冒険記録日誌
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2021年07月24日(土) |
バーダーホフ城救出作戦(ジェイリーボールド/講談社) |
低年齢層向けの単純な分岐小説タイプながら、日本では全20巻まで発売して、シリーズ後半になるほど内容がマニアックになる気がする講談社のアドベンチャーゲームブックシリーズ。 本作はその第17巻ですので、マニアック度もなかなか。今回はナチスドイツの捕虜になった同士を救出する任務を受けた特殊部隊のリーダーが主人公です。 シリーズの他作品が、「主人公の少年=読者本人そのもの」と思わせていたのに対し、本作は成人の精鋭部隊に所属する軍人が主人公という遠い存在なのは、ちょっと珍しい気がします。 特殊部隊といっても部下を含めたった3人で、敵地に潜入するミッション。 ゲシュタポ(ドイツの秘密警察)達の職務質問をとぼけてやり過ごそうとするとか、仲間の裏切りがあるとか、目的地にたどり着いたと思ったら同士は別の場所に移送されていたといった、さまざまな困難が主人公を襲います。 移動ルートの選択はもとより、ストーリー的な内容が分岐することも多いのですが、当初の使命達成に向けて突き進む点は同じで、このシリーズの他作品によくある「分岐しすぎて、物語の目的やらが、わけがわからなくなる。」という問題はありませんでした。 エンディングは「同士を無事救出して安全圏まで脱出した」という完全ハッピーエンドもあれば、「救出には成功した!あとは脱出する必要があるが、君ならきっとできるだろう」というところで終わるハッピー(打ち切り?)エンドまで、もちろんバッドエンドも含めるとバリエーションは豊富です。 まとめて言うと、有名な戦争小説に「ナヴァロンの要塞」という名作がありますが、ミッションは違えど、それを子ども向けにゲームブック化した感じ。なのでその手の内容に興味があれば、問題なく楽しめると思います。
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