冒険記録日誌
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2002年12月01日(日) |
魔法使いの丘(スティーブ・ジャクソン/創元推理文庫) 冒険前夜 |
(ある冒険者の残した手記より)
今夜、俺は小さな小屋の中で、この日記をしたためている。 明日から俺は、はるか遠い───“シャムタンティの丘”を越え、“城塞都市カーレ”の橋を渡り、広大な荒地の“バクランド”の向こう───“マンパン砦”まで出向き、奪われたアナランドの宝「王たちの冠」を取り戻す旅に出るのだ。 それは、おそらく今まで経験したのどの旅よりも、格段に危険なものになるだろう。 それでも俺は失敗できない。そうなれば「王たちの冠」の力の加護を失った、アナランドの平和は間も無く崩壊する。 俺は戦士だから、面倒な魔法の復讐など必要ない。 これを書き終えたら。英気を養う為にすぐに毛布にくるまって寝るつもりだ。 机のそばの羊皮紙をチラリと見る。 俺がこの冒険に志願したときの試験の結果が書いてあった。
────── 技量点 9 体力点 18 運勢点 9 ──────
そう素晴らしい成績でもなかったな。しかし、能力値が高い奴が一番でもないだろう。 そう、選ばれたのは俺だ。必ず成功させるよ。 生きて帰ったら、ふふっ。この日記は吟遊詩人たちがさぞ読みたがって、奪い合いになるだろうな。
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