暖かかった。春の陽だまり。僅かで穏やかな日々が永遠に続くなんて思ってなかったけど。ズルイよ。こんなのってヒドイよ。春風と陽だまりは吹き抜ける冬の木枯らしと凍てつく日蔭に様変わりした。中途半端な春だったのなら要らなかった。暖かく抱かれた赤ん坊を崖に突き落とすが如く、それは残酷で。迷い込んだ冷たい迷宮から出口を探す。永遠に涙を流しながら・・・。