冒険記録日誌
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2009年07月08日(水) |
ウォーロック 第43号 1990年7月 |
安田均のコラム「ファイティングファンタジーの楽しみ方」がついに最終回。この時期のウォーロックでは、唯一のゲームブックの連載コラムだっただけに、この後はますますゲームブックとの縁切りが進んでいきそうで不安だ。 ウォーロックサロンのコーナーでは、「これからのゲームブックに何を望むのか」というお題で読者の意見を募集していた結果が出ています。 内容は、「面白ければ何でもよい」「迷路をなくしてくれ」という身も蓋もない意見から、「新鮮味が薄れているのでもっと目新しい作品を」というものや、「一つの共通の世界を作り、そこから複数の日本人作家が書いていく。日本人なのは、翻訳ものより文章が読みやすく、流行も追いやすいから」という和製ファイティングファンタジーのようなものを提案する意見までいろいろ。 しかし全体としては「最近のゲームブックは難しすぎる」「一度解くと二度と解く気になれない作品が多いので、何度でも遊べる作品を」「手軽に遊べるものを増やしてほしい。シンプルイズベスト」「初心者が入り込めない作品が増えている」「複雑なシステムや壮大なテーマが売りじゃなく、もっと日常的なテーマのゲームブックがあってもいい」「解くことじゃなく、読むことを楽しめる作品がいい」という、ゲームブックの内容がマニアックになったり、大作化する傾向を危惧する声が多かったようです。
それからこの号には、なんとゲームブック作品が2本も収録されていました。 一つはかねてより一般募集していた「2つの川の物語」の世界観を使ったゲームブックコンテストの入選作で、「ロスフィーンの涙」という作品。募集要項が原稿用紙20枚くらいと書いていただけあって、パラグラフ数はわずか40しかありません。 遊んでみると、非常にほのぼのまったりほんわかした雰囲気を感じさせる内容でした。ゲームオーバーはなく、昔のコマンド選択式の推理アドベンチャーゲームみたいなパラグラフ構造でして、選択肢を総当たりで選んでいけば必ずクリアできる作りです。 もう一つは「モラディリウス」という作品で総パラグラフ154。炎の魔法を使う聖戦士が魔界みたいな場所に飛び込んで悪魔と戦う話しで、ハードな世界観のようです。 作者が井上欣久という方ですが、これ創元推理文庫の第二回ゲームブックコンテストで入賞した井上欣久さんのことかな?創元推理文庫から「迷宮の魔剣」という作品が発売される予定だったのに、同社のゲームブックレーベルの打ち切りで日の目を見ることがなかった悲運の方です。 こっちはまだ遊んでいないのですが、使える魔法は炎に関連するものに統一された5種類があって格好よさげ。主人公は男と女のどちらかから選択できるようになっており、それによって主人公の立場やストーリー展開も結構変わってくるのが特徴のようです。
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