだと思います。
そして、これは「国籍の違う人間のラブストーリー」としてだけではなく「自分探し」の物語でもあったのだな、とこの最終回で思いました。
美花だけではなく。亮介も。弘一も。早瀬も、まりちゃんも、みんなみんな。 「本当の私」を探した物語だったのだなぁと。
エピソード的には、最初に美花の「私」を見つけたのも亮介なら、最後に美花の「私(記憶)」を見つけたのも亮介(の文字)だった、というエピソードが好きかなぁ。
「本当の私を見つけて」
この言葉から始まったこのストーリーの、核だと思いました。 亮介は本当に、美花の「本当の美花」を見つけ出せたのだと、その力があったのだと思えました。
あと、本編には関係ありませんが、石坂父が俊様父に向かって「例え冷や飯を食らうことになろうと、お前のようなところへ娘をやるわけにはいかない!」が格好良かったー!
最後に彼自身も言ってましたが、彼はまず「父親」でした。 優里さんが愛した「懐の深い愛する人」は、経営者でも韓国人でもない、ただ娘の幸せを願う「平凡な父親」でした。
もし。あり得ませんが、もし。 美花が最初に付き合っていた若い医者が亮介と同じように土下座までして結婚させてくれと頼んだなら、そうしたら石坂父は美花が家を出ることになろうと、彼らを結婚させたのではないかと、今ではそう思います。
オンタイムで見ていた時は、本当に「韓国」という国籍にばかりこだわる頑固オヤジにしか見えませんでしたが、彼はただ娘が本当に幸せになれるのかどうか、幸せにしてくれる相手なのかどうかを心配していただけなのだなと、今ならそう思えます。
でも、二人にはまだまだ難関が待ちかまえています。 弘一さんは婚約の解消を申し出ましたが、そうすると融資の話はどうなるのか。 彼が結婚を諦めたことで、彼を溺愛する彼の母親の異常なまでの美花への執着もなくなるのか。 そして、亮介のお母さんが、美花のことを知ったらどうなるのか。
まだまだ、ハッピー「エンド」ではないでしょう。 この先、二人には越えなければならない壁がいくつもあるのだと思います。 でも、神谷先生が書き記したように。
運命に勝てるのは、ただ愛の力だけである。
そう信じて、彼らの幸せを祈りたいです。
ケン兄ぃ、早瀬、二人の迷探偵ぶりは最高でした! これからも是非その名コンビぶりを発揮して二人を助けてあげていってください! まりちゃん、あなたはとても素敵な人をゲットしたよ! 今度こそ幸せにね!
当初、予想したとおり、なかなかドロドロした展開の話でしたが、美花(仲間由紀恵)の独特な落ち着いた、冷静な語り口調と、切ないけれど悲愴感のない挿入歌のバラード、そして全体的に明るく穏やかな色調でまとめられていた画面に、何だか見終わった今、とてもリラックスした気分でいます。
途中、飽きたとかタルいとか散々言ってましたが、今は素直にこう言えます。
第1話からずっと休みなく見続けてきて本当に良かった、と。
2004年09月13日(月)
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