冒険記録日誌
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2021年05月18日(火) |
ギリシャ神話アドベンチャーゲーム2 ミノス王の宮廷(P.パーカー他/社会思想社) その16 |
次の日の朝、宮廷内を軽く散歩するがタイジアの姿は見えなかった。 彼女はスパイのはずじゃから、いないほうが好都合ではあるが。 「彼女ならお母さんの元へ帰ったわ。お祭りが終わるまでは帰ってこないわよ」 アンドラという女性が、タイジアのことについて拙者に教えてくれた。 「そんなことより、私と恋愛の価値についてじっくり語り合わない?」 折角の誘いじゃが、拙者、もう少し宮廷の様子を見ようかと考え、誘いを断っって一人で宮廷内をしばし散策する。 廊下のとおりすがりに2人の男女がなにやら話し込んでいるのが見えた。 男のほうは昨日、王の息子のクレムトンと一緒に酔っ払って乱入してきた奴だ。 拙者の存在が気にかかるのか、男はこっちを見て出て行いった。すると女性が拙者の胸に飛び込んできたではないか 「アルテウス、愛しい人!あなたはあのしつこいミトクロスの誘いから、助けてくだすったのよ!」 わけがわからないでござるが、いい気持ちじゃわい。ぶるる。いかんいかん。何事にも冷静にいかねば いかんぞ。 「私はプシケ。果物は外皮じゃなくて、中身を見ることよ。そうすればあの色っぽいアンドラの虜にならずにすむわよ」 プシケと名乗った女性はにっこりして、その場を去っていった。 誰が敵か味方かわかりにくいのぅ。もっと刃を交える戦いの世界の方が拙者には楽でござる。
それから夕方までは気を引き締めるため、修練場にいき、衛兵長のポリクラテスとボクシングの練習をして汗を流す。<持久点+10> 練習が終わり、ポリクラテスが汗をふきながら、感心したように言った。 「本気になればお前はなかなか強い。いまの稽古が役に立つといいがね」 「礼を言うでござる。が、役にたつとは?どういう意味かの」 「なーに、今にわかるさ。さあ、昼食の時間だ」 ポリクラテスは意味ありげにかすかに笑って、先に修練場から出ていった。
廊下の途中で拙者はミノス王に会う。王は共の者も従えず一人きりであった。ミノス王は厳しい目でこちらを見つめて、いきなりこう切り出した。 「わたしはお前を観察してしたのだ。アルテウス、お前は賢い。いつの日にかお前はアテネの王になるだろう。だが、クレタの王になることもできようぞ」 ふむ、以前にあった展開に戻ってきたな。つまり、王は酔いどれ息子のクレムトンに変わって、拙者が王になるつもりはないか?と問うているのだ。 前回は、きっぱりとはねつけた話じゃが、今回は王の提案にのってみることにいたそう。 「よく言ったアルテウス。してその手段だが、お前は祭りの日の朝、儀式に則ってクレムトンと戦うのだ。その間になにが起こっても不思議はないだろう?」 「もし拙者が負けたら?それにクレムトンと拙者は戦う理由がないでござろう」 「お前が負けたときは、お前が死ぬだけだ。しっかり訓練しておくといい。これから昼食の席だ。お前はクレムトンをうまく侮辱すればいい。あとは、私がお前とクレムトンを決闘せざるえないようにしむけよう」
そのようなやりとりの後、宮廷の面々が集まっての昼食会が始まる。王の配慮なのか、クレムトンは拙者とテーブルを挟んだ対面に座っていた。 何気ないそぶりで、熱い野菜シチューの鉢をクレムトンに向かってこぼす。クレムトンはシチューが自分の膝に滴っているのを一瞬呆然と見つめたあと、すぐに大声をあげて飛び上がった。 「やりやがったな!アテネの虫けらめ。明日のデメテルの祭りで決闘だ。貴様が血みどろになって命乞いするまで殴りつけてから、殺してやるからそう思えよ!」 こう叫ぶや、彼はシチューの滴る股間を押さえて、食堂を飛び出した。 くくくっ。奴のあまりの単純な引っかかりように、拙者、笑いをこらえるのに懸命であったわい。 ざわめく宮廷の人々の前で、黙って経緯を見ていたミノス王が、今がタイミングとばかりに大声で宣言をする 「クレムトンの言うとおりだ。彼には決闘を申し込む権利がある。明日の祭典で二人は戦うのだ!どちらかが死ぬまでな」 つまり拙者がどう選択肢を選ぼうと、クレムトンとの戦いは避けられないわけじゃな。 拙者も傲然と決闘を受けてたつと、宣言をしてから、大騒ぎになった食堂を立ち去り、自室に戻る。
さて、ここからだが以前と同じ選択肢を選ぶのも芸があるまい。 そこで今回は大勢の奴隷たちが働く調理場へこっそりとしのびよる。 一心に聞き耳をたてるときれぎれに彼らの話し声が聞こえてくる。 「……でも彼は民衆をそそのかしているところを連中につかまって……」 「……メロンの蔵をほじくって、あれをすっかり見つけ出したそうだ……」 ふむ、きなくさい噂じゃな。はっきりとはせぬが、ミノスに反旗を翻す者どもがいるということか。(情報点4得る)
その後、拙者はアンドラの強引な誘いにのって舞踊会に出席する。ここは以前の冒険で暗殺者にやられたシーンだ。このまま進めては、殺されてまたゼウス神の厄介になる羽目になる。 アポロが守り神か、酒の神ディオニソスと有効関係か、という選択肢もあったが、残念ながらどちらも該当しない。そこでヒントを使うと、踊り手の一人のサンダルから刃が飛び出しているのに気づく。その踊り手がふいに拙者に蹴りかかってきた。 とっさによけたが、なんたること!暗殺者の蹴りはアンドラにあたってしまい、失敗した暗殺者は呆然とした群集を押しのけすばやく逃げ出してしまった。 アンドラは死んでいた。刃には毒があったのじゃ。目の前の女性を守れなかったとはなんたる不覚!(恥辱点2増える)
夕方になった。拙者は雄牛とびの訓練の続きをすべく、グラビアの待つ地下の訓練場に向かった。 「上出来よ。まだ貴方のお兄さんほどではないけど、優等賞はあげられるわ。明日の決闘をがんばりなさい」 夜も遅くなるほどの訓練のあと、ついにグラビアは拙者の胸に金の雄牛のブローチをつけて認めてくれた。(持久点5点、名誉点2点得る) しかし、いちいち兄者と比較しないで欲しいものである。 くたくたになって、自室のベットに横たわる。 明日こそデメテルの祭典。ミノスがアテネからの人身御供をささげる日だ。そして、拙者はクレムトンとの決闘が待っている。
by 銀斎
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