冒険記録日誌
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2022年06月06日(月) |
バカゲー・オブ・ザ・オレ 第8位 |
たけたろう「バカゲー8位は、バカゲーといえば、これ!エキサイティング・ゲームブックシリーズ作品からの登場です。」 山口プリン「数々の珍作を世に送り出した謎のスーパー頭脳集団アイデアファクトリーが、手掛けた恐るべきシリーズ。今から紹介する作品は、その第14作目だ!」
バカゲー第8位 【スパイ指令 陰謀団Xをつぶせ!】
ジャンル 現代を舞台にしたスパイアクションコメディ 発売元 桐原書店 執筆者 スーパー頭脳集団アイデアファクトリー 発売日 1985年12月25日 パラグラフ数 210 ゲームの構造 1方向システム、ファイティングファンタジーシリーズタイプのルール 過去の冒険記録日誌 2015年3月25日に感想あり
ポイント リオのカーニバルに飛び入り参加だ!ヒャッホーッ!
物語の概要 世界連合秘密情報局員のエージェントとなり、ネオ・ナチス組織による各国首脳の暗殺計画をぶっ潰せ。
名シーン(パラグラフ2番より抜粋) サンバの強烈なビートに乗って、リオ・ブランコ大通り全体がうねっているようだ。ちっっちゃな布切れをまとっただけのカリオカ(リオっ子)が激しく腰を振る、胸を揺らす。小麦色の肌にはじける汗、汗、汗。子どもが躍る、おばあちゃんも踊る、オッサンだって負けてない。君も、いつの間にか全身でリズムを取っているのに気がつく。
主な登場人物 主人公:過去の実績では、ロクな成果を上げていない、世界連合秘密情報局員のエージェント。軽い性格で、何かというと下痢を起こす体質らしい。 ハンス・コルベンハイアー:元ナチス親衛隊メンバー。ネオ・ナチス組織の首謀。 バカ要素 主人公は、ゲームの主人公なのに、お気楽な性格付けがされている。これまでの汚名返上のため、今回の任務に燃えていると言いながらも、「ネオ・ナチスの情報がガゼネタなら、経費で海外旅行を楽しむぞっ」ともいい出す始末である。ハードボイルドな展開はそれなりに多いのだが、この性格ゆえか、いまいち緊張感が出ないまま話しが進んでいく。 敵組織も何故かこんなヘッポコな主人公に執着していて、ちょくちょく襲撃を仕掛けてくる。おかげで、主人公も手がかりを得られ、捜査に行き詰まることなく話しが進むという、どっちもどっちレベルの熾烈な戦いを味わう事になる。 そして本作のハイライトは、何と言ってもリオデジャネイロでカーニバルに飛び入り参加するシーンである。ストーリー的には、単に祭りの雰囲気に高揚した主人公がとった無意味な行動であるが、読み終わった後に本作品で思い出すのは、カーニバルばかりで本編が霞んでしまう程である。本書の装丁も、サンバを踊る踊り子の女の子達に混ざって、スーツ姿で踊る主人公というシュールな表紙絵になっている。
総評 エキサイティング・ゲームブックシリーズ作品といえば、トンデモ設定とトンデモ展開の珍妙なものが多いのが特徴だが、その中で本作品は、比較的ゲームバランスも良く、ストーリーもまともな方である。全体的につっこみどころが多いのは確かだが、今のライトノベル的なものだと思えば、ユーモアがあって楽しめる作品と言えるかもしれない。
ちょっとリプレイ(ネタバレ注意) たけたろう「捜査と言っても何から手をつけてよいのやらと、ゲーム開始早々に主人公が悩んでいると、ハンス・コルベンハイアーから招待状が届きましたよ。」 山口プリン「これね。プロローグで窓際族目前という事になっている主人公に、そんな招待状が届く理由がわからないんだよな。」 たけたろう「窓際族って言葉に時代を感じます。仕事しなくても給料をくれるなんて、この頃は会社もバブリーだったようで羨ましい。今のところゲームの方は順調に進めています。今回は主人公の能力値が低かったので、無理かと思っていたのですが。」 山口プリン「ファイティングファンタジーシリーズの戦闘システムを使うとはいえ、戦闘シーンは少なめなので、選択肢次第では1・2戦程度でクリアできるんだよ。」 たけたろう「主人公はなんだかんだ面白い性格なんですが、それ以外は印象的なキャラがいない感じがしますね。赤毛の女の子が登場するけど、単なる事件の関係者でしかないし、ついでにイラストもあんまり可愛くないし。」 山口プリン「そこは萌えとかない時代の作品だしな。むしろ、登場する女の子は、可愛いくて主人公に絡んでくるのが当たり前という感覚の方が、毒されているんじゃないか?」 たけたろう「ほっといてください。終盤になって、いよいよリオのカーニバルのシーンになりましたよ。踊っていると狙撃されてピンチになっていますが、主人公の自業自得な気がする。」 山口プリン「一見そう思うが、敵が襲ってくれたおかげで、アジトの手がかりを得られたのだ。カーニバルで踊っていたのは主人公の作戦だったかもしれない。」 たけたろう「絶対違うでしょう。ああ、最終戦で死んでしまった。敵のアジトに1人で突っ込んで制圧しようとか、脳筋主人公のハリウッド映画じゃないんだから、もっと他のやり方がなかったのかな。」 山口プリン「キャラメイキングの時にあったスパイ道具の選択次第ではここで詰むから、本作ではラストでバッドエンドというのは割と多い展開だと思うな。」 たけたろう「キャラメイキング時点で詰み確定なのに、ラストまで引っ張るとかやめてほしいです。まあ、あのファイティングファンタジーシリーズだって、技術点7は詰み確定だから似たようなものか。2回目プレイもラストで死亡。3回目でクリアしました。感想としては、210パラグラフの作品ですから、クリアが大変という程ではなかったかな。後はバカゲーとしては、エキサイティング・ゲームブックシリーズにしては大人しい感じがしましたね。」 山口プリン「あのシリーズのほとんどの作品は、バカゲーであると同時にクソゲーだから、クソゲーランキングの方の対象なんだ。いわば、本作品はシリーズの中でも小物なのよ。」 たけたろう「なんですか、その四天王の中でも最弱みたいな扱いは。クソゲーランキングの方には何が登場するのだろう……。」
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