冒険記録日誌
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2002年03月31日(日) |
ラルハスの戦い(ハヤカワ文庫) |
グインサーガ。 それは世界でも類を見ない壮大なドラマと、魅力的な多くの登場人物。 さらに作者のクドイ程の後書きが有名な、現在も続いている大河小説です。 三国志とヒィロックファンタジーとSFが膨大な文章をかけて見事に融合。 しかも読みやすくて、執筆ペースが異常に速い。 指輪物語のような古典名作とは、また違った面白さがあるのは確かでしょう。
で、ゲームブックのブーム当時に出版されたのが本書。 グインサーガのゲームブックである「ラルハスの戦い」です。 ちなみに作者は栗本薫本人ではなく、多摩豊氏です。 主人公はパロの一田舎貴族に過ぎない、ラルハス君。 モンゴール軍に攻め込まれたその時のパロが舞台です。 モンゴール軍から逃亡中のナリス達と遭遇。敵国モンゴールまでスパイ活動に行ってマリウスとアムネリス達に会う。パロの古代機械で転送してしまい、ノスフェラスでレムス達に出会う。 と、設定生かしつつ、なんとかラルハス君が主要人物と接近する機会を作ろうと、苦心惨憺した様子がうかがえます。 実際、多摩氏本人の後書きによると、原作の設定を壊さずに、いかにラルハス君を小説の中に組み込むかが課題だったそう。 私のラルハス君はパロ王家に忠実な国民として、モンゴールで情報収集します。パロに帰ってきてナリスに報告。ナリスの微笑と感謝をもらい、再び平和な田舎で暮らします。HAPPY END。 物足りない・・・。 あくまでも一貴族のラルハス君。実際、活躍できる事なんてこんな所でしょうけど。ゲームブックは読者が主役。もっと目立った冒険がしたかったなー。 後、戦闘ルールがあるけど、そんなに戦闘もないのでこれはカットしてもよかったのでは。古代機械で転送するシーンは、今の小説の展開では矛盾してきたなぁ。なによりグインと会話するシーンがないぞ!グインに殺される事はできるけど。
と、いろいろ不満はあるけど、グインサーガは好きだから許しちゃいます。
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