ぐっどないとみゅうじっく
もくじきのうつぎの日社会の窓

林矢子ニューアルバム『唄箱』発売中!特集ページはこちら


2003年05月30日(金) 夜行性の生き物3匹〜ゆらゆら帝国@恵比寿ガーデンホール〜

 夜からゆらゆら帝国@恵比寿ガーデンホール。開演前、Iさんに7月の極東最前線のチケット譲ってもらう(ありがとう!)。ガーデンホールは初めてと思っていたけど、4、5年前にFatboy Slimを見た所だった。だだっ広い高級な体育館のよう。
 幕が開き、しばらく3人セッティング。いつも以上にもっさり爆発ヘアーの慎太郎。どうやったらあんな風にできるのだろう。『午前3時のファズギター』でスタート。恐竜の雄叫びのようなギターソロ。暴れまくる慎太郎の影がホールの左の壁に妖しく映し出される。右の壁にはうつむき加減の千代さんとイチローさんの姿。続く『ハラペコのガキの歌』『誰だっけ?』などはアルバムとまったく違う曲に聴こえた。次の『侵入』。アルバムにはライブでの張りつめた空気が録音されてなく少々がっかりしたけど、ライブでは聴く度に凄味を増す。バスドラが鼓動のようにホールに響き渡る中、エフェクトで増幅された残響音がホールのあちこちに飛び散る。慎太郎が「シャキーン」と色んな方向に手を上げてギターを弾く姿はまるで、仮面ライダーの変身ポーズのようだった。

 前半のハイライトのような『無い!!』。まばゆい光の中、浮遊感を持たせながら何かが終わってゆくように疾走して行く。『バンドをやってる友達』『恋がしたい』はやはりアルバムのイメージが強すぎて、散漫な印象。それが良さでもあるのだけど。でも、『恋〜』のギターソロはあまり話さない人が、少しずつ話し出したような素敵なソロだった。『ドア』は胸の中の切なさを鷲づかみされる。『貫通』ではノイズが1部、中盤にあるのだけど、1部というよりこのノイズの為の曲のようだ。向井秀徳がHPで「このままでは癲癇(てんかん)を起こしかねない」(4/11分)と感想を書いていたがまさにその通り。どうなるものかと光を見つめていたが、僕の身体には何も起こらず。それでもあの爆音は発光体から出て来た違う星の生き物3匹の会話を聞いているいるようだった。

 「さっき傷だらけのギターの歌詞間違えてすいませんでした」と律儀なMCを挟んで後半。『ボタンが一つ』は慎太郎の朴訥な歌い方が何とも印象的。その後は『わかってほしい』『発光体』など『3×3×3』のアルバムの曲を中心に盛り上がりは最高潮に。千代さんがいつも以上にブンブンとベースのヘッドを揺らしていた。中でもその『3×3×3』は何回も聴いているものの、初めて聴いた時のような衝撃が脳に再び起こる。大袈裟に言えば、この曲はゆらゆら帝国の決意表明みたいなもので、この3人でやって行くことを表しているものだと僕は解釈している。メンバーを想定して曲が書けると、圧倒的にバンドの音や結束力が高まる。それがアルバム『Are You ra?』と『3×3×3』の決定的な違いだと思う。
 「熱唱しますので聞いてください」とMCの後、ラストに『星になれた』。心からいい曲だなぁと思う。彼らの曲をこんな泣いてしまうような気持ちで観るとは以前は夢にも思わなかったが、それが当たり前のようにそこにある。それは曲調云々ではなく、彼らが最初から持っていたものなのだろう。
 童話のようなもの悲しさと漫画のような馬鹿馬鹿しさが、押し寄せてくるようなライブだった。

セットリスト

1.午前3時のファズギター
2.ハラペコのガキの歌
3.ハチとミツ
4.誰だっけ?
5.侵入
6.無い!!
7.バンドをやってる友達
8.ドア
9.恋がしたい
10.傷だらけのギター
11.夜行性の生き物3匹
12.貫通
13.ボタンが一つ
14.わかってほしい
15.昆虫ロック
16.ラメのパンタロン
17.発光体
18.つきぬけた
19.3×3×3
20.ゆらゆら帝国で考え中
21.星になれた


臨月 エイジ |お便り気付かない細道へ向かえ旧ぐっどないみゅうじっく

日記圏 日記リンク


My追加