冒険記録日誌
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2002年10月29日(火) |
妖魔の森の冒険(武田邦人/朝日ソノラマ) |
あなたはもうすぐ16歳になる、勇気のある少年です。腕力には自信はないけれど、足の速さでは誰にも負けません。 16歳になれば、東の森へ狩りに行けます。 東の森―そこは異形の生き物が徘徊する場所です。あなたは、果たして妖魔を退治し、立派な騎士になることが出来るでしょうか?<カバーより抜粋>
「出発!スターへの道」に続く、朝日ソノラマのゲームブック(ハローチャレンジャーブックシリーズ)第2弾です。 やはり現代ものと違って、ファンタジーものは発売から10年以上たっても時代を感じませんね。 さていきなりですが、これはなかなかの良作です。 ただし選択肢を選ぶ以外のルールはありません。純粋な分岐小説タイプのゲームブックとしての評価ですが。 お話しとしてのイメージは、“まったり、リラックス”。 その理由は上の抜粋した文章のように、「〜ます」とか「〜でした」という小説の文体のせいもあるのですが、全体に牧歌的というかこのファンタジー世界の描写が心地よかったからです。 ストーリー的にも主人公は、村で成人に認められる16歳になったばかり。英雄でも天才でもないただの少年です。序盤の主人公は、武器ももたず他の村の大人達についていくだけの存在なのです。 それが、だんだん自らの力で行動をしようと自立していく様子が、それとなく描かれています。また冒険中に登場するキャラクター達も、個性は強くないのですが生活感が感じられ、読み進めること自体が楽しい作品でした。 バッドエンドですらそれも一つの結末として、スンナリ受け入れられます。
本書を例えるなら、指輪物語の第一部(の前半)を読んでいるような印象。 ハラハラドキドキの冒険を期待する人には、お勧めしませんが、たまにはこんな癒しなゲームブックもいいんじゃないでしょうか。
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